凪のお暇の元カレ・慎二の過去や嫌いと言われる理由は?ゴンとも徹底比較

空気を読みすぎた結果、心が折れてぶっ倒れたOL。人生全てリセットして、貯金を元手とした無職期間を「お暇」と称して生き方を見直そう--そんな漫画が『凪のお暇』です。主人公・大島凪の元カレが、我聞慎二。この元カレ、強烈な性格から、読者からは嫌いという声も聞こえてきます。凪の過去の回想、慎二の過去の話や今の行動から、嫌いと言われてしまう理由を探ります。また、凪のお隣さんであるゴンは、慎二とは対照的なキャラクター。凪のお暇で描かれる二人の男性、慎二とゴンの比較も行います。

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目次

  1. 凪のお暇の元カレ慎二の過去や嫌いと言われる理由を調査!
  2. 凪のお暇のあらすじ
  3. 凪のお暇の元カレ慎二はどんな人?
  4. 凪のお暇の元カレ慎二の過去について
  5. 凪のお暇の元カレ慎二が嫌いと言われる理由は?
  6. 凪のお暇の慎二とゴンを比較!
  7. 凪のお暇の元カレ慎二の過去や嫌いと言われる理由まとめ

凪のお暇の元カレ慎二の過去や嫌いと言われる理由を調査!

今話題の人気漫画『凪のお暇』。コナリミサトさんの作品で、秋田書店『Eleganceイブ』で連載されています。また、2018年7月13日現在、単行本4巻が発売されています。秋田書店のWEBサイト『Championタップ!』では『凪のお暇』スピンオフ、『凪のお暇~節約観察日誌~』という作品も掲載されています。

『凪のお暇』主人公の大島凪(おおしま・なぎ)は、経理部に勤めるOL。「空気読んでこ」を己に言い聞かせながら生活しています。そんな凪が密かに付き合っている彼氏が、営業部のエース我聞慎二(がもん・しんじ)です。

ストーリー序盤、『凪のお暇』単行本1巻の時点で二人は破局しますが、その後も凪に付きまとう慎二。この元カレである慎二に対して、嫌いという声が多々聞こえてきます。その理由が何故なのか、詳しく見ていきます。

凪のお暇のあらすじ

まずは、『凪のお暇』のあらすじから解説していきます。主人公・大島凪。28歳の経理部OL。サラサラのストレートヘアに、オシャレなビジネスカジュアルで通勤。ニコニコ笑顔で空気を読み、人の分まで雑務もこなす。自分を押し殺し、常に周囲に溶け込もうと必死に生きています。

そんな彼女は、表面上は当たり障りない関係を築いていた同僚から、陰で「何考えてるかわからない」「ああなりたくない」と言われていることを知ります。空気を読みすぎて自分が出せていないと分かっている凪は、ショックを受けるものの何とか踏ん張ります。彼女の心の支えとなっていたのが、密かに付き合っている彼氏、営業部のエースである我聞慎二だったからです。

手を繋げる距離にいる二人だったのに…。

老若男女、社内外さまざまな人から好かれる慎二。彼は仕事もでき、営業部の若きエース、出世頭。そんな彼と付き合っていることが心の支えだったのに、彼が同僚と「彼女とはアッチの具合がいいから付き合っているだけ」「結婚する気はない」と話しているのを聞き、全てが崩れ落ちます。

凪の心身は限界でした。

凪は過呼吸を起こし、倒れた拍子に慎二が凪に気付きます。が、そんな凪に手を貸さず、担ぎ込まれた病院へも顔を出さず、という慎二。凪は「なぜこの人と付き合っていたんだろう」と思い返します。慎二との交際にしても、仕事にしても、全て自分は周囲の空気を読んで合わせていただけ。それがとても息苦しいことだと気付いた凪は、一切合切を断捨離することを決めます。

節約・貯金が凪の生きがい。

唯一の趣味だった節約で貯めた、貯金100万円。これだけを持って、彼女は生活基盤をすっかり変えます。仕事を辞め、彼女にとっての新天地・立川の安アパートへ引っ越し。携帯電話も解約。持っていたソファーも何もかも捨てたため、新しい部屋には、物がほとんどありません。地毛である爆発モシャモシャ天然パーマに、化粧気のない飾らない顔。服装だってTシャツにホットパンツといったラフなもの。仕事をしていないから、食事も質素。

環境を変えたことで、凪の気分は少し持ち直します。

だけど凪は「空気がおいしい」と満面の笑みを浮かべます。つい空気を読んでしまう自分の性格を変えるため、隣人に話しかけたり、職安所で気になった人に声をかけたり、逆隣に住む少女に笑いかけたり。新しい交友関係を築きながら、自分を見つめ直していきます。

しかし、そんな彼女の生活や心をかき乱す、二人の男性がいます。元カレの慎二と、隣人のゴン。元カレとの過去や、ゴンとのやりとりなど、主人公の凪だけでなく、色々な人の心情が丁寧に描かれているのが『凪のお暇』という作品です。男性側からの視点も多いため、男性読者からの支持も得ています。

「人生の転機」をテーマにした雑誌で、「『凪のお暇』大島凪、28歳。自分の人生、ちゃんと考える。」というキャッチコピーと共に、表紙を飾る凪。過呼吸で倒れたことが、凪にとっての転機でした。

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凪のお暇の元カレ慎二はどんな人?

では、『凪のお暇』読者から「嫌い」と言われてしまう、元カレの慎二とは、いったいどういうキャラクターなのでしょう。詳しく見ていきます。

慎二のプロフィール

凪と同じ会社の営業部に所属する我聞慎二。若きエースと周囲から期待され、それに応えるように成績を上げているエリートサラリーマンです。

営業成績は部の中でも抜群。

女性からはモテて憧れられ、男性からは可愛がられたり尊敬される存在。営業成績も良く、慎二にかかれば、気難しい年配取引先であっても、先方に合わせたキャラクターで信頼をもぎ取り、契約できてしまいます。

相手に合わせた行動をすることで好かれていきます。

気負わずとも周囲の空気を敏感に察知し、相手や場に合わせた行動ができるため、慎二のサポートを受けた後輩からは「人間じゃない」と驚嘆されるほど。外から見ると非の打ち所がない、完璧に見える人間です。

しかし、凪にだけは辛辣な慎二。チクチクと凪の劣等感を煽る言動をし、それでも凪を手放しません。実は凪にベタ惚れなのに、強制的に距離を取られ、目の前で拒絶されてしまいます。慎二の言動は、『凪のお暇』読者、特に女性からは嫌われるものなのです。

凪のお暇の元カレ慎二の過去について

元カレである慎二の性格・行動には、彼の過去が密接に関わっています。家族との関係性は、慎二にとって非常に居心地の悪いものでした。空気を読む能力が自然と身についてしまったのも、そういった生活から来ています。空気を読むことで相手にとって都合の良い人物になる、そこに慎二自身は投影されない。それが続いていたのが慎二の生活だったのです。

実家はお金持ち

『凪のお暇』単行本3巻で、象徴的なシーンが描写されています。凪と慎二の水族館デート、そこから思い出した慎二の実家。この話が、慎二の過去を知る大きな山場です。

ある日、凪は慎二の実家へと招かれます。彼女の回想で描かれる我聞家は、綺麗な一軒家に住み、食卓には綺麗に花が飾られています。父親は公務員、母親は美人な専業主婦。父親と慎二は仲良くゴルフの話をし、母親は天然な言動で父親から笑顔でツッコミを入れられる。完璧すぎて違和感を覚えるも、でもこのまま慎二と付き合えば、いつかは、表面上だけでも理想的になれるのでは、と思ってしまった凪。

凪の勘の通り、仲良し我聞家は仮初めの姿。父親は外に何人も愛人がおり、母親は整形を繰り返す依存症。長男は家を捨てて行方知れず。母親は出て行った長男が忘れられないため、慎二の声を聞いても兄の方じゃないのかと落胆する。そんな彼らは第三者がいる時だけ「理想の家庭」を演じる。母親の手料理なんて縁遠く、デパートの惣菜が普段の食事。

こんな家庭で育ってきた慎二は、空気を読むことが非常に上手くなっても、性格に難を抱えてしまいました。

凪のお暇の元カレ慎二が嫌いと言われる理由は?

凪の視点から見る慎二の行動

『凪のお暇』単行本第1巻の途中まで、凪から見た慎二の行動は描写されていても、慎二自身の心情は明らかになっていません。慎二は凪を苦しめていた原因の一つで、彼女の気持ちを折れさせた直接の原因。それもあり、読者は慎二に対して「このキャラクターは嫌い」という感覚が先立ってしまいがち。

別れた後もしつこく姿を現し、変わろうと決意している凪を大きく揺さぶってきます。凪にとっては切り離したい過去の人なのに、慎二はお構いなしに凪を見続けます。その執着心は、彼のある性質から来ています。

モラハラがひどい

超人気者で完璧とも思える慎二。しかし彼は、陰で致命的な問題を抱えていました。空気を読むのが得意な慎二なのに、凪に対してだけは空気を読まない。

モラハラ(モラル・ハラスメント)。相手を尊重せず、嫌味を言ったり馬鹿にしたりと、言葉や態度で精神的な攻撃をしてくる行動です。『凪のお暇』作中の、凪に対する慎二の行動の数々は、まさにモラハラ加害者のものなのです。

全てを捨てて変わりたい、と願う凪に対して、ずかずかと土足で心を蹂躙し、「お前は絶対変われない」と言い放つ慎二。凪の心に深く刻み込まれる呪いのような一言を告げ、また来ると言い帰って行く慎二。そんな慎二に、凪だけでなく、読者も「こいつは嫌い」だと思ったでしょう。

凪は『凪のお暇』作中の随所で、慎二との過去を回想します。節約志向のために豆苗を何度も育てていたのを馬鹿にされたこと。凪の勤務態度を知りながら、彼女の努力を見ぬふりをして同僚と笑い合っていたこと。慎二の友人たちに彼女だと紹介されなかったこと。水族館で群れて泳ぐイワシを見て、群れからはぐれた一匹を内心応援していたところ、彼はそのイワシを馬鹿にしたこと。

慎二視点で見る、数々の行動の理由

凪の視点から見ると、酷いモラハラ男の慎二ですが、彼の行動にも理由があります。『凪のお暇』作中で凪が慎二との過去を回想するのと同様に、慎二もまた、たびたび凪との過去を回想します。

「第三者の目がある」という空気を読んで、理想の家庭を演じる面々。凪との水族館デート中、自然と固まって泳ぐイワシの群れを見て、自分の家庭が想起されて恐怖を感じる慎二。群れからはぐれた一匹に対して、畏怖・羨望・懸念の入り交じった気持ちを抱き、イワシに対して「空気読まないと死んじまう」という発言へと繋がります。

しかし、そこに「ウケる」という一言がつくのが、慎二の悪いところ。彼の言葉の一つ一つが必死に生きている凪を苦しめていると、慎二自身は気付いていません。必死な凪をかわいいと思ってしまっているから、彼女の苦悩が分からない。

むしろ、あっぷあっぷしている凪は、自然と空気を読んでしまう自分と比べて、非常に人間らしいと思っている慎二です。彼女は無理して変わらなくても、その頑張る姿が好きなんだと語ります。が、それを打ち明けるのは凪本人ではなく、第三者。

凪のお暇の慎二とゴンを比較!

モラハラ慎二と対照的な男性として描かれているのが、凪の安アパートのお隣さん、ゴン。長髪にヒゲ、あちこちに彫られたタトゥー。クリエイターのようなことをしている描写はあるものの、職業不明。エリートサラリーマンの慎二とは見た目も属性も全く違うのがゴンです。

『凪のお暇』作者のコナリミサトさん曰く、どちらの男性も「クズ」……だそうですが、そんな彼らに凪はガンガン振り回されます。現状、凪と慎二、ゴンは三角関係となっています。

支配欲の慎二と悪意のない女たらしのゴン

OL時代、凪はくるくるクセ毛の髪の毛を毎朝二時間かけてアイロンで伸ばし、綺麗なストレートヘアを保っていました。凪は慎二が「さらさらのストレートヘアの女性が好き」と知っていたため、慎二と付き合い始めた後も秘密を知られないよう、必死に髪をセットします。サラツヤが大好きな慎二のために、ヘアケアもより丁寧になっていた凪。

毎日丁寧に髪をセット。

しかし、実は慎二も凪の天然パーマのことは把握済み。陰で一生懸命髪を整える努力をしている凪を見て、「めちゃくちゃ健気でかわいい」とベタ惚れします。その瞬間から、慎二の中で凪は「自分が一生守る」と考える相手となります。慎二はあっさりとしているように見えて、実はもの凄い独占欲の塊。凪のことも、最初こそ軽い気持ちだったのが、どんどんのめり込んでいきました。

凪が音信不通になると、あらゆる手段で痕跡を探し、必死に後を追う。凪と付き合っていたことを知らない後輩が彼女を馬鹿にすると、真顔で電信柱を蹴飛ばす。凪の近くに他の男の影(=ゴン)があることを知り、無理やりにキスをして見せつける。凪の好きなお菓子を手土産に部屋を訪ねる。それなのに、彼女に対しては本心を伝えないまま。

一方のゴンは、「目の前にいる人に誠実でありたい」いう考え方の持ち主。慎二のモラハラ気味の言動で苦しくなっていた凪は、そんな一見優しいゴンに惹かれていきます。しかしそれは、仲間から言わせれば「ゴンの目の前にいない人間はどうでもいい存在」ということ。ゴンは自分から何かを欲するのではなく、自分が必要とされたらそれに応えるタイプなのです。

彼の仲間は「ゴンには注意しろ」と、最初に凪に忠告します。ゴンに片思いをしている仲間の女性が嫉妬しているだけなのかと思いきや、実はゴンも一癖ある人でした。目の前にいる人が欲することであれば何でもする。そのため、彼と付き合いたいと思う女性とは何人でも付き合う……それがたとえ、同時進行であっても。

ゴンは、過去、何人もの女性と付き合っても、最後には「あなたといるとダメになる」という主旨の別れ文句で付き合いが途切れます。ゴン自身は相手の意思を尊重し、相手が望む行動を続けており、無自覚な女たらしとなっています。それは相手にとって麻薬のようなもの。結局ゴンと付き合うことになった凪もまた、彼の麻薬にあてられ、徐々に生活を乱されていってしまいます。

どちらも問題を抱える男性ですが、完璧な王子様でないキャラクターだからこそ『凪のお暇』読者の男性陣も共感を覚えているようです。

男性サイドへの目配せもあるからか、周囲でも「胸に刺さる……」と言っている男性読者が出てきています。「自分、すごくゴンに似てる……」「俺は慎二派かも」と言っていたり

凪のお暇の元カレ慎二の過去や嫌いと言われる理由まとめ

慎二の行動に理由があったとしても、表に出てくる行動はモラハラ紛い。主人公の凪に感情移入しやすい『凪のお暇』の作品を通してみると、元カレ慎二の行動は、やはり嫌いと言われてしまうのかもしれません。

『凪のお暇』単行本2巻で、元カノの凪を忘れられない慎二が、酔ってキャバ嬢に愚痴を言います。そこで慎二がこぼしたのが「好きな子ほどいじめたくなる」という一言。女性受けの悪いセリフですから、ここで再度慎二を嫌いになった人もいるでしょう。様々な人からの視点が丁寧に描かれ、誰かが絶対的な悪者にはならない『凪のお暇』ですが、やはりキャラクターごとに好き嫌いは分かれるようです。

連載中の、『凪のお暇』単行本化前の話でも、新たな波乱が起こり始めています。今後も彼らの人間模様から目が離せません。

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