【宝石の国】パパラチアの魅力とは？ルチルとの関係や名言・名セリフも紹介

宝石の国とは、人間が存在する年代からはるか未来に生きる28人の宝石たちの物語です。宝石達は皆人型をしており、話したり、動いたりすることができます。主人公のフォスフォフィライトは、宝石達の中でももろく、それでいて敵である月人に狙われやすいため、なかなか職につくことができずにいました。

ある時、フォスは月人と金剛先生の間に何かしら関係性があるのではないかと疑念に思います。今回紹介するパパラチアサファイアは、そんなフォスにアドバイスをする重要な役割を持っています。ここではパパラチアがどのような人物なのか、パパラチアの元となった宝石の解説やルチルとの関係性などを紹介します。

宝石の国は市川春子によって、講談社の月刊アフタヌーンんで連載されている漫画です。2014年には「このマンガがすごい！オトコ編」で10位にランクインしています。また、2017年にはCGを使った3Dアニメが放送されました。アニメは原作の1〜31話と36話までの、パパラチアが眠りから覚めるところまでが放送されています。

パパラチアサファイアは、ピンクやオレンジが混ざりあった絶妙な色合いで蓮の花を象徴しています。スリランカの言葉でも蓮の花を意味する名前です。また、パパラチアサファイアは4月8日の誕生石で、愛や恋愛、新しい出会いや希望といった前向きの意味も持ち合わせています。

ファンシーカラーサファイアの中でも、特にパパラチアサファイアは希少性が高く美しいとされています。この色は無色のコランダムに不純物イオンが混ざることで作られ、ルビーやサファイアなどの色合いに変化していきます。パパラチアサファイアのように珍しい色合いや光によって色が変化するものは、特に希少性が高いといわれています。

パパラチアサファイアは産出が少なく、色合いの選定が難しいとされているため、幻の宝石としても知られています。その希少性の高さから「キングオブサファイア」と言われ、ファンシーカラーサファイアの中でも最高級品として取り扱われています。

パパラチアサファイアにはルビーのような赤さはなく、ピンクよりのオレンジからオレンジよりのピンクまでの色合いのサファイアがパパラチアに部類されます。特にオレンジに近い色合いだと希少性が高く、天然だとは思えないほどの鮮やかな色合いだとより高値で取引されます。

パパラチアサファイアの中には、コランダムを加熱処理（エンハンスメント）やベリリウム拡散加熱処理をすることによって、人工的に鮮やかな色合を引き出しているものもあります。熱処理をしていない完全に天然のパパラチアサファイアが欲しい場合は、購入の際に注意が必要です。

ルチルは医務を担当する宝石で、戦闘後欠けてしまった宝石たちの修復をしています。宝石の修復は他の宝石同士でもすることができますが、ルチルが一番修復が得意なようです。フォスはモルガナイトの修復をしようとしていたところ、右足と左足を逆に取り付けているため、修復にはある程度の器用さが求められます。

現に、フォスが足を失って変わりにアゲードと貝殻を持ち寄った時も、上手く接合させて見せました。また、ラピスラズリの首をフォスの身体に接合するなど、前例のないことでも修復させることに成功させました。ルチルは白衣を着ており、あらゆる宝石たちに触るため常に黒い手袋をしています。重要な役割や立ち位置を担っているため、基本的に戦闘時は医務室から出ません。

ルチルはかつてパパラチアの相棒を務めていました。パパラチアは、宝石の中でも一番強いボルツの次に強いといわれているため、以前はパパラチアと共に戦闘要員として戦っていました。ルチルとパパラチアでは圧倒的にパパラチアが強く、後に一振りでルチルを砕いています。

パパラチアは生まれたときから身体に穴が空いており、そのために長らく眠っていた状態でした。ルチルはパパラチアが目を覚ませるように、朝晩仕事の合間にパパラチアの身体の穴を塞ぐことができる代替品を作って過ごしていました。

そのおかげでどの宝石たちよりも医療技術を身につけることができ、パパラチアが長い眠りについてからは戦闘から離れ、医務員として宝石たちの修復をするようになりました。宝石達の修復だけでなく、インクルージョンについても詳しく説明できるほどの知識を持っています。

宝石達が冬眠している間、フォスは人型になれなかったルビーのかけらを見つけていました。フォスはルビーの場所をルチルに教えます。ルビーはパパラチアと同族のため、起動確立が上がり稼働時間も伸びると喜びました。早速ルチルはルビーを加工してパパラチアに埋め込みます。

ルチルはフォスに、回を増すごとにパパラチアの穴の空いたパズルは難しくなっていると言います。ルチルはパパラチアに対して、30万30回も手術を繰り返していました。フォスに見つけてもらったルビーをはめ込むと、パパラチアはゆっくりと目を覚ましまします。パパラチアが前回起きてから、231年11ヶ月1日経っていました。

目が覚めたパパラチアに、ルチルは自分のせいでまた長く眠らせてしまったと謝罪します。しかしパパラチアは自分のせいだとフォローしました。フォスはパパラチアの記憶を失くしてはいませんでしたが、パパラチアは一瞬フォスを見ても誰だか分かりませんでした。眠る前の記憶の中のフォスと比べて、目の前のフォスは明らかに変わっていたのです。

合金になってしまったフォスの腕を見て、自分みたいで可哀想だとフォスの頭をなでます。パパラチアはフォスの変わりように苦労したことを察知し、フォスを労いました。フォスはパパラチアと二人で話しをしたいと言い、ルチルに外に出る許可を得ようとルチルを見ると、疲労から地面に突伏して寝てしまいました。

フォスはパパラチアに「月人と話して自分で本当のことを見極めたい」と言います。フォスは金剛先生に対して不信感をつのらせていましたが、他のみんなは月人と金剛先生の関係を見てみぬふりをしていました。自分がやろうとしていることは間違っているのかとパパラチアに相談します。

パパラチアは、それが正しいことでも予想外の結果を生んで傷つけることになるかもしれないと、冷静に、慎重に事を進めるようにとアドバイスしました。それにフォスが応えると、パパラチアは再び眠りについてしまいました。

パパラチアの体質を克服させようと執着していたルチルでしたが、パパラチアは手術をやめて欲しいと思っていました。自分の身体を治した途端に倒れるように眠るルチルに、楽をさせたいと思っていたのです。それを聴いたフォスは、月に向かうメンバーにルチルとパパラチアを入れていました。ルチルには、月に行けばパパラチアが治るかもしれないと、月への興味を向かせます。

フォスはひとまずルチルを含めた月に興味がありそうなメンバーに、虚の岬に来るように言います。しかし、ルチルは迷ってしまいます。やはり金剛先生に相談したほうがいいのではないか、もしパパラチアがだめなら自分だけでも月に行こうと思っていました。しかし、フォスは眠っているパパラチアを連れ、来ないルチルを待つことなく月へ行ってしまったのです。

フォス達が居なくなった知らせを聞いたルチルは、真っ先にパパラチアが眠っている場所へと向かいます。しかし、既にそこはもぬけの殻となっていました。ルチルは激怒し、その衝撃で体中がひび割れてしまいます。一方で月に向かっているイエローダイヤモンドは、なぜパパラチアも連れてきたのかとフォスに問います。

フォスはおぼろげな記憶の中で、パパラチアが言っていた「ルチルを楽させてやりたい」という言葉を覚えていました。フォスが思っていた通り、月の技術によってパパラチアは目を覚ますことができました。そして奇襲を仕掛けるために再び地上の宝石達の元に戻ります。その姿を見たルチルは容赦なくパパラチアに襲いかかりました。パパラチアも一言も話すことなくパパラチアの身体を引き裂いてしまいます。

「ふぁ、おやおや今回はずいぶん派手だなあ」という名言は、パパラチアが身体に埋められたルビーを見て言ったセリフです。何度も手術を繰り返してきたパパラチアならではの言葉です。ルチルは今回いれたルビーだけではなく、あらゆる宝石を試していることが分かります。

ルビーを埋め込まれてパパラチアが目が覚めたのは、前回眠ってから231年11ヶ月1日ぶりでした。それをルチルから聞いた時に「大幅な記録更新だ」と驚きながらつぶやいた名言です。

ルチルは目覚めさせるために行った手術の回数を言い、自分は無能だと責めました。自分を責めるルチルに、「俺の運がないからさ」と言います。ルチルのせいじゃないと言うパパラチアの姿は、何度も施術をして疲れているルチルをいたわっているようでした。ルチルとパパラチアの信頼関係や想いが感じられる名言です。

先程の「運がないからだ」とルチルをフォローした名言は、もうあきらめてほしいというニュアンスも含んでいたのかもしれません。後にパパラチアはフォスに対して「例えば俺はルチルに俺のパズルを諦めてほしいと思ってる、楽させてやりたいんだ。」と心中を明かします。自分の為にルチルを苦しめたくないという本心からくる名言でした。

パパラチアの声優を担当しているのは朴璐美さんです。朴璐美さんが演じるパパラチアはとても評判がよく、まるで宝塚みたいでかっこいいという声もあります。落ち着いた年長組の雰囲気などが朴璐美さんによって、原作のイメージをそのまま再現されています。

朴璐美さんは声優やナレーター、歌手として活躍されています。老若男女はば広い声質を操る実力派声優です。少年役をすることも多く、パパラチアで見せるような低めの声は美しいと人気です。

朴璐美さんの代表作は「鋼の錬金術師」の主人公・エドワード・エルリック役で、朴璐美さん本人もとても思い入れのある役だったそうです。その他にも「進撃の巨人」でハンジ・ゾエ役、「BLEACH」で日番谷冬獅郎役、「NARUTO」で奈良テマリ役などの声優を担当しています。

洋画吹き替えにも多く担当しており、担当女優は「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」などに出演しているエヴァ・グリーン、「イン・ハー・シューズ」「ホリデイ」に出演しているキャメロン・ディアス、「アイデンティティー」に出演しているクレア・デュヴァルです。

先生に対して不信感をつのらせているフォスが、パパラチアに撫でられてすり寄っているようなシーンは印象に残っている人が多いようです。パパラチアの反応を見ると、前回眠る前はそこまで二人には接点はなさそうな印象でしたが、フォスは「かっこよくてなんでも知っている」と尊敬しているようなセリフがありました。他の宝石達よりも信用できると思っていたのかもしれません。

金剛先生に対する疑問に悩んでいたフォスの前に、パパラチアはタイミングよく目が覚めました。フォスの言葉を否定せず、やるなら慎重にとフォスに無理をさせないようなセリフも印象的です。アニメでは短い登場でしたが、一言一言に重みがあり名言だと感じる方も多いようです。

アニメで初めて宝石の国を見た方でも、パパラチアのファンは多いようです。アニメでは、パパラチアは最終話にやっと出てきたキャラクターでしたが、その一瞬でもフォスに対して重要な言葉を残します。そしてすぐに眠ってしまう儚い印象と強気な性格にひと目で好きになったという方もいました。

パパラチアはフォスだけでなく、他の宝石達からの信頼も厚いようです。眠っている姿のパパラチアに、イエローダイヤモンドなどがよく語りかけたりしているシーンがあります。イエローダイヤモンドは、月に行く時もずっとパパラチアの側にいました。年齢が近いだけあって気にかけているのかもしれません。

宝石の国でルビーによって目覚めたパパラチアは、短い登場時間でありながらも宝石達の兄貴分であり、信頼されていることがよく分かります。落ち着いた喋り方で、名言ともいえるセリフも多いところが特徴的です。また、ルチルとの信頼関係も厚く、置いていかれてしまったルチルは真っ先に月に行くと取り乱していました。

また、アニメ・漫画でパパラチアを見た視聴者や読者は、すぐにパパラチアのファンになった方も多くいました。パパラチアは宝石達だけでなく、読み手をも魅了するキャラクターです。現在ではパパラチアが月で処置してもらい、動けるようになっています。待望の戦闘シーンも見られるため、もしまだアニメしか見ていないという方は、ぜひ原作本でのパパラチアの活躍を見てみてください。