スプリガンの漫画あらすじと登場キャラを紹介!タイトルの意味も解説

漫画「スプリガン」は1989年~1996年に週刊少年サンデーから連載されていたSFアクション漫画です。原作はたかしげ宙、作画は皆川亮二で単行本は全11巻が発売され、1998年にはアニメーション映画化もされたサンデーの人気作品です。意味深い考古学ロマン的側面を持ちながらも冒険活劇である漫画「スプリガン」は、魅力あるキャラクターたちが脇を固めます。今回は漫画「スプリガン」のあらすじやキャラ、タイトルの意味もネタバレこみで紹介いたします。

スプリガンの漫画あらすじと登場キャラを紹介!タイトルの意味も解説のイメージ

目次

  1. スプリガンの漫画あらすじや登場キャラに迫る!
  2. スプリガンの漫画作品情報
  3. スプリガンのタイトルの意味は?
  4. スプリガンの漫画の魅力は?
  5. スプリガンの漫画登場キャラ
  6. スプリガンの漫画あらすじネタバレ
  7. スプリガンを読んだ感想は?
  8. スプリガンの漫画あらすじや登場キャラまとめ

スプリガンの漫画あらすじや登場キャラに迫る!

漫画「スプリガン」は、1990年代に大人気だった少年サンデーの看板漫画です。考古学ロマンあり、超常現象あり、血沸き肉躍る肉弾戦あり、可愛い女の子キャラも、クールなイケメンキャラも、ミステリアスな美形キャラも登場し、少年漫画で人気なあれこれを全部乗せしたような作品として知られています。

1990年代の王道をストレートに走った少年漫画スプリガンは、特殊組織「アーカム」が、超古代文明の遺産オーパーツを守るという設定で、主人公の高校生・御神苗優はアーカムの特殊工作員の一人として戦います。古代文明だけでなくオカルト的な意味合いの強いものや近代の戦争のネタも盛り込まれています。

漫画スプリガンを通して、いろんな意味で幅広い世界を楽しむことができるのも本作の魅力の一つです。ここからは漫画スプリガンのあらすじや登場キャラクターについてネタバレこみで迫りたいと思います。

スプリガンの漫画作品情報

漫画「スプリガン」は、週刊少年サンデーで90年代を中心に連載された人気作品です。漫画「スプリガン」は1989年から連載がスタートしました。週刊少年サンデーと月刊少年サンデー、サンデー関連雑誌に、読切漫画や短期連載の形で続き、シリーズ化していった作品です。

連載は1989年から始まり、1996年まで続きました。単行本は全11巻が発売され、コンビニコミック版や完全版、文庫版など様々な形で書籍化されています。本編終了後、後日談として書かれた作品が2作あり、コンビニコミック・文庫・完全版で読むことができます。

漫画「スプリガン」は、少年サンデー連載のバトル漫画ですが、考古学や神話などのエピソードを取り込み、胸躍らせる冒険活劇的なストーリーは、当時は男性だけでなく女性にも人気が高く、幅広い層に受け入れられる作品でした。当時の同人誌でも漫画「スプリガン」のジャンルが存在していた程の人気です。

1996年にその連載を終了した漫画「スプリガン」は、アニメーション映画化の話が進行し、1998年には「AKIRA」「スチームボーイ」の大友克洋を総監督に、川崎博嗣監督で劇場版「スプリガン」が公開されました。アーカム財団のNO.1スプリガンである御神苗優と、同じスプリガンのジャンが、オーパーツ「ノアの方舟」の謎を巡って戦うストーリーです。

アニメーション映画「スプリガン」は、原作の皆川亮二の絵とはかなり違う絵柄になっており、漫画「スプリガン」の世界観事体が映画1本分で収まらないスケールだったため、賛否両論の作品となりました。漫画「スプリガン」で登場するキャラクターも、映画版のキャラクターとしてはジャン以外ほとんど登場がありません。

ストーリーのあらすじ事体は、漫画「スプリガン」にある「ノアの箱舟」のエピソードですが、ネタバレをするとかなり改変されており、吉乃や朧といった漫画のスプリガンに欠かせないキャラクターも出番はなしです。大友克洋監督のファンには喜ばれたものの、漫画「スプリガン」ファンからは「スプリガンの意味がない」など残念な声もあったようです。

スプリガンのタイトルの意味は?

財宝を守る精霊を意味する

漫画スプリガンのタイトルの意味をご存知でしょうか?漫画の冒頭で説明が入るのですが、スプリガンとは古くからある伝承に出てくる妖精です。イングランドの南西にあるコーンウォールと呼ばれる地方にある伝承に登場する空想の生物で、ドワーフの一種ともいわれています。古代遺跡にその住処を構え、遺跡に眠る秘宝を守るともいわれています。また、スプリガンの正体は、古代に滅んだ巨人の亡霊だという説もあるそうです。

あらすじでは、古代遺跡を守るアーカム財団は、超古代文明を現代において封印し、隔離することを目的に設立された組織です。謎の多い超古代文明に不用意に触れることは、大きな事故や破滅を意味します。アーカムは違法なハンターたちから遺跡を守るために戦う特殊工作員を抱えており、その工作員・エージェントのことを「スプリガン」と呼んでいます。主人公の御神苗優は日本で唯一のエージェントというキャラ設定なのです。

スプリガンの漫画の魅力は?

臨場感あふれる独特の構成!

漫画「スプリガン」の特徴の1つは、その独特のコマ割りにあります。四コマ漫画でよくあるような枠線と余白がしっかりしたコマ割りではなく、ページ上下の余白をなくして用紙いっぱいに描かれています。このため、大きく読みやすく、躍動感あふれる印象になるのです。

躍動感あふれる迫力の戦闘シーン

考古学や歴史の意味を延々と探るシーンもあれば、少年漫画らしい肉弾戦が多いのも漫画スプリガンの特徴です。戦闘時の細かい身体の動きを表現したり、武器の振動やフェード効果のような映画的表現も多く、その1コマ1コマから戦闘の臨場感が伝わってくるのです。戦闘も、御神苗優の格闘術の師匠である朧との闘いでは中国武術の呼吸や動きが、その空間から意味がなんとなく伝わってくるほど、丁寧に描かれています。

まるでアニメを見ているかのような臨場感を感じる戦闘シーンですが、細かい空気の流れや残像、筋肉の動きを丁寧に描くことで、よりリアル感を感じさせるのが、皆川亮二の画力のすばらしさだと評価されているようです。

オーバーテクノロジーを利用した武器やアイテム

アーカム財団はT・F・アーカムが創設した巨大組織です。超古代文明が残したメッセージにより、超古代文明が残した遺産を封印し、悪用されないようあらゆるものから守ることをその使命としています。アーカムは、超古代文明が残したオーバーテクノロジーを研究・実用化させ、特殊工作員たちの任務に利用しています。

その1つが、主人公御神苗優が任務時に装着しているA・Mスーツ(アーマード・マッスル・スーツ)という装甲強化服です。通常の30倍以上の筋力を引き出すパワードスーツで、御神苗優の戦闘時には必ずこのA・Mスーツで筋肉ムキムキになるシーンが登場します。当時の少年漫画らしい設定で、人気のシーンでもあります。

この他、オーバーテクノロジーを利用した武器として、「オリハルコン」のナイフが登場します。超古代文明の遺産として何度も登場する「賢者の石」を触媒として精製に成功したのが、精神感応金属の「オリハルコン」です。御神苗優はこのオリハルコン製のナイフで常に闘っています。

オリハルコンは、それ単体ではなんの意味もなさないただのレアメタルですが、触媒にして他の金属と合金化することによって、強力な特性を持たせることができる設定です。A・Mスーツにもオリハルコンを繊維状にした素材が使われており、その効果を発揮するのです。

あらすじでは、終盤は朧との戦闘で新しい戦闘スタイルを会得した優は、戦闘中の空気の流れや、微妙な戦いの気を感じ取るためにA・Mスーツが邪魔となり、A・Mスーツを脱いで戦うようになります。

スプリガンに敵として登場するCOSMOSの兵士は、このオリハルコンを脳に埋め込み、複数で意志を共有させることができます。あらすじのネタバレですが、最終回に登場するロードス島の青銅巨人は、オリハルコンを組み込まれたロボットのような存在です。

スプリガンの漫画登場キャラ

御神苗優

漫画スプリガンの主人公は御神苗優(おみなえ ゆう)です。高校生ながら、特殊機関アーカムという巨大組織に所属し、超古代文明の危険な遺物・遺跡を封印し、権力者から遺産を守る特殊工作員として活躍しています。日本では一人しかいないトップクラスエージェントで、アーカム財団からも数多くのスプリガンとしての任務が入るため、高校にもほとんど通うことができず万年出席日数不足に悩まされています。

御神苗優はスプリガンの任務で世界を飛び回っているため、たまに高校に登校しても日々の激務のため、ケガでボロボロになりながらの登校の上、授業中は居眠りばかりです。同級生たちからはダメ高校生として扱われているようです。しかし本人は学生生活を送りたいという希望が大きく、修学旅行では行先が京都であっても全力で楽しんでいる高校生らしい姿も見られました。

戦闘時以外は17歳の高校生男子らしい姿も見られる御神苗優ですが、実は壮絶な過去を持っています。6歳の時、アーカム財団の発掘隊に参加した両親に同行した先で、米軍の攻撃に巻き込まれ、6歳という幼い優の目の前で両親が惨殺されます。その後、孤児院に預けられ、しばらくして叔父である御神苗隆の家に養子として引き取られますが、ある日突然、何者かに誘拐され行方不明となってしまいます。

行方不明となった優は数年後に、叔父であり養父の御神苗隆のもとに戻ります。しかしその頃には幼い優からは人間らしさが完全に失われ、廃人寸前の状態となっていました。実は誘拐された優は、アメリカ軍の極秘プロジェクトCOSMOSの少年兵として戦闘訓練・洗脳教育を受けされられ、アーカムの組織の人間を次々と殺戮していました。

COSMOSとはチルドレン・オブ・ソルジャー・マシン・オーガニック・システムという極秘プロジェクトであり、洗脳され特殊訓練を受けた少年兵たちのことをいいます。COSMOSとして殺戮マシーンとなっていた優は、ある日、自分が殺害した相手の姿に両親の死を目撃したときの記憶が蘇ります。精神暴走を起こした優は、一人でその場のCOSMOSたちを壊滅させてしまいます。

現場で一人残された優を、アーカムのトップエージェントである朧が見つけ、再び御神苗隆の元に戻ることができたのです。日本で叔父であり養父の御神苗隆、その娘の秋葉に見守られ、優は過去を乗り越え、精神は安定していきます。御神苗隆と世界を旅し、古代文明や大自然をその目で見て成長した優は、自らスプリガンとなって戦うことを決意します。

COSMOSを壊滅させた現場で優を発見したトップスプリガンの朧を、格闘の師匠として師事し、同じくアーカムのボーマンから教えを受けながら、日本人唯一のスプリガンになるのです。スプリガンとしての優は、天性の戦闘能力と精神力でその実力を発揮し、次々と任務を成功していきます。一度は優によって壊滅状態に追い込まれたCOSMOSが、再び優の前に現れ、過去と向き合うことになります。

過去を乗り越え、アーカムの新会長ヘンリー・ガーナムの野望を阻止するため、アーカムと敵対する立場になります。アーカムによって暴走を起こした南極の遺跡により、炎蛇が世界を覆います。駆け付けた優が地球の意志・ガイアに触れ、その想いを伝えることで地球は救われるのです。物語の最初では高校二年生だった優も、最終話ではなんとか出席日数を確保し、奇跡の高校卒業を迎えます。

ジャン・ジャックモンド

優と同じくスプリガンとして活躍するフランス人のトップエージェントです。「ノアの箱舟」から登場します。長い金髪を後ろで結んだ青年で、古代文明のバイオテクノロジーの結晶である獣人(ライカンスロープ)の末裔で、人間離れしたスピードと力を発揮します。

ティア・フラット

同じくスプリガンとして活躍する女性で、「魔女」の異名を持っています。大魔術師マーリンの弟子で、美しい女性の外見をしていながら、はるか昔からアーカム財団と関わりがあることを示唆されています。

世界最高の気功の達人であり中国武術の達人、そしてアーカムの最強のスプリガンです。黒髪長髪で、中華服をまとっています。優の格闘の師匠でもあり、強さを求めるが故にアーカムを裏切り敵対するトライデントし組し、優の前に立ちはだかります。

染井芳乃

女子高生でありながら遺跡ハンターとしてフリーで活躍している女の子です。霊媒体質を利用して遺跡に飛び込んでは荒らすので、「遺跡荒らしの吉乃」という異名を持っています。お金で動く性格で、その行動原理によって引き起こされる甚大なトラブルを収めるために、優が奔走します。

暁巌

アーカムの敵対組織であり兵器開発集団「トライデント」、その傭兵部隊の隊長をつとめるのが暁巌です。どんな過酷な状況でも戦い抜き必ず生還するという、「生還者(リターニングマン)」という二つ名を持っています。

スプリガンの漫画あらすじネタバレ

スプリガン「炎蛇の章」あらすじ

ここからは漫画スプリガンの第1話から始まる「炎蛇の章」あらすじをネタバレで紹介いたします。第1話はアーカムのエージェント・御神苗優のファーストミッションの話です。ある日、中東の死海近隣で、オーパーツが発見されることから物語は始まります。オーパーツ、それは考古学上、その遺跡でその時代には存在するはずがないものを意味する言葉です。

そのオーパーツは「メギド・フレイム」と呼ばれ、旧約聖書で凶悪な武器となるものとされ、米軍が狙っていました。オーパーツ「メギド・フレイム」を手に入れた米軍は、その詳細を調べるために日本の都内にある研究所に移送します。

マシンナーズプラトウーンと呼ばれるアメリカの機械化小隊のハミング・バット少佐が、そのオーパーツ「メギド・フレイム」を悪用しようと目論み、その情報をいち早くキャッチしたアーカム財団は、ハミング・バット少佐の悪事を阻止すべく、特殊工作員であるエージェントを送り込みます。それが主人公・御神苗優なのです。この戦いは、御神苗優のエージェントとしての最初の任務を描く、ビギニング的な意味もあります。

スプリガン「仮面伝説の章」あらすじ

1巻と2巻にまたがる「仮面伝説の章」は、オカルトっぽい雰囲気も漂うストーリーです。超古代文明というより、今回は神話の話となっています。アステカ神話の文化神・農耕神のケツアルクアトルと、マヤ文明の神の仮面にまつわる展開となっています。優とその同級生の双子の姉妹が、ケツアルクアトルと他の神との争いの中に巻き込まれていく話となっています。

結果的に、ケツアルクアトルは御神苗優の身体を借り、敵対する神テスカポリトカと戦います。テスカポリトカを「マーラの銀鏡」の中に封じ込め終了します。前章のオーパーツを巡る「炎蛇の章」とは違い、「仮面伝説の章」は、オカルトの意味合いの強いあらすじでした。

スプリガン「ノアの方舟篇」あらすじ

この章でスプリガンの優の同僚で獣人(ライカンスロープ)のエージェント、ジャン・ジャックモンドが登場します。劇場版スプリガンの原案にもなったのが、この「ノアの箱舟篇」です。アーカム財団の調査隊が、調査先で「ノアの箱舟」を発見することが始まります。ノアの箱舟と共に発見されたのが謎の金属でできたプレートで、古代文字で「ノアに干渉するな,干渉すれば生けるものすべてが滅びる」と書かれているのです。

このノアの箱舟は、オーパーツの一つで、実は超古代文明が生み出した気象のコントロールシステムであり、大洪水以降の地球上の生命の研究所です。見た目はただの木製であるのに、超古代文明が残した「プレート」と同様、時が止まっている状態のオーパーツです。

10歳程度の少年ながら機械化小隊(マシンナーズ・プラトゥーン)の一人であるマクドガル大佐は、このノアの方舟の発掘現場を襲撃し、ノアの箱舟の力を使って人類を滅ぼそうとします。マクドガル大佐と優との闘いの末、ノアの方舟は止まっていた時が動き出し、ただの木材に戻ってしまうのです。

スプリガン「狂戦士の章」あらすじ

宇宙考古学のマウザー博士が「狂戦士(バーサーカー)」を発掘するところから物語は始まります。イギリス軍将校の女性マリア=クレメンティ中佐がその調査の主導権を奪い、実験により狂戦士が起動してしまいます。狂戦士は敵を認識して自動で殺戮することをプログラムされた兵器です。起動することは大量の殺戮が始まることを意味します。狂戦士の強力なレーザー兵器の無差別攻撃により、多くの人間が命を落とします。

御神苗優は、水蒸気を充満した空間を作り出し、狂戦士のレーザー光線を屈折させることで回避し、狂戦士を倒します。狂戦士の自爆装置が起動し、事体は収束するのでした。

スプリガン「帰らずの森篇」あらすじ

優がインドの「帰らずの森」に調査のために訪れます。「帰らずの森」に眠る不老不死の妙薬「神酒(ソーマ)」を巡って、アーカムのライバル企業である兵器開発集団「トライデント」が乗り出し、帰らずの森に住み着いた「食人鬼(グール)」たちと遭遇する話です。この章で、「遺跡荒らしの芳乃」と呼ばれる染井芳乃、兵器開発集団「トライデント」所属の傭兵部隊の隊長である暁巌が登場します。

スプリガン「水晶の髑髏」あらすじ

「水晶の髑髏」は、オーパーツをテーマに扱ったストーリーとなっています。オーパーツとは、考古学上、その遺跡・その時代では発掘されない不適当な出土品のことを意味します。その当時の文明では存在しないはずのものを意味する言葉です。

「水晶の髑髏」は、一定の振動を加えると膨大なエネルギーが発生する凶悪な兵器というオーパーツです。このストーリーでは、一部の読者の間で人気の、秘密結社「ネオ・ナチス」のボー・ブランシェ少尉が登場します。秘密結社「ネオ・ナチス」に奪われた「水晶の髑髏」をボー・ブランシェたちとの暑苦しい戦いの末、優が取り戻します。

スプリガン「龍脈地図 御神苗抹殺計画」あらすじ

「龍脈地図 御神苗抹殺計画」の章では、優がアメリカ軍のCOSMOSという特殊実験部隊に命を狙われる話です。COSMOSはチルドレン・オブ・ソルジャー・マシン・オーガニック・システムで、オリハルコンを使った機械少年兵による部隊です。マッパムンディスと呼ばれる古代地図を巡り、優の過去にも焦点が当てられます。

スプリガン「混乱の塔」あらすじ

「混乱の塔」は、バグダッドを舞台に、魔法陣というオカルト的展開でありながら、現代で今も続く宗教戦争・民族紛争へ言及するという意味深いストーリーとなっています。優の戦闘の師匠でありスプリガン最強のエージェントである朧が登場します。朧はジャンと並ぶ、スプリガンの中でも屈指の人気を誇るキャラクターです。

スプリガン「獣人伝承」あらすじ

この「獣人伝承」では、優のスプリガンの同僚であるジャン・ジャックモンドの秘密が明らかになります。「ノアの箱舟」で登場したフランス人のスプリガン、ジャン・ジャックモンドは、実はライカンスロープと呼ばれる獣人で、超古代文明の技術が生みだした生物兵器、その末裔なのです。それゆえに、アーカムのライバル企業である兵器開発集団「トライデント」に命を狙われることになります。

スプリガン「終末計画」あらすじ

スプリガンの4巻と5巻にまたがる「終末計画」は、古代文明が残した超高度プログラム「YAMA(ヤーマ)」が登場します。ヤーマは思考型プログラムで、世界中のコンピューターをその支配下に置き、人類が生存に値するか否かを判定しようとします。優は仲間たちと共にヤーマの内部に潜入し、人類の存亡を賭けてヤーマと戦います。

スプリガン「聖杯」あらすじ

「聖杯」では、アドルフ・ヒトラーのクローンが登場します。アドルフ・ヒトラーがその死の前に用いたという聖杯を巡って、クローン技術によるヒトラーの完全復活をもくろむ秘密結社「ネオ・ナチス」と優が対決します。超古代文明の兵器「ヴァジュラ」を狙う、ネオ・ナチスと優が激突します。このストーリーでは、遺跡のトラブルメーカー芳乃も登場し、ヒトラーのクローンと接近します。

スプリガン「忘却王国」あらすじ

「忘却王国」の舞台は海です。定期的に出現と消滅を繰り返す幽霊島、その謎を追い、スプリガンの優とロシナンテの船長スティーブ・H・フォスターが活躍する冒険活劇になっています。スティーブ・H・フォスターはアーカム特別顧問であり、調査船「ロシナンテ」の船長です。ロシナンテは超電導推進やレーザー兵器など、現代の最新技術を結集させた超ハイテク調査船で、船長は自分の跡継ぎに優を見込んでいます。

スプリガン「降臨」あらすじ

この「降臨」は、古代文明の遺産を巡って組織が暗躍するストーリーとなっています。時間と空間を制御する遺跡の存在を知り、アーカムと米国機械化小隊(マシンナーズ・プラトウーン)のジャック・ザ・リッパー大佐やCIAの非合法職員であり発火能力者のトニー・ベネットが入り乱れの乱戦となります。後のストーリーでは、この章で死んだと思われていたトニー・ベネットはCIAからアーカムに移籍して再登場します。

スプリガン「不死密売」あらすじ

「不死密売」のあらすじでは、若者が突如老化、死亡するという怪事件が次々に起こります。その事件の背景には新種の麻薬の存在があり、「神酒(ソーマ)」と呼ばれるその新種の麻薬を摂取することで、ある一定期間不老不死になるというのです。過去に優が封印したはずの「神酒(ソーマ)」の製造方法がどこかに漏れているのか、疑った優はタイの「神の手を持つ男」という異名を持つ元スプリガン、パーカップ・ラムディを訪ねるのです。

スプリガン「修学旅行」あらすじ

この「修学旅行」では、万年単位ギリギリの優が、なんとか修学旅行に参加し、修学旅行先で事件に巻き込まれる話です。修学旅行を全力で楽しもうとする優が、ほのぼのとした高校生らしく見えると評判のストーリーでもあります。海外を飛び回っているはずの優ですが、修学旅行の行先はベタな京都です。しかし殺伐とした生活に身を置く優は、学生として修学旅行を目いっぱい楽しもうとします。

優は修学旅行先の京都で、偶然、精神感応金属であるオリハルコンを発見してしまいます。それも大量の兵器が作れるだけの量のオリハルコンで、それを狙う甲賀流忍者部隊と優が、同級生たちから身を隠しながら戦うのです。

スプリガン「精霊惑星」あらすじ

「精霊惑星」では、ネイティブアメリカンの儀式を解き明かそうとし、それをよからぬ目的に転用しようとする各国の特殊部隊、そして諜報部員たちが入り乱れるストーリーとなっています。

スプリガン「獣人伝承2」あらすじ

トライデントが作りだしたライカンスロープと、アーカムのスプリガンである優、そして同じくアーカムのスプリガンでライカンスロープの末裔であるジャン・ジャックモンドの戦いを描いたストーリーです。ファンからは「壮大なSFとアクションが気持ちいい漫画」「夢枕獏氏や菊地秀行氏の作品が好きな方はおすすめ」と呼ばれる回となっています。

スプリガン「人工進化」あらすじ

インカ帝国時代の遺跡から発掘されたのは、石造りの頭部模型で、人間の脳外科手術の技術が秘められたテクノロジーの結晶でした。その立体模型を使って行った実験の結果、一人の男が怪物に変化してしまいます。この事件を収めるために、スプリガンの優が乗り出します。

スプリガン「山岳ピラミッド」あらすじ

アーカムの新会長に、ヘンリー・ガーナムが就任します。ヘンリー・ガーナムは、アーカムがこれまでに集めた超古代文明のテクノロジーを使って、世界の軍事バランスを支配し、世界に秩序をもたらせようと目論見ます。そのやり方に反発するスプリガンとヘンリー・ガーナム新会長の間で内部分裂が起き、敵だけでなく味方までも敵となってしまいます。

スプリガン「龍脈地図 最終話 炎蛇再来」あらすじ

新会長ヘンリー・ガーナムの陰謀により、アーカム財団でも内部分裂が起こり、それぞれの思惑が入り乱れます。新体制により、地球の意志・ガイアに接触しようとするアーカムですが、その依り代として吉乃が選ばれます。そのイタコ体質でガイアに接触した吉乃は、その力を暴走させ、世界中で炎蛇が発生するという大惨事につながります。優は、最後の戦いのため、南極へ向かいます。

南極の遺跡で待っていたのは、超古代文明の遺産であるロードス島の青銅巨人です。青銅巨人は、遺跡防衛用に新体制アーカムが配備した本物のスプリガンと呼ばれる存在です。青銅巨人を前にスプリガンたちは次々敗退します。

絶体絶命の中、地球のガイアとコンタクトをとった吉乃が、その意志を優に委ね、優もロードス島の青銅巨人を通して、ガイアの意志に触れます。ガイアも人間による戦争や荒廃を危惧しているということを知り、優は自分の気持ちをガイアに伝え、その暴走は止まるのでした。

物語のラストでは、優の高校の卒業式です。アーカムの仕事で世界中を飛び回り、学校を休みまくっていたので友人たちにも疑われますが、なんとか単位を履修できたようです。無事に卒業式を迎えた優は、少年らしい穏やかな笑顔でした。最後のエピローグでは、養父の御神苗隆とともに旅に出ます。日本ではない地球のどこか、目の前に広がる大自然を前にしてスプリガンは幕を閉じます。

スプリガンを読んだ感想は?

連載が終了したのが1996年ですが、2018年の4月に作画担当の皆川亮二のTwitterにスプリガンの御神苗優と染井芳乃のイラストが投稿されました。この投稿を見て、再びスプリガンの漫画が読みたくなったファンは少なくなかったようです。

再読。皆川先生のTwitterで御神苗くんと芳乃ちゃん見かけて、辛抱たまらず電子版購入。文庫本も買ったけどどこ行ったかな。もうたまらん、めっちゃ面白い!!大好きスプリガン!

このTwitterコメントでは、ファンから「登場する女の子キャラの誰かと付き合ったりするのか」という質問に対して、皆川亮二本人から「自分の身がいつも危ないから普通の恋愛は無理。となるとそういう関係ではないけど芳乃とはずっと腐れ縁で続きそう」というコメントがあったようです。

アクションが隅から隅まで行き届いてかつ女の子もかわいい、しかも主人公が葛藤を抱えていて巨大な組織と対峙する。未来風の技術やオーパーツもわんさかでてきて、おまけに学園生活も楽しめる。少年漫画として百点! だからこそ、私は中高生の頃に読みたかった

1990年代を代表する少年漫画として、その設定、あらすじ、キャラクター全てにおいて百点だという評価です。登場する女の子も、吉乃やティア、同級生の女の子たちなど、ワンパターンにか弱いのではなく、それぞれの強さ・個性が光っていると人気でした。

最後のオチだけがある意味気になるけど、全巻はあまり読む気にはならなかったかな。オーパーツを正しい人のためにって感じでフルメタとかのあの組織みたいな感じはした。もっと読み進めれば爆発点が出てくるのかもしれないが1巻だけだとあまり感じなかった。

同じくオーパーツを題材にしたSFアクション大作・フルメタルパニックを連想した読者もいたようです。漫画スプリガンが大人気だったのは1990年代、フルメタルパニックは2000年代の作品のため、読者の年齢によっても感じる意味合いや印象は変わるようです。

実に少年漫画らしい少年漫画。それに皆川漫画の近未来的エッセンスが加わってワクワク出来る。友情だとか地球環境だとかの少年向けでわかりやすいテーマがいい。設定は次回作のARMSほどは練り込まれていないかな。

少年漫画らしいわかりやすさを評価するファンのコメントです。皆川亮二の漫画で必ず扱われる、近未来設定に少年はわくわくさせられ、超常現象や古代遺跡のロマンに好奇心を刺激されつつ、キャラ立ちした登場キャラクターたちの熱い肉弾戦のバトルシーンで当時の少年たちのハートが鷲掴みされたそうです。

書店からのレビューもご紹介いたします。高校生が戦う主人公で、ミリタリー好き、兵器好き、歴史文明好きにもおすすめできるという紹介コメントです。当時、御神苗優の乗るバイクシーンは、高校生とは思えないかっこよさという声もよく聞きました。

漫画スプリガンに登場するキャラクターは、どれも癖のあるキャラばかりですが、特に朧とボーは人気のようです。あらすじネタバレになってしまいますが、ボーはいつも意味不明な発言が多く、いかにも少年漫画のキャラらしさが輝く脳筋で愛されていましたが、終盤はその戦いの中で静かに命を落とします。

考古学が登場する漫画といえばスプリガン、ということで、後から漫画スプリガンを読みたくなってくるファンも多いようです。主人公の御神苗優は少年漫画の主人公らしさが光っており、脇役であるジャン・ジャックモンド、朧も、脇役と思えないほどキャラ立ちしています。それぞれ雰囲気の違うクールな長髪男子に、男子だけでなく女子にも人気のキャラだったようです。

スプリガンのアニメ化を望むファンの声です。大友克洋総監督の劇場版は、いろんな意味で賛否両論でしたが、テレビアニメ版では、漫画原作のままのスプリガンを見たいという声も多いです。

スプリガンの漫画あらすじや登場キャラまとめ

漫画「スプリガン」の各章のあらすじや登場キャラをネタバレ込みでご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?考古学ロマンや、歴史、神話、オカルト、宗教問題や、果てには人間による自然破壊にまで問題を広げる意味深いストーリーとなっております。広範囲のテーマでありながらも、少年漫画の王道を貫くスプリガンは、完結から20年以上が過ぎた今でもアニメ化を期待される作品の一つと言われています。

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