聲の形の声優キャスト一覧！原作漫画との比較や感動のシーンも紹介

「聲の形」は大今良時による少年漫画作品で、2016年に京都アニメーションにより、アニメ映画化しました。聴覚障害を持っていて、それが原因でいじめにあってしまう西宮硝子と、最初は西宮をいじめていたけれど、後に自分もいじめの標的になってしまった石田将也。

そんな二人を主軸とした物語で、過去の出来事での罪の意識や、自分の気持ちが伝わらないもどかしさ。そんな心の些細な動きが描かれた感動の作品です。「聲の形」のキャッチコピーは「君に生きるのを手伝ってほしい」で、生きることの難しさや、一人の無力さを感じられる作品になっています。

京都アニメーションは作画の綺麗さ、丁寧さで有名なアニメーション制作会社です。とくに背景や、キャラの仕草が可愛いと言われています。「聲の形」でも桜の描写や花火、川など背景にもとても力を入れていて、高水準でまとまっています。登場キャラはどれも魅力的で、作品の雰囲気ととてもマッチした仕上がりになっています。

ここからは「聲の形」の主要キャラクターと演じている声優を一覧にして紹介していきます。魅力的で癖の強いキャラクターが多いですが、それぞれ心に闇を抱えています。そんな彼らに注目していきます。まずは石田家族から紹介します。

「聲の形」の主人公で、ガキ大将的存在で、悪ガキでした。耳の聞こえない西宮をいめじめていましたが、それが原因で自分も島田一旗らにいじめられることになってしまいます。

松岡茉優さんは主に女優として活動しています。「あまちゃん」入間しおり役「ちはやふる」若宮詩暢役など多数の作品に出演しています。「聲の形」でのキャスティングは監督の指名だったと言われています。

「聲の形」の主人公です。映画の冒頭は、石田が橋の上から飛び降りようとするところから始まります。未遂に終わりますが、小学生時代にいじめていた西宮硝子に対して罪悪感をもっており、それを反省し、罪を償おうとします。西宮とコミュニケーションを図るために手話も覚えて、積極的に声をかけます。しかし、夏祭の日、自宅の窓から飛び降りようとした西宮を助けるために、逆に自分が落ちてしまい、重症を負ってしまいます。

入野自由「いりのみゆ」と読みます。声優、歌手、俳優と幅広く活躍されています。「千と千尋の神隠し」ハク役、「ハイキュー」菅原孝支役、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」宿海仁太役など、その他多数の人気作に出演している、大人気声優です。アニメ映画「聲の形」の監督は、声を聞いた瞬間に聲の形の世界が収束したような素敵な感覚があったとコメントしています。

画像の右側が石田将也のお母さんの石田美也子です。床屋を営んでおり、それにより生計をたてています。しっかりもののお母さんで、作中屈指の良心的性格の持ち主です。しかし、お金の入った封筒を燃やしてしまうというドジな一面もあります。

ゆきのさつきさんは、主に声優として活躍されています。「犬夜叉」日暮カモメ役、「フルメタルパニック！」千鳥かなめ役、「ひぐらしのなく頃に」園崎魅音役など、その他多数の人気作に出演されています。今回は包容力のあるお母さん役で、役柄にあった演技が魅力的だったと言われています。

続いて西宮家族の一覧です。祖母、母、娘二人の4人家族ですが、作中に祖母である西宮いとは亡くなってしまいます。西宮家族の関係はあまりうまくいっておらず、祖母が亡くなったことで更にギクシャクしてしまいます。

「聲の形」のもう一人の主人公です。先天性聴覚障害を患っており、耳が聞こえず、話すこともできないので、コミュニケーションはノートなどでやりとりをしていました。発音は辛うじてできるのですが、聞き取りにくく、それが原因でいじめられてしまい、当時の石田と取っ組み合いの喧嘩にも発展してしまいます。

西宮はいじめられたことがきっかけで、特別支援学校に通うことになります。その後高校時代に石田と再会を果たし、石田が罪悪感からとはいえ、献身的に接してくれたことにより、恋心が芽生えていきます。しかし、石田がいじめられたり、孤立してしまって、今いる友達との関係も悪化してしまった原因が自分にあるのだと思い、西宮は誰に相談することもできず、自分を追い込んでゆき、飛び降り自殺を図ります。

早見沙織さんは主に声優、歌手として活躍されています。「BORUTO」うずまきひまわり役、「Fate/Apocrypha」アタランテ役、「魔法科高校の劣等生」司波深雪役、その他多数の作品に出演している大人気声優です。聴覚障害のキャラということで、あまり言葉を発するシーンはありませんが、少ない機会の中でその演技力を発揮されています。

西宮硝子の妹で、中学生ですが、不登校で学校には通っていません。少年のような外見で一人称がオレなので、男に間違われることも多々あり、当初は西宮の彼氏と名乗っていました。石田との関係は良好で、兄のように慕っています。写真撮影が趣味ですが、撮るものは動物の死骸ばかりです。その理由は姉の硝子が小学生時代自殺を考えていたことがあり、それを思いとどまらせるための行動です。

悠木碧さんは、主に声優、歌手として活躍されています。「君の名は」名取早耶香役、「魔法少女まどか☆マギカ」鹿目まどか役、「戦姫絶唱シンフォギア」立花響役、その他多数の人気作に出演されています。その幅広い演技力はとても評価されていて、「聲の形」でも癖のある西宮結弦を見事に演じきっています。

西宮硝子のお母さんです。女手一つで二人の娘を育ててきたことからも窺えますが、かなり強気な性格です。石田と再会した際にも、硝子がいじめられていた過去を知っていたので、問答無用で平手打ちをしました。石田のお母さんとも最初は不仲でしたが、一緒にお酒を飲んで意気投合し、その後は良好な関係になっていきます。もちろん石田の献身的で、心から罪を償いたいという態度に、心が動かされたというのもあります。

平松晶子さんは、主に声優として活躍されています。「逮捕しちゃうぞ」小早川美幸役、「テイルズオブデスティニー2」ハロルド・ベルセリオス役、その他多数の作品に出演している人気声優です。明るく快活なキャラを多く演じていると言われていますが、クールなお母さんキャラを見事に演じきっています。

続いて石田と西宮の同級生一覧を紹介します。小学生時代には西宮、島田をいじめていた、植野、島田は高校生になってどのような心境の変化があったのか、それもあわせて紹介します。

石田の小学校時代のクラスメートで、西宮をいじめていた人物の1人です。さばさばした性格で、姉御肌ですが毒舌です。その性格から成り行き的に西宮の世話係を引き受けますが、不満が募ってゆき西宮をいじめるようになります。実は石田のことが好きで、高校生になって再会し、あの手この手でアプローチをかけますが、西宮の存在もあり全く振り向いてくれません。

二人と再会した植野は、誰に対しても本音をぶつけるその性格で、石田や西宮など周りの人間関係を壊してしまいます。石田が重症を負ってしまったことで、ギクシャクしながらも互いに歩み寄ることで、西宮との関係はいじめる側といじめられる側から友達へと変わっていきます。

金子有希さんは、主に声優として活躍されています。「アイドルマスターシンデレラガールズ」高森藍子役、「たまこまーけっと」常盤みどり役など、その他多数の作品に出演されています。舞台やドラマにも声のみで出演されていて、活躍の幅を増やしていってます。

島田は小学校時代の石田のクラスメートです。冷静でどこか斜に構えたような性格で、世渡り上手な一面もあります。当初は石田と仲が良く、いつも一緒に行動していましたが、西宮が転校してきたことにより、その関係に変化が訪れ、島田は石田をいじめのターゲットにします。中学生になってもいじめは続き、石田が孤立する原因を作りました。

小島幸子さんは、主に声優として活躍されています。「電脳コイル」フミエ役、「魔法少女隊アルス」アルス役、その他多数のアニメ作品に出演されていて、多数の吹替も担当されているベテラン声優です。可愛らしくも大人びた演技が、どこか達観している島田の雰囲気と合っていると言われています。

高校生になり、植野の差し金で石田と再会します。ですが、過去のしこりはお互い残っていて、もう昔のように話す事はできない状態でした。石田がベランダから落下するのを目撃していて、水の中に落ちた石田を救出したのは島田でした。しかし、植野には自分が助けたことは言うなと口止めをしています。

西谷亮さんは、主に声優として活躍されています。「BORUTO」メタル・リー役、「デュエルマスターズ」シャチョー役など、若手ながら多数の作品に出演しています。そのクールなイケメンボイスで存在感たっぷりに、島田を演じていました。

石田の高校でできた初めての友達です。マイペースな性格で、ぽっちゃり体型の愛されキャラで、石田のことを「やーしょー」と呼びいつも一緒に行動しています。映画監督を目指していて、作中でも永束をリーダーとして、映画の撮影を行います。

小野賢章さんは、声優、俳優、歌手と幅広い活躍をされています。「ハリーポッターシリーズ」ハリー・ポッター役、「BORUTO」奈良シカダイ役、「黒子のバスケ」黒子テツヤ役、その他多数のアニメ作品や吹替を担当している大人気声優です。ユーモラスで、どこか憎めない永束を見事演じきっています。

アニメ映画「聲の形」では、尺の都合などの影響で、原作で語られていたエピソードがカットされている部分があります。そんな原作とアニメ映画の相違点を一覧にして紹介します。

永束が主体となって進めていた映画作りの件が、アニメ映画ではカットされていました。原作では、友情をテーマにした映画製作を企画し、コンテストで審査員に酷評されてしまいます。

「聲の形」のクライマックスがアニメ映画では文化祭でしたが、原作ではエピローグ的な成人式で終わります。一度みんなとの関係は壊れかけましたが、その後修復し成人式では仲の良い普通の友達として描かれています。最後は石田と西宮が手を繋いでみんなのところに行くシーンで終わります。

アニメ映画では、石田の入院中に描かれる、各キャラクターのエピソードがカットされています。その結果、キャラの掘り下げが不十分に感じる部分もあり、原作と違い川井や間柴などは影が薄くなってしまっていると言われています。

このシーンは、西宮が石田に対して告白するシーンです。聴覚障害を持つ西宮は一生懸命言葉で好きと伝えようとしますが、石田には、「うき」や「つき」と聞こえてしまい、結局告白は失敗に終わります。CMに一部使われていたシーンで、心揺さぶられるシーンです。

「聲の形」のキャッチコピーにもなっている「君に生きるのを手伝ってほしい」というシーンです。ベランダから落下して重症を負ってしまい入院していた石田が目覚め、真っ先に西宮を探します。そして西宮を見つけた石田がかけたのがこの言葉でした。西宮にとっては自分に関わる人は不幸になってしまうと落ち込んでいた状態でしたが、この言葉が救いになり支えてあげる人ができたシーンだと言われています。

アニメ映画のラストの文化祭のシーンです。ここまで石田は小学校時代のトラウマから相手の顔が直視できませんでした。作中でその相手は顔に×マークが付いています。このラストは石田が今までの罪の意識から解放され、自分自身を生きてていいと認められた瞬間。今までみんなの顔に付いていた×マークもはがれていき、やっと人と正面から向き合えるようになった瞬間です。

ここまで「聲の形」の魅力を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか？文字では伝えきれない部分もあったかと思いますが、是非この作品は見ていただきたいです。2016年は「君の名は」など、アニメ映画が豊作の年でしたが、「聲の形」も全く負けていません。「聲の形」を見るときは涙が止まらなくなると思いますので、是非ハンカチの用意は忘れずに。