【魔法使いの嫁】シルキーは昔バンシーだった？銀の君の過去・正体をネタバレ

アニメ「魔法使いの嫁」は、男女問わず幅広い層から絶大な支持をうけている作品です。人外と少女のラブストーリーという大胆なキャッチフレーズと、イギリスを舞台にしたファンタジーの世界観に多くの人が魅了されています。「魔法使いの嫁」はどのような作品か、作品概要とそのあらすじについて紹介します。

「魔法使いの嫁」はヤマザキコレ先生によるファンタジー漫画で、2014年１月号から「月刊コミックブレイド」で連載が開始されました。2014年９月には漫画配信サイト「MAGCOMI（マグコミ）」と「月刊コミックガーデン」で同時連載中で、2019年５月現在も連載は続いています。2015年にはこのマンガがすごい男編で2位となり、書店員が選んだマンガランキングでは1位をとりました。

2016年には「魔法使いの嫁　星まつ人」のオリジナルアニメが3部作で作られ、コミックスの特装版DVDになったほか、イベント上映もされます。2017年10月にはテレビアニメ化され、2018年3月まで放送されました。

人ならざるものを見聞きすることが出来る羽鳥智世（はとりちせ）。生まれつき持っていたその能力のため、人から不気味がられ父親が弟だけを連れて家を去ってしまいます。残った母親は精神的に追い詰められてしまい、智世と心中を図りますが智世を残し自らの命を絶ちます。絶望と孤独の中、生きる意味を失った智世は謎の訪問者の誘いもあり、自らをイギリスで行われる闇のオークションへと差し出します。

オークションで智世を落札したのは、角の生えた頭蓋骨の頭をしたエリアス・エインズワースという人外の魔法使いでした。自分の弟子にするため買い取ったというエリアスにチセと名前を伝えると、エリアスはオークション会場からイングランドの端の田舎の自宅まで、魔法を使い一気に移動します。エリアスはチセを家族として迎えいれました。

なぜ自分を落札したのか理由を尋ねると、チセは「夜の愛し仔（スレイ・ベガ）」だと言われます。スレイ・ベガは人外などのあらゆるものを引きつけ捉えるという性質があり、妖精などから助力を得て魔法を発動する魔法使いに適した素質が備わっている存在だと言われます。そして弟子という立場だけではなく、自分のお嫁さんにするつもりだとチセに伝えます。

チセは居場所と生きる意味を与えてくれたエリアスを慕い、魔法の修行を始めます。魔法の修行を行うことは、生きているだけ際限なく魔力の吸収と再生が行われ、肉体が耐えられなくなることで若くして命を落とすというスレイ・ベガの特性と運命から、自分の身を守るためでもあります。今のままでは3年しか生きられないという過酷な運命と向き合い、様々な人と出会うことで成長していきます。

ここからは「魔法使いの嫁」に登場し、エインズワース家の家事を担いメイドのような存在のシルキーについて、ネタバレを含みながら紹介していきます。シルキーは寡黙で真面目な性格をしており、家事をこなすとともに家に住む人たちに尽くしています。まずはシルキーの基本情報として、どのような立場で何をしているキャラクターなのか、基本情報の紹介です。

シルキーは「魔法使いの嫁」の主人公であるチセと家の主人であるエリアスと共に暮らす同居人です。同居人といってもただ一緒に暮らしているのではなく、家の守りびとであり女主人でもあります。エリアスが住む前から家に住み着き家を守ってきた家事妖精（ブラウニー）です。そのため、エリアスに従っているわけではなく、本人の意思で家事をしていますし立場も対等です。

そのため、シルキーを怒らせると相手がエリアスであって家から追い出されたり、ハンマーを手におどすような素振りをすることもあります。家の守りびとの能力として、家の壁紙を魔法で変えてしまうこともできます。作中でも家を大事に扱う姿が多く見られます。

家事妖精ということもあり、家の中はいつも清潔に保たれ、掃除、洗濯、料理、裁縫となんでもこなすシルキーですが、特に料理に関しては勉強熱心で作れるレパートリーを積極的に増やしているようです。エリアスが家に来た時にはイギリス料理しか作れなかったシルキーですが、エリアスからもらった料理本により多くの種類の料理を作れるようになりました。

「銀の君」と呼ばれる可愛らしい姿のシルキーですが、過去は違う姿をしていました。シルキーの正体が気になる人も多いようです。ここからはシルキーの過去の正体についてネタバレしていきます。

シルキーの過去の正体についてのネタバレですが、過去は「バンシー」という妖精でした。バンシーは泣き女とも言われています。バンシーとブラウニーは見た目も性質も違う妖精ですが、なぜバンシーに変化したのでしょうか？バンシーも家にとりつくタイプの妖精ですが、バンシーだった時にとりついていた家に住む人が亡くなり、家が廃れてしまいます。自分の泣き声を聞いてくれる人がいる家を探し彷徨うバンシー。

そのとき、妖精女王ティターニアの護衛として仕えているスプリガンと出会い、バンシーは今の家に連れてきてもらいます。そしてお前が家の明かりを守ればいいとスプリガンに言われ、バンシーから家を守るブラウニーへと姿を変えます。この時スプリガンから「絹女給（シルキー）」と呼ばれたことで、名前もシルキーになりました。この話で、シルキーの過去の正体がバンシーだったことが明らかになりました。

シルキーの正体は、過去にバンシーが変化したものだということが分かりました。ではスコットランド妖精であるバンシーとブラウニーにはどのような違いがあるのでしょうか？バンシーとブラウニーの違いについてと、作中での違いについてもネタバレ紹介していきます。

泣き女と言われる妖精バンシーですが、近いうちに人が亡くなる家の側に現れ、その死を想ってすすり泣くという妖精で、ただ泣くだけで人に害をもたらす妖精ではありません。勇敢な人物や名家で人が亡くなる場合には、複数のバンシーが家の周りに集まると言われています。長い黒髪に灰色のマントをしたバンシーの泣き声は凄まじく、泣きはらした目は燃えるような赤色をしているとも言われています。

シルキーの正体だったバンシーは、黒いローブを羽織り灰色の瞳から常に涙を流し続け、見た目的にも暗く寂しげな印象を持ちます。過去の回想では、バンシーがついていた家の人が死に絶え、廃墟となってもその場から動かず泣き続けていました。そのままではバンシーは泡となって消えてしまう運命しかありませんでした。シルキーの姿からは想像できない、過去のバンシーとしての姿です。

家事妖精と言われるブラウニーですが、名前の通り家事をこなす妖精です。各家庭にひとりはいると言われていて、家にとりつく妖精です。茶色の古着を着て全身が茶色い風貌をしていることから、ブラウニーと名付けられたようです。性格は温厚で人の手伝いをし、ブラウニーがいる家は栄えるといいます。日本の座敷童子に近い存在と言われています。

「魔法使いの嫁」のシルキーは茶色の風貌ではなく、ヨーロッパの貴族女性のようなドレスに身を包み、スプリガンから銀の花のようだと言われるほどの可憐な姿をしています。家事や手伝いのお返しはいらないというブラウニーの特性はありますが、ブラウニーが家人が寝た夜に活動するのとは異なり、シルキーは昼間から家事や手伝いを行っているので、シルキーならではの特性のようです。

「魔法使いの嫁」の中でのシルキーの役割ですが、チセを中心としたストーリーに大きく関わることはありません。シルキーの役割は家を守ることと同居人の世話をすることです。チセが初めて家に来た時にもかいがいしく世話をし、温かく迎え入れます。エリアスとチセは家の女主人に対する敬意を込め、シルキーの事を「銀の君」と呼んでいます。

作中のネタバレとしては、チセとエリアスが長期で家を留守にしたとき、帰ってきたらすぐ分かるようと玄関の扉に鈴を付けます。帰りを心待ちにしている様子と、寂しさを振り払うように家の大掃除をする様子が描かれています。ストーリーに関わらないキャラではありますが、チセやエリアスが疲れた時、傷ついた時に休める環境を整え、一途に留守を守り帰宅を待っていてくれるという癒しキャラがシルキーです。

ここからは「魔法使いの嫁」の漫画を読んだ読者から評判になっている、シルキーちゃん日記の内容についてネタバレしていきます。

漫画「魔法使いの嫁」の単行本のカバーの下に、シルキーちゃん日記が描かれています。普段はしゃべれず口にすることはないシルキーの心境やチセやエリアスとの日常がコミカルに描かれ、感情を表に出しているシルキーを見ることができます。シルキーちゃん日記以外にも登場人物の家の間取りや家具の配置なども描かれているので、どのような家に住んでいるのかを知ることもできます。

それでは、シルキーちゃん日記の内容についてネタバレします。1巻ではエリアスがチセを家に奥さんとして家に連れてきたことが描かれています。この家に女主人が出来るのが久しぶり、と大忙しで掃除や裁縫、料理本の確認を行います。エリアスのお茶の催促も断るほどです。この家が気に入ってくれるのか心配しながら、チセの世話をしています。

その他にも、過去にバンシーとして彷徨っていたシルキーに助けの手を差し出してくれたスプリガンとの手紙のやり取りが描かれていたり、ブラウニーとしての特徴である家事の代償として差し出すミルクのブランドによって、消費量が変わっているなどコミカルな話もあります。シルキーのことをより深く知りたい人には、シルキーちゃん日記はネタバレ満載で楽しめます。

ほとんど話すことがないシルキーですが、アニメ「魔法使いの嫁」でシルキーの声優を担当しているのは、多くのアニメ作品で活躍している遠藤綾さんです。ここからは、遠藤綾さんの声優としてのプロフィールと「魔法使いの嫁」以外で活躍している主な作品について紹介します。

遠藤綾さんは1980年生まれの山形県出身者で、オフィスPACに所属しています。高校卒業後に声優を目指し、2007年「らき☆すた」の高良みゆき役が評判となり、登場人物の声優陣で歌ったオープニングテーマも人気になりました。2009年第3回声優アワードで助演女優賞も受賞している実力派声優です。ミニーマウスの吹き替えを引き継いだことも有名です。

遠藤綾さんの主な出演作ですが、初のレギュラー役を掴んだ「おくさまは女子高生」の堀口かすみ、「マクロス」のシェリル、「妖怪ウォッチ」のコマじろう、「ゴブリンスレイヤー」の剣の乙女、「おそ松さん」のトト子、「しろくまカフェ」の笹子さんなど多くのアニメ作品で活躍し、それ以外でも「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」のクイニー役など洋画の吹き替えでも活躍しています。

ここからはシルキーに関する感想や評価について紹介していきます。シルキーに関する感想で多いのは、可愛いという点と、うちにもいて欲しいという感想です。家事を全部お願いしたいという気持ちと、シルキーの存在に癒されたいという気持ちがあるようです。チセの帰りをずっと待っていてお帰りの意味を込めて抱き着いた姿に、シルキーの存在の大きさを感じた人も多いようです。

シルキーの料理を作ってみたというコメントもあります。チセのために作ったサンドイッチで、とりのささ身や目玉焼きも入ったボリュームのあるサンドイッチですが、作って食べた人たちからは美味しいと高評価です。ピンクのボンネットをかぶったシルキーのドレス姿も可愛いと人気です。ツイッターでは多くのコスプレイヤーのシルキー姿を見ることができます。

漫画でもアニメでもほとんど話す事がなく、ため息や「ん」というセリフしかないシルキーですが、遠藤綾さんが演じるシルキーの声をぜひ聞きたいという人は、ドラマCDで聞けるようです。またアニメの作品の中でもシルキーの過去の回想シーンで、バンシーだったシルキーは、スプリガンに自分の望みを口に出すというセリフを聞くことができます。一部からは貴重なセリフだと言われています。

今回は「魔法使いの嫁」に登場するシルキーについて、シルキーの基本情報だけではなく作中での立ち位置や、過去の正体や現在との違いについてまとめました。セリフが極端に少ないキャラではありますが、シルキーの想いが分かりやすく伝わるシルキーちゃん日記についても、ネタバレを含みながら紹介しています。興味を持った方は、アニメだけではなく単行本も手にしてみてはいかがでしょうか。