2019年10月29日公開
2019年10月29日更新
【エヴァンゲリオン】赤木ナオコはどんなキャラ?綾波レイとの関係や名言・声優も紹介
1990年代に大ヒットしたアニメエヴァンゲリオン。テレビ放送から25年以上が経ってもまだなお、話題になり続ける作品ですが、実はキーマンの一人でもある赤木ナオコについて、よく知らないという方もいるのではないでしょうか?赤木ナオコとはいったいどんな人物か、名言を振り返ってみます。また、赤木リツコや綾波レイとはどんな関係なのか、そして声を担当する声優さんについても紹介します。
赤木ナオコはどんなキャラ?
新世紀エヴァンゲリオンの作品情報
新世紀エヴァンゲリオンの概要
新世紀エヴァンゲリオンは、GAINAX(TV版放送当時)制作のアニメ作品です。全26話で、1995年10月から1996年3月にかけて、テレビ東京系列で放送されました。放送当時の少し先の未来で起きる大災害「セカンドインパクト」後の「第3新東京市」を舞台に、汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった主人公の碇シンジを初めとする14歳の子どもたちと、襲来する巨大な敵「使徒」との戦いを描きました。
放送中よりも終了後になってから、議論が交わされるほど話題になり、テレ東ネット局以外の地方でも相次いで放送され、全国で大ブームになりました。1997年、エヴァンゲリオンのTVシリーズ版の結末とは、違う結末を描いた劇場版「Air/まごころを、君に」(第25話、第26話)が公開され、こちらも物議を醸しました。声優さんも有名な方が多く出演しています。
テレビアニメを先行して1994年12月に、月刊少年エースで貞本義行さんによるエヴァンゲリオンの漫画の連載がはじまりました。こちらは連載開始から18年後の2013年6月に連載が終わっています。その後、2014年11月に単行本が発売され、全14巻で完結してます。アニメと全く同じストーリーと言うわけではなく、エヴァンゲリオンのTVシリーズと旧劇場版コミカライズ作品として、貞本さんの解釈等が加わっているものです。
その他、2006年にはエヴァンゲリオンを新しい設定で再構築した「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの制作が発表されました。こちらは全4作となっており、2007年に第1作「序」2009年に第2作目の「破」、2012年に第3作目の「Q」が公開されています。次の第4作目は、2020年「シン・エヴァンゲリオン劇場版」として公開する予定だと発表されています。
新世紀エヴァンゲリオンのあらすじ
エヴァンゲリオンの物語の舞台は、西暦2000年、9月13日に起きた大災害、セカンドインパクトからはじまります。セカンドインパクトによって、世界の人口の半分が失われました。その15年後の2015年、主人公の碇シンジは、別居中の父で特務機関NERV(ネルフ)の総司令、碇ゲンドウから突然呼び出されます。そして14歳にして、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(エヴァ)初号機のパイロットとなるように命じられます。
使命は、エヴァンゲリオンに乗り、第3新東京市に襲来する、巨大な敵「使徒」と戦うことでした。ゲンドウの命令とはいえ躊躇っていると、エヴァ零号機のパイロットの綾波レイが怪我をしているのを目の当たりにし、仕方なくエヴァに乗り使徒との戦いを重ねていきます。戦闘の指揮官で、保護者代わりに生活を共にするようになった葛城ミサトの他、同級生の鈴原トウジ・相田ケンスケたちとも交流を深めていきます。
少しずつ、シンジも自分の意思でエヴァンゲリオンに乗るようになっていきます。復帰した綾波レイともに第5の使徒を倒したあと、今度はドイツから来日したエヴァンゲリオン弐号機のパイロット「惣流・アスカ・ラングレー」が仲間に加わります。襲来する使徒と戦う中、シンジの心を揺るがす様々な事件が起こっていきます。
ある日、米国からNERV本部へと移管されたエヴァ3号機の起動実験の際、3号機が暴走をはじめたため、ゲンドウは3号機を使徒に寄生された「敵」として処理することになります。綾波レイの零号機とアスカの弐号機が倒れても、シンジは人間の乗っているエヴァとは戦えないと躊躇したところ、ゲンドウが自律型操縦システム「ダミーシステム」を起動させてしまいます。
シンジの意思に反し、初号機は3号機のコックピットであるエントリープラグを握り潰しました。その時、シンジは友人の鈴原トウジが乗っていたことを知るのです。自分の意思ではないとは言え、自分が乗っていた初号機のせいで友人が大怪我を負ってしまい、シンジはエヴァのパイロットを辞めてしまいます。その後もますます強大な使徒が現れる中、迎撃した弐号機、零号機も倒されてしまいます。
シンジは再びエヴァに乗りますが、次の戦いではアスカが、そして綾波レイも自爆し、次々とシンジは仲間を傷つけられ、失っていきます。そこに現れた新しいパイロット、渚カヲルとの対話で、シンジはカヲルに対して心を開いていきますが、彼こそが最後の使徒だったのです。果たして最後はどのようなラストになるのか。TVシリーズ、劇場版ではそれぞれ違う展開となっています。
赤木ナオコのプロフィール
まず、赤木ナオコの娘である赤木リツコについてです。ネルフ技術開発部技術第一課に所属しています。碇シンジや綾波レイが乗るエヴァンゲリオンの開発や、スーパーコンピューターシステム「MAGI」の管理や運営システム管理を担当し、使徒襲来時にもその優秀さを発揮している女性科学者です。赤木ナオコは赤木リツコの母親で「MAGI」の開発者です。生年月日は1960年8月4日。
シンジが綾波レイとエヴァンゲリオンに乗る5年前、NERV内部の人工進化研究所にて働いていた赤木ナオコはマギシステムを完成させます。MAGIについてはこのあと詳しく説明しますが、赤木ナオコは娘の赤木リツコがそのMAGIを引き継げるほど有能であると認めながら、とある出来事のあと投身自殺してしまいます。こちらも後述します。
赤木ナオコの性格
娘の赤木リツコは彼女の祖母に預けられていて、赤木ナオコは研究に没頭していました。赤木リツコとは、主に手紙での交流をしてきました。セカンドインパクト後にジオフロントに置かれた人工進化研究所でゲンドウの元で働き、そののちにMAGIシステムを開発します。夫(赤木リツコの父親)はアニメには出てきていません。その頃、ゲンドウとは愛人関係でした。
赤木ナオコは科学者としては優秀であり、その才能を発揮したからこそMAGIは生まれたと言えますが、その一方で女を捨てられず、母親にもなりきれなかった事がうかがえるエピソードは、後ほど紹介します。
赤木ナオコが開発した「MAGI」
赤木ナオコが開発したスーパーコンピュータ「MAGI(マギ)」。ナオコは2005年には「MAGI」の基礎的な理論は完成させていましたが、本当の完成まではさらに5年をかけ、2010年に完成しています。このMAGIは、NERV本部内の、第一発令所司令塔基部に設置されていて、NERV施設全般の稼働運用、それからエヴァに対するサポートなどに利用されています。マギシステムの声優は、綾波レイも担当する林原めぐみさんです。
計り知れない性能を抱えたMAGIには人格移植OSが組み込まれていて、彼女の人格がベースになっていました。人格移植OSとは、ナオコによると、人間の持つジレンマをあえて残したということです。MAGIシステムは、カスパー、バルタザール、メルキオールと名付けられた独立した3つのシステムから構成されています。システムの名前は、新約聖書に登場する、キリストの生誕を祝うためにやって来た「東方の三賢者」が由来です。
この三つのシステムに、「科学者」「母親」「女」というそれぞれのナオコの思考パターンが反映されていることで、通常のコンピューターとは異なる判断が可能なのです。具体的には、この3つのシステムがそれぞれをし判断し、多数決で意思決定をするという仕組みです。その3つのシステムのうち、1つから提案された議題について、それぞれのシステムの意見が対立する場合もあります。
赤木ナオコの最期や死亡
こちらも詳しくは後述しますが、MAGIが完成したその日、ゲンドウが連れてきた幼い綾波レイからかけられた言葉に逆上し、その後赤木ナオコは発令所からMAGIに向かって身を投げました。MAGIの格納庫の内部には、たくさんの裏コードが貼付けてあり、これは後にある戦いの手助けになります。他には、「碇のバカヤロー」と書かれた付箋も貼られていました。
赤木ナオコと綾波レイや冬月コウゾウの関係
赤木ナオコと綾波レイの関係
ナオコらがNERVで科学者と働いていた2004年に、碇ゲンドウの妻で主人公シンジの母・碇ユイは事故で帰らぬ人となりました。当時からナオコはゲンドウに好意を持っていましたが、その後の2008年には早くもゲンドウと男女の関係となっています。そして2010年、ナオコの手によってMAGIが完成した頃に、知人から預かっている子として、ゲンドウが1人の女の子を連れてきました。
それが綾波レイでした。ある日、レイが迷子になってやってきます。ナオコは優しく一緒に出ようと声をかけますが、レイはそれを断り、あげく「婆さん」と呼びます。口の悪い子どもだと思いますが、実はナオコを「婆さん」と呼んでいるのはゲンドウだったことを悟ります。ゲンドウはナオコには特に愛情を持っておらず、その愚痴をレイに吐き出していたのでした。これがさきほどの事件のきっかけとなります。
レイを一目見たときに、ナオコは、レイにユイの面影を感じていました。そしてレイについて調べるのですが、その時にレイに関する記録が一切残っていないことを知るのです。そこで、レイがクローンだということを知ったのではないか、とも言われています。
赤木ナオコと冬月コウゾウの関係
冬月コウゾウが大学で働いていた1999年、知人の教授から紹介されたのが、シンジの母親ユイでした。冬月が問題のある学生として認識していたゲンドウと、ユイはこの頃から交際していました。セカンドインパクトのあとに会うと、ふたりは結婚し、子どもが生まれるのだと聞かされ驚きます。セカンドインパクトの本当の原因を探っていた冬月は、ゲンドウが何か知っていると感づき、彼が所長をつとめるゲヒルンに向かいます。
そこには赤木ナオコも働いており、MAGIシステムの開発にとりくんでいました。細かい説明はありませんが、冬月とはすでに顔見知りである事がわかる台詞があります。娘の赤木リツコも、まだ学生ながら携わっていました。そのリツコをその場に留め、ナオコとゲンドウは、冬月を地下に案内します。そこにあったのは、冬月が探していた光の巨人で、それはエヴァ零号機のプロトタイプでした。ゲンドウは、冬月をゲヒルンに誘います。
赤木ナオコと赤木リツコの関係
赤木リツコは、友人でその後同僚となるミサトのことを母に、そしてナオコはゲンドウや妻のユイのことなどを娘にと、手紙でやりとりしていました。ナオコは母親らしいことは何もしていないという自覚はありました。リツコはMAGIが完成した後、ナオコのそばで働き始める事になりますが、母親とゲンドウが男女の関係であると気づいた直後にナオコは死亡。母親の思考を持つMAGIを、そのまま引き継いでいくこととなります。
ゲンドウと赤木リツコの関係
リツコは、母のナオコが科学者として優秀で、尊敬する存在であったと同時に、自分の母親としては物足りない関係であったという、複雑な感情を併せ持っています。そしてさらにゲンドウとは愛人関係であったことを知っていました。ゲンドウは、そんな娘のリツコとも関係を持っている事が物語の最初からもうかがえますが、第弐拾参話では多くの人が気づく描写があります。
赤木ナオコの名言集
赤木ナオコの名言①「あんたなんか、あんたなんか死んでも…」
赤木リツコの名言を紹介します。一つ目の名言は、第弐拾壱話「ネルフ、誕生」でのナオコの言葉です。先ほど紹介した綾波レイとのエピソードで、「婆さん」と呼ばれたこと、しかも、ゲンドウの亡き愛妻である、碇ユイの面影をもった綾波レイからその事を聞かされたことで、逆上してしまいます。
衝動的にレイの首に手をかけ、「あんたなんか、あんたなんか死んでも変わりはいるのよ、レイ」「あたしと同じね」と名言を残し、絞殺してしまいます。この台詞は、第拾九話での「2人目の」レイの名言である、「私が死んでも代わりはいるもの」というセリフへ繋がります。
赤木ナオコの名言②「私の願いそのままに…」
赤木ナオコの名言、二つ目です。シンジの母、ユイは、エヴァの接触事故で消滅してしまいます。そのあとにナオコがゲンドウに言う名言です。愛人のゲンドウに、妻のユイが消えてしまったことについて「私の、願いそのままに…」と言ってしまうことについては、自分でも「嫌な女…」とこちらも名言の台詞を続けています。
赤木ナオコのアニメ声優
土井美加のプロフィール
赤木ナオコの声を担当する声優さんは土井美加さんです。宮城県仙台市の出身で、1979年に文学座の演劇研究所を経て劇団昴に入団、並行して声優としてのお仕事もはじめ、その後は舞台女優として主に活躍しながら、声優、ナレーターのお仕事をされています。
土井美加の主な出演作品
土井さんは声優としてたくさんのキャラクターの声を担当していますが、特に「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の早瀬未沙は、声優のキャリアの中でも多くのファンの印象に残っているキャラクターです。その他にアニメ声優として「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」の高荷恵、アニメ「ONE PIECE」のコビーなどの他、ジュリア・ロバーツの吹替え声優なども担当しています。
赤木ナオコに関する感想や評価
エヴァ再放送。何年か前にもツイートしたけど。私はエヴァは昼ドラだと思って見ている。娘を捨て、男を選び、母親より女であることを選んだ赤木ナオコ。夫を捨てて息子を選んだ碇ユイ。親たちの泥沼な人間関係を背景にシンジを見ていたリツコが結末に向けてどんどん壊れてゆく心理描写が見所でした。
— 高凪@はいきゅーがすきだ (@takaath) October 14, 2016
エヴァンゲリオンは人物描写も細かく、赤木ナオコや碇ユイにスポットを当てると、昼ドラのようだという感想でした。14歳の少年が主人公ですが、大人達の物語としてみることもできます。
1122の感想をブログに書こうと思った時に「どう書こうかな?」と思ったら、エヴァンゲリオンのマギシステムの説明が一番しっくり事に気づいた。
— 三沢文也a.k.a.青二才 (@tm2501) December 25, 2017
・科学者としての私
・母親としての私
・女としての私
…この3人がいるけど、結局赤木ナオコの場合、女としての私が一番強かったというね…うん。
例えとしてですがエヴァンゲリオンのマギシステムについての説明となっています。赤木ナオコは三つの自分をマギシステムに組み込みましたが、女としての私、が一番強かったのでは、ということです。
今だから言えますが、あの場所に立って見下ろしたとき、ゲンドウから見えるあの場所から赤木ナオコ(リツコの母)が身を投げた気持ちが、エヴァを見て23年目にしてなんとなく腑に落ちるという、不思議な体験をしました。 pic.twitter.com/TU74d77jR4
— 森川嘉一郎 (@kai_morikawa) December 31, 2018
パリで開催された展示についてのツイートですが、エヴァンゲリオンの発令所のような展望台から、赤木ナオコの気持ちを思ったとのことです。最初にみてから、23年の時が経っても印象に強く残るアニメだとも言えます。
赤木ナオコについてまとめ
赤木ナオコについてまとめました。赤木リツコは登場シーンも多いですが、母である赤木ナオコについては、はっきりと描かれていないこともあります。ただ、エヴァンゲリオンの中では重要な人物の1人であり、赤木ナオコやMAGIについても詳しく知ることにより、さらに物語を楽しむことができます。再度エヴァンゲリオンの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?