2018年09月23日公開
2018年09月23日更新
利根川幸雄の名言集!心に刺さる名セリフ一覧まとめ【カイジシリーズ】
カイジシリーズの利根川幸雄は、作中屈指の名言製造機としても知られています。作中、カイジ達債権者側から見れば明確に敵側の人間でありながら、社会のあり方を的確に示す数々の名言でファンの心を掴み、カイジとの対決に敗れて失脚した後、登場していないにも関わらず、悪の象徴として、帝愛グループの会長である兵藤と共にカイジの中に徹底的に刻み込まれています。今回はそんな利根川幸雄の名言となるセリフの数々を一覧にして紹介していきます。
目次
カイジシリーズの利根川幸雄の名言集!名セリフを一覧で紹介!
カイジ最初シリーズである賭博黙示録編全編に渡ってカイジの大敵と言えるのが利根川幸雄です。賭博黙示録編にて行われる債権者を使ったギャンブルである「限定ジャンケン」その後に行われる「鉄骨渡り」を取り仕切り、さらにそれらをクリアしたカイジと「Eカード」にて直接対決し、序盤は圧倒するなど徹底的にカイジを苦しめた序盤を代表する敵キャラクターです。
そんな利根川はそのあまりに非情とも言えるギャンブルに尻込みするカイジ達、債権者をギャンブルに向かわせるべく、数々の名言というべきセリフを放っています。社会の本質を突いたその名言セリフの数々が債権者を突き動かし、ファンの心を掴みました。カイジシリーズ全体で見れば既に退場したキャラクターでありながら、その人気の高さから「中間管理録トネガワ」というスピンオフタイトルを生むにまで至っています。
利根川の高い人気を支える名言の数々、その生き様は以降のカイジにも強烈なインパクトを残し、カイジの回想でも悪の象徴として度々登場する程で、カイジシリーズ全体で見ても屈指の人気を持つキャラクターです。今回は、カイジシリーズの利根川にスポットを当て、利根川の名言と言えるセリフを一覧にして紹介していきます。
カイジシリーズとは?
利根川の名言を一覧にして紹介する前にまずはカイジシリーズを知らない人向けに、カイジシリーズ全体ついて、あらすじやメディアミックス展開、作者についてなど簡単に紹介しておきます。
1996年発行の大人気ギャンブル漫画
カイジシリーズは1996年に講談社のヤングマガジンで連載を開始したギャンブル漫画です。「賭博黙示録カイジ」から続くシリーズは話の区切りごとに「賭博破戒録カイジ」「賭博堕天録カイジ」「賭博堕天録カイジ 和也編」「賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編」「賭博堕天録カイジ 24億脱出編」と副題を変えて2018年9月現在も連載が続けられています。これらのカイジシリーズはタイトルは変わっても基本的に地続きの物語です。
カイジシリーズは作中オリジナルと言えるようなギャンブルの数々とそのギャンブルを通しての人間の本質や極限状態の人間の心理描写を描く形、特徴的なキャラクターで人気を集め、アニメや映画などのメディアミックス展開も繰り広げられています。同時に今回紹介する利根川はもちろん主人公カイジを始め、キャラクターそれぞれの名言も多い漫画としても知られています。
主人公カイジは自堕落なフリーター
主人公である伊藤開司(カイジ)は高校卒業後、上京したのはいいものの定職につく事もなくフリーターとして自堕落な生活を送っていました。バイト先の知人の借金の保証人になった事をきっかけに、帝愛グループの借金の取り立て屋である遠藤によって肩代わりした借金の返済の為、希望の名を持つギャンブル船エスポワール、裏のギャンブル世界に導かれる事になります。
今回紹介する利根川と決する事になる「限定ジャンケン」や「鉄骨渡り」そして直接対決が描かれる「Eカード」にてどんどんギャンブルの中での命がけのやりとりにのめり込んでしまい、それらのギャンブルで常に命がけの勝負を行ってきました。一度は帝愛グループの地下施設に送り込まれますが、ギャンブルによって脱出に成功、その実績から徐々に裏ギャンブル世界では名を馳せる事になります。
またカイジはこれまでのギャンブルで一時とはいえ、身体を代償として行っている事も多く、「Eカード」では聴力を賭け、ゲームに勝つために自ら左耳を削いだり、その後に行われた兵藤会長とのくじ引き戦では実際に左手の親指以外の4本の指などを切断されるなど敗北した事もあります。現在でもそれらの傷は生々しく残るなど、まさに「ギャンブル中毒」という言葉が相応しいキャラクターです。
アニメ版は「逆境無頼カイジ」として展開
カイジは上記でも紹介したように話の区切りごとにタイトルを変えて展開されていますが、アニメ版ではそういうわけにはいかなかったのか「逆境無頼カイジ」という1つのタイトルに統一されて放送時期は離れながらも2期に渡って展開されています。作品の性質上、暴力的なシーンなどテレビに合わせてカットなどもされていますが、概ね原作通りの物語が展開されます。
2007年放送の1期は「賭博黙示録カイジ」に、3年後の2011年放送の2期は「賭博破戒録カイジ」に相当する物語が展開し、それぞれ2クール26話に渡って映像化されました。特にアニメ1期は利根川が帝愛グループの前面に立って登場し、利根川の名言を実際に聞く事もできるシリーズであり、これからカイジシリーズに触れるのであればその入り口としてアニメ版もおすすめできます。
ちなみにアニメ版で利根川を演じている声優さんは、俳優の白竜さんです。迫力のある声が特徴で、アニメに声を当てたのはこのカイジでの利根川以外にありませんが、俳優としては数々の作品に出演、利根川のような組織のNo2ポジションのキャラクターを演じる事が多い事もあり、利根川の名言にさらにインパクトを与える事になっています。
作者は福本伸行さん
カイジシリーズの作者である福本伸行さんは、長い下積みを経て多くのギャンブル漫画をヒットさせた、ギャンブル漫画の第一人者として知られる漫画家さんです。下積み時代には器用な絵が描けなかった事からあまりにも使えないと、師匠からクビにされアルバイトで生計を立てながら漫画を描き続けていました。
バブル期にその景気を背景に「天」「アカギ」など多数の雑誌でギャンブル漫画を連載し、「カイジ」でついにヒットすると、以降も複数の雑誌、出版社に跨って連載を行っています。現在も「賭博堕天録カイジ 24億脱出編」の他、「新黒沢 最強伝説」を同時に連載しています。
福本伸行さんの特徴と言えるのがこれまで連載してきたそれぞれの作品の中で生み出されてきたオリジナルのギャンブルの数々です。麻雀やパチンコなどベースにあるものはもちろん存在しますが、それらを漫画的にアレンジしています。そこまで好きじゃないとは言いながらも実際にギャンブルもプレイし特に麻雀は、プロとの対局を経験するなど、高い実力を誇っています。
カイジシリーズの利根川幸雄とは?
出典: https://festy.jp
そんなカイジシリーズにおいて、特に人気の高いキャラクターが今回名言を紹介する利根川幸雄です。ここからはカイジシリーズの中でも今回名言を一覧で紹介する利根川幸雄にスポットを絞ってキャラクター性や作中での立ち位置などを紹介していきます。
登場は賭博黙示録編
カイジシリーズにおいて利根川はカイジ最初の大敵として賭博黙示録から登場します。カイジが最初に行う事になるギャンブル、ギャンブル船エスポワールで行われる「限定ジャンケン」、その後に開催された「鉄骨渡り」を取り仕切る帝愛グループの最高幹部の1人として登場します。時には自ら債権者の前に立ち、ギャンブルの内容にビビる債権者達を鼓舞にも近い叱咤を行い、その中で数々の名言が生まれているわけです。
同時に利根川自身の経験もあるのでしょうが、債権者達のように「何も考えないでただ金を欲しがるようなクズのような人間」が嫌いでもあります。帝愛側から見ればカイジシリーズの中で行われるギャンブルは一種の娯楽であり、そこまで上り詰めた者だからこその楽しみです。だからこそ、利根川は命を張る事に躊躇う債権者達を「勝負しない者」として見下しているような一面も見られます。
一方で物語として見ると利根川は主人公に近い立ち位置にもあります。特に賭博黙示録において利根川と直接対決する事になる「Eカード」編までは主人公であるカイジはいうなれば債権者の1人、その他大勢でしかありません。明確な立場を持ち、場を支配する力という意味では利根川こそが賭博黙示録の裏の主人公だと言う事もできます。それだけ非常に強いキャラクター性を持つのが利根川という男です。
帝愛グループの実質No2
債権者の矢面に立ち自らゲームのルールを簡単にとはいえ説明したりと、自ら前面に出る事も多い利根川ですが、その立場は、兵藤会長をトップとする帝愛グループにおいて、実質的に兵藤会長に次ぐ最高幹部、No2という立場にあります。ライバルとして同じく最高幹部である黒崎がいますが、自身の立場に慢心する事無く、必要であれば前面に立つ姿もまた利根川の人気の秘密です。
その立ち位置故にカイジ本編では落ち目となるタイミングしか描かれていませんでしたが、その一覧が作られる程の名言セリフの数々で人気を集めた利根川はスピンオフ作品「中間管理録トネガワ」で主人公を務め、カイジ本編よりも前の時間軸での気分屋である会長兵藤や部下達に挟まれる中間管理職としての利根川の苦労が描かれる事になっています。
真剣勝負の中にある心の愉悦
カイジは限定ジャンケン、鉄骨渡りを経てEカードにて利根川と相対する事になるわけですが、帝愛側からすれば本来その必要性は皆無に等しいと言えます。そもそもが帝愛側からすればこのようなギャンブル大会を行って債権者を救う事に業務的な意味はありません。帝愛がこのようなギャンブルを行うのは、そのような命の削り合いの中でこそ生まれる凝縮された時間を楽しむためです。
その思想は会長である兵藤が一番強いですが、利根川もまたそういう思想の元に勝負を楽しんでいる男でもあります。だからこそ利根川は下記でも紹介する一覧が作られる程の名言で相手の心を震わせる事により強者を見出し、密度の濃い真剣勝負を行おうとするのです。一方で負けない為に卑劣なイカサマを行うなど、あくまでもギャンブルは密度の濃い会話を行う為の手段であるような側面もあります。
焼き土下座
そんな利根川ですが、カイジシリーズにおいて退場したキャラクターの中でもダントツで強烈な退場をしています。それが「焼き土下座」です。限定ジャンケン、そして鉄骨渡りを見事にクリアしたカイジはその取り仕切りを担当する利根川と「Eカード」で対決する事になります。高い実力に合わせて卑劣なイカサマで徹底的に勝ちを狙いに行く姿を見せましたが、カイジに利根川の優秀さを逆手に取る策を使われ敗北させられてしまいます。
その勝負を鑑賞に来ていた兵藤会長の怒りをかい、行われるのが焼き土下座です。焼き土下座は焼いた鉄板の上で10秒間土下座するという単純ながら強烈な罰であり、過去にやり遂げた者はいないとされていました。しかしそこで利根川は誰の力を借りるでもなく12.47秒やり遂げて、最後の意地と矜持を魅せる事になります。しかし帝愛グループ内での失脚は免れず、その後姿を見せなくなってしまいます。
それまでの数々の名言のインパクトはもちろん、この焼き土下座によって利根川の人気は確固たるものになったと言えます。カイジ本編ではEカードに敗れての失脚後には登場しないながらもスピンオフ「中間管理録トネガワ」の連載や、その矜持がカイジに与えた影響も大きくなっています。
利根川の弱点は兵藤会長?
カイジシリーズにおいて利根川は最初に登場する明確な勝ち組側のキャラクターですが、一方で完璧人間というわけではありません。その立場から同行する事も多い、会長である気分屋の兵藤の扱いに関しては苦手としており、それがライバルである黒崎との扱いの差にも繋がっています。またその兵藤からも「普段は優秀だけどここ一番に弱い」と言われてしまっており、実際に「ここ一番」であるEカードで敗れてしまいます。
さらに利根川が主人公である「中間管理録トネガワ」では兵藤会長に振り回される日々も描かれており、ますますその弱点が露見する事になっています。また帝愛グループの黒服制度にも苦しめられており、名前を覚えられなかったりと意外と弱点も描かれており人間味に溢れているのが利根川というキャラクターです。弱点も共感できてしまう利根川だからこそその言葉に共感できるという人も多いです。
カイジシリーズの利根川幸雄の名言を一覧で紹介!
ここからはいよいよ本題である利根川の名言セリフを一覧で紹介していきます。シリーズ全体で見れば登場している巻数こそ短い利根川ですが、登場時には帝愛の代表格的なキャラクターでもある事から出番は多めでその名言の数々はカイジ達債権者、そして読者に強烈なインパクトを与えています。
金は命より重い
利根川の名言は一覧にしても紹介しきれない程に多くの物がありますが、そんな数ある名言の中でもその代表格と言えるセリフが「金は命より重い」です。このセリフは、「鉄骨渡り」の中で言われた名言です。この鉄骨渡りは簡単に言えば高層ビルの間にかけられた鉄骨を渡るという物で、当然命綱のような物はありません。「失敗=死」という状況で行われるからこそ成功すれば2000万という報酬が用意されました。
当然そのような危険なギャンブルに対し、カイジを含む集められた債権者は尻込みしてしまいます。そんな債権者達に向けて放たれた名言がこのセリフです。「命より大事なものはない」と多くの人が言いますが、現代においてお金の価値は最強であり、ましてや多額の債権を抱える身であるのだから、命を賭けろというこのセリフ、まさに現実を思い知らされるセリフであり、利根川の名言の代表格と言えるセリフです。
ちなみにこのセリフには続きがあり、「世間の大人どもが本当のことを言わないならオレが言ってやるっ........!金は命より重い....!」と続けられます。前半の言葉が加わる事でさらに重みが増すという事もあって、ワンセットで名言とする人も多いこちらも名言です。
大人は質問に答えたりしないそれが基本だ
カイジシリーズ最初のギャンブルであるエスポワール号での「限定ジャンケン」。その中で放たれた名言がこのセリフです。利根川は限定ジャンケンにおいて、債権者に限定ジャンケンのルールを説明する役割を担っていました。そして最低限のルールを説明しただけで終わろうとする利根川に債権者達から質問が飛び交う事になります。そこで返すように言われた名言がこのセリフです。
あれこれと質問に答えてくれるのは子供だと思うからであり、大人になったのだったら自分で考えて行えと言われているこのセリフ。一見冷たいようにも感じますが、カイジの中でも状況から言って答えても納得できるはずもなく、実際に世間でもこのような場面に遭遇する事は少なくありません。そんな場面でぜひ思い出したい名言として、利根川の名言でも取り上げられる頻度の高い名言です。
その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…
まだまだ続く利根川の名言一覧!続いて紹介するのは利根川のセリフの中では比較的珍しい、カイジ自身に直接放たれた名言です。この名言は「Eカード」での対戦中のセリフです。利根川にとって対戦者であるカイジは、「限定ジャンケン」「鉄骨渡り」と成し遂げた強運と確かな度量を持った相手だと思っていました。しかしカイジはこの「Eカード」、安牌な手を取って全く勝負になりませんでした。
定石というのは安心安全な策ですが、裏を返せば相手に取っても読みやすい1手です。ここぞという勝負どころ、まして命がかかった場面においてその分かりやすい手を使うのはまさに愚策と言えるのでしょう。カイジにおいて一発逆転であるはずのギャンブルで安牌を取る事に苛立ち、強者としてのカイジの実力を引き出した上で叩き潰したい利根川が思わずぶつけてしまった名言でもあります。
一生迷ってろ…!そして失い続けるんだ…貴重な機会(チャンス)をっ!
こちらは代表格として紹介した「金は命より重い」と同じく鉄骨渡りの際に放たれた名言です。明確な死が見え隠れする鉄骨渡りは、債権者に取ってなかなか踏み出せない物です。しかし一方でこの鉄骨渡りをやり遂げれば負債を返し、人生をやり直せるチャンスが明確に示されている場でもあるのです。それを理解していない債権者達に向けてこのセリフが放たれたのでした。
人生において鉄骨渡りのようなここまで分かりやすい「Ded or Alive」はありませんが、実際に失敗を恐れて踏み出さなければ成功を得る事ができないのも事実です。それを教えてくれる名言として、利根川のセリフの中でも人気の高い名言で、こちらも取り上げられる事の多い名言です。
勝ちもせず生きようとすることがそもそも論外なのだ!
利根川の名言には非常に長いセリフの中の一節を取りだした物も多くありますが、その代表的なセリフがこの名言です。この名言は「お前らは負けてばかりいるから勝つことの本当の意味がわかっていない・・・っ「勝ったらいいな」じゃない・・・!人生は「勝たなきゃダメ」なんだ・・・っ!」と続きます。
利根川にとって債権者は人生を甘ったれた考えで過ごしているある種イライラするような相手なのではないかと思わせる1文です。自身と他との違いは勝とう、勝とうと努力した結果だと考えているからこお、このようなセリフが生まれるのではないでしょうか。ちなみにこのセリフは下記でも紹介するエスポワールでの利根川のスピーチの1節でもあります。
世間はお前らの母親ではないっ…! おまえらクズの決心をいつまでも待ったりはせん
利根川の名言は時として連続で放たれますが、その代表的な例が上記のセリフです。このセリフもまた鉄骨渡りでのセリフですが、上記の「一生迷ってろ…!そして失い続けるんだ…貴重な機会(チャンス)をっ!」というセリフでも尚奮い立ち鉄骨渡りに挑もうとしない債権者達に向けて放たれたゲーム中止、諦めたようにみせる為の名言です。
後からそれがチャンスだったと気付いてもその時に戻る事もできなければ、再びチャンスがやってくるわけでもありません。このセリフは死の恐怖に怯えて「人生をやり直すチャンス」を逃そうとする債権者達に向けて放たれました。また「世間はお前らの母親ではないっ…!」というワードに関して言えば、エスポワールのスピーチの中でも同じようにして利用しています。
2千万は大金なんだ!
金は欲しい、でも命は賭けたくない。そんなワガママな債権者達に放たれたのがこの名言です。この名言も長いセリフの一節です。2千万という金はエリートと言われるサラリーマン達が、学生時代から忍耐と努力を重ね、会社に入ってからも上司や取引先にこびへつらい、30代40代になってやっと貯める事ができるお金であると話しからこのセリフが放たれます。
帝愛グループの最高幹部という利根川の立場を考えれば利根川個人にとって2千万はそこまで大金とは言えないはずです。しかし利根川が自分基準ではなく世間一般を見ている事を示すこのセリフは、その他の名言への共感度を高める意味もあり、隠れた名言として知られています。
「安全」であることの愉悦
利根川の数々の名言が生まれる事になる鉄骨渡り。ようやく動きだした債権者達を眺めながら放った何気ない利根川の名言がこのセリフです。一覧で紹介すると分かりやすいですが、利根川の名言の多くは債権者やカイジなど誰かに対してのメッセージである場合が多いですが、このセリフを聞いているのは側にいる部下だけと珍しく、それ故に利根川の本音が込められたセリフだとも言えます。
人の不幸を見て学ぶという思いが込められたこの名言は、今回一覧として紹介している名言の中でも納得というよりも「共感した」という人が多いセリフになっています。努力した結果帝愛グループの最高幹部にまで上り詰めた自分とこれまでの人生で全く努力しなかった債権者達。その差が明確に現れている場面だからこそのセリフとも言えるのではないでしょうか。
世間というものは、とどのつまり・・・・ 肝心なことは何一つ答えたりしない・・・!
出典: https://yakb.net
利根川はその場面場面に合わせて同じようなセリフをいう事もありますが、上記のセリフは意味合いとしては既に紹介した「大人は質問に答えたりしないそれが基本だ」にも通じる名言です。こういうセリフを何気ない会話の中でさえ示してくる利根川だからこそ名言製造機として高い人気を集めていると言えます。
よく戦ったからじゃない彼らは勝った、ゆえに今、そのすべて人格まで肯定されている
「勝ってこそ、認められる」という話は利根川が債権者の前でする話の中でも1番多い話ですが、その中の例え話の中で放たれた名言です。世間で認められるには、「頑張った」だけでなく「成果」を得てこそであり、「成果」を経て初めて「頑張った」事が認められる事を示している名言で、同時にこの名言の中ではその説明として下記のセリフに続きます。
そしてこのセリフの中では野茂や羽生、イチローと言った成功者達を例えにしています。「もし結果を出していなければ、野茂はウスノロ、羽生は根暗、イチローはいけすかないマイペース野郎として誰も取り合わない」という例えは思わず共感してしまうような例えが見事であり、非常に分かりやすい例として名言としても上記の名言と合わせて度々取り上げられています。
勝たなければ!勝たなければ!勝たなければ!
利根川の名言の多くが人生の勝ち組側から見たセリフではありますが、そのセリフが名言として愛されるのには、「勝たなければ」という利根川自身がこれまで貫いてきたのであろう信念が見え隠れするからです。カイジシリーズ、そしてスピンオフ作品の「中間管理録トネガワ」を読んでいくと分かりますが、利根川が現在の地位にいるのはまさに「勝たなければ」精神で勝ち続けてきたからこそです。
利根川は非常に優秀でありながらも兵藤会長から「ここ一番で弱い」と評されてしまっています。またその出世も順風満帆とはいえず、過去には支社に飛ばされ蛇に噛まれるような文字通り、挫折を経験した事もありました。その度に「勝たなければ」と自らに唱えのし上がってきた事が垣間見える利根川だからこそこれらの名言が生まれ、共感されるに至っていると言えます。
利根川幸雄伝説のスピーチ
数々の名言を持つ利根川ですが、一番名言とされるフレーズが多く登場したのは?と言われたらエスポワールの中でのスピーチではないでしょうか。上記でも触れた名言を含め、最早このスピーチの中身全てが名言とさえ言える程に名言のオンパレードになっています。このスピーチは限定ジャンケンの説明を終えた後に詳細な説明を求める債権者達に向かって放たたセリフです。
あくまでも淡々とルールを説明し、それを終える利根川に対し義務も果たさずに権利だけを求める債権者達。そんな構図だからこそ声を荒げる事になったと言えます。このシーンはアニメや映画でもカイジの代表的なシーンとして取り上げられ、ほぼ全文、原作のままに表現される程人気の高いシーンであると同時にこのシーンで放たれる名言の数々はそれ以外の場面で形を変えて再度登場する程です。
映画版カイジ「カイジ人生逆転ゲーム」ではこのシーンを利根川を演じる香川照之さんの迫真の演技で表現され、暴言にも近いこのスピーチは債権者達に現実を思い知らされ、肩を震わせて涙を流すような演出も込みで、元のセリフが名言である事を差し引いても映画版カイジ「カイジ人生逆転ゲーム」を象徴するシーンと言えます。
利根川だからこその最後?
上記一覧のように数々の名言を持つ利根川。名言を多く持つという事はそれだけセリフが多いという事でもありますが、カイジ本編で描かれる利根川の最後、焼き土下座では打って変わって、毅然とした態度でそれに望んでいます。利根川は自身が決して口だけ、言葉だけではない事を示したのです。利根川の名言が名言として一覧化されるのも、この潔いとさえ言える焼き土下座があったからだとも言えます。
或いはここで利根川が名言になるような言葉を発して焼き土下座を回避するような男であれば利根川の人気はここまでにはならなかったのではないでしょうか。カイジ本編には登場せずとも今尚、高い人気を誇る利根川はその名言と共に、その態度合ってこそだと言えるのではないでしょうか。
カイジシリーズの利根川幸雄の名言一覧まとめ!
こうして一覧にしてみると利根川が喋れば名言が生まれると言える程に利根川のセリフには人生の指標になるような名言が数々含まれています。カイジシリーズがここまで人気を集める事ができたのも、オリジナルのギャンブルゲームの中で描かれる人間の心理描写以前に序盤の敵側である利根川がここまで素晴らしいキャラクター性を持っていたからではないでしょうか。
利根川のセリフはいわば大半が名言と化しています、名言ではないセリフはそのセリフを説明をしているような場面だけで、しかもその説明の中にさえ名言と言われるセリフが含まれているので名言じゃない部分を探す事の方が困難と言える程です。ギャンブルにおいてはもちろんですがそれらの名言一覧の多くがそのまま人生に置き換えてみる事ができます。
カイジシリーズ、そして利根川はそのセリフを頻繁に取りだされて人生の教訓として紹介されます。利根川以外のキャラクターも含めてそれぞれに一覧が作られる程に名言に溢れている作品で、それらは原作の流れを知るとより心に深く刻まれるはずです。まだカイジシリーズを読んだ事がないという人はこれらの利根川の名言に注目しつつ一度触れてみてはいかがでしょうか。