【スプリガン】ジャン・ジャックモンドは獣人の子孫？強さや正体・過去を考察

この記事では、漫画『スプリガン』のキャラクターの中でも１・２を争うイケメンで主人公・御神苗優の相棒的存在のジャン・ジャックモンドを特集します。これから、ジャンの強さや獣人の子孫で短命ともされる彼の正体、そして謎に包まれた過去や最後について考察していきますが、まずはその前に『スプリガン』の作品情報をお届けしましょう。最初に『スプリガン』の作品概要、そして簡単なあらすじ解説へと進みます。

『スプリガン』は、たかしげ宙が原作を、また皆川亮二が作画を担当した日本のSF漫画です。この物語は、超古代文明の秘宝を保護し、悪用を防ぐために活動する民間組織「アーカム」の工作員である「スプリガン」たちの活躍を描いています。

作品の連載は、小学館の週刊少年サンデーで1989年から1996年にかけて行われ、コミックスの累計発行部数は2021年3月現在で1000万部の大台を突破しました。また、アニメ化やゲーム化などさまざまなメディア展開が行われています。

深海から引き上げられた金属板により、人々は驚愕の事実を知ることとなります。遥か古の時代において、現代を凌駕する科学文明が存在していたのです。金属板には古代人からの警告のメッセージ、「我々の遺産を邪悪な者から守れ」が刻まれていました。やがてこのメッセージに応える形で、大財閥アーカムは、古代人の遺産をあらゆる権力から保護し、封印することを目的とした特別チーム「スプリガン」を立ち上げました。

ここからは、この記事のメインテーマである『スプリガン』のキャラクター、ジャン・ジャックモンドの話題に移ります。ジャン・ジャックモンドは、スプリガンの1人で、長い金髪を後ろで結んだ男性です。

ジャン・ジャックモンドのプロフィール解説に入る前に、特殊組織「スプリガン」と巨大財閥「アーカム」について詳しく説明しましょう。スプリガンは、アーカムが運営する特殊エージェントの集団で、非凡な戦闘能力と特殊な能力を有するメンバーから構成されています。また、アーカムは、T・F・アーカムによって設立された大規模な財閥で、その主な目的は超古代文明の貴重な遺産を守護し、悪用から守ることです。

超古代文明に関する研究を通じて、アーカムは画期的な装備品の開発に成功します。精神感応金属「オリハルコン」の製造に「賢者の石」を触媒として使用し、さらに通常の30倍以上の筋力を発揮する防護パワードスーツ「A.M（アーマード・マッスル）スーツ」の実用化を実現しました。これは非常に高度なテクノロジーを備えており、古代遺跡の保護任務で活用されています。

話をジャン・ジャックモンドに戻しましょう。ジャン・ジャックモンドは、超古代文明の秘宝である獣人「ライカンスロープ」の血を引く末裔で、通常でも極めて高い身体能力を備えています。しかし、自身の血を見ると理性をなくして獣人の姿に変わり、身体能力は飛躍的に向上します。スプリガンとしての活動では、しばしば本作の主人公、御神苗優とコンビを組んでいます。

ジャン・ジャックモンドは、フランスのスラム街生まれで、義弟マークと共に娼婦マリアに拾われ育てられました。ところが軍部との対立により、マリアとマークが最後に命を落としてしまいます。その後、ジャン・ジャックモンドは、魔女の異名を持つ女性スプリガンであるティア・フラットにスカウトされスプリガンとなりました。

朧との闘いで、ジャン・ジャックモンドは獣人化し最後に理性を失ったところを攻撃され、致命傷を負います。その経験から、獣人化を避け身体能力を最大限に発揮することに専念するようになりました。また、原作漫画とNetflix版アニメでは、獣人化したジャンの外見が大きく異なっており、Netflix版では原作よりも体格が大きく、顎鬚の生えた野性的なデザインが採用されています。

ジャンが初めて紙面に登場したのは、コミックス第2巻の「ノアの箱舟編」でした。このエピソードは、劇場版『スプリガン』で映像化されたものです。主人公の優がピンチに陥った瞬間、ジャンは初登場を果たし、優の危機を救いました。なお、ジャン・ジャックモンドは、優に続いて登場した2人目のスプリガンでした。

外見や雰囲気から、ジャンはともすれば軽い性格に見えるかもしれません。しかし、実際には非常にシビアな考え方を持った若者です。ミッションでの失敗や敵に舐められる行動には容赦なく鉄槌を下します。こうした彼の厳しさにはきちんとした理由がありました。ジャンは、「スプリガンが甘く見られると、周りの人々に危険をもたらすことになる。スプリガンは軽々しく手を出せない恐ろしい存在でなければならない」という持論を持っていたのです。

この持論は、核抑止論のように、自身が恐ろしい存在であると誇示することで危機を未然に防ぐという考え方です。ジャン・ジャックモンドのシビアさは、大切なものを守るための優しさの表れと言い換えることができるかもしれません。

ジャン・ジャックモンドは獣人の子孫というのは本当なのでしょうか？結論から言いますと、その噂は本当で、ジャンの正体は、短命とも言われる獣人「ライカンスロープ」の末裔です。ジャンには、人間を超越した身体能力と反射神経が備わっていますが、さらに自身の血を見ると変身してしまうという特異性も兼ね備えています。

変身時のジャンの姿は、一般的なカッコよさや可愛らしさとは無縁で、むしろ凶悪で怖い印象を与えます。さらに、この変身に伴い理性も喪失してしまいます。制御不能となり敵味方を問わず攻撃を加える、極めて危険な存在となるのです。

ジャンのシビアな物事の考え方には、彼の生い立ちが深く関係していると考えられます。彼はフランスの貧しいスラム地域で生まれ、娼婦マリアに拾われ、義弟のマークとともに彼女に育てられました。

ジャンはかつてマリアや彼女の仕事仲間たちの前で変身してしまったことがあります。この時は、シンジケートのメンバーに銃で撃たれて、自身の血を目にしたことで変身が引き起こされたのです。変身して獣人となったジャンは、シンジケートのメンバーたちに壮絶な制裁を加え、次々と葬り去りました。

ところが、この時、マリアたちは獣人となったジャンを怖がることはありませんでした。マリアにとってはジャンが何者であれ、自分が育てたかわいい子供という事実に変わりなかったのです。また、仲間の娼婦たちは、いつも人間という名のバケモノを相手にしており、ジャンよりも遥かに恐ろしいと語っていました。

マリアたちの言葉から、彼女たちにとってジャンは家族の一員であり、同時に彼女たちが強さを持った人間であることがわかります。しかしながら、この絆の強さに着目した組織トライデントが、マリアとマークを誘拐し、ジャンを脅迫しました。

トライデントは、アメリカやロシアなどの大国の軍事機関と緊密に協力し、軍事産業複合体の一翼を担っています。この組織は、日本の高隅財閥、アメリカのグラバーズ重工、そしてヨーロッパのキャンベルカンパニーといった3つの大企業が提供する裏金で運営されています。膨大な資産と軍事力を持っており、さらに、超古代文明の遺産を兵器として活用しています。この点でアーカムとは敵対関係にあると言えるでしょう。

トライデントの目的は、生物兵器としてのジャンの身体を検査することだったので、ジャンは実験動物のように扱われました。家族を人質に取られたジャンは、その家族の身の安全を守るためにトライデントの要求に従わなければならなかったのです。最後にジャンは、スプリガンの1人、ティア・フラットによって救出されます。しかし、時すでに遅し、マリアとマークは殺されていたのです。

トライデントは、ジャンとの約束を守るつもりなどありませんでしたし、ジャンも約束が守られるなどとは思っていませんでした。彼はスラムで育ち、人の醜さや裏切りを嫌というほど見てきました。同時にマリアとマークは、血の繋がった血縁以上に大切な家族でした。

人間の醜さと素晴らしさを身近で経験し、ジャン・ジャックモンドはシビアでありながらも優しさを感じさせる性格になったと考えられます。大切な家族を失ったジャンは、封印した怒りのパワーを爆発させ、トライデントの拠点を壊滅させました。そして最後に、ジャンはティアの勧めに応じスプリガンとなったのです。

ジャンが獣人「ライカンスロープ」であることが判明しましたが、短命とも言われるライカンスロープとはどのような生物なのでしょうか？

ライカンスロープは、古代の遺伝子工学の産物である生物兵器で、ジャンはその末裔となります。外見は人間と区別がつかず、また人間との間に子供をもうけることが可能です。人間との違いは、桁違いの身体能力と再生能力です。さらに、身体に一定の負荷が加わると細胞が変容し、身体の性能が飛躍的に向上します。しかし、その代償として知性が低下し獣人となるのです。

生命活動の変化や治癒のプロセスは細胞に大きな負担をかけるため、ライカンスロープは短命とされています。彼らの平均寿命は40歳前後と短命になっています。ジャンは現在24歳なので、基本的に短命と考えられる彼の寿命は、長く見積もってもあと20年程度しか残されていないことになります。

ただ、ジャンが短命かどうかについては、疑問の余地も残されています。ジャンの父親リック・ボルドーが短命なライカンスロープである一方、母親であるウージェニーは人間です。ジャンは人間とライカンスロープのハーフとして生まれたため、仮に彼が短命だとしても、通常の短命なライカンスロープよりは長生きできるかもしれません。

今度は、『スプリガン』のジャン・ジャックモンドの強さについて考察してみましょう。ジャンの強さは、スプリガンの中でもトップクラスに位置しています。主人公である優をも圧倒する強さを持っており、優を格下扱いし未熟者呼ばわりするほどでした。さらに、中国武術と気功の達人である朧（おぼろ）でさえ、ジャンの強さを高く評価せざるを得ませんでした。

特にジャンの速さは、作中でも最速レベルであり、獣人への変身時にはさらに身体能力の強さがアップします。ただし、獣人に変身すると理性を喪失するため、強敵に対してはむしろ獣人に変身しない方が有利です。物語の終盤で、朧が裏切って敵として立ちはだかったとき、ジャンは獣人へと変身しますが、その結果、敗北を喫してしまいました。

ジャン・ジャックモンドは、朧との激しい戦闘の末、医学的には死亡が確認されましたが、驚くべきことに蘇生に成功します。そして、この敗北を糧として、更に強さを増していきました。自身の血を見ても精神力で変身を制御し、ライカンスロープの能力を最大限に活用する方法を探りました。おそらく、朧が去った後、立派に成長した優とスプリガンのトップの座を争っていることでしょう。

朧との闘いで死亡した状態から蘇生したと述べましたが、これはジャンが決して不死身だというわけではありません。朧が蘇生できる限界ギリギリのところで攻撃を止めたことと、治療にあたった医師が、気功を操れる名医だったことによるのです。ジャンは、普通の人よりも死の境界が遠くにあって中々死なないだけであり、不死身ではないのです。

ジャン・ジャックモンドの原作での最後の戦闘は、地球の運命を左右すると同時に、ジャンにとっては最愛のマリアとマークの仇との対決でもありました。とはいえ、ジャンは仇を殺しませんでした。ジャンが仇と最後の一戦を交える前に、仲間が仇を別の理由でボコボコにして気絶させてしまいます。それを見たジャンは、「やる気も失せたぜ」と呟いてその場を去ったのです。

この時のジャンの心のうちは不明ですが、心の優しい青年であったことから、たとえ仇であっても気絶した人間を冷酷に殺すことはできなかったのでしょう。もちろん、その背後にはより複雑な感情が絡んでいたことも考えられます。

原作では、最後の戦いの後、ジャンがどうなったかについては一切触れられていません。ただし、ジャンが所属していたアーカムについてはその後が語られていました。一時的に腐敗が広がったアーカムでしたが、最後には是正され正常化しています。また、ジャン・ジャックモンドのその後は、ゲーム版『スプリガン』で描かれており、ジャンが優と共にスプリガンとして活躍し続けている姿を見ることができます。

ジャン・ジャックモンド特集の最後に、アニメ『スプリガン』でジャンを演じた声優を紹介します。最初は、劇場版アニメとゲームでのジャン役の声優・子安武人（こやす・たけひと）です。子安武人は、1967年5月5日生まれ・神奈川県横浜市出身の男性声優で、現在はティーズファクトリーに所属し、なおかつ同社の代表取締役を務めながら声優として活動しています。

子安武人は、中学生の頃にアニメ『銀河鉄道999』に感銘を受け、声優を志しました。声優としてのキャリアは、1988年のアニメ『どんどんロメルとロン』の警官役でスタートします。1990年代には、美形の悪役キャラクターを多く演じ人気を博しますが、演技の幅が狭いという批判もあったと言います。

その後、『トランスフォーマービーストウォーズ』のコンボイ役や『∀ガンダム』のギム・ギンガナム役でそれまでの殻を破り、幅広い役柄を演じていくようになりました。現在では、シリアスからギャグ、イケメンから偉丈夫まで幅広い役をこなすベテラン声優として活躍しています。2021年には第15回声優アワードで助演男優賞を受賞し、長年にわたる声優界での功績が高く評価されました。

• ジョジョの奇妙な冒険（ディオ・ブランドー）
• 機動戦士ガンダムSEED（ムウ・ラ・フラガ）
• 楽しいムーミン一家（スナフキン、ヨクサル）
• 銀魂（高杉晋助）
• 魔人探偵脳噛ネウロ（脳噛ネウロ）
• ヴァイオレット・エヴァーガーデン（ホッジンズ）
• 進撃の巨人（ジーク・イェーガー）
• SK∞ エスケーエイト（愛抱夢）
• 呪術廻戦（伏黒甚爾）

次に、Netflix版アニメでジャン・ジャックモンドを演じた声優・阿座上洋平（あざかみ・ようへい）を紹介します。阿座上洋平は、1991年8月7日生まれ・群馬県出身の男性声優で、現在は青二プロダクションに所属し、ナレーターとしても活躍しています

声優デビュー当時の芸名は「細野洋平」でしたが、 2012年に「阿座上洋平」に改名しました。その後、2016年にはテレビアニメ『クロムクロ』の青馬剣之介時貞役で初主演を果たします。また、ナレーターとしても活動を開始し、けやき坂46の「ひらがな推し」でナレーションを担当したほか、日向坂46へと改名後にリニューアルした「日向坂で会いましょう」でも引き続きナレーションを担当しています。

• クロムクロ（青馬剣之介時貞）
• ピアシェ〜私のイタリアン〜（近野桐秀）
• 新サクラ大戦 the Animation（神山誠十郎）
• あんさんぶるスターズ！！（天城燐音）
• 白い砂のアクアトープ（屋嘉間志空也）
• D_CIDE TRAUMEREI THE ANIMATION（織田龍平）
• それでも歩は寄せてくる（田中歩）
• デュエル・マスターズ WIN（プリンス・カイザ）
• 機動戦士ガンダム 水星の魔女（グエル・ジェターク）

ここまで『スプリガン』のジャン・ジャックモンド特集をお届けしてきましたが、最後にジャン・ジャックモンドに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

この記事では、ジャン・ジャックモンドの性格を「非常にシビアで厳格」と紹介しましたが、最初に紹介するこのツイートでは、「何物にも縛られず、制約や価値観の押しつけを嫌う」と表現しています。一本筋の通った強さでは共通しているのかも知れません。

続いて紹介するのはジャンジャックモンドの存在が大きすぎると語るツイートからです。 彼の存在感を前にすると作品の面白さがかすんでしまうほどだそうです。 

最後に紹介するのも、ジャン・ジャックモンドの魅力について熱弁するツイートからになります。普通ならネガティブなことでも、ジャン・ジャックモンドでは長所になってしまうようでした。

この記事では「『スプリガン』のジャン・ジャックモンドは短命な獣人の子孫？」と題して、彼の強さや正体、そして隠された過去の出来事や最後について考察してきました。　

ジャン・ジャックモンドは、短命ともされる獣人「ライカンスロープ」の子孫です。人間を超越した身体能力や反射神経が備わっており、自身の血を見ると理性を失い獣人に変身するという特異性を持っています。彼には、フランスのスラム街に生まれ、義弟のマークとともに娼婦マリアに育てられた過去があります。その過去がジャンの人格形成に大きく影響していたと考えられています。

ジャンの属性であるライカンスロープは、優れた身体能力と再生能力を持つ反面、細胞に大きな負担がかかるため短命になるとされています。そんなジャン・ジャックモンドは、スプリガンの中でもトップクラスの強さや速さを持っています。最後の戦闘では、最愛のマリアとマークお殺害した仇と対決しますが、他の仲間の攻撃を受けて気絶した相手を見て、「やる気が失せた」と呟き、とどめを刺すことはしませんでした。