聲の形のラストシーンをネタバレ解説!漫画版と映画版の結末・あらすじは?

『週刊少年マガジン』で連載されていた『聲の形』。「聴覚障がい」や、「いじめ」その他社会問題を取り扱った内容が注目を浴び、大反響を呼びました。原作である漫画はもちろん、劇場版アニメも大ヒット。しかし漫画版と映画版のラストシーンはそれぞれ異なります。今回は『聲の形』のラストシーンについて、漫画版と映画版それぞれの違いやネタバレあらすじ、その他ファンの感想等を紹介します。

聲の形のラストシーンをネタバレ解説!漫画版と映画版の結末・あらすじは?のイメージ

目次

  1. 話題作となった『聲の形』
  2. ネタバレ注意!『聲の形』のラストまでのあらすじを紹介
  3. 『聲の形』のラストシーンは漫画版と映画版で違う?
  4. ネタバレ注意!漫画版『聲の形』のラストシーンを紹介
  5. ネタバレ注意!映画版『聲の形』のラストシーンを紹介
  6. ネタバレ注意!『聲の形』の映画版と漫画版のラストシーン以外を比較
  7. 漫画版『聲の形』をラストまで読んだ人の感想
  8. 映画版『聲の形』をラストまで見た人の感想
  9. 『聲の形』をラストまで見た方へおすすめの聲の形公式ファンブック
  10. 『聲の形』のラストシーン解説まとめ

話題作となった『聲の形』

『週刊少年マガジン』で2013年から2014年51号まで連載された『聲の形』。聴覚の障がいを理由に、いじめを受けるようになった少女・西宮硝子と、硝子のいじめの主犯格となったのが原因で、新たないじめの標的となった少年・石田将也。この2人のやりとりを中心に「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」を描いた作品となっています。

主役2人の成長はもちろん、『聲の形』ではいじめその他社会問題等を扱っており、かなりの注目を集めました。コミックスは全7巻。『週刊少年マガジン』には、連載が始まる前に2度読み切り版が掲載されました。1度目の掲載時は『進撃の巨人』や『どうぶつの国』等、その他人気連載作品をおさえ、読者アンケートで1位を獲得しています。

2015年には『このマンガがすごい!』のオトコ編で第1位を獲得『マンガ大賞2015』でも第3位入賞。その他第19回手塚治虫文化賞新生賞等、様々な賞を受賞しています。今回はそんな大ヒット作『聲の形』について、映画版・漫画版それぞれのラストシーンを紹介してみます。

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ネタバレ注意!『聲の形』のラストまでのあらすじを紹介

まず『聲の形』の結末について説明する前に、結末に至るまでの物語全体のあらすじを簡単に紹介します。ここからは『聲の形』のネタバレを多分に含みますので、ご注意ください。物語の主人公は石田将也。彼は小学校の頃いじめてしまった、西宮硝子という一人の少女をずっと捜し続けています。硝子は小学校の頃、将也のクラスに転入してきた女子生徒です。

将也のクラスに転入してきた硝子は転校初日の自己紹介の際、ノートで耳が聞こえないことを伝えます。しかし、耳が聞こえない硝子の為に、思うように授業が進まなくなり、クラスメイト達は不満を抱えるようになりました。やがて硝子は、将也を中心としたクラスメイトからいじめを受けることとなります。そんなある日、将也のクラスで学級会が開かれることに。そこには校長の姿も。

そして校長から、いじめによって紛失した硝子の補聴器の累計額が170万にものぼっていた事が明かされます。動揺しつつも警察沙汰になる前に、将也は自ら自分のした事を話そうとしますが、その直前、今までいじめに無関心だった担任の竹内が激昂。将也を名指しで非難し始めます。他のクラスメイトたちもそれに便乗して将也に全ての責任を押し付けてしまいました。

その後将也は新たないじめの標的となってしまい、いじめは小学校卒業まで続きました。中学校・高校ではいじめこそなかったものの、将也は孤立。高校生になった将也は自殺を決意しますが、その前に硝子に謝罪しようと硝子がいる手話サークルの会場へと向かいました。そして将也は過去の行いを後悔していることやその他自分の現在の気持ちを告げ、謝罪します。

話の流れから、最終的には「友達」になって欲しいと硝子へ告げることになりました。将也の気持ちに対して、硝子は手話で「またね」というサインを出します。元々謝罪の後自殺するつもりだった将也でしたが、そのサインを見て自殺を思い止まり生き直すことを決意。将也は「硝子の為になることをする」という思いを胸に、新しい日々を過ごすこととなります。

『聲の形』のラストシーンは漫画版と映画版で違う?

ここまで『聲の形』の物語全体のあらすじを紹介しました。『聲の形』は、その内容からかなり注目された作品です。冒頭でも触れましたが、その人気から映画版も公開されました。映画版『聲の形』は公開館数が120館と映画としては小規模ではありましたが、興行収入はなんと『まどマギ』を超える23億円超。

第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞や、第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞等、その他様々な賞を受賞しました。この映画版『聲の形』ですが、どうやら漫画版『聲の形』とは細かいエピソードはもちろんラストシーンも異なるようです。

では、どんな風にラストシーンが違っていたのでしょうか。ここから先は漫画版『聲の形』と映画版『聲の形』がどのような結末を迎えたのか、ネタバレを含んだあらすじを紹介していきます。

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ネタバレ注意!漫画版『聲の形』のラストシーンを紹介

まずは漫画版『聲の形』の結末について紹介します。ここからは特にネタバレが多く含まれますので、未読の方やネタバレが苦手な方は、コミックスを読んだ上でご覧ください。漫画版『聲の形』の最終回は成人式が舞台となります。将也の家では西宮母が将也母にヘアメイクをしてもらっています。その西宮母から、将也は佐原の髪をセットしている硝子と植野の姿が写った写真を携帯で見せてもらいます。

将来理容師を目指している硝子の修業後の働き先を訊ねると、「私に聞かないで あの子が決めることよ」と返事が返ってきます。佐原と植野は現在2人でブランドを立ち上げているとのこと。将也は慌てて準備をすませ、成人式会場へ向かいます。そこには結弦とハカマ姿の永束がいました。

審査員には「向いていない」と散々言われながらも、「友情」をテーマとした映画作成は現在も続けているようで、これからも新作を撮る予定だと話します。更にそこへ川井と真柴も合流。真柴はやりたいことが見付かっておらず、「このままだと売れない監督(永束)の専属役者になってしまう」とぼやきます。その後、佐原・硝子・植野とも合流。メンバー皆で集まり、結弦に写真を撮ってもらうこととなります。

成人篠の後、真柴はクラスメイトに会うため、先に立ち去り、それに連れられて永束も去っていきます。その後2人だけになった将也と硝子は母校「水門小」の同窓会が行われている会場の扉の前へ。扉の向こうには辛い過去がある一方、可能性もあると将也は自分に言い聞かせます。将也が硝子の手をとり、その扉を開くところで『聲の形』という物語は終わりました。これが漫画版『聲の形』の結末です。

ネタバレ注意!映画版『聲の形』のラストシーンを紹介

続いて映画版『聲の形』の結末についてのネタバレあらすじ紹介となります。映画版『聲の形』のラストシーンの舞台となったのは高校文化祭。漫画版『聲の形』のコミックス第6巻57話に相当します。

硝子の自殺を阻止したは良いものの、身代わりになる形でマンションのベランダから落下してしまった将也。昏睡状態から回復し、高校の文化祭へ行くことにはなりましたが、永束をはじめとする友人達とは仲違いしたまま。友人と顔を合わせる事ができず、トイレに閉じこもってしまいます。そこへ永束が現れ「お腹がいたいの?」と問いかけます。

「本当はちゃんと顔合わせるつもりで来たんだけど」と将也は答えますが、それでも目を合わせる事ができません。しかし永束は「君が無事でよかった」「橋の上でのことは気にするな」と号泣。更に永束の声を聴いて、他の友人達も集まってきます。再び友人に受け入れられた将也は「皆と一緒に文化祭を見て回りたい」と希望。友人と一緒に校内をめぐることになります。

すると今までは友人以外の人達の顔についていた「×」が一斉に剥離。相手の声や言葉に耳を傾けようとしてこなかった将也は、ようやく他人の顔を見て耳を傾ける事ができるようになりました。「×」が剥がれ落ちていく光景を見た将也の瞳からは、ひとりでに涙が。自分が泣いているということに驚いた将也を、仲間たちが微笑みを浮かべて受け止める、というのが映画の結末となっています。

ネタバレ注意!『聲の形』の映画版と漫画版のラストシーン以外を比較

映画版と漫画版で、ストーリーの流れは同じものの、違った結末を迎えた『聲の形』。しかし映画版と漫画版で異なるのは結末だけではありません。ここからは、ラストシーン以外の漫画版・映画版の違いを紹介してみます。

ラストへ大きく影響?映画作成の下りをカット

まず1つ目の違いは、永束達との映画作成の下りについて。原作版では話の要ともいえる要素でしたが、映画版では全てカットされていました。このカットは物語の結末にも直接影響しており、漫画版『聲の形』では作成した映画を文化祭で公表しています。更に文化祭の後、新人映画作品審査会へ作成した映画が出品されることとなりました。

残念ながら審査会では永束達が作った映画は酷評され、打ちのめされる結果となりました。しかしこの結果が、永束をはじめとする仲間たちの進路に影響することとなりました。特に永束については大学に進学した後も映画作成を続けているらしく、漫画版『聲の形』の最終回では将也との会話にその話題が出ていました。

『聲の形』でも賛否両論だったいじめやキャラクタラーの感情吐露シーンをマイルドに

2つ目の違いは、いじめの描写。これは漫画版『聲の形』連載当時から話題となっていました。『聲の形』を読んでいた方の中には「いじめのシーンが辛くて最後まで読めなかった」という方も。その他にもキャラクター同士の激しい意見のぶつけ合いにおいても、若干表現が柔らかくなっていたようです。

いじめのシーンのカットや、描写の変更については賛否両論ありますが、「漫画は最後まで読めなかったけど、結末がどうしても知りたかった」「いじめのシーンが少しカットされてると聞いて観に行ってみようかと思えた」というファンもいらしゃいますので、一概に批判できることではないようです。

ラストシーンまでのスピンオフ的要素をカット

これは映画化においては仕方のないことかもしれませんが、漫画版で描かれていたスピオフ的なシーンがカットされています。主にカットされたのは西野母の過去や、川井や真柴をはじめとするその他主要キャラクター達のそれぞれの視点を描いた内容となっています。

コミックスでは全7巻にも及ぶ物語を、2時間程度でまとめていますので、このカットについては残念ですが仕方のないことなのかもしれません。

『聲の形』のラストシーンやファンの感想にも影響?真柴の役割

もう1つ違う点といえば、映画版と漫画版における真柴の役割でしょう。これはちょっとしたことにも思えますが、実は物語への影響はかなり大きいのではないかと考えています。何故かというなら、漫画版『聲の形』では真柴は「いじめを許せないキャラクター」だからです。

『聲の形』の主人公はあくまで将也ですが、この将也は反省しているとはいえ、元いじめ加害者でもあります。『聲の形』はほぼ将也の視点で描かれていますので、将也がどれ程反省し、後悔しているのか読者にダイレクトに伝わりますが、これが現実の話ならどうでしょうか。自分がいじめの被害者であれば、加害者を許すことはかなり難しいことかと思います。

事実映画版『聲の形』を観た方の中には「納得できない」とおっしゃる方も沢山いらっしゃいます。しかし漫画版の真柴のように元・いじめの被害者でありながら「許せない」と堂々と発言するキャラクターがいれば、より感情移入しやすくなるのではないでしょうか。

漫画版『聲の形』をラストまで読んだ人の感想

ここまで漫画版『聲の形』の最終回ネタバレあらすじ紹介と、映画版『聲の形』のラストシーンネタバレ紹介をしてみました。続いてここからは漫画版『聲の形』を読んだ方がどんな感想を持ったのかを紹介してみます。

やはり一番多かったのは「感動した」「心に刺さった」という感想です。確かに過去の過ちを乗り越えて成長していくキャラクターの姿は感動的です。更にいじめの要素が絡んでいるのなら尚更でしょう。他には「いじめの描写で心が痛む」「手話を覚えようかと思った」等。

社会問題を扱った漫画だからこそといった内容の感想も多く見受けられます。実際『聲の形』は30分の実写版DVDが作成され、道徳教材として採用されています。

映画版『聲の形』をラストまで見た人の感想

では、映画版『聲の形』の結末について、ファンはどんな感想をもったのでしょうか。色々な感想が見られますが主な感想は「文化祭の場面をラストシーンにした監督にセンスを感じる」「すべての世代の人に観てほしい」その他「原作を読みたくなった」等、肯定的なものが多いです。

しかし内容が内容なだけに、ただ肯定的な感想だけでなく、中には批判の声もあります。先程「ラストシーン以外の比較」で触れましたが、真柴のように「いじめを許せない」キャラクターがおらず、「ストーリーやキャラクターの行動原理が納得できない」と感じた方もいらっしゃるようです。

しかし『聲の形』については元々、「『読者に意見を聞いてみたい』という気持ちで描いたもの」だと著者である大今良時さんは語っています。もやもやしたものを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは映画を最後まで観て、更に漫画版を読んでみると納得できることも増えるかもしれません。

『聲の形』をラストまで見た方へおすすめの聲の形公式ファンブック

漫画版でも映画版でも大反響を呼んだ『聲の形』。ファンの中には「何度も読み返した」「映画は3回観に行った」とおっしゃる方もいらっしゃいます。中には批判的な感想を持たれている方もいらっしゃいますが、『聲の形』が好きな方にも嫌いな方にもおすすめしたい関連本があります。

その本というのが「聲の形公式ファンブック」です。この本は単なる『聲の形』の情報をまとめた本ではなく、著者大今良時さんへのインタビュー記事や、連載前に掲載された読み切り版2本を収録しています。インタビュー記事ではキャラクターの行動原理といえる心理状況も解説されており、「納得できない」シーンの裏側を知ることができる貴重な資料となっています。

「硝子がいつ将也を好きになったのか」や「硝子が自殺を決意したのは、いつ」といった質問、その他「エンディングで、二人が手を繋いだ意味とは」等、様々な情報が詰まっています。漫画版・映画版を既に何度も見たファンの方は是非読んでみてください。

『聲の形』のラストシーン解説まとめ

今回は『聲の形』について、漫画版・映画版の結末とその違い、その他感想等を紹介してみました。いかがだったでしょうか。それぞれラストまでの流れは同じものの、漫画版と映画版とではその結末は少し異なりました。

ですが漫画版・映画版ともにファンからの満足度は非常に高く、特に映画版では試写会のアンケートで満足度が94%、おすすめ度98%という好記録を残しています。また、映画を観た方からは「原作も読みたい」という声が非常に多い作品です。漫画版・映画版『聲の形』はそれぞれ違うラストシーンとなりましたが、「主人公が1歩踏み出す」という意味では同じ内容とも言えます。

原作版で「いじめのシーンが辛くて最後まで読めなかった」と言う方。逆に「映画を見たけれど納得できない場面が沢山ある」と言う方。是非漫画版『聲の形』と映画版『聲の形』を見比べてみてください。

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