【鬼滅の刃】下弦の壱・魘夢（えんむ）の強さと人物像を考察！眠りを司る能力とは？

本記事のテーマ「魘夢」の話題に入る前に、アニメ『鬼滅の刃』の作品情報をお届けします。まずは、作品の概要とあらすじを説明します。

『鬼滅の刃（きめつのやいば）』は吾峠呼世晴による漫画で、2016年11月より「週刊少年ジャンプ」で連載が開始されました。単行本では、2019年4月現在で15巻まで上梓されています。またテレビアニメ化もされ、2019年4月よりTOKYO MXなどで放送されています。

重苦しいムードや人間の暗黒面に重きを置く”ダークファンタジー”に分類され、全体的に流血シーンや体の一部を切断されるなど残忍な描写が多いのですが、対象となる鬼の決して死なない性質を利用して、恐怖を通り越して可笑しくなるような描き方がされることもあります。

初期の頃のエピソードでは暗鬱になる雰囲気が支配的でしたが、その後の展開ではシリアス一辺倒な路線から一転、明るくコミカルな描写が多くなってきています。鬼気迫る張り詰めたシーンであっても随所にユーモアが散りばめられており、殺伐としていても一息つける和やかな場面が用意されています。

『鬼滅の刃』の時代設定は物語の開始初期より大正時代とされています。正確な年代は明らかにされていないものの、炭治郎が新人隊士の登用試験である最終選別に臨んだ時に遭遇した鬼のセリフから推測すると、物語のはじまりは大正元年か大正2年(1912年か1913年)ごろ、最終選別は大正3年(1914年)頃となります。

当時の国内外の情勢に目を向けると、日本はイギリスと同盟関係を結び、第一次世界大戦が勃発・参戦していた頃と重なります。

また、『鬼滅の刃』は絵や色彩・笑いなど様々な面で独特な魅力を持っていると言われ、同じジャンプに連載する漫画家からも「日本的美学を描いている」と称賛の声が寄せられています。多くの読者からの熱烈な支持を得て、単行本は2019年3月現在発行部数450万部を超える大ベストセラーになっています。

『鬼滅の刃』の舞台は今から100年ほど前の大正時代。主人公の竈門炭治郎は未だ童顔の残る少年です。しかし一家を支えていた父が亡くなったため、幼い妹や弟たちを養うため朝から晩まで働いています。炭治郎の仕事は、山で木を伐採しそれを炭にして売り歩くというものでした。

ある日、いつも通りに炭を売るため街へ出掛けた竈門炭十郎でしたが、その日は売りさばくのに時間がかかり、仕事が終わったときにはすでに辺りには夕闇に覆われていました。夜道を1人帰る炭治郎に、ふもとに住む顔なじみのおじさんが声を掛けてくれました。「人食い鬼が出るから今日はうちに泊まってけ」。仕事の疲れもあり、炭治郎はおじさんの言葉に甘えて泊まっていくことにします。

ところが、翌朝炭治郎が自宅に帰ると、家の周りは血の海となっていました。何と、家族が鬼に襲われてしまったのです。しかも妹の禰󠄀豆子（ねずこ）に至っては、鬼に姿を変えられていました。炭治郎をみると恐ろしい形相で襲いかかって来ました。

そこへ鬼退治を専門とする組織、鬼殺隊の剣士・冨岡義勇が登場します。彼の標的は鬼と化した妹・禰󠄀豆子でした。身を挺して妹を守ろうとする炭治郎。しかし鬼殺隊の剣士・義勇に敵うはずもありません。

ところが、ここで予期しない事が起こります。地面に倒れた炭治郎を鬼の禰󠄀豆子が必死になって守ったのです。一般的に禰󠄀豆子のようにケガを負った鬼は、肉親であっても喰らいついて栄養分を補給し傷を回復させようとします。しかし禰󠄀豆子は兄に食らいつくのではなく、命を守ろうしました。

百戦錬磨の冨岡義勇でしたが、そんな光景を目撃するのは初めてです。「普通の鬼とは何かが違う」と悟った義勇は、炭治郎と禰󠄀豆子を生かすことにします。ここから、妹・禰󠄀豆子を人間に戻すため竈門炭治郎のいつ終わるとも知れない旅が始まります…。

ここからは、本記事の主役である下弦の壱・魘夢の情報をお届けします。魘夢（えんむ）とは、『鬼滅の刃』登場人物の1人で十二鬼月の下弦の壱に就いている鬼です。一見では和やかな表情をした洒落た洋服が似合う青年です。 鬼舞辻無惨が招集した5人の下弦の鬼の1人としてお目見えしました。

ところが、下弦の伍であった累が倒されると、下弦は解体するという宣告が下されます。下弦の鬼たちが次々に消されていく中、最後に残ったのが魘夢でした。鬼舞辻から辞世の句を問われた魘夢が口にしたのは、『貴方様直々に手を下していただけるとは夢のよう。他の鬼達の断末魔を聞けて楽しかった』です。

下弦の壱・魘夢には、普通鬼が持っている角などは見られず、外見は至って普通の人間でした。人との違いと言えば、顔色が死人のように白く不気味であること…。ただしその本性は「不幸に打ちひしがれて苦しみ踠（もが）く奴を眺めてると楽しい」と平然と言ってのける冷酷なもので、血鬼術の能力を使って他人の心を弄ぶ下衆（げす）の極みです。

魘夢は人間に幸せに満ちた夢を見せた後で、悲惨極まりない悪夢に陥れます。幸不幸の落差を大きくして絶望の度合いを深め、人間が苦しむ姿に喜びを感じる真のサディストでした。人間を露骨に見下し、人間は彼にとって単なる使い捨ての道具であり餌でしかありません。また、控えめの風貌や陰湿なイジメに加えてかなりの野心家。上弦の鬼に決闘を申し込み、自身が上弦の鬼に成るために術数権謀を弄します。

『鬼滅の刃』のパロディ作品「キメツ学園」に、魘夢は「魘夢民尾」と名を変えて登場します。この 魘夢民尾は、汽車と合体したという逸話を持ち、鉄オタと呼ばれ以下のような酷い扱いを受けます。

• 魘夢民尾のせいでよく電車が遅れる
• 鉄道に対して変態行為を繰り返し、前科六犯となった
• 人の迷惑になる言動が多く、鉄道ファンからも嫌われている
• 愛用するカメラも盗んだもの

電車で変態行為をしているところを、通学中の竈門炭治郎に取り押さえられてしまいます。ところが捕まった後も尻を出すことに固執すると言った、本家本元とはまた一味違った異常性を披露しています。

「眠りと夢」を司り、下弦の壱を仕切っていた鬼の魘夢。炭治郎にとってかなり強力な敵であったと評価されています。それでは、下弦の壱・魘夢の強さについて考察してみましょう。

魘夢の能力、強制昏倒睡眠・眼とは、狙った相手を強制的に眠らせて倒してしまう攻撃方法です。この能力にかかった者が解除するには、夢の中で自分の首を斬ることが必要とされます。ところが、これが簡単にはいかずかなり厄介なのだそうです。

強制昏倒睡眠・眼の強さは、何と言っても現実に夢を織り交ぜて相手が錯覚するように仕向けるところにあります。この能力は敵を以下のような状態にします。まず夢に落ちている時は、一刻も早く自分の首を刎（は）ねるべきだと考えてしまいます。また、起きている時には、自分の首を刎ねてはならないと考えます。

強制昏倒睡眠・眼の奥義は、この2つの状況を次々に入れ替え、相手が夢と現実の区別がつかなくなることで、自分で自分の首を刎ねるように仕向けることです。こうした戦い方はバトル漫画としてはかなり特異で、マニアをも唸らせる類の強さだと言われています。

非常にシンプルでありながら、厄介な能力である血鬼術。この能力を使った戦いを見て『鬼滅の刃』ファンになった読者も少くないと言われています。この戦いで魘夢を撃破した炭治郎は上弦との戦いに進んでいきますが、魘夢が炭治郎にとって侮れない強さを持つ敵であったことは間違いなさそうです。

続いて下弦の壱を仕切る魘夢の人物像を解説します。まず、炭治郎と魘夢の戦いはコミックス7巻で詳しく描かれています。これまでのバトル漫画の常識を覆す工夫が至る所に施されていると評判です。

また、魘夢の外見は上の画像を参照願います。見た目はかなり大人しくなよなよした雰囲気をしていますが、その性格は「不幸に打ち拉がれて苦しみ踠（もが）いてる人間を眺めるのが楽しい」というように極めつけのサディストと言えるでしょう。

また、幸せな夢を見せた上でどん底へと突き落とす手法を好むところから、相当ひねくれた性格をしていると想像できます。しかしながら、鬼舞辻に下弦の鬼が招集された時、唯ひとり生き残ったことを考え合わせると、この歪んだ性格が魘夢の強さの所以だと言えるのかも知れません。

下弦の壱を仕切る魘夢が上弦の鬼にステップアップするためには、上弦の鬼の末席との優劣を確定する「入れ替わりの血戦」で勝利を手にしなければなりません。ここからは、魘夢と上弦の陸の堕姫・妓夫太郎ではどちらが強さで優位に立つのか予想していきます。

魘夢は練り上げた戦略を実行するあたり、決して気を緩めることはなく慎重に事を進めていきます。下弦の壱の魘夢はとても狡猾な性格をしているのです。相手に気付かれることなく確実に息の根を止められる方法であれば、仮に多少の困難を伴うことでも積極的に取り入れてきました。

炭治郎たち鬼殺隊との戦闘に際しては、かなり面倒な作業も厭わず行っています。遠くからでも血鬼術を発動できるよう、列車の切符に自身の血を付けておいたのです。彼が「入れ替わりの血戦」で堕姫・妓夫太郎と戦うのであれば、炭治郎たちとの決戦同様、用意周到に準備を行うと考えられます。

下弦の壱・魘夢が炭治郎たちの殺害に動こうとしたとき、鬼舞辻無惨は魘夢を含む下弦の鬼たちを招集します。鬼舞辻無惨は、集まった鬼たちを一瞥すると弱くて役に立たないと判断、容赦なくなぶり殺しにしていきます。

そんな中、唯一魘夢だけは無惨を恐れることなく尊崇しているように映りました。無惨は、魘夢が他の鬼たちと違うことを見抜くと、自身の血を分け与えました。こうして魘夢は、無惨の血を貰い強さを増したのです。

その時無惨は、炭治郎を殺せばさらに血を与えて強くしてやると魘夢に約束します。炭治郎殺害が成功し約束通りになれば、堕姫・妓夫太郎と戦う魘夢の力はとてつもなく強くなることでしょう。

ところで、このあと魘夢が戦う相手、妓夫太郎には幻術が効くのでしょうか？魘夢の幻術は、精神力の強い人間には効かないという特質があります。例を挙げれば、炭治郎に効かなかったのは言うまでもなく、彼の仲間である我妻善逸や嘴平伊之助も強い精神力を持った人間であったため、魘夢が夢に送り込んだ刺客を撃退しています。

上弦の陸の堕姫や妓夫太郎も精神力が強ければ、炭治郎たちとの戦いの二の舞になってしまうかもしれません。しかし、貧しい遊郭の最下層の家に生まれた2人には、幾度となく人に殺されかけたという暗い過去があります。

悲惨な幼児期の影響から妓夫太郎は幸せな人間を許せない心の狭い人間になってしまい、堕姫は自分を守ってくれる妓夫太郎と永遠に一緒にいたいという願望を抱いています。このようの心に闇を抱えた堕姫と妓夫太郎であれば、あるいは魘夢に幻術の餌食になってしまうかも知れません。

『鬼滅の刃』魘夢特集の最後に、魘夢に関する感想や評価を紹介します。最初は、魘夢の陰湿な戦い方が好きだと言う方です。

魘夢の幻術は、敵の夢の中に入って行き幸福な夢に誘（いざな）った後恐ろしい夢を見せる能力です。一気に奈落の底へ突き落すというシチュエーションは、M系の方にはたまらないのかも知れません。

『鬼滅の刃』魘夢に関する感想・評価、続いては魘夢がそれほど悪辣な人間ではないのでは？という方です。魘夢は単に敵を倒す合理的な手段として術を繰り出したのだと主張、「さん」付けをしているところから熱心なファンなのでしょう。

次の方も魘夢ファンのようです。ところが私の好みにドストライクすぎて辛いとも語っています。敵キャラ好きになると、毎回見ていて複雑な思いするのだそうです。

最後は、魘夢の術に関する感想です。魘夢の術は決まれば必殺技となる能力ですが、難儀な点もあると言います。

夢の中で術を仕掛ける時は無防備なので一人では危険だし、完了するまで邪魔が入らないようにしなければならないようです。

ここまで、「下弦の壱・魘夢（えんむ）の強さと人物像を考察」と題して魘夢に関する情報をお届けしてきました。最後に本記事を箇条書きでまとめてみます。

• 魘夢は、十二鬼月の下弦の壱の鬼の一人
• 普通鬼が持つ角はなく、外見は普通の和やかな表情をした青年
• 人間が苦しむ姿に喜びを感じる真のサディストで、それが強さの理由
• 『鬼滅の刃』のパロディ「キメツ学園」のキャラ・魘夢民尾が電車で変態行為をしていたことから「鉄オタ」と呼ばれる
• 狙った相手を強制的に眠らせて倒してしまう能力「強制昏倒睡眠・眼」の使い手
• 無惨から血を貰い強さを増している
• 妓夫太郎に魘夢の幻術が効く可能性もある