【サイコパス】東金朔夜が常守朱に執着する理由は？目的や正体・年齢など経歴を解説

「PSYCHO-PASS サイコパス」は、2012年からフジテレビの”ノイタミナ枠”で放送されていた近未来SFアクションアニメです。現代から100年後の日本が舞台になっており、一変日本の生活は、シビュラシステムと言われるシステムを中心に監視社会となっていました。また、精神状態やストレス度合い、性格や趣向においてを全て数値化したものを”サイコパス”、”色相”と呼び、ストレスのない理想的な社会を形成していたのです。

ですが、その数値化に伴い、一定数以上の数値を超えた者は”潜在犯”と呼ばれ隔離施設で過ごすことになったり、それ以上の数値を出すと執行という形で裁かれていました。厚生省が管轄する警察組織「公安局刑事課」が監視役として社会の秩序や治安維持を任されています。また、”ドミネーター”と呼ばれる特殊な端末銃、携帯型心理診断鎮圧執行システムを遣い、対象者を鎮圧執行していきます。

公安局刑事課には、エリートと呼ばれる監視官、サイコパスが悪化し施設送りになったものの適正を出され配属された執行官が上司と部下という関係でチームになり活動します。治安維持活動の末、執行官落ちしてしまった監視官もおり、サイコパスの色相チェックを日々行うなど日常生活にはシビュラシステムによる健康管理が中心になっていたのです。

シビュラシステムが確立された背景には、”自由主義経済の崩壊によって起きた日本経済の立て直しをするため”という理念がありました。これらによって確立された日本を描いたサイコパス第1期では、槙島聖護という免罪体質者（後半に説明あり）を中心に引き起こされた様々な難解事件が起こります。

主人公常守朱らが所属する公安局刑事課1係のメンバーで事件解決に向け奮闘していくというストーリーになりました。事件の首謀者として槙島聖護は狡嚙慎也に追われ最終話で対峙後に死亡。ならびに彼を追い対峙した執行官狡嚙慎也は逃亡という形で1期は収束へと向かいました。

そして、2014年には「PSYCHO-PASS 2」がスタートし、新たに加わった刑事課1係のメンバーがある1人の人物が企てた事件を追っていきます。サイコパス2では、1期で登場した霜月美佳（サイト内にまとめあり）が監視官として、雛川翔、今回まとめの中心人物である東金朔夜が執行官として1係のメンバーに加わり、爆弾事件から後の事件に繋がっていく事件を追うこととなりました。

サイコパスは、シリーズとしてまだまだ続いています。2015年には「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」が公開されました。また最新作は、2019年1月から「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System」として「Case.1 罪と罰」「Case.2 First Guardian」「Case.3 恩讐の彼方に＿＿3本連続公開と」と3本連続公開されます。

シビュラシステムは、スーパーコンピューターだとされていましたが、実際のところシビュラシステムの正体は、200人以上に上る免罪体質者の脳をユニットさせた有機演算システムだったのです。これらによって、22世紀の治安維持、社会の均衡は保たれていたのでした。サイコパス1期で、常守朱は厚生省の地下にあるシビュラシステムの深層部分を知ることに。常守朱の合理的判断は、シビュラシステムから買われる存在になります。

サイコパス2で事件を引き起こしていく中心人物は、シビュラシステムが認識しない体質の鹿矛囲桐斗（かむいきりと）。彼は、2099年に修学旅行生を乗せた日空航空321便がクマタカ山に墜落したという、事故のたった一人の生存者だったのです。瀕死状態ながらに息のあった鹿矛囲桐斗は、医療特許技術を保有する東金財団（東金朔夜とも関係のある組織）の実験台にされ、184名の犠牲者の一部ずつを移植手術が施されたのです。

鹿矛囲桐斗は、184名の細胞を結合して再生された人造人間ともいえる存在。それ故に、シビュラシステムは鹿矛囲桐斗を認識しなかったといいます。また、彼をシビュラシステムに取り込まなかったのは、シビュラシステムを制裁するという目的意識があったということ、また、シビュラシステムが望むほどの魅力がなかったと言えます。

東金朔夜が刑事課1係に配属されて間もなく、爆弾事件をキッカケに様々な事件が起き始めます。普通の人なら色相が悪化してもおかしくない状況を目の当たりにしながらどんな時でも、常守朱の色相は低いままクリアな色を保っていました。東金朔夜は、そんな強いメンタルを持つ常守朱にいつからか興味を持ち始め、常守朱の色相に執着するようになります（配属前から知っていたのか、配属後に興味を持ち始めたかは不明）。

ある日、常守朱の部屋に「WC？」（後に、What Color？だと気づく）という暗号が書かれていたという事件が起きます。自分の部屋に入れても尚、動じず寧ろ自分が囮になる覚悟を魅せる常守朱を心配したり、事件時には背中を守ったりと気にかける素振りをみせます。そんな常守朱を気にかけるシーンが何度もありました。

一方常守朱は、優れた思考や観察眼を持つ東金朔夜を、同じような背格好、同じ銘柄のタバコを吸っていることから狡嚙慎也と重ねることもありました。また、気が合う東金朔夜と行動を共にすることが多くなります。

監視官の霜月美佳は、事件が進む度に東金朔夜が常守朱に対し異常な執着をしていることを薄々気付き始めます。そして、東金朔夜が公安局内を留守にしている時を見計らい東金朔夜の部屋へ無断侵入したのです。そこには、常守朱を盗撮したものとみられる写真や、彼女の色相を事細かに記録した等データがありました。まるで常守朱のストーカーかのような裏付け証拠が出てきたことで霜月美佳はドン引き。

探ったことがバレないようにした霜月美佳でしたが、少しのズレから東金朔夜は探ったものがいたこと、また、部屋に据え置きしていた監視カメラからその人物が霜月美佳だったと知ってしまったのです。このことから、狡嚙慎也を彷彿とさせるタバコや言動は常守朱の警戒を解くもの、また、信用させるための演技だったのではと考えられます。

公安局刑事課1係のリーダー監視官常守朱は、職業訓練施設ではトップの成績で卒業し、全省庁に適正を獲得した優等生です。どんな時もサイコパスをクリアに保ち、精神的に安定しています。合理的な判断と冷静沈着な性格をしており、監視官としても優秀。優秀な経歴を積み、年齢が若いながら順調にエリートコースを進んでおり将来を有望視されています。狡嚙慎也を影を追い求める描写もあり…。

そんな常守朱の声優は花澤香菜さんが担当しています。声優の花澤さんに関しては、サイト内に声優まとめがあるのでそちらを参照ください。

東金朔夜は、鹿矛囲桐斗を追い詰めた時に彼を迷わず銃殺しようとするなど、人を殺すことに抵抗がない描写がありました。どんな状況でも合理的かつ感情を乱さない常守朱に興味を抱くようになります。そして、犯人に部屋に侵入されたかもしれない状況（WC？の時）でさえ動じない常守朱のことを、遠くからドミネーターの再マティックスキャンで色相をチェックしたり、横目で観察したりと、不審な行動を始めたのです。

これらのことから、東金朔夜は常守朱に対して好意を抱いているのかとも考えられましたが、実際は違っていました。どんな時でも色相を悪化させず、クリアなサイコパスを保つ常守朱に「この状況でも美しい。だからこそ黒く染めてやりたい（潜在犯にしてやりたい）」というセリフを黒い笑みを浮かべ言っていたのです。東金朔夜の目的は、常守朱のサイコパスを悪化させることが目的でした。

東金朔夜（声優は藤原啓治さん。後半に声優さんの紹介あり）は、2073年6月6日生まれのAB型、身長は180cm。IDは00475-AEAE-00381-2。元セラピストという経歴を持ちます。母親は東金美沙子、医療・薬剤特許技術を持つ東金財団の親類者でもあります。

公安局に入局したのは2114年10月。年齢は41歳なのですが、閲覧できる書類等では2086年6月6日生まれ、年齢は28歳となっています。実は、経歴偽装・年齢詐称をしていたわけです。年齢詐称に至った原因や正体は後半で解説しています。

元セラピストという経歴があることを先述しましたが、実は他にも様々な経歴あり。東金朔夜の経歴は秘匿情報とされていましたが、霜月美佳はその情報を閲覧します。経歴はというと、2083年6月、厚生省が行う検診で史上最高値の犯罪係数を出していました。また、18年前（当時の年齢は23歳）に執行官として所属していたことも判明。ですが、上司にあたる監視官は次々にサイコパスを悪化させていました。それも5人もです。

東金朔夜の経歴を探っていた霜月美佳は、この事実を禾生局長に報告します。ですが、禾生局長はそのことを知っていたのです。それもそのはず、今回禾生局長として意識をだしていたのは東金朔夜の母親である東金美沙子だったからです。東金朔夜の行動等は黙認されていたわけですが…。

また、霜月美佳が閲覧した東金朔夜の経歴ファイルは、”オープンドアデータ”と呼ばれるもので、重要機密を暴こうとするものをおびき寄せるための餌として用意されていた罠でした。また、東金美沙子はオープンドアを見た者を”社会不適合者”と言っています。東金朔夜の経歴の秘密を知った霜月美佳は、「口外禁止を絶対守る」と必死になります。

東金朔夜の母親である東金美沙子は、日空航空の事件当時”AA（Apriori Acquit）”と言われる特異体質の研究に勤しんでおり、脳と脳を繋ぎ合わせるという特許技術を最適な環境で試すことを望んでいました。タイミングよく実験材料（鹿矛囲桐斗ら）がそろったことで、鹿矛囲桐斗と犠牲者184名を繋ぎ合わせる手術を行ったのです。そして、東金財団の技術はますます進化を遂げていきました（シビュラシステムが隠匿したかった情報）。

東金朔夜は、東金財団の特許技術AAによって人工的に作りだされた”人工的な免罪体質者”ことが明らかになります。また、人工的免罪体質者の唯一の成功例が東金朔夜だったのです。東金美沙子は実の子供でさえも実験の延長線上とし、東金朔夜という史上最高の犯罪係数をたたき出す人物を誕生させた原因でもありました。

彼は物心ついた時には既に”動物を殺してもサイコパスの色相は悪化しないのか”という実験をさせられていました。これは本編でも描写されています。また、東金朔夜が人を殺すことにためらいのない行動はこれら実験による影響であったと考えられます。

東金朔夜は、常守朱のサイコパスの色相を悪化させたい一心から、心臓の病気で入院している常守朱の祖母常守葵を暴行殺害します。常守葵の居場所を教えたのは霜月美佳でした。彼女は、シビュラシステムの正体を知ってしまってからと言うもの、東金朔夜に怯えるようになります。自分を守る為なら執行官である東金朔夜の言いなりになるしかないと考えた霜月美佳は、自分の身を守るために常守葵の居場所を教えたのです。

まさか殺すなんてことは考えもしていませんでしたが。東金朔夜は鹿矛囲桐斗の仲間であった桑島を利用し、常守朱にケースに入れた常守葵の耳をみせることによって色相の悪化を望んでいましたが、常守朱の色相は悪化することはありませんでした。

シビュラシステムに裁きを与えることを目的に事件を企てていた鹿矛囲桐斗の存在が、東金美沙子の邪魔だと考える東金朔夜。最終決着を付けようと地下鉄に立てこもった鹿矛囲桐斗。緊急事態の展開に常守朱は局長から待機命令が出されます。ですが、霜月美佳が東金財団が絡んでいることを報告し、常守朱は東金朔夜の正体に辿り着きました。

東金美沙子の意識の禾生局長は、シビュラシステムに近づいてきている鹿矛囲桐斗を早く処分従っています。東金朔夜はこの状況を分かっているので、母親の意志に尊重しながら行動をしていますが、鹿矛囲桐斗は手強く、シビュラシステムの深層部分にたどり着いてしまいました。

東金朔夜の正体・経歴を知ってしまった常守朱。監視官を潜在半に陥れてきた経歴や、自分を黒く染めたかったことを指摘されてしまいました。その時、ドミネーターを持って現れた鹿矛囲桐斗に犯罪係数を測られてしまった東金朔夜の犯罪係数は、なんと769と史上最高の数値を叩きだしたのです。ですが、死に際、霜月美佳が執行しようと犯罪係数を測ると、これ以上の数値「899」をたたき出しました。

厚生省の深層部にあるシビュラシステムの部屋で対峙した2人はお互いにリーサルエリミネーターで撃ち合い、鹿矛囲桐斗は死亡。一方、東金朔夜は肩腕を負傷。「反逆行為、並びに常守葵の殺害容疑で逮捕する」と宣告された東金朔夜は逃亡を図りますが、途中で息絶え死亡しました。

東金朔夜は、母親である美沙子とシビュラを美しく保つのが自分の役目だと考え行動してきました。美沙子がシビュラシステムに取り込まれることを望み、もう少しで居なくなることを知った幼少の東金朔夜は、母親と一緒にいたいという想いから美沙子を殺害しようと試みますが失敗。幼い年齢だったため、母親と離れることが嫌なのは理解できますが、殺害を試みる心理は異常です。

シビュラシステムの一部となった美沙子を受け入れてからは、全て美沙子のために生きるようになりました。母親が全てだったことが伺えます。母親も自分も最期までシビュラシステムの奴隷だったと、年齢41歳ながら最後まで母親を気遣い、息絶えていきました。

鹿矛囲桐斗（声優は木村良平さん）は、年齢22歳、シビュラシステムに認識されない特殊体質の持ち主。航空機事故の唯一の生存者であり、東金財団によって無断で人体実験をさせられた人物。その結果、シビュラシステムに認識されない”透明人間”となってしまい、その原因となったシビュラシステムを裁くことを目的としあらゆる事件を引き起こします。最終的に彼の目的は成功しますが、実はサイコパス1期から出演していました。

東金朔夜の声優を担当したのは、藤原啓治さんです。藤原さんは、1964年10月5日生まれのA型、岩手県出身です。声優の他に、俳優、ナレーター、音響監督として活動されおり、自身の事務所AIR AGENCYを創設し、代表取締役を務めています。また、日本芸術専門学校講師としても活動されています。1990年かた声優として活動をはじめ、以降様々な人気アニメをはじめとした作品に出演されています。

藤原啓治さんの声優としての出演作は、クレヨンしんちゃん（野原ひろし）、ぼのぼの（アライグマくん）、はじめの一歩（木村達也）、カレイドスター（カロス・永戸）、鋼の錬金術師（マース・ヒューズ）、ケロロ軍曹（ナレーション）、交響詩篇エウレカセブン（ホランド・ノヴァク）、BLOOD+（ネイサン・マーラー）、西洋骨董洋菓子店 ～アンティーク～（橘圭一郎）、うしおととら（蒼月紫暮）等があります。

東金朔夜は人気もあり、押されていたキャラクターでした。常守朱の前では良い人を演じ、執行官のホープになろう人物だと予想されていました。ですが、実際は狡嚙慎也を彷彿とさせる演出が巧みで、見た目に反したマザコンサイコパスキャラ、年齢詐称という独特なキャラクター。まだまだ東金朔夜の活躍を見ていたかったいう意見もありました。

ストーリー中盤で東金朔夜の背景が浮き彫りになっていったところまでは、1期のように奥の深いバックグラウンドを持つ人物かと思われていましたが（実際は深いバックグラウンドを持っていました）、尺の関係上描き切ることができなかったのが残念なところでもありました。どうしても、1期に登場した槙島の幻影を追ってしまう視聴者にとっては、カリスマ性のないキー人物に不満があったように感じられます。

東金朔夜は、期待の新人執行官として人気が出そうなキャラクターだったうえに、後半からは犯罪係数ぶっちぎりのマザコンという位置づけとなってしまい、視聴者から落胆の声も聞こえたキャラクターとなってしまいました。シビュラシステムの申し子と自称し、監視官を潜在犯にさせることを繰り返していた東金朔夜は、常守朱のクリアな状態を保ち続ける精神力に興味津々の変態と化してしまったのは非常に残念です。

以上、サイコパス2に登場する東金朔夜が常守朱に執着する理由や目的、また、年齢詐称疑惑や声優まとめでした。東金朔夜登場当時は、新たなキャラクターとしてどんな風に執行官として活躍するのか期待する声も多くありましたが、実際はシビュラシステムの根源となった重要人物の上にとんでもない人物でした。サイコパスは、まだまだ続編が続いていますので、今からでもチェックしてみてはいかがでしょうか。