【血の轍】長部静一はどんな主人公?母・静子に狂わされた人生と結末をネタバレ

血の轍の長部静一は、ごく平凡な男子中学生でしたが、過保護な母・静子との関係が変化したことで人生を狂わされた主人公です。洗脳に近い母の呪縛に苦しめられる静一。大人になった彼と母親との関係はどのような結末を迎えたでしょうか。ここでは、血の轍の主人公・長部静一のプロフィールや母親に狂わされた壮絶な人生をネタバレ紹介します。その他、しげるや吹石との関係などもまとめました。

【血の轍】長部静一はどんな主人公?母・静子に狂わされた人生と結末をネタバレのイメージ

目次

  1. 血の轍の長部静一はどんな主人公?
  2. 血の轍の長部静一の母・静子に狂わされた人生
  3. 血の轍の長部静一が迎えた結末をネタバレ
  4. 血の轍は実話だった?舞台も解説
  5. 血の轍の長部静一に関する感想や評価
  6. 血の轍の長部静一まとめ

血の轍の長部静一はどんな主人公?

血の轍の長部静一の紹介・イメージ画像

毒親や思春期の親子関係の難しさをテーマにした血の轍。ごく普通の母子は、主人公のいとこの転落事故をきかっけに変化します。母親の異常性に気が付き、自我に目覚めた長部静一。しかし、彼の人生は母親によって大きく狂わされます。以下では、血の轍の主人公・長部静一の人生や母親との関係をネタバレ紹介します。その他、いとこのしげるや想いを寄せるクラスメイト・吹石との関係もまとめました。

血の轍の作品情報

2023年9月に最終回を迎えた血の轍の漫画。「ビッグコミックススペリオール」にて連載されたサイコサスペンス作品で、作者は押尾修造先生、単行本は全17巻です。

血の轍の概要

毒親をテーマにした母と息子の不安定な関係を描いた血の轍。歪んだ愛情を注ぐ母親の狂気や、彼女に抗う主人公の苦悩と解放までを描いた作品です。

血の轍のあらすじ

中学の友人から母親が過保護だと指摘された長部静一。しかし、それが当たり前の親子関係だと思っていた静一は、それを否定します。夏休みに入り、親戚と山登りに行った静一でしたが、母親がしげるを崖から突き落とす光景を目の当たりにします。親戚や警察の前で母親を庇う静一。後に激しい後悔にさいなまれ、精神的に不安定になります。優しく寄り添ってくれる母親に依存するようになり、母子の歪な関係が出来上がります。

長部静一のプロフィール

血の轍の主人公であり、初登場時は中学2年生、生年月日は1981年3月19日です。特に取り柄のない少年であるものの、学校には友人がいる普通の男子中学生です。家庭環境も父親とも良好である一方、母親の過保護ぶりを周囲から指摘されています。母親のスキンシップが過剰であるものの、それが普通だと思っていた静一。親戚との山登りで起きた事故をきっかけに、母子関係が一変しました。

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血の轍の長部静一の母・静子に狂わされた人生

長部静一の人生をネタバレ紹介・イメージ画像

血の轍の主人公・長部静一の母親は、周囲から過保護と指摘されるほど息子に愛情を注いでいます。そのため、息子への行き過ぎた愛情は静一の人生を狂わせていきました。母親の呪縛から逃れようと反発し、もがき続けた静一。しかし、物理的に母親と距離を置いても、彼女の洗脳が解かれることはありませんでした。以下では、血の轍から長部静一の壮絶な人生をネタバレ紹介します。

長部静一の母・静子は過保護?

息子を溺愛するあまり、中学生になっても過剰なスキンシップがやめられない母・静子。周囲からは過保護だと言われるも、息子の静一はそれが当たり前だと思っていました。友人や親戚から母親の異常性を指摘されても、特に疑問を覚えることもありませんでした。しかし、山登り中に起きたいとこのしげるの転落事故をきっかけに、静一の母親に対する考えが少しずつ変化します。

長部静一と吹石の恋路は静子に引き裂かれた?

家庭では母親とのべったりな関係の静一ですが、学校ではクラスメイトの吹石由衣子に好意を寄せていました。教室でたまに会話をする関係であったものの、お互いに好意を寄せ合う2人。しげるの転落事故のショックで学校を休んだ日、吹石が長部家を訪れます。運よく静子は外出中であり、静一は吹石からラブレターを受け取ります。

しかし、ラブレターはすぐさま静子に見つかってしまいます。静子に手紙を破るように強要される静一。あの事故以来、静子に逆らえなくなった静一は拒絶できません。最後は、母親と一緒に破ることとなり、静一は不安定になっていきます。登校再会後も吹石からアプローチを受けるも、静子を恐れて吹石を受け入れられません。また、あるきっかけで浮いた存在になってしまい、クラスに居づらくなります。

母親との関係に悩み、それらから生じる精神的な不安定さから学校にも居場所がなくなってしまった静一。そんな彼に寄り添ってくれたのが吹石でした。彼女も家庭環境に悩んでおり、静一の苦しみを理解できたでしょう。吹石の告白を受け入れ、付き合うことになった静一。しかし、2人の関係は静子によって引き裂かれ、静一をさらに追い込みました。

長部静一が吃音になった理由

突然、言葉が出せなくなってしまった静一。何かを話そうとすると、音が詰まったような感覚がして発音できません。そんな彼を面白がり、からかうクラスメイト達。静一も突然の異変に戸惑いを覚えるも、後に吃音だったことが判明します。なぜ、静一は吃音になったのか、その理由は登山で見た母親の本性にあるでしょう。母親の知られざる一面を見て、精神的なショックを受けた静一。

吃音を発症しても、父親はもちろん、過保護な母親すら静一の異変を見過ごし、病院へ連れて行くこともしませんでした。そのため、静一の吃音もひどくなるばかりでした。しかし、吹石が手を差し伸べます。静一は精神的に救われて、吃音を克服します。

長部静一の母・静子の本当の顔

静一の母・静子は、美人な母親として描かれており、同級生の母親と比べてもかなり若い印象に見えるでしょう。しかし、静子の若々しい姿は彼女の本当の姿ではなく、静一から見た静子でした。幼少期から、母親の過干渉に晒されてきた静一。母親の洗脳に囚われている彼には、若くて美しい時の姿にしか見えなかったでしょう。さらに、数十年ぶりに再会した際にも、静子の姿は昔と変わりませんでした。

年齢的に初老に差し掛かっているにも関わらず、若い頃の姿を留める静子。しかし、それは静一にしか見えない静子の姿であり、実際は年相応に老いています。静子の本当の顔が見えた時、それは静一の母親からの解放を意味するでしょう。

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血の轍の長部静一が迎えた結末をネタバレ

長部静一の結末をネタバレ紹介・イメージ画像

母親の逮捕を受けて、洗脳が解け始めた静一。しかし、しげるの死をきかっけに静一の人生は転落しました。大人になっても、母親の洗脳に苦しむ静一。追い打ちをかけるように、母親と同居生活を始めることになりました。果たして、大人になった静一はどのような結末を迎えたでしょうか。以下では、母親に人生を狂わされた血の轍の主人公・長部静一のその後や結末をネタバレ紹介します。

長部静一の母・静子が逮捕された理由

母・静子が逮捕された理由は、静一のいとこ・しげるを崖から突き落としたことでした。夫方の親戚とも良好な関係を築いていた静子。しかし、内心では彼らを疎ましく思っており、母親が過保護だと息子をからかうしげるが許せなかったでしょう。義姉家族と一緒に登山に行った日、崖から落ちそうになったしげるを静子が抱き留めます。その直後、何を思ったのかしげるを突き放しました。

親戚や警察の前ではしげるが勝手に落ちたと説明する静子。一方、唯一の目撃者である静一は、母親の犯行だと知っていました。しかし、大人たちの前でシラを切る母親の姿を見て本当のことを言い出せず、母親を庇う証言をしました。また、しげるは一命を取り留めたものの、寝たきり状態となります。しげるが退院したタイミングで、お見舞いに訪れた静一と母親。

その時、母親の姿を見たしげるの反応から、静一は母親の犯行を疑い始めます。後に、しげるの証言によって母親の犯行が明るみとなり、しげるの両親が長部家に乗り込みます。父親が土下座をして必死に謝る中、静子は自分の意思で警察署へ向かいました。静子との密接な関係に幸せを感じていた静一。最初こそ拒絶していたものの、母親と距離を置くことで洗脳が解け始めます。

長部静一はしげるを突き落として逮捕された?

静子の逮捕後、静一の生活も穏やかになった頃に、しげるが長部家を訪れました。雪の降る早朝にも関わらず、2人は町の高台に行きます。公園を歩く中、3歳頃の記憶がよみがえってきた静一。ここで静子に突き落とされたことを思い出します。過去と現在が曖昧になっていく中、自分の存在が母親を苦しめていたと懺悔する静一。目の前には3歳の自分がおり、言われるままに幼い自分を突き落としました。

翌日、目覚めた静一は、不思議な夢を見たという感覚を覚えつつ、過去の自分と決別できたとスッキリします。しかし、これは現実に起きたことであり、静一が殺した幼い自分はしげるでした。高台でしげるが発見され、鑑別所で取調べを受ける静一。一方、静子は証拠不十分で釈放されました。その後、しげるの事件を巡る裁判が開かれ、ここで静一は母親の本性を改めて知ります。

これまで息子にべったりだった過保護な母親とは一変し、静一のことを他人のように見ていました。そして、ここぞとばかりに静一に別れを告げ、彼を深く傷つけました。

長部静一の大人になったその後

しげるを殺害した罪で少年院に入った静一。物語は23年後に突入し、36歳になった静一は職場と自宅を往復する淡々とした日々を送っていました。父親とは定期的に交流していたものの、母親とは絶縁状態でした。しかし、父親の死をきっかけに、静一は老いた母親と向き合うことになります。以下では、長部静市の大人になったその後や結末をネタバレ紹介します。

ネタバレ①吹石と再会する?

しげるの殺害した罪で鑑別所へ行くことになり、最後の別れを言えないまま吹石と離れ離れとなった静一。もう会えないと思われた矢先、23年後に再会を果たします。父親の墓参りにて、子供2人を連れた吹石を見かけた静一。しかし、吹石は彼だと気付かず、2人は言葉を交わすことなく別れました。その後、2人は会うことは無かったものの、吹石は心の中で静一の幸せを願います。

ネタバレ②最後は母親から解放された?

少年院を出所後、1人暮らしを始めた静一。父親とは連絡を取り合っていたものの、母親とは音信不通でした。父親が死ぬ前に、母親の住所を教えられていたものの、会うつもりは全くありません。そんなある日、警察から静子を保護したとの連絡を受けた静一。身寄りがないとの理由から仕方がなく引き取り、同居することとなりました。

母親は認知症を患っており、静一は不慣れな介護に悪戦苦闘します。同時に、一緒に生活する中で母親の過去や彼女なりに息子を愛していたことを知ります。そして、母親の死を静かに看取った静一は、老齢にさしかかりました。かつて母親の洗脳に苦しめられていた静一。しかし、今は母親の顔を思い出せずにいました。

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血の轍は実話だった?舞台も解説

血の轍の実話や舞台を解説・イメージ画像

以下では、作者・押尾修造先生のインタビューで明かされた、血の轍の漫画の実話や物語の舞台について解説しました。

血の轍は実話だった

毒親に苦しめられた主人公が自分を取り戻すまでの物語と思いきや、思春期特有の悩みや親子関係をテーマにした作品とも呼べる血の轍の漫画。主人公・長部静一は、作者の押尾修造先生を投影させたキャラクターと言われています。インタビューにて、思春期に母親との関係に悩んでいた過去を明かした押尾先生。その頃の苦悩を、静一と静子の関係に投影させているでしょう。

血の轍の舞台は群馬?

血の轍では、母・静子が群馬の方言を交えたセリフを発しており、物語の舞台は群馬県とされています。また、群馬県は押尾先生の出身地であり、血の轍の舞台も実家の近所をモデルに描いたとインタビューで明かしています。

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血の轍の長部静一に関する感想や評価

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以下では、毒親の母親に苦しめられるも、最後に自分の人生を取り戻すことが出来た、血の轍の長部静一に関する感想や評価を紹介します。

感想1:静一のその後も知りたい

母親によって人生を大きく狂わされながら、大人になっても母親との関係を断ち切ることが出来なかった静一。しかし、23年ぶりに再会したことで静一は本当の意味で母親と向き合うことが出来たでしょう。血の轍の最終回について、過剰な演出を控えた終わり方が良い、ハッピーエンドだったとの声が見られる一方、老年にさしかかった静一のその後も読みたいとの意見も寄せられています。

感想2:母親の呪縛から解放された?

ネタバレのように、血の轍の後半は大人になった静一と母親との再会・別れが描かれました。大人になっても母親の呪縛に苦しみ続けた静一。しかし、母親の晩年を一緒に過ごしたことで、彼の心情にも変化が訪れたでしょう。また、老年にさしかかった頃には母親の顔を思い出せずにいました。この描写について、SNSでは静一の母親の呪縛からの解き放たれたと解釈され、ハッピーエンドの結末となったでしょう。

感想3:長部静一の人生は何だったのか

ネタバレのように幼少期から壮絶な人生を歩み、大人になってからも母親の呪縛に苦しめられた静一。SNSでは、長部静一の人生は何だったのかとの感想も見られ、彼の壮絶な半生に衝撃を覚えた方もいるでしょう。血の轍の最終回で母親と和解した静一。しかし、ここまでの道のりは決して容易ではありませんでした。血の轍は毒親だけでなく、親子関係も考えさせられる作品でしょう。

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血の轍の長部静一まとめ

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血の轍の長部静一の狂わされた人生や結末をネタバレ紹介しました。3歳で母親に精神を壊され、彼女に洗脳され続けた静一。大人になってからもその呪縛に苦しみ、思わぬ形で母親と再会を果たします。しかし、大人になったことで母親の愛情に気が付き、最後は普通の親子になれたでしょう。かつては自分の人生を狂わせた憎い人と思っていた母親。それでも、静一にはかけがえのない母親だったでしょう。

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