聲の形をネタバレ感想!ラストまでのあらすじ・名シーンなど魅力は?

『週刊少年マガジン』で2013年から2014年にかけて連載された『聲の形』。『聲の形』は「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」を描いた漫画作品となっています。聴覚の障害を取扱った漫画として注目を浴び、大反響を呼びました。今回は『聲の形』についてラストまでのあらすじや名シーンや魅力、その他ネタバレ感想等紹介します。ネタバレを多分に含みますのでご注意ください。

聲の形をネタバレ感想!ラストまでのあらすじ・名シーンなど魅力は?のイメージ

目次

  1. 「気持ちを伝えることの難しさ」を描いた『聲の形』をネタバレ紹介!
  2. 『聲の形』のあらすじについてネタバレ紹介
  3. 『聲の形』は最終的にどうなる?最終話をネタバレ紹介
  4. ネタバレ注意!『聲の形』の魅力とは?
  5. ネタバレ注意!『聲の形』で描かれているのは単なる聴覚障がいの問題だけではない
  6. ネタバレ注意!『聲の形』名シーンを紹介!
  7. ネタバレ注意!『聲の形』を読んだ人の感想は?
  8. ネタバレ注意!劇場アニメ版『聲の形』と漫画の違いは?
  9. ネタバレ注意!アニメ劇場版『聲の形』を観た人の感想
  10. ネタバレ注意!大反響を呼んだ『聲の形』しかし一方で?
  11. 『聲の形』についてのネタバレ紹介まとめ

「気持ちを伝えることの難しさ」を描いた『聲の形』をネタバレ紹介!

『聲の形』は、『週刊少年マガジン』で2013年から2014にかけて連載された漫画作品です。著者は大今良時。現在『不滅のあなたへ』が連載中となっています。

コミックスは全7巻。いじめの加害者であり被害者でもある少年と聴覚の障害を持つ少女の成長や、その他社会問題を扱っており、かなりの注目を集めました。2015年版『このマンガがすごい!』でオトコ編で第1位を獲得した他『マンガ大賞2015』で第3位に入賞。

その他、第19回手塚治虫新生賞も受賞しています。2016年にはアニメ劇場版が公開。公開館数は120館と小規模でしたが、興行収入23億円突破という大記録を達成しました。また、2015年には全日本ろうあ連盟監修のもと道徳教材として30分の実写DVD化もされています。今回はこの『聲の形』について、ネタバレを含むあらすじや感想、その他名シーンについて紹介します。

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『聲の形』のあらすじについてネタバレ紹介

まずは『聲の形』全体のあらすじについて紹介します。ネタバレを多分に含みますのでご注意ください。主人公は高校生の少年・石田将也。彼は小学校の頃いじめてしまった、西宮硝子という一人の少女をずっと捜し続けています。二人は小学校の頃、硝子が将也のクラスに転校してきたことにより出会いました。将也のクラスに転入してきた硝子は自己紹介の際、ノートで耳が聞こえないことを伝えます。

しかしながら、硝子が転校してきて以降、耳が聞こえない彼女が原因で授業が思うように進まなくなることが多くなります。それに対してクラスメイト達は苛立ちを覚えることに。そしてその苛立ちを理由に、将也が中心となって硝子をいじめ始めてしまいました。しかしある日、校長を中心としたクラスの学級会が開かれ、いじめによって紛失した補聴器の累計額が170万円にものぼっていることが明かされました。

将也は自分のいじめの重大さに気付き、警察沙汰になる前に正直に乗り出るべく手を上げようとします。しかしその時、ずっと無関心に徹していた担任の竹内が将也を名指しで糾弾。他のクラスメイトたちもそれに便乗して将也に全ての責任を押し付けました。それを機に、将也は新たないじめの標的となってしまいます。

その後、硝子は転校。将也は小学校を卒業してからも孤立したまま毎日を過ごします。高校への進学はしたものの、将也は誰も信じることができなくなり、遂に自殺を決意します。自殺を決行する前に、自分が犯した「罪」の贖罪をしようと、硝子がいるという手話サークルの会場へ。そして将也は過去の行いを後悔していることを告げ、謝罪します。話の流れから、最終的には「友達」になって欲しいと硝子へ告げることになりました。

将也の気持ちに、硝子は手を握る形で応え、更に手話で「またね」というサインを出します。それを受けた将也は、自殺を思い止まり生き直すことを決意。将也は硝子やその他周囲の人間とのやりとりを通じて人間的に成長していくこととなります。

『聲の形』は最終的にどうなる?最終話をネタバレ紹介

ここまでで『聲の形』の物語全体のネタバレ含むあらすじを紹介してみました。ここからは『聲の形』ラストがどんなものだったのか、最終話のネタバレあらすじを紹介します。ここからは特に、物語の核心に関わるネタバレを多分に含みので、未読の方や、ネタバレが苦手な方はご注意ください。1度『聲の形』を最後までご覧になった上で見ることをおすすめします。

『聲の形』最終話の舞台は成人式でした。前の回の高校卒業から2年後ということになります。硝子の妹結弦は高校生。将也の家では西宮母が将也母にヘアメイクをしてもらっています。将也は西宮母から、佐原の髪をセットする硝子と植野の姿が写った写真を見せてもらいます。将来理容師を目指している硝子の修業後の働き先を訊ねると、「私に聞かないで あの子が決めることよ」という返事が返ってきます。

佐原と植野は2人でブランドを立ち上げてるとのこと。慌てて準備をすませ、成人式会場に到着すると、そこには結弦とハカマ姿の永束がいました。高校で作成した映画を発表した際には様々な批判を受けた永束ですが、映画作成は続けているようで、「友情」をテーマに新作を撮る予定だと話します。更にそこへ川井と真柴も合流。真柴はやりたいことが見付かっておらず、このままだと売れない監督(永束)の専属役者とぼやきます。

更にその後、佐原・硝子・植野とも合流。メンバーみんなで集まり結弦から写真を撮ってもらうこととなります。成人篠の後、真柴はクラスメイトに会うため、先に立ち去り、それに連れられて永束も去っていきます。将也と硝子は母校「水門小」の集まりが行われている会場の扉の前へ。将也が硝子の手をとり、その扉を開くところで、『聲の形』という物語は終わりました。

ネタバレ注意!『聲の形』の魅力とは?

ここまで『聲の形』について、ネタバレを含む全体のあらすじと、最終話のネタバレあらすじを紹介をしました。あらすじだけでも、『聲の形』は切実な問題を扱った漫画だということをご理解いただけましたでしょうか?

しかし『聲の形』の魅力とはいったい何なのでしょうか。こう言っては何ですが、『障がい』を始めとする社会問題をテーマとした漫画は他にも存在します。しかし『聲の形』がここまで人気になった理由はどういったものなのでしょうか。ここからは、『聲の形』独自の魅力について考えてみます。

斬新な表現方法

『聲の形』コミックス第6巻のネタバレとなってしまいますが、『聲の形』の独特な表現の1つとして、下の画像のようにセリフの右半分が見えなくなっている場面が挙げられます。これは『聲の形』のヒロインである硝子から見た世界。

聴覚の障がいを持つ硝子は補聴器をつけてはいるものの、周囲の音を完全に拾うことはできません。他の漫画でも聴覚に障がいを持つキャラクターを描いている物はありますが、こういった表現をしているのは『聲の形』だけなのではないでしょうか。かなり斬新な表現方法ですが、音が聞こえにくいというのはどういうことなのか、読者に理解しやすくなっています。

キャラクターの葛藤

『聲の形』の2つ目の魅力としては、登場キャラクターの葛藤が挙げられるのではないでしょうか。この漫画に登場するキャラクターは、それぞれ問題を抱えています。

他の漫画でもキャラクターの葛藤はよく描かれていますが、この『聲の形』においては主人公やヒロインだけでなく、それを支えるべきキャラクターである「大人」も1人の人間として思い悩み、苦しむ様子が描かれています。少年漫画において、こういった表現は珍しいのではないでしょうか。

リアルで生々しく激しい感情表現※6巻ネタバレ

3つ目に紹介する『聲の形』の魅力は、キャラクター達のリアルで生々しく、激しい感情表現です。『聲の形』の著者である大今良時さんはキャラクターについて「全員嫌い」と語っています。大今良時さん曰く、『聲の形』のキャラクターは全員大今良時さんの分身であるらしく、作り手である大今良時さん本人は好きなキャラクターを作れないそうです。

『聲の形』に出てくるキャラクターについてですが、著者である大今良時さんの分身というだけあって、実にリアルで生々しい部分があります。男女の恋愛感情や、友情1つにしても、ただ綺麗なだけでは終わりません。時には女性同士で鼻血が出る程激しく殴り合い、罵り合う場面も登場します。

ここまでリアルで激しい感情表現は、他の漫画ではなかなか見られないのではないでしょうか。決して明るいシーンではありませんが、重苦しい感情をリアルに描くことで、『聲の形』という漫画に説得力が生まれているように感じます。

可愛らしい恋愛要素も有り!

次に紹介する『聲の形』の魅力は、「可愛らしい恋愛要素」です。これは少年漫画でよく見られる要素ではありますが、この『聲の形』にとっては特に重要な要素と言えます。と、いうのも『聲の形』は見ようによっては非常に重苦しい物語となるからです。

いじめ等の社会問題を扱う漫画はどうしても重くなる傾向にあります。その為そういった漫画は少年雑誌ではなく、青年雑誌等、比較的対象年齢が上の雑誌で扱われることが多くなります。しかし「可愛らしい恋愛要素」が絡むことによって『聲の形』は少年漫画として成り立っているのではないでしょうか。

ネタバレ注意!『聲の形』で描かれているのは単なる聴覚障がいの問題だけではない

先の項目で『聲の形』の魅力について紹介してみました。しかし『聲の形』について、もう一つ忘れてはならない要素があります。それは『聲の形』が「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」を描いた物語であるということです。ここから先もネタバレを含みますので、充分ご注意ください。

物語の発端は、確かにヒロインの聴覚障がいと言えます。しかしこの作品の中で描かれている問題はそれだけではありません。いじめの主犯格であったことを理由に、反対にいじめの被害者となった将也。更に聴覚障がい者に対してのサポートシステムの出来ていない学校に、いじめに対して距離をおく先生。

そして大正時代のような迷信めいた言葉によって離婚に追いやられた西宮母の姿も描かれています。キャラクター個人個人に起きた問題ではありますが、現代社会においてよく問題視される内容ばかりです。また、付け加えて言うなら主人公をはじめとする周囲のキャラクターの多くが「伝える事」に問題を抱えているようにも見えます。

西宮母においては、硝子に愛情を抱いているものの、その愛情をうまく伝えられず、それが原因で硝子の妹・結弦との関係がうまくいっていないようにも描かれていますし、『聲の形』でのアンチヒロイン的立場にいる植野においては、毒舌ながらも、クラスにいた「その他大勢」の代弁者的発言が非常に多く見られます。

結果的には刺々しい言葉となっていますが、クラスの人間にとっては「言いたい事を伝えてくれた代表者」だったのかもしれません。

ネタバレ注意!『聲の形』名シーンを紹介!

ここからは『聲の形』で感動を読んだ名シーンについて紹介していきます。全巻を読み終えたファンからは「感動した」という感想が多い『聲の形』。いったいどんな場面が人気だったのでしょうか。名シーンの紹介ですので、やはりネタバレを含みます。充分にご注意ください。

過去の過ち後悔全てを飲み込んだ上で

『聲の形』の名シーンで最初に紹介するのは、コミックス第2巻からの紹介となります。小学校の頃、硝子をいじめてしまった将也。そしてその後、逆にいじめにあってしまいました。将也はそこから後悔する日々を送ります。自分の犯してしまった過ちについて、自殺する前に硝子に謝ろうと決意し将也は手話サークル会場を訪れました。

かつて自分が投げ捨てた筆談ノートを、5年振りに手渡し、将也は手話で硝子に問いかけます。「友達に…なれるか?」この手話の内容はかつて硝子が将也に問いかけた内容でした。将也の再スタートを描いた、『聲の形』の名シーンとなっています。

『聲の形』の癒しキャラクター?永束の友情

続いて紹介する名シーンも『聲の形』コミックス第2巻からの紹介となります。硝子と再会できたは良いものの、次に会う口実が見つからなかった将也。そんな時、クラスメイトの男の子と会話できるようになります。その男の子とは永束友宏。永束から「友達」として話しかけられたことにより将也は「友達とは何か」と思い悩むようになります。

答が見つからない将也は永束に「友達の定義って何かわかる?」と訊ねます。そして返ってきた答えが「言葉や理屈…それらを越えたところにあると思うんだ」でした。孤立していた将也が高校での居場所を見つけ、立ち直るきっかけとなった名シーンとなっています。

硝子の告白

続いての『聲の形』名シーン紹介はコミックス第3巻。硝子の告白シーンとなります。今までは手話で会話してきた将也に対して会話を試みた硝子。聞きなれない硝子の声に、将也は「私 声 変?」訊ねられ、思わず「うん」返事してしまいます。

しかし「あ ごめん 全然大丈夫だし!」と慌ててフォローし「それで…いいから…」とゆっくり話しかけます。結果的にこの告白は将也へ伝わりませんでしたが、慣れない声で自分の気持ちを伝えようとした硝子の姿に感動した方も多いのではないでしょうか。あえて手話を使わず、声に出して告白した硝子の姿を描いたこの場面は、間違いなく『聲の形』の名シーンといえるでしょう。

飛び降りようとした西宮の腕を掴んで

続いての『聲の形』名シーンはコミックス6巻からの紹介となります。あることをきっかけに、昔硝子をいじめていたことがクラスメイトの前でバレてしまった将也。永束達に過去を知られたショックで自暴自棄になり、喧嘩にまで発展してしまいます。その喧嘩を見ていた硝子は自分のせいで将也達が喧嘩してしまったと思い悩みました。

自分のせいで将也が不幸になってしまうと思った硝子は、投身自殺を試みます。そこに偶然居合わせた将也は慌てて硝子の腕を掴み、硝子の投身自殺を阻止。将也は今までの自分の行動が硝子を追い詰めてしまったのだと後悔します。心の中で神様に「明日さえ許されないなら 俺でいいです」と身代わりになることを覚悟して将也が硝子を助けようとするこのシーンは、『聲の形』のクライマックスといえる名シーンです。

西宮への願い

最後に紹介する名シーンは『聲の形』コミックス7巻からの紹介となります。このシーンは『聲の形』における「起承転結」の「結」といえる場面。将也が昏睡状態から回復してから初めて西宮と会話するシーンとなります。将也が永束達と喧嘩してしまった原因は自分にあると思い悩んだ硝子は投身自殺を試みます。

しかしたまたま居合わせた将也がそれを阻止。代わりに将也が落下し、意識を失いました。目覚めた将也は硝子が自殺しようとした原因は自分にあると責任を感じ、硝子に謝罪。そして将也は硝子に「みんなと一緒にいたい」「たくさん話をしたり遊んだりしたい」「それを手伝ってほしい」と懇願します。正に『聲の形』の終結と言える場面。物語の結末を飾るに相応しい名シーンです。

ネタバレ注意!『聲の形』を読んだ人の感想は?

聴覚障がいといじめを主に、社会問題を扱った漫画『聲の形』。連載のプロットとなる読み切り番が雑誌に掲載された時点でもかなりの話題となっていました。連載が開始されてからは更に人気が高まります。では、『聲の形』を読んだ方はどんな感想を持ったのでしょうか。主に「感動した」「衝撃的だった」という感想が見られます。

しかし中にはリアルないじめのシーンを目の当たりにして「読んでいて辛くなった」「途中で挫折した」という方も。あらすじでも紹介しました通り、『聲の形』ではリアルないじめのシーンも多々見られます。更にキャラクター達が感情を吐露する場面は確かに生々しく、読んでいて心が痛くなるかもしれません。現実にも起こりえる問題を扱った漫画であったからこそ、読者には重く感じられたのでしょう。

しかし「『聲の形』の魅力とは?」の項目でも説明した通り、リアルな感情表現は『聲の形』の魅力でもあります。明るくはない場面が目立つものの、その描写がなければ『聲の形』という物語は成り立たないのではないでしょうか。その証拠と言っては難ですが『聲の形』を最後まで読んだ方には「心に刺さった」とおっしゃる方も数多くいます。

ネタバレ注意!劇場アニメ版『聲の形』と漫画の違いは?

連載当初から話題となっていた『聲の形』。劇場アニメ版でも大きな反響を呼びました。しかし漫画版と劇場アニメ版では異なる部分もあります。それはいじめの内容や映画作成の下り、その他ラストシーンが挙げられます。その他細々とした場面が省略されていますが、大まかに言えば、漫画では容赦のないいじめのシーンが劇場アニメ版では少しマイルドになっているようです。

また、原作漫画版の最終回は成人式となっていましたが、劇場アニメ版ラストシーンは、それより前の文化祭の場面となっていました。このラストについては賛否両論ですが、劇場アニメ版から『聲の形』を観た方には概ね好評で、青春映画のような切なさと爽やかさを感じた方も多いようです。

ネタバレ注意!アニメ劇場版『聲の形』を観た人の感想

前の項目で説明した通り、アニメ劇場版『聲の形』のラストシーンは漫画版『聲の形』と少しだけ違うものとなりました。では、このアニメ劇場版を見た方の反応はどのような物でしょうか。

賛否両論ではあるものの、「いじめのシーンのきつさが少し和らいでいるからこそ最後まで見れた」とおっしゃる方や、「文化祭をラストシーンに選んだ監督のセンスに脱帽」といった肯定的な感想が多く見られます。その他にも、試写会での満足度は94%。おすすめ度は98%を記録。Amazonでの評価も5点満点中4.9とかなりの高評価となっています。

また『聲の形』の舞台のモデルとされたのが岐阜県大垣市。著者である大今良時さんも「大垣の懐かしい風景に導かれてこの作品ができました」と語っています。映画の影響から大垣市には聖地巡礼者が大勢訪れたようで、新聞にも取り上げられました。

ネタバレ注意!大反響を呼んだ『聲の形』しかし一方で?

劇場版も公開され、大反響を呼んだ『聲の形』。好評を博しましたが、一方で「感動ポルノだ」という声も上がっています。「感動ポルノ」とは障害を負った経緯やその負担、障がい者本人の思いを無視して「困難に耐えて頑張る」姿ばかりを描写した作品に対する、抗議をこめた呼び名です。

確かに『聲の形』のヒロインである硝子は聴覚障がいを持っていますし、それが『聲の形』は硝子の障がいに起因したいじめについても描いています。漫画版『聲の形』に対しても同様の声が上がってはいましたが、どうして劇場版でこうした抗議が大きくなってしまったのでしょう。純粋に映画化されたことで『聲の形』に注目する人が増えた、ということだけが原因とは思えません。

上の画像は『聲の形』コミックス第3巻のネタバレとなりますが、将也が自分自信を殺してしまいたいと思うほど憎んでいる描写です。他にも自責の念にさいなまれる姿や、将也がいじめを受けるシーン等の描写が『聲の形』で数多く見られます。しかし劇場版アニメだとこういった場面が少しマイルドに描かれています。これが原因の1つではないでしょうか。

その他にも劇場版アニメでは、原作で出番の多いキャラクターの1人である真柴智の出番がかなり少なくなっています。上の画像はコミックス第5巻のネタバレ画像となっていますが、真柴は原作において、いじめを受けていた過去を持っていました。映画ではこうした真柴の性格を描かれていないので、『聲の形』にも「いじめ加害者を許せないキャラクター」がいるということが伝わらず、抗議の声が大きくなったのではないでしょうか。

『聲の形』についてのネタバレ紹介まとめ

今回は『聲の形』について、ラストまでのあらすじや名シーン、その他ファンの感想等、ネタバレを含みながら紹介してみました。いかがだったでしょうか。『聲の形』については、社会問題を扱った漫画ということもあって、賛否両論様々な感想が挙げられています。

しかし『聲の形』著者である大今良時さんはこういった問題に対しての意見を読者へ押し付けようとしているのではありません。大今良時さんは「『読者に意見を聞いてみたい』という気持ちで描いた」と語っています。聴覚障がいやいじめ、その他社会問題等を取り扱った漫画だからこそ、読んでみると色々な意見が出てくるかもしれませんが、「考えながら読む漫画」として『聲の形』は傑作と言えます。

著者である大今良時さんは連載当時まだ20代と、非常に若い作家さんでした。だからこそ、『聲の形』のような読者へ問いかける漫画を執筆できたのかもしれません。今回ネタバレを含むあらすじ紹介をしましたが、『聲の形』を読むなら、まずはあれこれと考えず最後まで読んでみて、それから自分なりに考えてみるのがいいのでしょう。

『聲の形』を描き終え、大今良時さんは現在『不滅のあなたへ』という作品を連載されています。こちらは『聲の形』とは雰囲気もジャンルも異なっていますが、非常に興味深い作品です。今後とも大今良時さんの作品から目を離せません。これからの活躍を楽しみにしましょう。

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