【ワンピース】羽衣をまとえるのはゾオン系覚醒キャラ？神との関係や色の違いを考察

『ワンピース』は、集英社が発行する週刊少年漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』にて連載中の漫画作品です。作者は尾田栄一郎で、1997年7月より連載が開始されました。2023年11月時点で、単行本が107巻まで刊行されています。

『ワンピース』は1999年にテレビアニメ化され、こちらも2023年11月時点で絶賛放送中となっています。テレビアニメだけでなく劇場版も制作されており、2023年までに15本の映画が公開されました。海外での人気も高い、日本を代表する漫画作品です。

海賊王ゴールド・ロジャーが遺したとされる「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」を手に入れるため、多くの男たちが海賊として海へと旅立ちました。主人公のモンキー・D・ルフィもまた「ワンピース」を狙う1人です。海賊王になることを夢見る彼は大海原へと漕ぎ出し、冒険の中で頼りになる仲間を得て、数々の戦いを超えていきます。

悪魔の実は、食べると不思議な能力が身につく謎の果物です。悪魔の実はその能力によって「超人系（パラミシア系）」「動物系（ゾオン系）」「自然系（ロギア系）」の3つに分類されています。ここで主に紹介するのはゾオン系です。ゾオン系は、動物に姿を変えられるようになるという種類で、一般的な動物に変身できるものから、不死鳥のような幻の生物に変身できるものまであります。

ルフィは元々、パラミシア系である「ゴムゴムの実」を食べたゴム人間であると思われていましたが、後にゴムゴムの実の正体がゾオン系「ヒトヒトの実・幻獣種モデル『ニカ』」であったことが明らかになりました。

悪魔の実の能力者は、稀に「覚醒」することがあるのですが、覚醒時に羽衣をまとえるのは悪魔の実に意志が宿るというゾオン系の覚醒キャラのみなのではないか、という考察があります。なぜそう考察されるようになったのか、羽衣らしきものをまとった能力者キャラなどをチェックしていきましょう。

現状、羽衣をまとっている能力者は5名確認されています。まず紹介する羽衣をまとった『ワンピース』キャラは、ゾオン系「ヒトヒトの実・幻獣種モデル『ニカ』」の能力者であるモンキー・D・ルフィです。ルフィはカイドウとの戦いの中で覚醒し、ギア5への変身が可能となりました。覚醒後、ルフィの姿は真っ白になり、羽衣をまとった姿になっています。

2人目の羽衣をまとった『ワンピース』キャラは、ゾオン系「ネコネコの実・モデル『レオパルド』」の能力者であるロブ・ルッチです。ロブ・ルッチはCP9の元メンバーで、現在は世界貴族直属の諜報機関CP-0に所属しています。一度ルフィに破れた彼は、麦わらの一味が活動を休止していた2年の間に鍛錬し、覚醒状態にまで至ったようです。

3人目の羽衣をまとった『ワンピース』キャラは、ゾオン系「イヌイヌの実・幻獣種モデル『大口真神』」の能力者であるヤマトです。ヤマトは元四皇・百獣のカイドウの実子です。悪魔の実の力で白色の神狼に変身できます。

4人目の羽衣をまとった『ワンピース』キャラは五老星の1人であるジェイガルシア・サターン聖です。サターン聖の能力は不明ですが、ゾオン系悪魔の実の能力者であると考えられています。5人目の羽衣をまとった『ワンピース』キャラはエネルです。エネルはスカイピアの唯一神として君臨していた人物で「ゴロゴロの実」の能力者です。

羽衣をまとっていそうだと思われがちなキャラクターが、海軍本部の元帥であったセンゴクです。彼は現在、海軍の大目付となって新兵の育成にあたっています。センゴクはゾオン系「ヒトヒトの実・幻獣種モデル『大仏』」の能力者です。羽衣は神仏を彷彿とさせるアイテムであるため、センゴクも身にまとっていそうですが、彼が羽衣をまとっている描写はありません。

『ワンピース』に登場する羽衣をまとったキャラを見てみると、ゾオン系の覚醒キャラが多いことがわかります。そのため一部ファンの間では、羽衣はゾオン系の覚醒キャラに現れるのではないかと考察されていました。しかし、空島編で登場したロギア系の能力者であるエネルも羽衣をまとっています。エネルが登場した頃にはまだ、悪魔の実の覚醒については明らかになっていませんでした。

エネルがそもそも覚醒した能力者であったのかは不明です。もし、エネルが覚醒した能力者で、彼の羽衣が覚醒したことによって発現したものであった場合、羽衣をまとえるのはゾオン系の覚醒キャラのみという考察は成り立たなくなります。

また、ゾオン系の覚醒キャラは先述のキャラ以外にもいますが、彼らは羽衣をまとっていません。これらのことから、ゾオン系の覚醒キャラのみが羽衣をまとえるわけではなく、またゾオン系の覚醒キャラであれば誰でも羽衣をまとえるというわけでもないようです。

『ワンピース』に登場する羽衣をまとった覚醒キャラは、神に関係している者たちなのではないか、という考察が一部ファンの間で浮上しています。羽衣をまとうタイプの覚醒条件は神に関係する悪魔の実を食べていること、覚醒しても悪魔の実に人格を取り込まれておらず自我を保ち続けていることだという考察です。

もしそうであれば『ワンピース』に登場する羽衣をまとったキャラがゾオン系だけでないこと、同じ覚醒能力者でも人格を取り込まれた能力者には羽衣がないことに説明がつきます。ここでは『ワンピース』に登場する羽衣をまとった能力者と神との関係について紹介していきます。

『ワンピース』空島編に登場するエネルは、ロギア系「ゴロゴロの実」の能力者です。ゴロゴロの実の能力は、自身の体を雷に変化させ、雷を操るというものです。現状、ゴロゴロの実は強力ではあるものの一般的な悪魔の実だとされています。しかし、ルフィの「ヒトヒトの実・幻獣種モデル『ニカ』」が長らくゴムゴムの実だと思われていたように、ゴロゴロの実にも神の名が冠された本当の名前が隠されている可能性があります。

もし、ゴロゴロの実の正体がゾオン系「ヒトヒトの実・幻獣種モデル『雷神』」などであった場合、神に関係した力を持つ能力者が覚醒すると羽衣が出現するという考察の信憑性が増します。『ワンピース』空島編でルフィに敗北したエネルは、その後月へと行ったことが扉絵の連載で明らかになりました。

エネルは月で古代文明の痕跡を発見し、その古代文明が今後『ワンピース』本編に関わってくるのではないかと考えられています。それに伴い、エネルが再登場する可能性も囁かれています。エネルが再登場した際に、ゴロゴロの実の秘密が明らかになるのではないかと考察しているファンは少なくありません。

『ワンピース』エニエス・ロビー編でルフィと戦ったロブ・ルッチは、ゾオン系「ネコネコの実・モデル『レオパルド（豹）』」の能力者です。エネルのゴロゴロの実同様、ルッチが食べた悪魔の実にも神の名は冠されていません。しかし、神の名を冠する真実の名前が隠されている可能性はあります。古代エジプトでは、猫の女神であるバステトが信仰されていました。

北欧神話では、女神フレイヤの車を牽引していたのが猫だといわれています。猫は一部の地域で神として、または神の使いとして崇められていたのです。ロブ・ルッチが食べたネコネコの実が、実は神性を持つネコ科動物に変形できるという能力を持っていても不思議ではありません。

また一部では、ゾオン系「ネコネコの実・モデル『レオパルド』」の正体は、アステカ神話の神・テスカトリポカに関係しているのではないかといわれています。テスカトリポカは白・青・赤・黒色という4柱の兄弟神を指す言葉であり、特に黒の神をテスカトリポカと呼びます。

テスカトリポカの化身の1つはジャガーです。豹とジャガーは違う種類の動物ですが見た目が似ています。そのため、ゾオン系「ネコネコの実・モデル『レオパルド』」の正体が、ゾオン系「ネコネコの実・幻獣種モデル『テスカトリポカ』」となっても不思議ではないと考えられています。

サターン聖の能力は明らかになっていませんが、彼の能力もそのモチーフは神に関するものであると考えられています。能力を解放したサターン聖の姿は、頭から牛のような角を生やし、下半身は蜘蛛のようになっていました。この特徴から、サターン聖が食べた悪魔の実は牛鬼に関係しているのではないかといわれています。

牛鬼は牛の首と蜘蛛の胴体を持った姿で描かれることが多い妖怪です。性格は残忍かつ獰猛で、人を食い殺すことを好むという言い伝えがあります。神とはかけ離れた存在に思えますが、実は牛鬼は一部の地域で神として信仰されていました。そのため、サターン聖の能力も神としての牛鬼をモチーフにしたものではないかと考察されています。

『ワンピース』には羽衣をまとったキャラが数人登場しますが、その羽衣は人によって色が違います。ここでは、羽衣の色の違いについての考察をチェックしていきます。羽衣の色にどのような意味があるのか、違いが出る原因は何なのかについて考えていきましょう。

羽衣をまとっている『ワンピース』キャラを見てみると、ルフィとヤマトの羽衣は白色、ロブ・ルッチとサターン聖の羽衣は黒色であることがわかります。エネルの羽衣は黄色です。サンプルが少ないため確定ではありませんが、現状、海賊側の覚醒キャラは白色の羽衣をまとい、政府側の覚醒キャラは黒色の羽衣をまとっていると考えられています。エネルはそのどちらにも属さないため、別の色になっているとされています。

海賊側の覚醒キャラと政府側の覚醒キャラで羽衣の色が変わってくるとして、多くの読者が気になるのがなぜそうなるのかという点です。羽衣の色に違いが出る理由として、悪魔の実の意志が関係しているのではないかという考察が浮上しています。

『ワンピース』作中、五老星の発言によって、ゾオン系悪魔の実には意志が宿るということが明らかになりました。ゾオン系「ヒトヒトの実・幻獣種モデル『ニカ』」は、世界政府が常に回収を試みてきましたが、800年もの間、一度も回収されることはなかったそうです。それは悪魔の実が意志を持って世界政府から逃げてきたためであると考えられています。

それが事実であるならば、政府の手に落ちなかった悪魔の実には反政府の意志が宿り、政府の手に渡った悪魔の実には政府寄りの意志が宿っていると考えられます。悪魔の実に宿る意志の違いによって羽衣の色が変わっている、と予想しているファンは少なくないようです。

『ワンピース』世界において、Dとはかつて世界政府と敵対関係にあった者たちを指す言葉です。モンキー・D・ルフィやトラファルガー・D・ワーテル・ローなど、Dの意志を受け継ぐ者は現在でも残っており、世界政府はDの意志を受け継ぐ者たちを警戒しています。

ルフィのようにDの意志を継ぐ者、またはDの意志に賛同する者が覚醒すると白い羽衣が現れ、それに敵対する政府側の能力者が覚醒すると黒い羽衣が現れるのではないかと考察されています。

『ワンピース』のドレスローザ編にてルフィが披露したギア4に関するコメントです。ギア4を発動させたルフィは蒸気のようなものをまとっており、それはギア5で見せた羽衣に酷似しています。そのため、ギア4の段階ですでにルフィが覚醒する未来が仄めかされていたのだと考えるファンは少なくありません。

羽衣をまとっていることから、サターン聖も神の名を冠する悪魔の実の能力者であると考えられています。悪魔の実の名前は何なのか、黒色の羽衣にどのような意味があるのか、気になっている読者は多いようです。

羽衣の有無に関して意見がわかれているのが、元四皇のカイドウです。カイドウはゾオン系「ウオウオの実・幻獣種モデル『青龍』」の能力者です。カイドウの強さを考えると、彼が覚醒していないのは不自然です。神を彷彿とさせる悪魔の実の能力者でもあるため、もし彼が覚醒していてなおかつ考察が正しかった場合、カイドウは羽衣をまとっているはずです。

しかしカイドウには、明らかに羽衣だと言えるものが描かれていません。カイドウに関しては、龍形態の際にまとっている炎が羽衣であるという説、実は能力者として覚醒していないという説、考察が誤りで羽衣の出現には別の条件があるという説が唱えられています。

ここでは『ワンピース』に登場する一部のキャラクターがまとう羽衣について紹介してきました。『ワンピース』には様々な伏線が張り巡らされており、それが回収される度に、読者たちは驚かされてきました。

一見ただの飾りのようである羽衣にも、何かしらの謎が隠されていると考えられており、熱心な『ワンピース』ファンは日々考察に励んでいます。羽衣が何を表しているのか、自分でも考察しながらストーリーを追うと、また違う作品の楽しみ方ができるでしょう。