【メイドインアビス】水もどきの正体とは？イルミューイの症状や欲望の揺籃についても

水もどきが登場する『メイドインアビス』は、つくしあきひと先生による、日本のファンタジー漫画作品です。竹書房の「WEBコミックガンマ」にて、不定期で連載されています。絵本のように可愛らしいキャラクターと、グロテスクでリアルな物語の展開が特徴です。2017年には1～4巻の内容がテレビアニメ化されました。2022年7月には、アニメ第2期も放送されています。

巨大な縦穴の「アビス」は、人類最後の秘境と呼ばれています。多くの探窟家が未知へのロマンを求めて、アビスに挑んでいました。しかし、未だに底深くまで行って戻って来た者はいません。主人公のリコは、母親のように偉大な探窟家になることを夢見ていました。ある日、行方不明になっていた母親から、リコの元へ手紙が届きました。それを機に、リコとロボット少年レグが繰り広げる、大穴アビスへの冒険の旅が始まります…

そもそも水もどきとは、どのような水なのでしょうか？成れ果て村がまだ存在していない頃に、ワズキャン率いるカンジャ決死隊は、アビス第6層に辿り着きました。そこには強力な多くの原生生物も住んでおり、毎日が驚くことばかりです。現地の先住民と力を合わせて6層を進んでいく中、アビスを徘徊するロボットのような姿をしたモノに遭遇します。

このロボットようなモノは、「干渉器」と呼ばれています。干渉器はアビスに関するさまざまな情報を、ガンジャ決死隊と共有してくれました。また、6層で最も困難だったことは、水不足でした。飲用水が全くなくて苦しかったときに、干渉器が透き通った綺麗な水の場所を見つけます。あとで明らかになりますが、このときの水が「水もどき」だったのです。

水もどきの水を確保できたガンジャ決死隊は、すっかり安心していました。ところが、隊員たちの体調が次々と悪化していき、倒れる人が続出です。皆が不思議に思っていたところ、原因は飲用していた水もどきの水でした。ガンジャ決死隊のベラフたちは、水もどきの正体が何であるのか調査します。その結果、水もどきの底にあった岩のようなモノは、生物の死骸が重なり合っていたのでした。

また、水もどきの正体は、「水」ではなく水の姿をした生物だったのです。水もどきを飲んだ隊員の体の中で、卵を産み付け繁殖させていたのでした。しかし、水もどきの正体は分かっても対処法が解明できず、隊員たちの体調は悪化する一方です。挙句の果ては、水もどきが原因で、ガンジャ決死隊は最悪の事態を迎えることになります。

水もどきの正体は生物だと判明しましたが、水と思って飲んだ隊員たちは、どのような症状が出たのでしょうか？最初は微熱程度で気分が優れない程度で、その後急激に高熱となり下痢の症状も出ます。症状が出るまでの時間には個人差はあるようですが、水もどきを飲んだ人は、必ず体調を崩しました。

また、下痢の症状が出たときに、恐ろしいことが判明します。下痢の中には、水もどきの透明な卵が入り込んでいるのです。それは、パッと見ただけでは分からないほどの、小さな卵だといわれています。そして、体の端末部分から徐々に溶けて固まり、鉛のように変化していきます。体全体が溶けると、固まり岩のような姿になってしまうのです。

イルミューイにも、水もどきが感染してしまいました。他の隊員と同様に、イルミューイも発熱と下痢の症状が出てしまいます。また、左腕の痛みが激しくなり鉛のように変化していき、容態は悪くなる一方です。イルミューイを救う方法を、ヴエコは懸命に考えます。そして「欲望の揺籃」という遺物を使う方法はどうかと、ワズキャンに提案しました。

実際に欲望の揺籃を使用したところ、イルミューイはみるみるうちに元気を取り戻します。鉛になりかけた腕も、痛みが完全に取れて復活しました。ただ、イルミューイは全くお腹がすかない様子で、ヴエコは不安がよぎります。心配していた通り、イルミューイの体は徐々に人間の姿からかけ離れていき、異型になってしまったのです。

『メイドインアビス』の主人公のリコが第6層に到着した直後、ミゾウジャクの卵を自分で茹でて食べるシーンがありました。水場の水も飲んでいましたが、リコは水もどきに感染しなかったのでしょうか？結論からいうと、成れ果て村編の後も、リコはアビスの旅を続けているため、水もどきには感染していません。

レグが飲むことができるといった水場は、水もどきとは関係なかったようです。成れ果て村ができてから、150年ほどの年月が経っているため、リコが使った水場はその後に作られた安全な場所だったのでしょう。

水もどきが原因で、ガンジャ決死隊は最大の危機に陥りました。そんな中、危機から救い出す「欲望の揺籃」が発見されたのです。ある日、ガンジャ決死隊の別行動として、食料調達隊が食料を探しに行きます。

水もどきに感染して残っていた隊員たちは、瀕死状態でした。そんな中、食料調達隊が変わり果てた様子で戻って来て、そのまますぐに死亡してしまいます。死亡した調達隊員の荷物の中から、卵のようなものが発見されました。卵を見た干渉器が、願いを叶える卵の遺物だと伝えます。まさにそれが「欲望の揺籃」だったのです。

また、欲望の揺籃の願いは、大人よりも子供に使うほうが良いとされています。なぜなら、大人の願いは複雑すぎて、取り込まれた願いが散ると身体が変異してしまうためです。そうなると、最後には死んでしまう可能性があります。子供の願いは雑多がなく複雑でないため、欲望の揺籃に適しているようです。

水もどきに感染したイルミューイは子供のため、欲望の揺籃を使用することが可能です。ヴエコは欲望の揺籃を使用する許可を、ワズキャンから得ました。欲望の揺籃を使用すると、イルミューイは回復しましたが、姿は不自然になったままでした。イルミューイの左腕は溶けており、欲望の揺籃は胸に埋まっています。イルミューイの体は少しずつ変化していき、成れ果てのような姿になっていきました。

数日後、イルミューイは赤ちゃんを生みます。赤ちゃんは人間の姿とはかけ離れており、小動物のような見た目でした。正確にいうと、イルミューイの胸に埋まった欲望の揺籃から、赤ちゃんが生まれたことになります。その赤ちゃんには消化器官がないため、飲食ができず翌日には死んでしまいました。それから、イルミューイはまた赤ちゃんを生み、また死亡するの繰り返しで、悲しみと絶望の日々を送るのでした。

瀕死状態だったガンジャ決死隊は、ワズキャンがふるまう料理で徐々に回復していきました。しかし、その料理というのは、イルミューイが生んだ赤ちゃんだったのです。イルミューイは、我が子を料理される悲しみに打ちひしがれる毎日でした。それでも、相変わらずイルミューイは次々に赤ちゃんを生み落とします。

欲望の揺籃でガンジャ決死隊は助かったことになりますが、一方では不幸が伴っています。願いを叶える欲望の揺籃だったはずが不幸の連鎖を起こし、その結果成れ果て村ができたのでした。

『メイドインアビス』の水もどきは、さまざまな創作生物の中で圧倒的に怖いという感想がありました。見た目は水のようですが、飲んでしまうと体内に卵を生み付けられて、体が溶けていくという恐ろしい生物です。また、水もどきの生物を創作した人もすごい、よく考えたと思うという評価もありました。

『メイドインアビス』の水もどきが登場するシーンは、完成度が高いという評価がありました。面白いけれど、イルミューイが可哀そう、内容が重たいなどの声も上がっています。どのようにして成れ果て村ができたのか分かるため、見応えのあるシーンだったという感想もありました。

水もどきの回は、イルミューイの生んだ赤ちゃんを料理に出すシーンなど、インパクトのあるシーンが多いです。特に原作よりアニメ化されたので観ると、エグさが増すという感想もありました。水もどきは最強の原生生物だという声も上がっています。

『メイドインアビス』の水もどきの正体は、ガンジャ決死隊が見つけた原生生物です。水もどきが体内に入ると、熱や下痢の症状があります。また、重度になると、体が溶けて固まり岩のようになります。水もどきに感染したイルミューイは悲しい運命を辿り、最後は成れ果ての村になるのです。最強の原生生物ともいわれる水もどきにも、ぜひ注目してみてください。