【もののけ姫】乙事主(おっことぬし)の正体とは?名前の由来・意味とモデルは?

乙事主は、スタジオジブリ制作の大ヒット映画「もののけ姫」に登場する、巨大な白い身体に四本の牙を持つ猪神達の王です。猪神の一族である「ナゴの守」がタタリ神になってしまった死を受けて、エボシ達からシシ神の森を守る為、遥か遠くの地から海を渡り一族を率いてやって来ました。500歳の高齢である乙事主の正体やモデル、名前の由来や意味とは何なのでしょうか?今回は、乙事主の名前の由来や意味・正体やモデルについてを、モロの君の一族との関係も交えてまとめてご紹介していきます。

【もののけ姫】乙事主(おっことぬし)の正体とは?名前の由来・意味とモデルは?のイメージ

目次

  1. 乙事主とは?
  2. 乙事主の名前の由来や意味に迫る
  3. 乙事主がタタリ神になった理由とは?
  4. 乙事主とモロの君の関係について
  5. 乙事主の活躍や謎を考察
  6. 乙事主の声優は誰?もののけ姫のキャスト一覧
  7. 乙事主に対する感想や評価は?
  8. 乙事主の由来意味もののけ姫まとめ!

乙事主とは?

乙事主はジブリ映画「もののけ姫に出てくる」四本の牙と巨体をもつ白い猪神の王です。猪神一族からタタリ神になってしまった「ナゴの守」の死を受けて、自然破壊をする人間達からシシ神の森を守る為、遥か遠い土地から海を渡り一族を率いてやって来ました。映画の終盤で人間達に一族で総攻撃を仕掛け、タタリ神に変貌するインパクト抜群の存在感を誇る乙事主。そんな乙事主の正体やモデル、名前の意味や由来とは何なのでしょうか。

今回は、乙事主とはどのようなキャラクターなのか、正体やモデル、名前の意味や由来についてを、モロの君との関係を交えてまとめてご紹介していきます。

乙事主のプロフィール

まずは、乙事主のプロフィールをまとめてご紹介していきます。乙事主は、四本の牙を持つ巨大な白い身体の猪神です。年齢は500歳の最長老で、猪神一族の王です。高齢で瞳が白く濁っている所から、乙事主は「白内障」ではないかと推測されます。

ほとんど目は見えていませんが、それを補う以上の鋭い嗅覚を持ち合わせており、目が見えなくても自由に歩き回る事が出来ます。嗅覚以外にも洞察力や感知能力にも優れており、離れた場所にいる人間の気配を察知したりする事も出来ます。高齢にも関わらず、岩を粉砕したり垂直の岸壁を高速で走行する事が出来るなど、人知を超えた神性的なパワーや防御力を兼ね備えています。

乙事主の性格

次に、乙事主の性格とはどのようなものなのかご紹介していきます。乙事主のみならず猪神一族に共通しているのは、神ならではの誇り高さです。融通がきかない頑固な面もありますが、他の猪神よりも深い器を持ち合わせ、戦の前にアシタカに逃げるように示唆したり、アシタカやサンなどの人間の言葉にも耳傾ける度量を持っています。

死ぬと理解しながらも一族の誇りを優先してしまう性格の乙事主は、タタリ神になってしまった「ナゴの守」に心を痛めていたにも関わらず、死の恐怖と、同胞を無残に殺されてしまった人間への憎しみから己もタタリ神になりかけてしまうという悲しいストーリーを辿ってしまいます。乙事主の性格は、モロの君とは対照的な人間臭さのある熱い性格であると言えるでしょう。

乙事主の名前の由来や意味に迫る

「もののけ姫」のなかで大きな存在感を放つ乙事主ですが、果たして、乙事主の名前の意味や由来とは何なのでしょうか?ここからは、乙事主の名前の意味や由来をまとめてご紹介していきます。

乙事主の名前の由来

ここからは、乙事主の名前の由来についてご紹介していきます。乙事主の名前は、宮崎駿監督の奥様の別荘もあり所縁深いとされている、長野県の「諏訪郡富士見町乙事」という地名から名づけられたと言われています。「もののけ姫」のモデルとなった舞台は「屋久島」や「白神山地」ではないかと思われがちですが、実際には、「諏訪信仰」や「八ヶ岳周辺」の文化が数多く取り入れられています。

「もののけ姫」の物語の中では、乙事主の名前のみならず、「エボシ御前」やタタラ場のトキの夫の「甲六」などのキャラクターの名前の由来も、「富士見町」の「烏帽子」「甲六」の地名をモデルに名づけられています。

乙事主の名前の意味

次に、乙事主の名前の意味ついてご紹介していきます。「富士見町乙事」の語源の由来を調べた所によると、乙事(おっこと)とは、「おちこち(遠近)から来ていると言われるように、稗之底村などの各地から集まった人によって構成された」という意味になるそうです。遠い所からも近い所からも、あちらこちらの方面から集まった人が集まって作った、という意味になります。

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乙事主がタタリ神になった理由とは?

一族からタタリ神が出た事を嘆いていたはずの誇り高き猪神の王である乙事主が、自身も同じタタリ神になってしまった理由とは何なのでしょうか?ここからは、「もののけ姫」に出てくる神様のキャラクターのモデルや、乙事主がタタリ神になってしまった理由、最後は本当にタタリ神になってしまうのかについてを考察していきます。

もののけ姫に登場する神様

「もののけ姫」の神様のキャラクターと聞いて一番に思い浮かべるのは、何といってもこの「シシ神」ではないでしょうか。シシ神は、生と死を司る神で、昼間は頭頂部に沢山の角が生えた人面の鹿で、夜は独自な模様で半透明な「デイダラボッチ」に変身します。昼間にシシ神が歩くと、足元に生えている草花が急に成長したり枯れてしまったりという現象が起こります。

夜のシシ神は、体内から出る青い光で森を育てつつ、あちこちを徘徊して回ります。不老不死の能力があると信じられていたシシ神は、ジゴ坊に騙されたエボシなどの人間に、「シシ神殺し」の対象として首を狙われてしまいます。

続いての代表的な神様キャラクターとは「モロの君」です。モデルはオオカミではないかと勘違いされがちですが、言葉を話す事が出来る白い山犬の神様で、人間に捨てられてしまったサンを育てた育ての親にも当たります。

「モロの君」の名前の意味や由来は神籬(ひもろぎ)という言葉からだとされています。神籬(ひもろぎ)とは、「神霊が天下る木」や「神の依り代となる木」という意味を持っています。日本人は、昔から木や海や岩などの自然に神様が居ると信仰してきました。その心霊に当たる森を守る役目を担っていたのがモロの君達だったため、神籬(ひもろぎ)に由来を経て、そこから「モロ」の名前を取る事にしたようです。

そして、もう一つ忘れてはならないのが今回詳しくご紹介している「乙事主」です。四本の牙を持つ大きな体を持つ猪神の王で、配下に沢山の猪神達を従えています。

そのうちの一頭である「ナゴの守」は、人間が放った石火矢によって傷を負いタタリ神になってしまいました。このナゴの守を石火矢で討ったのが何も知らなかったアシタカだった為、アシタカも呪いを受ける事となってしまったのでした。この三匹の神様達の他にも、「もののけ姫」の中には、正体不明の生き物や神様などが登場しています。

乙事主はタタリ神になったのか?

「もののけ姫」の物語の中で、途中に衝撃的な変化を見せた乙事主でしたが、ナゴの守同様にタタリ神になってしまったのでしょうか?ここからは、乙事主の最後について検証していきます。

人間達の総攻撃に敗れてしまい、体に重傷を負ってしまった乙事主の前に猪の戦士たちが現れます。それをとても喜んだ乙事主でしたが、実は現れた猪の戦士達は、人間達が殺した猪の戦士の皮を被っていたものだったのでした。油断した乙事主は、猪の戦士の皮を被った人間達から更なる攻撃を受けてしまう事になります。

それまでは、戦いの中で神としての威厳を保ち続けていた乙事主でしたが、人間達のあまりの卑怯さに、ついにキレてしまいます。するとその途端、乙事主の身体に異変が起こり始め、「熱いぞ!体が火のようだ」という台詞を皮切りに、乙事主の身体から無数の赤い蛇のような物が湧いてきました。

この赤い蛇こそが、タタリ神になって行くという証でした。完全なタタリ神になってしまったナゴの守は体から黒い蛇が出ていましたが、まだ変身途中の乙事主から出ているのは赤い蛇でした。結果として、変身途中の赤い蛇の段階でシシ神によって命を奪われた乙事主は、完全体のタタリ神にならなくて済みました。ここで命を奪ったシシ神の行為には、結果的に乙事主を主を助けるという意味が含まれていた事になります。

完全体のタタリ神ではない変身途中の乙事主の身体に触ったサンでしたが、アシタカのように呪いを受ける事はありませんでした。この事実は、タタリ神の呪いは完全体になるまでは人間に伝染しないという事を証拠づける事となりました。

タタリ神になる理由とは?

そもそも、タタリ神になるという事の理由は何なのでしょうか?ここからは、タタリ神になる理由について検証していきます。

通常であれば、猪神達には安楽な自然死が与えられる物とされていますが、それに反し、人間達によって強制的に殺される事によって生まれた恐怖や憎悪が、タタリ神を生み出す物だと思われています。残念ながら今回完全なタタリ神になってしまったナゴの守も、元はとても誇り高い猪の戦士でしたが、やはり突然訪れた死への恐怖と人間達への恨みの感情には勝てなかったようです。

タタリ神のモデルは?

ナゴの守が完全体のタタリ神になってしまいましたが、このナゴの守のタタリ神のモデルとなった物は何なのでしょうか?ここからは、タタリ神のモデルについて紹介していきます。

見た目がミミズや蛇のようなニョロニョロした蜘蛛のような不気味なフォルムになってしまったナゴの守。このタタリ神のモデルとなったのは、日本に古くから伝わる「土蜘蛛」でした。「土蜘蛛」とは、上古の日本において朝廷・天皇に恭順しなかった土豪たちを示す名称であるとされています。

もしくは、日本を魔界にしようとする怪物の事を指します。日本古来の書物の「平家物語」の中では、「土蜘蛛」は「山雲」と記載されており、源頼朝の蜘蛛退治の話の中で描かれています。タタリ神は、モデルの「土蜘蛛」を蛇で覆ったような姿で、二つはとても良く似ています。

「もののけ姫」には、アシタカが倒した祟り神の物語が長い年月をかけて源頼朝の蜘蛛退治の話に生まれ変わったという、宮崎駿監督なりののジョークが隠されていました。

乙事主とモロの君の関係について

モデルはオオカミではなく山犬の神様であるとされている「モロの君」。山や自然を汚す人間達には憎悪や厳しい姿勢を見せていますが、子供たちや娘のサンには深い愛情を注いでいます。そんな魅力的なキャラクターのモロの君と乙事主の関係はどうなっているのでしょうか?ここからは、乙事主とモロの君の関係について詳しくご紹介していきます。

モロの君の子供は?

モロの君は人間に捨てられたサンを娘として育てています。サンの他にも、モロの君と同じく人間の言葉を理解できる二匹の子供達がいます。実の子供とサンを分け隔てなく愛情を注いで育ててきたモロの君のお陰で、人間であるサンと山犬の二匹の関係はとても良好です。

高い知識を持つ二匹の子供ですが、名前はなく、三百年生きてきたモロの君とは違い、若さからかまだまだ血気盛んな性格をしています。モロの君の子供達の中では、サンが一番上の立場のようです。

モロの君に夫はいる?

「もののけ姫」の物語の中では、一度もモロの君の「夫」が登場する事はありません。公式での発表がない為詳細はわかりませんが、ある説では、モロの君には夫が居たが亡くなってしまったのではないか、いつもサンが着ている毛皮こそが、モロの君の夫の皮で作られた物なのではないかと言われています。

物語の中で、眠る時にも必ず身に着けている所を考えると、サンがモロの君の夫の形見を身に着けているという意味に捉える事が出来なくもありません。

乙事主とモロの君は恋仲だった?

アシタカと出会った頃には、旦那や恋人の存在はなかったモロの君でしたが、宮崎駿監督によると、以前はモロの君と乙事主は「いい関係」であったとされています。恋仲でとても仲が良かった乙事主とモロの君でしたが、100年前に別れてしまったそうです。

理由は明らかにされていませんが、お互いに年を取り一族の長となる際に、立場上、本来狩る側と狩られる側であるはずの猪と山犬が一緒に居ては他の一族たちに示しがつかないと考え、別れてしまったのではないかと推測されます。

モロの君の二匹の子供達の姿を見る限り、乙事主に似た点は無い為、子供達の父親は乙事主ではないと思われます。乙事主がタタリ神になりかけた際にシシ神の元へ差し出したのは、サンを助ける為はもちろんですが、それ以外に、以前に愛した相手をタタリ神になり切る前に楽にしてあげたいという想いがあったのかもしれません。

乙事主の活躍や謎を考察

ここからは、「もののけ姫」の作中での乙事主の活躍や謎を考察について考察していきます。タタリ神へと変貌してしまった乙事主の経緯や、サンとの名場面、人間と戦う事になった経緯や意味、鎮西の意味や由来についてまとめてご紹介していきます。

乙事主のセリフ

誇り高い猪神の戦士であった乙事主は、一族から「ナゴの守」のタタリ神を出してしまった事を恥じ、人間を憎み一族の行く末を悩んでいました。その証拠が「モロ、わしの一族を見ろ!みんな小さくバカになりつつある。このままではわしらはただの肉として人間に狩られるようになるだろう」という台詞に現れています。猪神達が、若くなるにつれてどんどん思慮の浅い神になっている事にも頭を悩ませていました。

罠だと知りながら、タタラ場に猪突猛進で突撃した乙事主と猪神は、ほとんどが命を落としてしまいました。そんな中、瀕死の乙事主が森に帰る途中で人間が殺した猪神達の皮を被って来た人間に気づかず言った台詞が「戻ってきた!黄泉の国から戦士たちが帰ってきた」です。死んだ者が早々蘇らない事を知っているはずの乙事主がこのような台詞を言う時点で、平常心が失われている事が伺えます。

乙事主とサンの名場面

乙事主とさんの名場面といえば、なんといってもサンがタタリ神になりかかった乙事主を助けようとするシーンです。乙事主の行動に対して否定的な意見を示すモロの君でしたが、サンは、最後まで目の見えない乙事主を支えようと頑張ります。

人間への怒りを抑えられずタタリ神に変貌しょうと赤い蛇が現れている乙事主に対しても、自身への呪いを恐れる事なく「ダメ。乙事主様、タタリ神なんかにならないで」と最後まで傍を離れませんでした。

乙事主の鎮西の意味とは?

「もののけ姫」の物語の中で、ジゴ坊の「鎮西?海を渡ってきたというのか!」と驚くシーンにもある通り、乙事主達猪神の一族は、鎮西(現在の日本の九州)からはるばる海を泳いで島根県のもののけの森までやって来た事になります。はるばる九州から泳いでやって来たという時点で、乙事主達の人間への恨みや憎悪が相当深い事が伺えます。

人間とイノシシが戦う理由

そもそも、乙事主達が人間と戦う事となった理由は何なのでしょうか?乙事主達が人間に怒っている理由は、エボシ達人間がシシ神の森を破壊した事についてでした。タタラ場で鉄を大量に作る為に膨大な量の木材が必要と考え、大量の森林伐採が必要なエボシ達人間の事を、森に住む動物達は快く思っていませんでした。

そこから、度々エボシと動物達との戦いが勃発するようになってしまったのでした。サンとアシタカが初めて出会った時にモロの君についていた傷も、エボシ達人間が付けた物でした。

乙事主らが泥を塗る理由

戦いの際に乙事主達猪神が泥を塗って出陣する理由は何なのでしょうか?この戦いの際に泥を塗る事の由来は、沖縄の奇祭である「パーントゥ」がモデルになっているとされています。このモデルの祭りには、全身につる草と泥をまとった「神様」が住民たちを追いかけ回して泥を塗り、無病息災を祈るという意味があります。

このモデルの祭りの意図に由来し、乙事主達猪神は、士気を上げる為や戦いの無事を祈る為を目的として泥を塗ったと考えられます。

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乙事主の声優は誰?もののけ姫のキャスト一覧

「もののけ姫」は、美輪明宏や森繁久彌、石田ゆり子などの豪華俳優キャストが出演しています。今回、乙事主の声を務めた声優とは誰なのでしょうか?ここからは、「もののけ姫」の出演キャストを一覧でご紹介していきます。

乙事主/森繁久彌

猪神の王で齢500歳の乙事主の声優を演じたのは、俳優の故・森繁久彌です。森繁久彌は、「屋根の上のバイオリン弾き」で上演回数900回、観客動員数165万人という記録により文化勲章を受章するなど映画やテレビ、ラジオなどでも活躍してきた名俳優で、今回の「もののけ姫」の他に、ジブリ作品では「風が吹くとき」のジム役を務めています。

ジブリ作品のみならず、「ドラえもん のび太と翼の勇者たち」への出演や、ディズニー映画の「ヘラクレス」のナレーションとしても知られています。「戦後最大のエンターテイナー」と呼ばれた芸能界の大御所ならではの存在感で、複雑な乙事主を演じ切っていました。

アシタカ/松田洋治

アシタカ役を演じたのは松田洋治です。アシタカは、17歳の蝦夷(エミシ)の血を引く青年で、一族の王となるべき血を受け継いでいます。王族の血に相応しい気品と端正な顔立ちで、森と人間との違いを分け隔てなく中立の立場で判断する事が出来ます。タタリ神の呪いを解くためにシシ神の森に来て、人間と森との共存を目指しています。

松田洋治は、映画タイタニックでレオナルドディカプリオの吹き替えを担当したり、舞台俳優としても活躍するなどの人気声優で、「もののけ姫」以外に同じくジブリ作品の「風の谷のナウシカ」でアスベル役、「高瀬宗次郎」役を演じています。豊かで表現力のある素敵な声は、まさに「ジブリヒーローの顔」であると言えます。

サン/石田ゆり子

サン役を演じたのは、女優の石田ゆり子です。サンは、モロの君が昔にサンの親を襲った時に身代わりとして捨てられた過去を持つ少女で、赤ん坊の時から山犬のモロの君に育てられてきました。人間でももののけでもないサンは、人間と森との対決に巻き込まれて心が揺れますが、立場的には親のモロの君と兄弟同然の山犬たちと同じ森側の立場として、エボシを殺してタタラ場の無力化を狙っています。

石田ゆり子は、「もののけ姫」ではサン役の他に、アシタカの元婚約者「カヤ」の二役を演じています。「101回目のプロポーズ」や「逃げるは恥だが役に立つ」などのテレビドラマや映画でも活躍する人気女優で、ジブリ作品「平成狸合戦ぽんぽこ」のオキヨ役、「コクリコ坂から」の北斗美樹役も演じています。

実は「北斗の拳」のユリア役も務めているという石田ゆり子は、透き通った優しい声がヒロインにピッタリです。

エボシ御前/田中裕子

エボシ御前役を演じたのは、女優の田中裕子です。エボシ御前は、もののけ姫でサンの適役に当たるタタラ場のリーダーで、売られてきた少女達に仕事を与えている為人望が厚いが、たまに冷徹な面も見せます。

田中裕子は、歌手の沢田研二を夫に持ち、様々な映画やドラマに出演し主演女優賞を受賞するなど、日本屈指の実力溢れる女優です。「おしん」や「MOTHER」などの人気ドラマに数多く出演しています。「もののけ姫」の他に、ジブリ作品「ゲド戦記」でクモ役を務めています。

タタラ場の皆に慕われて、クールで頭が切れる「女頭」のエボシ御前役には、声の抑揚が得意な田中裕子の高い演技力の高さが光っています。

ジコ坊/小林薫

ジゴ坊役を演じたのは、俳優の小林薫です。ジゴ坊は、天朝(天皇)と主従関係を結ぶ「師匠連」という謎の組織の一員で、天皇の勅令で不老不死の力を宿していると言われるシシ神を狙っています。エボシを利用し、森とタタラ場の対立を悪化させてシシ神退治を企んでいます。

コミカルからシリアスまでなんでもこなし、「カメレオン俳優」の呼び名を持つ小林薫は、「もののけ姫」以外にも、ジブリ作品の「ゲド戦記」で国王役を務めています。野心家でありつつもどこか憎めないジゴ坊の難しい役どころを上手に掴み、二枚目を隠して演じきった完璧な役作りに高い評価が集まっています。

トキ/島本須美

トキ役を演じたのは、声優や女優として大活躍の島本須美です。トキは、タタラ場のまとめ役を務める男勝りな女で、気の強さの中に甲六への愛情が溢れる魅力的なキャラクターです。

幅広く活躍している島本須美は、「ルパン三世」のクラリス役や「アンパンマン」のショクパンマンを始め、ジブリ作品の「風の谷のナウシカ」のナウシカ、「となりのトトロ」の草壁ヤス子役も務めています。清楚感のある澄んだ声で、様々なアニメの主要キャラクターを演じるベテラン声優です。

ゴンザ/上條恒彦

ゴンザ役は声優の上條恒彦が演じています。ゴンザはエボシの側近で、エボシに心底惚れており命がけでエボシを守ろうとするものの、どこか間抜けで笑えてしまう憎めないキャラクターです。

上條恒彦は、「3年B組金八先生」や「男はつらいよ」、更にはディズニーの「リトルマーメイド」のセバスチャン役で出演するなどドラマや映画で幅広く活躍している俳優で、ジブリ作品の「千と千尋の神隠し」のおとうさん役や「紅の豚」マンマユート団・ボス役を務めています。

ヒイ様/森光子

ヒイ様役は国民的大女優の故・森光子が演じています。森光子は、舞台「放浪記」や「渡る世間は鬼ばかり」などの人気作に数多く出演する演技派のベテラン女優です。

ヒイ様はエミシ村の巫女で、木片や石を使って占い、アシタカへお告げを告げています。おおらかで可愛いヒイ様のキャラクターは、みんなに愛される森光子のイメージにぴったり。宮崎駿監督が「陽気な卑弥呼」と称しているヒイ様を、アテレコ初挑戦の森光子が抜群の演技力で表現しています。

モロの君/美輪明宏

モロの君役を演じたのは、俳優やシンガーソングライターなど、数々の肩書を持つ美輪明宏です。モロの君は、人間の言葉を話す事が出来る齢300歳の白くて大きな山犬の神様です。森を壊すエボシを殺して元の平和な状態に戻そうと考えています。

仏の化身のような上品で謎めいた容姿で大きな説得力を持つ美輪明宏は、「もののけ姫」以外にも、ジブリ作品の「ハウルの動く城」の荒れ地の魔女や「劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パール アルセウス 超克の時空へ」のアルセウス役を務めるなど、見た目とは似つかない意外な役を演じています。

モロの君と乙事主の昔の恋の事実を知って声色や感情を変えるなどの熱演があちこちから絶賛され、「東京スポーツ映画大賞」で助演男優賞を受賞しています。「黙れ小僧!」や「言葉まで無くしたか」という短いセリフの中に込められた感情や奥深い声に、視聴率からの反響が多かったです。

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乙事主に対する感想や評価は?

ここからは、「もののけ姫」の乙事主に対する評価や感想はどうなっているのでしょうか?ここからは、視聴者のTwitterを元に、乙事主への感想をまとめてご紹介していきます。

乙事主と聞いて一番に浮かぶのは、やはりこの乙事主がタタリ神になりかけるシーンのようです。小さい子供の中には、怖すぎてトラウマになる子もいるそうです。

やはり、乙事主とモロの君の過去の恋に衝撃を受けた方が多いようです。モロの君の短いセリフに込められた切ない感情を、声優を担当した美輪明宏が上手く表現しています。

人間達の罠だと全てわかっていても、あえて正面から攻撃する乙事主の「猪神」の誇りは、視聴者にもしっかりと理解されていました。

仲間の猪神に対して「みんな小さく、馬鹿になりつつある」と嘆いた乙事主。しかしながら、その絶妙なサイズ感に、猪神が人間の大動脈を狙った「人間を絶対に殺す」という強い意志を感じたという人も居るようです。

「もののけ姫」の乙事主登場シーンには、モデルとなった場所が現在も実在しているようです。樹木やコケに覆われている空気感が、まさに「もののけ姫」の世界観そのものです。乙事主がタタリ神に変身しかけた衝撃シーンのこの場所は、視聴者の中にも印象深く刻まれた人も多いようです。

最初は理解しがたく驚愕だった乙事主とモロの君の恋ですが、時間がたつと不思議に納得が行くようになるようです。二匹に込められた、宮崎駿監督の想いが推測されます。

モロの君と乙事主が恋人だったという裏設定がわかってから乙事主を好きになるという人も多いようです。裏設定がわかってから改めて聞くセリフには、一度目に聞いた時とは違う発見があります。

乙事主の由来意味もののけ姫まとめ!

今回は、「もののけ姫」に登場する乙事主の正体や、名前の由来や意味、モデルについて詳しくまとめてご紹介していきました。猪神の王として、一族からタタリ神が出た事に心を痛め、人間を深く憎み、はるばる鎮西から海を渡って一族と共にシシ神の森にやってきた乙事主は、誇り高い神様でしたが、最後は死への恐怖と憎しみに勝てずにタタリ神になりかけてしまいますが、シシ神に助けられ、タタリ神にならずに済みました。

長野県の地名に由来して名付けられた乙事主。同じく人間から森を守るモロの君との意外な過去の恋愛事情の発覚により、短いセリフに込められた声優担当の美輪明宏の奥深い感情も読み取る事が出来るようになりました。

タタリ神の繁栄の為にどうしても大量の材木が必要だったエボシを始めとする人間と、森を守る為に戦うシシ神やモロの君と乙事主。アシタカとの出会いによりその狭間にに悩み苦しむ人間のサンとが織りなすそれぞれの想いが交錯する「もののけ姫」のストーリー。

今までに見た事あるという方も多い「もののけ姫」ですが、今回乙事主の由来や意味、モロの君と乙事主の切ない裏事情を知った上でもう一度見直してみると、今までには気が付かなかった新たな「もののけ姫」の魅力や一面を発見する事が出来るかもしれません。この機会に、サンやアシタカではなく、「乙事主」に注目しながらもう一度「もののけ姫」を見直してみてはいかがでしょうか?

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