君の名は。の階段モデルは四ツ谷の須賀神社？瀧と三葉が再会した舞台・撮影場所

2016年に公開された新海誠監督による長編アニメーション映画「君の名は。」。公開から2年だった今もその人気が衰えることはなく、DVD＆Blu-rayで映像を振り返ったり、聖地巡礼をしたりと楽しんでいる人が多いようです。君の名は。とはいったいどのようなアニメーション映画だったのでしょうか。階段で2人が再開するシーンや劇中に登場する舞台のモデルとなった場所を知っていくためにも、映画の内容をおさらいをしていきましょう。

前作「言の葉の庭」からは3年となる、新海誠監督6作目となる劇場用アニメーション映画が「君の名は。」となります。

2016年8月26日(金)の公開後、途中1週のみ「デスノートLight up the NEW world」に1位を奪われたものの、13週目までに12回も週末動員数1位を獲得しています。2017年7月には興行収入250.3億円となったことが発表され、「千と千尋の神隠し」「タイタニック」「アナと雪の女王」に次ぐ日本歴代興行収入ランキング第4位(日本映画では2位)となりました。

主人公の2人は神木隆之介(滝)と上白石萌音(三葉)が声優を務めました。主題歌、劇中音楽はすべてをRADWIMPSが担当しています。「君の名は。」が公開される前からCMやYouTubeでは、RADWIMPSの曲に乗せた美しい映像の予告動画が話題となっていました。

東京の四ツ谷に暮らす男子高校生・立花瀧(たちばなたき)。ある朝、「名前は三葉―」と誰かに名前を教えてもらった夢を見て目を覚まします。しかし、目を覚ました瀧の目に映ったのはいつもと違う自分の体付き。瀧は自分が女子高生になっていることに気付くのでした。

岐阜県飛騨地方の山奥にある糸守町という場所に住む女子高生・宮水三葉(みやみずみつは)。ある朝、三葉は妹の四葉と祖母から「昨日は様子が変だった」と言われます。さらに、友人のテッシー(勅使河原)とサヤチン(早耶香)からも「昨日は変だった」と言われてしまいます。しかし、周りから変だったと言われてもあまり昨日の記憶がない三葉。授業中、ノートを見ると「お前は誰だ？」という文字が書かれていることに気付くのでした。

山奥の田舎暮らしにうんざりしていた三葉は「東京のイケメン男子として生まれ変わりたい」と思っていました。翌朝、目を覚ますと三葉は見慣れない部屋にいました。父親から瀧と呼ばれる男子高校生になっていることに気付いた三葉。夢にしてはあまりにもリアルだと思いながらも、身支度を整え家の外に出ると、その場所は憧れの東京でした。迷いながらも三葉は学校・アルバイトに向かい瀧の日常を過ごします。

最初は夢かと思っていたが、だんだんと夢ではなく現実であることに気付いていきます。そして、瀧と三葉の入れ替わりは週2～3回不定期におこっていること、入れ替わっていた間の記憶は起きると不鮮明になることに気付いていきます。そのため、2人はお互いの生活を守るためにルールを決め、入れ替わった日の出来事をノートと携帯電話にメモすることにしたのでした。

2人はだんだんと入れ替わりを楽しむようになります。ある日、三葉のおかげで瀧はあこがれ先輩・奥村先輩とデートができることに。しかし、せっかくのデートなのに、瀧は奥村先輩よりも三葉のことが気になってしまいます。「デートが終わるころには空に彗星が見える―」光葉の残してくれたメモがなんのことかわからなかった瀧は、三葉に電話してみるも、電話は繋がらないのでした。

一方その頃、三葉はテッシーたちに誘われ、地元の神社で行われるお祭りに行っていました。この日は1200年に一度、ティアマト彗星が見られる日。三葉たちは空に流れる彗星を見上げていました。しかし、見ていた彗星は2つに割れてしまっているのでした。この日を境に、2人の入れ替わりはパタリとなくなります。三葉との入れ替わりがなくなり、音沙汰がなくなったことで、瀧は三葉に会いに行く決心をします。

三葉のいる場所の手がかりは、入れ替わった時の記憶をたよりに書いた山奥の中にある大きな湖の風景の絵だけ。場所が分からず、諦めかけていた時、ふと立ち寄ったラーメン屋で瀧の書いた風景の場所が「糸守町」だと教えてもらいます。そして、糸守町は3年前、隕石が落下しことで沢山の人が亡くなり、消滅してしまった町だという事実が明らかになるのでした。

彗星が落下したことで、三葉も四葉もテッシーたちもみんな亡くなっていたことを知った瀧は絶句します。そして、三葉と入れ替わりがなくなったのは彗星が落下した日付からだと気づきます。三葉を救いたいと願った瀧。彗星が落下することを伝えるために、もう一度だけ三葉との入れ替わりを成功させるのでした。

彗星が落下する日の朝に入れ替われた瀧。三葉との入れ替わりに成功した瀧は、彗星が落下するという情報を流し、町の人たちを避難させようとします。瀧が町を救うために奔走している時、瀧と入れ替わった三葉は御神体の中で目を覚まします。そして、御神体から外に出てみると、町がなくなっていることに気付くのでした。

過去の記憶を思い出し、入れ替わりには3年の時間軸のズレがあったことに気付いた2人。2人は「未来と過去を繋ぐ唯一の場所」へと向かいます。そして、カタワレドキ。瀧と三葉は時空を超えて、出会うことが出来たのでした。目が覚めても忘れないようにと、お互いの手に名前を書こうとします。

しかし、カタワレドキは終わり、瀧の目の前から三葉は消えてしまいます。瀧は三葉の名前を必死に覚えようとしますが、三葉の名前も糸守に来た理由さえも忘れてしまうのでした。

三葉は町の人たちを避難させるために紛争します。紛争する中、三葉の記憶も薄れていき、瀧の名前を思い出せなくなってしまうのでした。三葉の行動のおかげで、町の人たちは事なきを得ます。町が消えた大惨事になったにも関わらず、死傷者は1人も出さなかったという奇跡の町として糸守町は残っていきます。

その後、大学生となり、日常生活を送る瀧。あの日のことはほとんど記憶になく、三葉のことも覚えていませんでした。なぜだか気になる糸守町。そして、ずっと誰かを探しているような気がする…そんな悶々とした日々を送る中、乗っていた電車の中で、向かいの電車に乗っていた女性と目が合います。

目があった2人は、急いで電車を降りるとお互いを探し始めます。そして、階段でようやく顔を合わせた2人は、「君の名は？」と名を聞き合うのでした。

君の名は。のラストを飾る階段でのシーン。聖地巡礼には欠かせない場所となっています。そして、その階段のモデルになった場所というのは、四谷にある須賀神社だと言われています。階段のモデルになった場所というのは、いったいどこにあるのかをご紹介していきましょう。

君の名は。ラストで瀧と三葉が再開した階段のモデルとなった場所が四谷の須賀神社であると言われています。モデルとなった階段はJR丸の内線の四谷3丁目から徒歩7分ほどの場所にあります。須賀神社は江戸時代初期から四ツ谷の地に鎮座する四ツ谷十八ヵ町の鎮守様なのだそうです。

階段の雰囲気は、君の名は。のラストシーンと一致する部分が多くいです。しかし、作中の絵と全く一緒というわけではなく、階段の後方に見える景色には多少の違いがあります。作中で描かれている階段では六本木ヒルズがそびえ立っていますが、実際の階段モデル場所からは六本木ヒルズは同じようには見えないようです。

四谷の須賀神社では、瀧と三葉が再開した場所である階段の絵が描かれた絵馬が発売されています。階段を上った場所にある須賀神社。君の名は。以外でも色々な撮影で使われていることでも有名なようです。須賀神社同様、三葉の住んでいた宮水神社も糸守町を一望できる高台にありました。須賀神社と宮水神社には高台という共通点があるようです。聖地巡礼で須賀神社を訪れた際は、絵馬に願いごとを描いていってはいかがでしょうか？

須賀神社までのアクセス方法をご紹介します。

• JR　・中央線快速・総武線各駅停車　四ツ谷駅より徒歩10分・総武線各駅停車　信濃町駅より徒歩10分
• 地下鉄　・丸の内線、南北線　四ツ谷駅より徒歩10分　・丸の内線　四谷3丁目より徒歩10分

聖地巡礼をするために、これから須賀神社に訪れる人もいるでしょう。階段の場所は住宅地の中にあるため、騒いだり夜遅くに訪れたりするのは控えましょう。写真撮影も住民の迷惑にならないようにお気をつけください。

瀧と三葉が再開する階段のモデルにどうして須賀神社が選ばれたのでしょうか。須賀神社について調べてみました。

四谷の須賀神社を選んだのは、福岡県直方市にある須賀神社が関係あるのではないかと言われています。直方市の須賀神社には、今から1157年前のユリウス暦861年5月19日の夜、境内に小さな隕石が落ちたという記録があります。これは現在する最も古い隕石です。映画の作中、三葉の住む宮水神社も1300年前に境内に隕石が落ち、その隕石をご神体として神社を建てたとされています。

「隕石が落ちた時期が近い」「隕石が落ちた場所が境内」「落ちた隕石を御神体として守り続けている」などの共通点が見受けられることから、三葉の住む宮水神社のモデルは直方市の須賀神社ではないかと噂されています。

なぜ四谷にある須賀神社の階段をモデル場所にえらんだのか？それは新海誠監督が四谷在住だったからという噂もあるようです。四谷にある須賀神社では、主祭神である須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲の国で水を支配する八岐の大蛇を退治し、救い出した櫛稲田姫(くしなだひめ)と結婚して、結婚生活を送ったのが須賀神社といわれています。

滝と三葉が奇跡の再開果たすラストシーンのキービジュアルとして、須佐之男命と櫛稲田姫の愛の州である四谷の須賀神社を選んだのではないかと言われているようです。

君の名は。のあらすじをご紹介しましたが、瀧と三葉が奇跡の再会を果たすラストシーンの細かい部分をおさらいしていきましょう。

2人が入れ替わりをしていたときの「ティアマト彗星の落下により糸守町は消滅し、500人以上の死者が出た」という未来は、瀧と三葉の行動により、書き換えられました。糸守町は消滅してしまったものの、死者は1人も出ることなく、糸守町の住人は違う場所でそれぞれ生活を送っています。

彗星落下から5年後、三葉の同級生たちは東京のコンビニでアルバイトをしていたりと、現在も元気に生活している姿を見ることができます。そして、テッシーとサヤチンは結婚するようです。

大学生になり、就活中の瀧。社会人となった三葉。2人は「ずっと誰かを探している気がする」と思いながらも日常生活を送っていました。そんなある日、瀧は電車に乗って窓の外を見ていると反対車線を走る電車の中に三葉の姿を見つけます。三葉も電車の中から瀧を見つけます。すれ違いざまに何かを感じた2人は、急いで電車を降り、お互いの姿を探すのでした。

5年前に入れ替わりが起きていたことは何も覚えてないはずの2人。お互いの顔も名前も覚えていないはずなのに、何かが気になります。電車から降りた2人は、階段でやった出会うことが出来ます。瀧は階段を上り、三葉は階段を降りてきます。やっと会えた2人ですが、そもそも誰なのかも、なぜ追いかけてしまったのかもわからない…という想いから話しかけることができません。

階段ですれ違って、このまま何もなく終わってしまうのかと思ったとき、瀧が三葉に「あのっ…」と声をかけます。すると、振り返った三葉の目には涙が。そして2人は、声を揃えてお互いの名を聞くのでした。「君の名は―」と。

瀧と三葉が再開した階段のモデルとなった四谷にある階段。聖地巡礼として、この場所で瀧と三葉の再現写真を撮っている人たちが続出しています。Twitterに投稿されている再現写真をご紹介します。

三葉のコスプレをして再現写真を撮られているようです。かなり再現度が高いと話題になっているようです。

君の名は。ファンの人は何度も聖地巡礼をされる人が多いようです。この方以外にも、四谷の須賀神社を何度も訪れているというTwitterが数多く見受けられました。

君の名は。の人気は日本だけに留まらず、海外の人からも人気があるようです。香港で放送されるTVにも取り上げられていたようです。

僕のヒーローアカデミア・トガヒミコ役で活躍されている声優の福圓美里さんも四谷の階段を訪れ、再現写真を撮られていました。着物姿での再現が話題となっています。

有名人の方も再現されています。こちらは狩野英孝さん。三葉役がいない中での、1人での再現写真が話題となっていました。

四谷の階段以外の場所でも、君の名は。の舞台となった場所で再現写真を撮っている人が続出していたようです。新宿や渋谷、六本木など、君の名は。の舞台になった実在する場所はどんな所だったのでしょうか。Twitterの投稿など、ネットにアップされていた写真をまとめてみました。

瀧が三葉に電話をかけていた歩道橋に、op映像に映っていた新宿警察署裏の信号など。君の名は。の舞台がよくわかる写真をアップされています。

こちらは瀧がアルバイトをしていた舞台。イタリア料理店のモデルとなったお店です。新宿御苑にあるイタリアンレストラン「カフェラ・ボエム」とう実在するお店です。

瀧に入れ替わった三葉と奥村先輩がバイト帰りにスターバックスらしきカフェでお茶をしているシーンです。舞台となったのは渋谷にあるTSUTAYAでした。

他にも、渋谷が舞台となっていた場所は、瀧が歩いていたあおい書店前の歩道橋もあります。しかし、2018年10月時点で、あおい書店が閉店してしまったようです。聖地巡礼の地が1つ減ってしまった事を惜しむ声も多く見受けられました。

六本木で舞台となった場所といえば、瀧と奥村先輩がデートした場所が多くあります。上記は六本木ヒルズタワーの再現写真です。滝とデートに行った奥村先輩がはしゃいでいたシーンがありました。

そして、こちらは国立新美術館。瀧と奥村先輩が座ってお茶をしていたシーンの舞台となった場所です。瀧と奥村先輩のデートを再現するようにデートをするのも楽しいのではないでしょうか。

瀧が三葉を探すために立ち寄る舞台となった飛騨古川駅。奥村先輩が写真を一緒に撮っていたひだくろちゃんも実在するようです。

糸守町にある糸守湖の舞台となったのは諏訪湖だったようです。諏訪湖がモデルではないかと噂されているのは、「新海誠監督が長野出身である」「山に囲まれた中心に湖があるという盆地の風景が似ているから」という理由からだそうです。

いかがだったでしょうか。君の名は。で瀧と三葉が再開する階段のモデルとなった舞台場所についてまとめてみました。階段のモデルとなった場所は、四谷の須賀神社でした。また、君の名は。は階段だけでなく、他にも実在する場所や風景をモデルに描かれていることがお分かりいただけたと思います。

公開から2年たった今現在も君の名は。の人気は衰えることがなく、聖地巡礼に赴く人たちが多いようです。しかし、お店や風景は少しずつ変わってしまうもの。渋谷のあおい書店のように閉店してしまうと、モデルとなった風景が変わってしまうこともあります。君の名は。ファンの方々はモデルとなった場所が変わってしまう前に、聖地巡礼に行ってみてはいかがでしょうか。