【かがみの孤城】リオンにだけ記憶が残ってる？ラストシーンや原作と映画の違いを解説

こちらの記事では、辻村深月先生の小説を原作とする作品『かがみの孤城』の登場人物・リオンの記憶が、映画と原作小説のラストシーンで残っていたのかを考察しています。リオンの記憶については『かがみの孤城のリオンにだけ記憶が残ってる？ラストシーンを考察』の項目の中で紹介しています。映画や原作小説を見た人から、「リオンだけ最後まで記憶が残っている」と言われている理由を知りたい人は、チェックしてみてください。

また、映画と原作小説でのリオンの記憶の描写の違いや、リオンとこころのその後についても、考察を交えて紹介しています。他にも、こちらの記事では、かがみの孤城の作品情報やリオンのプロフィール、映画でリオンの声を演じた声優についてもまとめています。リオンがどのような人物なのか知りたい人は、そちらにも目を通してみてください。まずは、リオンが登場するかがみの孤城の作品概要と物語のあらすじを紹介します。

リオンが登場する作品・かがみの孤城は、小説家の辻村深月先生が、文芸雑誌・asta*にて連載していたファンタジー小説です。連載期間は2013年11月号から2014年10月号で、2017年にハードカバー版の単行本が発売されました。かがみの孤城は他にも文庫版と児童書版が発売されています。2018年には、書店員の投票によって順位が決まる文学賞・本屋大賞で1位を受賞し、翌年にコミカライズ化されました。

さらに、2020年には舞台、2022年には劇場版アニメ映画が制作されています。かがみの孤城の主人公であるこころや、こちらの記事で紹介するリオンなどの登場人物は、不登校の生徒たちで、現代の若者の悩みに寄り添った作品となっています。作者の辻村深月先生は、「誰かの“城”のような存在になる作品にしたいと思った」と話されています。

同級生からのいじめによって不登校になった中学1年生のこころは、ある日自室の鏡の向こう側に吸い込まれます。そこには、こころと同じように、学校に通わなくなった少年少女たちが集まっていました。そこでこころは少年少女たちと心を通わせ、今の自分と向き合っていくことになります。

リオンは、かがみの孤城の重要キャラクターの1人です。かがみの孤城の主であるオオカミさまの正体は、リオンの死んだ姉・ミオで、かがみの孤城はリオンのために作った空間だったのです。かがみの孤城は、学校に通わなくなった少年少女たちが集められていました。しかし、リオンは不登校ではありません。リオンはハワイにおり、そこで学校生活を送っていました。

では、なぜリオンがかがみの孤城に呼ばれたのかというと、その理由は生前のミオに「姉ちゃんと一緒の中学に通いたい」とお願いしたからです。母親の都合で、半ば強制的にハワイの中学校に留学させられてしまったリオンに、自分が通った雪科第五中学校の友人を作らせてあげるためでした。そして、リオンはかがみの孤城でこころたちと知り合いうことになります。

かがみの孤城のラストシーンで、城に集められたこころたち少年少女は、城での記憶をオオカミさまに消されます。しかし、かがみの孤城を見た人からは「リオンだけ城に居た時の記憶が残っているように見える」と言われることが多いようです。なぜそのような意見が出ているのかというと、その理由はリオンが現実世界で初めてこころに出会った時に、親しげにこころに話しかけてきたからです。

このシーンのリオンが、本当にこころのことを覚えているのか、公式設定では明かされていません。かがみの孤城から現実に戻る時、リオンがオオカミさまに「皆のことや姉ちゃんのことを覚えていたい」とお願いしています。

そして、オオカミさまは、このリオンの言葉に「善処する」と答えました。このやりとりや、リオンの現実での振る舞いを見ると、オオカミさまはリオンの願いを叶え、かがみの孤城での記憶を消さなかったのではないかと考えられます。

かがみの孤城のラストシーンは、映画と原作小説で若干の違いがあります。その違いとは、リオンのかがみの孤城での記憶が完全に残っているか、そうでないかです。映画のラストシーンでは、リオンはこころに親しげに話していることから、城での記憶が完全に残っているように見えます。しかし、原作である小説のかがみの孤城では、リオンもこころと同じように、うっすらと覚えているようなそぶりをするという違いがあります。

そのような違いから、リオンの「皆のことや姉ちゃんのことを覚えていたい」というお願いの効果は、映画ではリオンに全て割り当てられているのだと予想されます。そして、原作小説ではリオンだけではなく、かがみの孤城にいた少年少女たちに、それぞれ少しずつ振り分けられたのではないかと考えられます。

リオンとこころは、現実に戻って来たその後、友人として仲良くしています。こころがリオンを自分が通っているフリースクールに誘ったり、リオンが自宅にこころを招待したりと、学校以外でも一緒にいる様子が描かれています。2人がその後恋愛関係に発展したのかは不明となっていますが、映画や原作小説を見た人からは、「結ばれてほしい」という感想が寄せられています。

かがみの孤城の劇場版アニメ映画で、リオンの声を演じたのは北村匠海さんです。北村匠海さんは、主にテレビドラマや映画の俳優として活躍されており、これまでに実写版の『東京リベンジャーズ』や『君の膵臓をたべたい』などに出演されています。公表プロフィールでは、1997年11月3日生まれ、身長177センチのB型、スターダストプロモーション所属であると公開されています。

俳優の北村匠海さんは、かがみの孤城のリオン以外では、『HELLO WORLD』の堅書直実、『ぼくらの7日間戦争』の鈴原守、『思い、思われ、ふり、ふられ』の男子生徒などのキャラクターの声を演じられています。

かがみの孤城の映画を見た人から「リオンとこころの関係がどうなるのか気になる」という感想が寄せられています。映画版のラストシーンでは、リオンがこころのことを覚えているような描写がありました。その後、リオンとこころは学校以外でも一緒にいることが増えていることから、「2人は付き合ってるのでは？」という意見も多くあげられています。

物語のラストシーンでは、リオンとこころが再会し、かがみの孤城にいたころと同じように仲良くしています。しかし、こころは同級生たちから男子に色目を使っていると誤解され、いじめに発展してしまったため、2人が今後仲を深めるのは、一筋縄ではいかないことでしょう。

かがみの孤城を見たこちらのかたは、「リオンがイケメンだった」というコメントを投稿されています。リオンはかがみの孤城のメインキャラクターのため、いくつもの活躍シーンがあります。また、ラストシーンでは、記憶を無くしたこころに自分から歩み寄る姿勢を見せており、そのような優しさが作品を見た人から「イケメン」と評価されています。

以上、かがみの孤城の重要キャラクター、リオンの記憶について紹介してきました。リオンは、映画版のラストシーンでこころに親しげに話しかけていることから、かがみの孤城での記憶が残っていると予想されます。しかし、原作小説では、こころと同じように何かを感じているけれど、はっきりと覚えている様子はないという違いがあります。

そのため、映画版のリオンは記憶が残っており、原作小説では記憶は残っていないものの、かがみの孤城で体験した出来事の感情は残っているという違いがあると考えられます。かがみの孤城は、原作小説とアニメ映画の他に、コミカライズ版もあります。見たことのない作品があれば、この機会に手に取ってみてはいかがでしょうか？