【ゾン100】イズナ（戸加下泉奈）は人類の希望？ゾンビ化しない秘密は？

この記事では、福岡の研究所でのサバイバルゲームで本来の能力を発揮した女の子、イズナ（戸加下泉奈）を特集します。これから、ゾンビ化ウイルスへの抗体を持ち人類の希望の星ともいわれるイズナ（戸加下泉奈）に焦点を当て、ゾンビ化しない秘密などについて考察していきますが、まずはその前に『ゾン100』の作品情報をお届けしましょう。最初に『ゾン100』の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと続きます。

『ゾン100』（ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜）は、麻生羽呂が原作、高田康太郎が作画を担当した日本の漫画作品です。小学館の「月刊サンデーGX」で、2018年11月号から連載が始まりました。2023年9月の時点で、電子書籍も含めて累計部数は125万部に達しています。

さらに、メディアミックスとして、2023年にはテレビアニメ『ゾン100特番〜ゾンビから逃げ切るために準備したい100のこと〜』が作られ、7月から9月まで毎日放送・TBS系列などで放送されました。同じ年には、赤楚衛二が主演する実写映画版『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』も制作され、8月3日にNetflixで全世界に配信されました。

ブラック企業で働くアキラは、精魂尽き果て疲弊しきっていました。ところがある朝、寝起きのアキラの視界に入ってきたのは、大量のゾンビがさまよい歩く街の光景でした。それを見たアキラは歓喜に打ち震えます。「もう会社に行かなくてもいいんじゃね？」。こうして会社から解放されたアキラは、「ゾンビになるまでにしたい100のこと」というやる事リストを作成し、親友ケンチョらと共にその実現に向け動き出しました。

ここからは、この記事のメインテーマである『ゾン100』のイズナの話題に移ります。イズナは、埼玉県の出身で、本名を戸加下泉奈（とかげいずな）という女の子です。彼女は、ゾンビに噛みつかれても感染しないという特異体質の持ち主で、ワクチン研究所に囚われていました。

その時、アキラたちがシズカを助けるために研究所に侵入してきます。イズナは、たまたま彼らと出くわし、彼らの協力で研究所を脱出できました。イズナは、ゾンビを心底憎んでおり、ゾンビを殺すことに快感を覚えるようです。そして、アキラには恋心を抱いており、彼にだけは甘えモードになります。

プロフィール欄で説明したように、『ゾン100』のイズナ（戸加下泉奈）は、ゾンビに噛まれても感染しません。イズナには、ゾンビ化ウイルスに対する抗体があるからです。イズナの体にはゾンビの歯型がクッキリと残っていますが、ゾンビに噛まれた後も半年以上経っても発症しません。その上、『ゾン100』の12巻138ページでは、イズナがゾンビに手を差し出しても、ゾンビが噛みつかないということが描かれています。

『ゾン100』のイズナ（戸加下泉奈）はゾンビに噛まれても感染しないという特殊な体質を持っています。ワクチン研究者の鶴見雄大は、このことについて、「ウイルスは生き残るためか、あるいは何かの意志で感染する相手を選んでいるのだろうか？」と言っていました。

鶴見雄大は、ゾンビウイルスに対するワクチン開発を進める研究者です。元は大学で教鞭をとっていましたが、パンデミックが発生すると自らの研究室に篭り、以来ワクチン開発に没頭していました。鶴見雄大による検査の結果、イズナの血液を使うとウイルスの感染がなくなるということが分かりました。イズナは、ワクチンを作ることができる可能性を持った人類の希望なのです。

ここで、ワクチンについて解説しておきましょう。ワクチンとは、病気になる原因となるウイルスや細菌などの病原体、またはその一部を体に入れることで、その病気に対する免疫を作るものです。免疫とは、体が病原体を認識して攻撃する力のことです。ワクチンを接種することで、その病気にかかるリスクを減らしたり、重症化を防いだりすることができます。

つまり、イズナの血液を利用してワクチンを製造し、大量生産して日本中に供給すれば、人々のゾンビ化を未然に防ぐことができます。イズナはゾンビに噛まれても、ゾンビになることはありません。さらに、ゾンビに対して手を差し伸べても噛まれさえしません。イズナの血液から作られるワクチンは、唯一の人類救済手段といって過言ではありません。事実、シズカもゾンビに噛まれましたが、イズナの血清で助かりました。

ワクチンに加えて「血清」という用語が出てきましたので、血清とワクチンの違いについて説明しておきます。ワクチンは、摂ると自分の細胞が抗体を生成する免疫記憶を使った「予防法」で、血清は、他の動物の抗体をそのまま摂る抗原抗体反応を使った「治療法」です。『ゾン100』でいうと、ワクチンはゾンビ化を防ぐために摂り、血清はゾンビ化しそうな時に摂るという感じになります。

要するに、『ゾン100』でのワクチンはゾンビ化を予防するもので、血清はゾンビ化した状態を治すものです。シズカは血清でゾンビ化した状態から復活できました。タケミナは、ワクチンよりも血清で十分だと言っていましたが、AIのロボット執事で、アキラたちと一緒にいるツルによれば、ワクチンの方が血清よりも効果が高いそうです。

しかし、血清には欠点もあるようで、『ゾン100』の13巻23ページで、ツルが血清のネガな点についてこう説明しています。「血清で入れた抗体は数週間で半減してしまう。人の抗体反応は他人の抗体反応を排斥しようとするから、血清を繰り返し使うとその効果は徐々に低下していく。血清は抗体が一種類しかないからゾンビウィルスが変化してしまうと効かなくなる」ということです。

つまり、血清はウイルスに対する一時的な防御でしかなく、効果はすぐに失われます。ウイルスは抗体に適応して変異します。そうなると血清では役に立ちません。しかし、ワクチンはウイルスの変異にも対応でき、長期的に免疫力を維持します。そのため地上の大多数の人がワクチンを接種すれば、ウイルスは消滅すると考えられています。ウイルス対策には、血清よりもワクチンの方が優れているのです。

『ゾン100』のイズナ（戸加下泉奈）は、とても無気力な女の子です。無気力とは、何かに熱中したりやる気になったりすることがないこと、やる気が低下するだけでなく、自分から行動したり、感情が変化したり、周りのことに興味を持ったりすることがない状態のことです。確かにイズナは、元気がなさそうで、笑顔が見られない感じです。

『ゾン100』の13巻94と95ページで、イズナはこう言っています。「いつも他人の顔色を気にして生きてきた。やりたいことなんて何もない。自分が何をしたいのか分からない。人が怒ったりすると自分が悪いと思ってしまう。相手が嬉しそうにする時、喜ぶというよりホッと安心する」と。

『ゾン100』のイズナはなぜ無気力になってしまったのでしょうか？小さいころは自分の考えをはっきり言えたし、クラスの中では人気者で特にゲームでは誰にも負けませんでした。しかし、イズナの父がくも膜下出血で亡くなってしまい、そこからイズナの生活は大きく変化します。母は昼夜問わずパートで働いて、疲れ切っていました。イズナは「母に迷惑をかけたくない」という理由で外で遊ばなくなりました。

高校に進学したイズナは、家のためにと思ってバイトを始めました。バイト以外のことは何もしませんでした。母がしんどそうだと自分を責め、時々笑うことで安心を得ました。気がつくと、イズナは他人を気にする生き方しかできなくなっていました。父が死んで家が困窮し、母が頑張りすぎて外で遊べなくなったから、無気力になっていったのです。

しかし、イズナの母は、イズナにバイトをさせすぎていたことを悔いていたようです。シズカからも「自分のことを優先しなさい。」と言われ、福岡のアンブリエルの研究所でのサバイバルゲームに参加しました。父が死んでから無気力になっていたイズナでしたが、福岡のアンブリエル研究所でサバイバルゲームに参加して、元気を取り戻していきました。

『ゾン100』のイズナ（戸加下泉奈）は無気力に見えましたが、実はゲームが上手で、いわゆるゲーマーでした。子供のころからずっとゲームをやってきたようです。Lizardという名前で、ネットゲームでトップになったこともあります。サバイバルゲームのような銃を使うゲームを得意にしていました。

その後、福岡の研究所で、ゾンビの怪物と戦うアキラやケンチョ、ベアトリクス、タケミナに「全然ダメだ！」と怒鳴りつけて指示を出しています。イズナがやってきたゲームと似ているところがあったのかもしれません。今まで無気力だったのに、みんなはびっくりして彼女を見つめました。

無気力になった『ゾン100』のイズナですが、ゲームだけはずっと続けていたのです。ネットゲームで日本一になるほどの実力者となりました。そしてイズナは、ゾン100リストに「プロゲーマーになる」と書きました。「ゲームくらいしか取り柄がないけどそのゲームで自分がどれだけやれるか試してみたい」と言っていました。

ここまで『ゾン100』のイズナ（戸加下泉奈）特集をお届けしてきましたが、最後にイズナに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

『ゾン100』のイズナは、ワクチン研究所での事件に巻き込まれて覚醒します。これによってゾンビに噛まれても感染しないばかりか、ゾンビを操ることができるようになりました。ツイートの投稿者は、その様子をノリと勢いと爽快感に満ちていると表現し、とても気に入っているようでした。

『ゾン100』の15巻では、アキラにキスを迫られ顔を真っ赤にして動揺したり、アキラがシズカにキスをしたときには嫉妬しているイズナが描かれていました。ゾンビ相手には恐れを知らないイズナですが、人間相手には照れてしまうようです。ツイートの投稿者は、そうした照れているイズナを見てかわいいと感じたのかもしれません。

『ゾン100』の大型生物兵器とのボス戦では、回避と攻撃のタイミングを見極めて指揮を執ったイズナの活躍が光っていました。かなりのムリゲーでしたが、イズナの作戦に従ってアキラたちが必死になって戦い、何とか敵を倒すことができました。このシーンを観た読者は、手に汗握る瞬間の連続でさぞかし興奮したことでしょう。

この記事では、「ゾン100のイズナ（戸加下泉奈）は人類の希望？」と題して、無気力な人生を送ってきたにもかかわらず、恐ろしいゾンビ化ウイルスへ抗体を持っていたことで今では人類の希望と言われている、イズナのプロフィールやゾンビ化しない秘密などについて考察してきました。

『ゾン100』のイズナは、ゾンビに噛まれても感染しない抗体を持つ少女で、そのためにワクチン研究所に狙われ、捕まってしまいます。今ではゾンビから人類を救う、希望の星となったイズナですが、何事にも無気力だった過去を持っていました。父親の急死により家計は逼迫します。働きづめの母親を見て、イズナは母に迷惑を掛けたくない思い外で遊ばなくなります。やがて、イズナは引きこもりの無気力状態になってしまいました。

そんなイズナがずっと続けてきたことがあります。それは「ゲーム」です。サバイバルゲームのような銃を使うゲームを得意にしており、ネットゲームで日本一になったこともあります。芸は身を助くと言いますが、イズナはゾン100リストに「プロゲーマーになる」と書き、夢に向かって歩み出しました。