ミギとダリはギャグ漫画に見せかけた復讐ミステリー？あらすじやギャグシーンも紹介

「ミギとダリ」は、ギャグ漫画のようで復讐ミステリーの要素もある作品です。シュールなギャグで笑いを誘うシーンが多く登場しており、面白いと注目を集めました。ただ、ギャグだけでなく、復讐やサイコホラー、ミステリーも差し込まれているのが本作の特徴です。そのため、最後まで飽きの来ない内容となっています。

本記事は、最大の魅力であるシュールでスタイリッシュなギャグにスポットを当てて、面白いシーンをネタバレ紹介ていきます。

ミギとダリは、KADOKAWAの「ハルタ」にて2017年vol.46から掲載された作品です。作者は佐野菜見先生で、単行本は全7巻（完結）が出版されています。ミステリーサスペンスの物語ですが、シュールギャグも盛り込まれた恐怖と笑いが入り乱れる漫画です。2023年10月にはテレビアニメ化されており、独特の作風が話題となりました。原作者の佐野菜見先生は、2023年8月に病のため他界しており、本作が遺作となります。

オリゴン村で暮らしている老夫婦は子供がいないため、養護施設から金髪の美少年を養子に迎えました。秘鳥という名の美少年と幸せな生活を送る園山夫妻は、嬉しくて舞い上がります。しかし、彼には大きな秘密があったのです。秘鳥の正体は双子の少年で、ミギとダリという人物が交替で秘鳥を装っていました。なぜなら、ミギとダリは母親を殺した犯人を探し出し、復讐するという目的があったからです。

アニメ化にもなった人気漫画ミギとダリは、シュールなギャグが主流と思われていましたが、実はミステリー漫画なのかという展開へ進んでいきます。読者の中でも、本作はギャグなのかサスペンスなのか話題となりましたが、結果的にはどちらも盛り込まれた独特の作品に仕上がっていました。ここでは、ギャグのほうにスポットを当てて、面白いのはどのようなシーンなのか紹介していきます。

園山夫妻に引き取られたミギとダリは、秘鳥という一人の少年を、バレないように交替しながら演じます。園山家に迎えられた初日に歓迎会が開かれることになりました。食べきれないほどの豪華な料理が、次々と出てきます。完璧な子供を演じるには、これらの料理を感完食しなければなりません。

しかし、双子の片方は、すでにお腹がはちきれそうなほど満腹です。そこで、もう片方の子がテーブルの下に待機して、タイミングを見て一瞬で入れ替わります。そのときのスタイリッシュなアクションが、ギャグなのかというくらい面白いシーンでした。

回転マシーンを用いて秘鳥の毛髪を剝ぎ取ろうと、老夫婦が企んでいることをミギとダリは直感します。二人は虫眼鏡で集光して、老夫婦を燃やそうと考えました。しかし、予想はハズれて、実際は秘鳥へのサプライズで自転車をプレゼントするつもりだったのです。

予想外の展開にミギは固まってしまいますが、次の瞬間に不自然な動きで飛び上がります。これは、ミギが自然な対応ができるように、ダリが虫眼鏡の集光で彼の背中を燃やしたためでした。

ある日、中学生のミギはおねしょをしてしまいます。おねしょが老母にバレれば、すぐに家政婦へ伝わり、そしてボーイスカウトにまで知れ渡ると考えました。そうなると、社会的に死んだようなもので、母親を殺した犯人も見つけられないと焦ります。ミギとダリはさまざまな方法を試しながら、シーツを洗い乾燥させました。全力でおねしょを隠す姿が、ギャグとしか言いようのないほど面白いシーンです。

双子の兄弟は、自分たちだけで同じヘアスタイルを、維持することはできないと悟ります。そこで、ヘアカットをしてもらった4月2日を、完璧に再現しようと計画しました。そうすれば、老夫婦が今日は4月2日だと思い込み、再びヘアカットしてくれるだろうと考えたからです。

秘鳥のヘアスタイルが変わっていなかったり、飼い犬の行動が同じだったことに、老夫婦は戦々恐々とします。そして、外を見ると美しい虹がかかっていました。虹の再現は、ミギが外でホースを使ったのです。苦労の甲斐あって、ループ現象の再現に成功し、老母は二人にヘアカットをさせてくれました。

ミギとダリは、母親の死に関係のある一条瑛二に近づこうとしました。そのためには、優秀な生徒になる必要があります。しかし、彼が所属するクラスは、サルの集団のように騒がしく、なかなか勉強に集中できません。そこで、双子の兄弟は、わざと不登校生を演じて、担任の児玉先生を呼び込もうとします。

美人で優しい児玉先生は、少し頼りなく生徒たちからバカにされていました。二人は児玉先生を改造しようと企みますが、老夫婦に嘘がバレてしまいます。そして、尻を百叩きされているところを、児玉先生に見られました。「これがクラスメイト全員へ愛を伝える方法なのか」と悟った様子です。後日、秘鳥が登校すると、クラスの皆が尻を抱えて大人しくなっていました。

ミギは一条瑛二に教育されたことで、乳飲み子になってしまいます。その上、瑛二の母親が、ミギを乳飲み子から育てようとしたのです。なぜ自分がこのような事態になっているのか、ミギは理解できません。しかし、彼はそれを逆手にとり、乳飲み子になりきって一条家の中へ潜入しようと考えます。ダリに見られて恥ずかしいながらも、しっかりと乳飲み子を演じました。ダリにも、彼の強い意志が通じていた様子です。

ミギによる完璧な演技の成果があり、一条家の一員として潜入することに成功しました。家族で朝食をとる際は、いつものようにダリがテーブルの下へ潜み、みんなの反応を探ります。一条家は何が起きても、動揺を顔に出すことがないため、完璧な一家だと言われていました。

しかし、そのような一条家にも、ある秘密があったのです。それは、一条瑛二がおねしょをすることでした。容姿端麗で成績優秀の完璧な瑛二が、13歳でおねしょをするというギャグシーンです。

ミギとダリの母親を殺したのは、一条瑛二だったことが判明します。復讐できる大事なときに、ダリはミギとケンカ別れしてしまったのです。ダリは、一人で瑛二を暗殺しようと計画を立て始めます。暗殺計画に必要となるのは、全身黒づくめのモスキートコスチュームでした。

仮装大会のコスチュームは、瑛二を殺すための布石だったのです。物語的にもクライマックスとなってきたところで、シュールすぎるコスチュームが登場して、笑いを誘うギャグシーンでした。

本作漫画とアニメの主人公でダリの双子の弟です。前髪が向かって右側にあるのが、特徴となっています。感情表現が豊かで、身体能力が非常に高いです。母親を殺した犯人に復讐するため、兄のダリと入れ替わりながら園山秘鳥を演じています。

本作漫画とアニメの主人公で、ミギの双子の兄です。前髪が向かって左側にあるのが、特徴となっています。弟のミギと協力しながら、母親の命を奪った犯人を探し出し、復讐することを目的としています。弟とは性格が違い、冷静に判断できる頭脳派です。また、弟想いですが、兄という立場上、強がるときも度々あります。

秘鳥の養父です。子供に恵まれなかったため、妻と話し合いの上で施設から養子を迎えました。神戸市北区にあるオリゴン村で暮らしています。秘鳥を実の息子のように溺愛しました。また、理想の父親像になりたいと努力をし、息子に慕われることを願っています。腰が弱っており、秘鳥を肩車してあげられませんでした。

秘鳥の養母です。夫の修と同様に秘鳥を溺愛しています。恰幅の良い女性で、おおらかな性格です。料理が得意で、秘鳥の歓迎会では腕を振るっていました。若い頃は絶世の美女だったそうです。

園山家の飼い犬で、修からは「サーディン君」と呼ばれています。犬のサーディンの視点から、直接見ていることもありました。秘鳥は二人の人間で成り立っていることも、それがミギとダリであることも分かっている様子です。秘鳥は軽快しつつも、好意的にサーディンと接していました。

隣村から通いで来ている園山家の家政婦です。園山家の他にも、一条家などオリゴン村に住んでいる各家庭に、家政婦として働いています。同世代の園山洋子からは「みっちゃん」と呼ばれ、彼女のことは「よっちゃん」と呼ぶ関係です。大変ゴシップ好きで、面白い話題があれば真っ先に飛びつきます。

一条家の長男で、成績優秀な上に容姿端麗で、非の打ちどころがない人物です。学校でも完璧な生徒として認知されています。父親と同じ精神科医を目指しているようです。外では完璧な彼ですが、実は大きな秘密を抱えています。母親の怜子に赤ん坊の格好をさせられて、教育を受けていたのです。されるがまま良い子を演じる瑛二ですが、母親のことを苦手だと感じています。

ミギとダリは双子としてではなく、わざわざ秘鳥という一人の少年として老夫婦の養子になりました。そもそも、彼らの目的は何なのか気になる人も多いでしょう。以前、ミギとダリは母親と共にある家の一室で、ひっそりと生活していました。ある日、母親が頭から出血した状態で路上に倒れていたのです。すでに死亡しており、母親の遺体は彼らの手によって埋葬されました。

事件から7年が経ち、ミギとダリは母親を殺した犯人に復讐するため、オリゴン村へ戻って来たのです。犯人はオリゴン村にいると、二人は考えます。また、交替で秘鳥を演じたほうが、残りの一人が自由に動いて調査できると考えたのでしょう。ちなみに、秘鳥を引き取った園山夫妻は、復讐とは関係ないと考察できます。純粋に秘鳥を可愛がっており、疑うような点はありませんでした。

本作漫画とアニメで最も注目されているのは、やはりメトリーを殺した犯人は誰なのかということでしょう。ミギとダリが怪しいと目を付けたのは、完璧な一家と言われている一条家でした。なぜなら、家政婦が証言していたペイズリー柄の壁紙が、一条家の屋敷にあったためです。

二人は一条家へ潜入することに成功し、調査を始めます。謎が少しずつ解明されていき、一条家の屋敷の一室で、自分たちが育ったことを思い出しました。母親メトリーの死が一条家と深く関わっていることを、ミギとダリは確認します。

ミギとダリのアニメを観て、非常に面白かったという感想があります。不気味な印象のある双子が、シュールなギャグをかます点が、本作の魅力だという声も上がっていました。双子の最終目的が何なのか、今後の展開が楽しみだというファンもいます。

ミギとダリのアニメを観て、最初はミステリーサスペンスかと思っていたら、ギャグ要素が豊富に盛り込まれていて最高だったという感想があります。また、想像していた展開と違うほうへ進んでいく意外性が良いという評価もありました。後半進んでいくうちに事実が発覚していき、続きが気になりすぎるというファンもいます。

本作は言葉のチョイスが絶妙で、じわじわくるという感想がありました。日本語の使い方が変なのにもかかわらず、誰も突っ込まずに何事もなく進んでいく点も最高だという声が上がっています。シュールなギャグで、いつまで経っても笑えるという人もいました。物語の内容も良いし面白いし、いいアニメに出会えたという評価もあります。

ミギとダリの漫画とアニメは、シュールでスタイリッシュなギャグが含まれており、いつまでもじわじわと笑える評判の作品です。また、ギャグシーンの中にも多くの伏線が張られており、物語が進むにつれて徐々に回収されていくため、見応えがあります。

しかも、主人公の母親を殺した犯人は誰なのかを、探し出すミステリー要素もあり最後まで目が離せません。クライマックスは非常に盛り上がるため、興味のある人はぜひ本作の漫画またはアニメを見てみてください。