【スラムダンク】ピアスはスピンオフ作品？主人公は子供の頃の宮城リョータ？

『スラムダンク』は今から30年ほど前に描かれた少年漫画で、現在の30代〜40代のファンが多い作品です。しかし、スラムダンクは名ゼリフを取り上げられることが多いため、若い世代でも作品名だけは聞いたことがあるという人もいるでしょう。最近では新作映画も上映され、SNSなどでも大きな話題となりました。ここでは、スラムダンクとはどういった作品か、詳しい作品情報やあらすじについて紹介します。

スラムダンク（SLUM DUNK）は、1990年から1996年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた漫画です。主人公の不良少年が、バスケットボールと出会って成長していく姿を描いています。週刊少年ジャンプで最終回を迎えた際は、「第一部完」との記載がありました。そのため、ファンの間では続きを待ち望む声が上がり続けています。その後、「あれから10日後」などの作品は出ていますが、いまのところ第二部が始まる予定はありません。

スラムダンクはテレビアニメにもなり、1993年から1996年まで放送されました。アニメは原作の最終回までは描かれず、インターハイの前で物語が終わっています。スラムダンクの舞台は神奈川県の湘南地区で、アニメのOPには実在する江ノ電の踏切も登場します。この場所はスラムダンクの聖地として、現在でもファンが多く訪れています。

不良少年の桜木花道は、バスケ部キャプテンの妹である晴子に一目惚れをします。晴子に気に入られたい一心でバスケ部に入りますが、基礎練習ばかりの日々に嫌気が差して一度バスケ部を離れました。しかし、並外れたジャンプ力や体力を持った花道は、持ち前の才能を活かして徐々に活躍するようになります。バスケの楽しさに目覚めた花道は、チームメイトたちと一緒に全国制覇を目指すのでした。

スラムダンクには、「ピアス」というスピンオフ作品が存在します。本編に比べてマイナーな作品であるため、スラムダンクファンでも知らない人がいます。ピアスは計39ページの読み切り作品ですが、満足度が高いと評判です。ここでは、スラムダンクの番外編スピンオフ作品である、ピアスのあらすじや詳しい内容を解説します。

ピアスは、スラムダンク連載終了後に週刊少年ジャンプに掲載された読み切り漫画です。スラムダンクの番外編スピンオフ作品で、本編のスラムダンクとはまた雰囲気の異なる作品です。この番外編スピンオフ作品は、コミックスには収録されていません。そのため、スラムダンクのファンでも知らない人が多い幻の名作です。

しかし、掲載から20年以上経った2022年12月、「THE FIRST SLUM DUNK re:SOURCE」というインタビュー本に、番外編スピンオフ作品のピアスが収録されることが決定しました。ピアスは読もうと思ってもなかなか手に入らない作品だったため、この正式発表に多くの喜びの声が上がっていました。

ピアスは、子供の頃の宮城リョータを描いた番外編スピンオフ作品です。宮城リョータは湘北バスケ部員の1人で、スラムダンク本編では明るくお調子者といった印象を受けるキャラです。しかし、ピアスの宮城リョータは、やや暗いイメージがあります。

子供の頃の宮城リョータが暗く沈んでいる理由は、彼が過去に辛い経験をしていたためです。スラムダンクの番外編スピンオフ作品であるピアスでは、この宮城リョータの辛い過去について描かれています。ピアスを読んでからスラムダンクを読み直すと、宮城リョータに抱いていたイメージも少し変わることでしょう。

小学6年生のりょうたは、海辺の崖にある洞窟に秘密基地を作っていました。りょうたはその秘密基地で、1人で海を見つめる日々を送っていました。ある日りょうたは、少女が海に箱を投げ捨てるところを目撃します。りょうたはその箱を拾い、少女を平手打ちして「汚すな」と言います。りょうたは、海にゴミを捨てた少女が許せなかったのです。

頬を打たれた少女は、負けじとりょうたを殴り返します。乱闘を始めた2人でしたが、少女が泣いているのを見てりょうたは怒りを収めます。りょうたは秘密基地に少女を招き入れ、彼女が捨てた箱の中身を見ます。そこに入っていたのは、小さなピアスでした。そのピアスは少女の母親が彼氏からもらったもので、それが気に食わなかった少女はピアスを海に投げ捨てたのでした。

落ち込む少女を見て、りょうたは自分がそのピアスをつけようと耳に安全ピンで穴を空けます。そして、なぜ自分が海を見続けているのか、その理由を少女に語りました。りょうたには兄がいましたが、3年前に釣りに行ったまま帰ってこなかったのです。りょうたはそのとき兄と喧嘩をしてしまい、「もう帰ってくるな」と言ってしまいました。その言葉通り兄が帰ってくることはなく、りょうたは自分の言葉をずっと後悔していました。

そして、いまだに帰ってこない兄を、1人で待ち続けていたのでした。その後、りょうたを捜しにきた母親に秘密基地の存在がバレ、秘密基地は解体されてしまいます。その基地の近くの木の枝には、一通の手紙が結び付けられていました。手紙は少女からのもので、あのピアスは自分へのプレゼントだったと書かれていました。そして、その手紙の最後には、「あやこ」という少女の名前が書かれていました。

番外編スピンオフ作品のピアスには、1人の少女が登場します。りょうたに宛てた手紙から、この少女の名前は「あやこ」という名前だったことがわかります。手紙では「あやこ」と平仮名で書かれていたため、名前に漢字があるかどうかは不明です。あやこといえば、スラムダンク本編で宮城リョータが片思いをしている女性の名前が思い浮かびます。

本編のあやこは「彩子」と漢字表記されていますが、この2人は同一人物なのでしょうか？ピアスのあやこと本編の彩子を見比べてみると、顔立ちも髪質もまったく異なっています。また、スラムダンク本編の宮城リョータは彩子に一目惚れしていますが、ピアスではそういった描写もありません。

これらのことから、あやこと彩子が同じ名前であるのはただの偶然で、2人は別人であると考察できます。しかし、連載時のピアスの欄外には、「リョータと彩子の秘密」という記載がありました。そのため、あやこは彩子本人だという可能性もあります。あやこと彩子が同一人物かどうかは明確になっておらず、読者の判断に委ねられているといえるでしょう。

スラムダンクの映画は公開前の情報が極端に少なく、内容がまったくわからない状態でした。映画のあらすじどころか、原作にあるエピソードを使うかどうかも謎のままでした。しかし、ようやく公開された予告映像から、スラムダンクの映画の内容は番外編スピンオフのピアスではないかという噂が流れるようになりました。予告編は宮城リョータがメインとなっている映像で、ピアスに出てきた秘密基地らしきものも見えます。

これらの情報から、スラムダンクの映画の内容は番外編スピンオフのピアスだと、ファンの間で推察されたようです。実際に公開された映画のスラムダンクには、確かにピアスのエピソードの一部分が使われていました。しかし、「兄が亡くなる」というあらすじが同じというだけで、内容ははほとんど違うものでした。映画のスラムダンクには宮城リョータの過去が描かれていますが、ピアスの内容がそのまま使われたわけではありませんでした。

映画のスラムダンクの制作が決定したのは、2021年のことです。この発表にファンの間では衝撃が走り、公開日はいつかと待ち切れない声が上がっていました。2021年の夏には、「2022年秋に公開」という新情報が発表されました。

しかし、映画の制作が遅れたことにより、公開日は延期となります。正式な公開日が発表されたのは、2022年の夏のことでした。スラムダンクの映画は2022年12月3日に公開されると発表があり、予定通り12月3日に初上映されました。

スラムダンクに登場するキャラたちは、それぞれが実際に存在するバッシュを着用しています。ピアスの主人公であるリョータも、作中でかっこいいバッシュを履いています。宮城リョータがスラムダンクの作中で履いていたバッシュは、コンバースのACCELERATOR（アクセラレーター）です。コンバースは有名なスニーカーブランドであるため、知っている人も多いでしょう。

このバッシュは、バルセロナオリンピックでマジック・ジョンソンが履いていたことでも有名です。現在は改良モデルが販売されていますが、宮城リョータが履いていたものと同じモデルは売られていません。宮城リョータが愛用していたバッシュは、すでに手に入らない激レアモデルとなっています。

宮城リョータは独特な髪型をしており、連載当時は「変な髪型」ともいわれていました。しかし、この髪型は2010年代から人気が出るようになり、最近では宮城リョータと同じ髪型の人を多く見かけるようになりました。宮城リョータの髪型は、ツーブロックかフェードカットにしてもらい、トップにスパイラルパーマをかけてもらえば完成します。

宮城リョータは有名なキャラであるため、「宮城リョータ風の髪型」といえばわかってもらえることもあります。スパイラルパーマは、最低でも髪の毛が5cmないとできません。宮城リョータと同じ髪型にしたいときは、ある程度髪の毛を伸ばした状態で美容院に行くようにしましょう。

スラムダンクの登場人物には、それぞれモデルとなった有名選手がいます。ピアスの主人公である宮城リョータのモデルは、NBAのケビン・ジョンソンだといわれています。ケビン・ジョンソンはスピードと跳躍力に優れた選手で、スピード感溢れたプレースタイルは宮城リョータに受け継がれています。また、背番号やポジション、小柄な体型であるところなど、ケビン・ジョンソンと宮城リョータには多くの共通点があります。

番外編スピンオフ作品のピアスに登場するあやこは、スラムダンクに登場する彩子と同じ名前です。そのため、あやこと彩子が同一人物かどうかを推測するコメントが多く上がっていました。「あやこと彩子は別人だ」という人もいましたが、中には「あやこは彩子であってほしい」と願う人もいました。宮城リョータと彩子の関係が好きな人ほど、あやこと彩子が同一人物だと信じているようです。

映画のスラムダンクには、ピアスの内容が一部分含まれています。ピアスを読んだことがある人は予備知識があるため、映画の内容がわかりやすかったようです。逆に、ピアスを読んだことがないスラムダンクファンからは、宮城リョータの過去が重すぎるという感想も上がっていました。

番外編スピンオフ作品のピアスは、スラムダンクファンでも知らない人が大勢います。しかし、映画のもとネタとなったことで、ピアスの知名度は一気に上がりました。ピアスが書籍化するというニュースを聞いた人たちからは、ピアスを読んでみたいというコメントが多く寄せられていました。

スラムダンクの番外編スピンオフ作品である、ピアスのあらすじや内容についてまとめました。ピアスの主人公は宮城リョータで、本編では見ることのできない彼の過去を知ることができます。ピアスのエピソードはスラムダンクの映画にも使われているため、あらかじめピアスを読んでおくと映画の理解度がさらに増すでしょう。

映画が公開されたことで注目度が上がったピアスは、映画の特別本に収録されることが決定しました。ピアスを読めば、本編とはまた違う宮城リョータの魅力に触れられること間違いなしです。スラムダンクの映画を観た人もこれから観る人も、ぜひ一度ピアスを読んでみてください。