すずめの戸締まりの時系列を考察！「君の名は。」や「天気の子」との繋がりはある？

「すずめの戸締まり」は、世界的大ヒットした前作映画「君の名は。」「天気の子」に続く新海誠監督による作品です。過去と現在、未来を繋げる「後ろ戸」を閉める旅を通して、少女が成長する姿を描いています。すずめの戸締まりの映画は、2022年11月11日に公開されており、公開後87日間で観客動員数1000万人を突破する記録を残しました。

また、音楽は「君の名は。」「天気の子」の前作に続き、本作3度目のRADWIMPSが担当しています。声優陣は岩戸鈴芽役の原菜乃華さん、宗像草太役の松村北斗さん（SixTONES）をはじめ、深津絵里さん、神木隆之介さんなど豪華キャストが揃っています。

高校2年生の鈴芽は、「災いをもたらす扉」を探しながら旅をする青年と出会います。草太という美青年は、鈴芽の不思議な記憶の中の人物とよく似ていました。彼のことが気になり、鈴芽は後を追います。すると、廃墟に辿り着き、そこにポツンと扉が取り残されていました。彼女は引き寄せられるように扉へ手を伸ばすと、向こう側にある幻想的な風景を目にします。しかし、扉が開いていると向こう側から、災いが訪れるというのです。

すずめの戸締まりはいつの話なのか、時系列で解説していきます。まず結論からいうと、鈴芽の戸締まりは2023年9月から始まる話です。さらに詳しい時系列を説明すると、主人公の岩戸鈴芽は2023年9月25日月曜に自宅を出発し、2023年10月2日月曜に帰宅しています。

話の繋がりは、鈴芽が登校中に見知らぬ青年から「扉を探しているんだ」と声をかけられました。その青年の名前は宗像草太で、実は鈴芽が4歳の頃、常世で彼の姿を見ていたのです。そのため、物語の序盤で鈴芽は草太に、「あなたとどこかで会ったような気がする」と伝えています。

鈴芽の好奇心によって、ミミズを押さえていた要石を引っこ抜いてしまったため、思わぬ事態を引き起こしてしまいました。要石が変身した猫のダイジンが、草太を椅子に変身させてしまったのです。このことから、ダイジンを追いかけながら、鈴芽と草太の戸締まりの旅が繰り広げられます。

すずめの戸締まりのラストは、2024年2月であると考察できます。常世にいるミミズに要石を刺して、鈴芽と草太は無事に現世へ戻ることができました。このあと、鈴芽は宮崎に戻りますが、草太は引き続き戸締まりの旅を続けるため、二人は離ればなれになります。別れ際に草太は、「俺を救ってくれてありがとう。会いに行くよ、必ず」と鈴芽に言いました。

鈴芽と別れてからの草太の戸締まりの旅や、時系列についての描写はありません。しかし、彼が地道に閉じ師としての仕事を全うしていたのは確かです。数ヶ月後、冬の制服に分厚いマフラー姿で登校していた鈴芽は、向こうから草太が歩いてくるのを目にします。鈴芽は自転車を止めて、草太に「おかえり」と言いました。おそらく、草太に対してのねぎらいと感謝の気持ちを込めて、言った言葉だと考察できます。

すずめの戸締まりの映画と小説版のどちらにも、東日本大震災、または東北地方太平洋沖地震という言葉は登場しませんでした。しかし、すずめの戸締まりで描かれている災害は、東日本大震災のことでほぼ間違いないです。震災は鈴芽が4歳のときの出来事で、その際に病院で勤務していた看護師の母親を亡くしています。鈴芽は叔母の環に引き取られ、宮崎県で共に暮らすことになったのです。

震災から12年6ヶ月が経ち、17歳になった鈴芽は草太を追いかけ、後ろ戸をくぐるために初めての里帰りをします。すずめの戸締まりの中で、「12年」というキーワードが何度も登場していました。したがって、すずめの戸締まりは、震災から12年後の2023年の物語だと考察することができます。

すずめの戸締まりの鈴芽がいつどのように行動したのか、時系列で紹介します。2023年9月25日に、宮崎県で鈴芽と草太が初めて出会いました。そして、要石が猫のダイジンの姿になり、草太を椅子に変身させてしまいます。そのままどこかへ行ってしまったダイジンを追って、鈴芽と草太は愛媛県行きのフェリーに乗り込みました。9月26日に鈴芽と草太は、愛媛県八幡浜港に到着し、しばらくして海部千果と出会います。

また、学校の後ろ戸を閉じたあと、千果の民宿に泊めてもらいました。9月27日は、引き続きダイジンを追って東へ移動し、二ノ宮ルミの車で兵庫県神戸市へ向かいます。遊園地の後ろ戸を閉じて、ルミの経営するスナックはぁばぁに泊めてもらいました。9月28日は、新幹線で東京へ向かったあと、草太の下宿先で後ろ戸について調査します。また、鈴芽が椅子になった草太をミミズに刺しました。

9月29日は、鈴芽が東京の後ろ戸を閉じ、草太の祖父に会いに行きます。その後、環と共に芹澤の車で岩手県へ向かいました。岩手へ到着した鈴芽は、後ろ戸をくぐります。そして、草太を救い2つの要石をミミズに刺しました。9月30日は、芹澤の車で東京駅へ行ったあと、新幹線に乗り神戸市へ移動します。ルミのスナックを訪れ店の手伝いをして、その日は泊めてもらいました。

10月1日は愛媛県へ移動して千果の宿を訪れ、手伝いをしながら泊めてもらいました。2023年10月2日は愛媛からフェリーに乗って、宮崎へ戻ります。ただ、フェリーの出発日がいつなのか確定していないため、夜行便だったとすれば、宮崎への到着は10月3日の可能性もあります。そして、数ヶ月が経った2024年2月某日に、宮崎県で鈴芽は登校中に草太と再会を果たしました。

すずめの戸締まりの時系列で、日付がいつなのか確定できたのは理由があります。岩手県で後ろ戸を見つける直前に、鈴芽が見た満月の描写です。すずめの戸締まりの小説版でも、鈴芽が息を弾ませながら、満月に目を凝らしている様子が書かれています。2023年9月の満月の日はいつなのか調査したところ、29日で中秋の名月でした。したがって、戸締まりの旅の5日目は、2023年9月29日であることがわかります。

すずめの戸締まりの映画では、皇居にある後ろ戸を閉めた鈴芽が、自分のスマートフォンをコンビニで充電するシーンがあります。その際に、スマホの画面が大きく映り、9月29日（金）と表示されていました。このことから、鈴芽の旅の日付がいつだったのか、確定することができます。

すずめの戸締まりの主人公である鈴芽の誕生日は、いつなのでしょうか？すずめの戸締まり小説版においては、鈴芽の誕生日についての記述はありませんでした。しかし、映画のほうでは、鈴芽の回想シーンで誕生日が描写されています。

鈴芽の4歳の誕生日に、母親が手作りの椅子をプレゼントしてくれました。彼女は嬉しくてたまらず、その日のことを絵日記に記します。そして、絵日記には5月24日と書かれていました。すずめの戸締まりは2003年の出来事のため、鈴芽の生年月日は2006年5月24日だと考察できます。

すずめの戸締まりの映画と、前作の君の名は。と天気の子の映画には共通点や繋がりがあるのか、新海作品ファンは気になるところでしょう。ここでは、前作の世界線での共通点や繋がりがあるのか、また前作キャラが本作で登場するのかなどを、時系列を踏まえながら解説します。

すずめの戸締まりと前作の君の名は。と天気の子は、世界線や時間軸に繋がりはないと、新海誠監督が明言しています。ファンとしては前作と繋がりがあることを期待しますが、本作は新しい物語として制作されたようです。時系列で見ると、前作の天気の子は2021年夏の物語で、2年半雨が降り続き東京が水没したと描かれました。すずめの戸締まりと同じ世界線であれば、物語上で矛盾が生じてしまいます。

これまでの映画では、前作のキャラクターが登場したことがあります。今回も、すずめの戸締まりには、前作のキャラクターが登場するかもしれないと、期待の声が上がりました。前作の天気の子では君の名は。のキャラが登場しましたが、サラッとした描写だったため、気付かなかった人も多かったようです。

しかし、残念ながらすずめの戸締まりには、前作のキャラクターは登場しませんでした。キャラクターにおいての繋がりも、なかったことが判明しています。

すずめの戸締まりと前作は、世界線やキャラクターにおいても、全く繋がりがありませんでした。ただ、本作に過去の音楽が使用されているシーンがあります。物語の前半で、明石海峡大橋を渡るダイジンのニュース映像が流れたときです。

テレビのニュースでは君の名は。の「糸守高校」の音楽、ネットのニュースでは天気の子の「K&A初訪問」の音楽になります。どちらの音楽も、わずか4～5秒間ほどだったため、気づく人が少なかったかもしれません。

天気の子の映画には、君の名は。のキャラが登場するシーンがあります。前作の君の名は。は世界的に大ヒットした作品で、次回作の天気の子に5人のキャラクターが登場したことで、話題となりました。天気の子の主人公である帆高と陽菜が、晴れ女サービスの依頼先を訪れた際に、君の名は。の瀧と出会います。また、陽菜に渡すプレゼントを、帆高が買いに行ったお店の店員が、君の名は。の三葉だったのです。

他にも、三葉の同級生である勅使河原克彦と名取早耶香や、妹の四葉も登場しています。君の名は。の作品ファンは、キャラが登場したことを非常に喜び、盛り上がりを見せました。

前作の君の名は。と天気の子には、時系列だけで見ると一部繋がりがあります。天気の子の物語の中で、オカルト雑誌ムーに「彗星が落ちた日」という記事が載っているシーンが登場しました。このことから、2つの作品に繋がりがあると感じた人も多いでしょう。

ただ、時系列的には同じ世界観ですが、別の視点からいうと、天気の子の作中では東京に長い間雨が降り続いていました。天気のことを考慮すると、君の名は。と繋がりがないようにも捉えられます。したがって、2つの作品は時系列は繋がっていますが、パラレルワールドのようになっていると考察できます。

新海誠監督の作品は、いつも時系列の配置が素晴らしいという評価が上がっています。すずめの戸締まりは、2011年の震災と今の時系列を、うまく繋げているという感想もありました。他にも、すずめの戸締まりは新海誠監督の集大成といえる作品だという声もあります。日本に住む上で、避けては通れない震災を、美しく丁寧にいろいろな角度と時系列から描かれていると、絶賛する人もいました。

すずめの戸締まりは、新海作品が好きな人におすすめしたいという声が上がっています。音楽や映像はいつも通り素晴らしく、話の軸も君の名は。とも天気の子とも被らず、非常に良かったという評価も上がっていました。展開も早く、飽きないうちに2時間があっという間に過ぎたという感想もあります。

すずめの戸締まりの映画は、日常の安全は誰かの犠牲の上で成り立っていると気付かせてくれたという声がありました。いつも通りに「いってらっしゃい」「おかえり」と言えるのは、当たり前のことではないと、思い出させてくれたという感想もあります。すずめの戸締まりはこれまで観た映画の中で、かなり上位に入った作品だという人もいました。

すずめの戸締まりの時系列は、2023年9月25日月曜～2023年10月2日月曜であると考察できます。そして、物語のラストで鈴芽と草太が再会するのは、2024年2月某日の朝です。また、本作は君の名は。と天気の子との繋がりはなく、前作のキャラクターが登場することもない、新しい物語となっています。すずめの戸締まりは、新海誠監督の最高傑作ともいわれているため、興味のある人はぜひ鑑賞してみてください。