【メイドインアビス】成れ果て村「イルぶる」の正体とは？言語や目の奥について解説

成れ果て村・イルぶるでは成れ果てと呼ばれる存在が生活している為、まずはここで成れ果てとは何なのかを解説していきます。言語を話す成れ果ても存在しており、人間とは違う見た目をしている成れ果ての正体とはいったい何なのでしょうか？また、事前に『メイドインアビス』の作品概要やあらすじも紹介していきますので、ぜひご覧になってみて下さい！

『メイドインアビス』とはウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』にて連載されているダークファンタジー漫画で、作者はつくしあきひとです。2012年から連載が開始されていますが、年に2回程度の不定期連載である事から2022年7月現在単行本は10巻までが発売となっています。テレビアニメ化もされており、2017年からは第1期、2022年7月からは第2期が放送開始されました。

約1900年前に直径約1000メートルで深さ不明の大穴・アビスが発見されました。アビスには現代の人類の技術を超越した遺物が多く存在していた為、アビスの探求を生業とする探窟家達が多く現れ始めます。12歳の少女・リコは探窟家見習いで、偉大な探窟家として名を馳せた母のようになる事を夢見ていました。リコがアビスの探窟をしていたある日、突然命の危機となりますが、それを助けてくれたのは少年型のロボットでした。

アビスには地上には存在しない原生生物が存在しており、探窟家に襲い掛かってきます。しかし、戦闘能力の高い探窟家はそんな原生生物をものともしません。探窟家達にとって本当に脅威なのは『上昇負荷』です。『アビスの呪い』もしくは『呪い』とも呼ばれているもので、アビスの下底部から上昇しようとすると身体に何らかの影響が出てしまいます。上昇負荷はアビスの深部になればなるほど生命の危機となる影響が大きくなります。

一層であれば『軽いめまいと吐き気』だけで済みますが、七層ともなれば『確実な死』が待っています。成れ果て村・イルぶるにもいる成れ果ても元は人間だった者が上昇負荷によって身体が変化してしまった存在です。六層の上昇負荷は『人間性の喪失、もしくは死』となっていますが、成れ果てとはこの『人間性の喪失』の呪いを受けてしまった元人間という事になります。ちなみにロボットであるレグは上昇負荷の影響を受けません。

六層による上昇負荷を受けて成れ果てとなってしまった多くの人間は人格も理性も失ってしまいます。白笛の1人であるボンドルドは身寄りの無い孤児達を集めて六層から五層への上昇負荷実験を行いましたが、これによって多くの人格も理性も失った成れ果てが生まれてしまいました。しかし、全ての成れ果てが人格と理性を失うというわけではなく、イルぶるの成れ果ての多くは異形の姿となりながらも独自の言語で会話が成り立っています。

四層にナナチハウスを建てて住んでいたナナチとミーティも成れ果てです。ナナチとミーティは人間だった頃、孤児としてそれぞれ貧しい生活をしていました。そこにボンドルドが現れて探窟の助手を求めるという事で孤児達を集めて五層にある彼の研究施設『前線基地(イドフロント)』に多くの孤児達を連れていきましたが、この時にアビスに憧れていたナナチとミーティも同行する事にします。

しかし、ボンドルドが孤児達を連れてきたのは実験の為で、ナナチとミーティは上昇負荷実験の研究材料として使われてしまいます。そしてナナチとミーティは六層から五層へ上昇させられ、成れ果てとなってしまいました。この時にミーティは呪いを受けて異形の姿となり、人格も理性も失ってしまいましたが、ナナチはアビスの持つもう1つの効果『祝福』を受けた事で成れ果てとなりながらも力場を見るという能力を得ました。

ここからは成れ果て村・イルぶるの正体を解説し、言語についても考察していきます。通貨や言語がオーストは全く違うイルぶるの正体とはいったいいかなるものなのでしょうか？また、非常に多くの成れ果てが生活をしているイルぶるですが、『メイドインアビス』の作中でメインとして物語を盛り上げてくれたキャラについてもここでご紹介です。

成れ果て村・イルぶるはアビスの深界六層にあります。イルぶるにいる間は上昇負荷の影響を受けないという不思議な村で、多くの成れ果てが普通に生活をしています。お金という概念が存在しておらず、イルぶるの成れ果て達は自分の持つ価値を交換して生活用品を得たり食事をしたりしています。もしも他人の価値を傷つけてしまうとイルぶるのどこからか黒い触手が現れて傷つけたもの分の価値を奪われ、それは永久に失われます。

もしも傷つけた価値に見合ったものを持っていなければ内臓まで持っていかれて死に至る事もあるという事です。リコは成れ果て村・イルぶるにやってくる前にプルシュカが変化した白笛を盗まれましたが、これは本当の価値を見出すためにイルぶるに持ち込まれました。これだけでもイルぶるが価値をどれだけ重要視しているのかが分かります。

イルぶるの正体はイルミューイが自分の身体を媒介にして作った村です。イルミューイとはアビスに着いたガンジャ隊が道案内として雇った原住民の少女で、遺物『欲望の揺籃(よくぼうのようらん)』によって子供を無尽蔵に生み続ける異形の生物となってしまっていました。その後、ワズキャンによって2つ目の欲望の揺籃を使われた事で成れ果て村としての機能を足される事になり、イルぶるが誕生しました。

その事から、イルぶるの正体はイルミューイ自身という事になり、イルミューイに命を差し出す事で自分の欲に合った姿を会得したうえでイルぶるで永久に暮らす事が出来ます。また、イルぶるに現れる黒い触手の正体はイルミューイから生まれる事の出来なかった子供達であると考えられています。成れ果ての姫と呼ばれているファプタはイルミューイが最後に産み落とした子供です。

イルぶるで成れ果て達が使っている言語は、リコが住んでいたオースの言語とは違うものです。村の言語を覚えたいと考えたリコは飲食店を営んでいるムーギィによく使う言葉を教わっていました。よく使うのは『ブルーそう(こんにちは)』や『ハディマエ(ああ・おっと)』、『イェンメェ(ありがとう)』などがあります。リコがイルぶるの言語をマスターしたのかは謎となっていますが、教わる前はボディランゲージを駆使していました。

ファプタはリコと同じ言語も使う事が出来ますが、語尾にイルぶるの言語である『そす』という言葉を足すのが癖です。これは過去にレグに言われた言葉がきっかけで使うようになったという事で、言葉を丁寧にするもののようです。その事から、『そす』とは日本語で言う『です・ます』と同じニュアンスで使う事が出来る言語であると考えられます。

イルぶるにいるのは探窟家として深界六層にやって来たものの、これ以上進む事も地上に帰る事も出来なくなってしまった人が大半です。立場の高い成れ果てとして三賢がおり、ワズキャン・ベラフ・ジュロイモーとなっています。また、元三賢としてヴエロエルコもいます。また、リコ達の案内役をしてくれたマジカジャや、飲食店を経営しているムーギィなど様々な姿の成れ果てが生活しています。

イルぶるでは独自の言語が使われている事は前述しましたが、マジカジャやムーギィは多くの探窟家と会話をしてきた事からリコと同じ言語を使う事が出来ていました。また、三賢もジュロイモー以外はヴエロエルコも含み、リコと同じ言語を使う事が出来ます。

目の奥(ドグーブ)とはイルぶるの人々が誰も寄り付かない場所で、村の秘密が隠されていると言われています。リコはいなくなってしまったレグとナナチを探す為にマアアさんと一緒に目の奥を訪れました。目の奥の中は清算の時に現れる黒い触手だらけで、床はネバネバしているというゾッとするような場所となっています。そして、目の奥の触手にまみれて存在していたのがヴエロエルコという女性でした。

目の奥の正体はイルミューイの脳のような存在であると考えられます。目の奥は村人の信号を受け取る事が出来、ヴエロエルコは目の奥でイルミューイから生まれる事の出来なかった子供達と話をしたり歌ったりして暮らしていたようです。ヴエロエルコは目の奥で100年以上にわたって信号を受け取り続けており、イルぶるがそれなりに平和である事を知っていました。

ヴエロエルコは通称・ヴエコと呼ばれており、故郷に捨てられた決死隊・ガンジャのメンバーで三賢の1人でもありました。隊の世話役であったヴエコは羅針盤も持っており、それのおかげでガンジャはアビスまで辿り着く事が出来ていました。イルミューイと家族のような絆で結ばれていた事からイルぶるの創設に反対しており、その事でリーダーのワズキャンと意見が食い違い、目の奥に幽閉される事になってしまいます。

長年幽閉され続けていたヴエコの元にリコがやってきた事で、ナナチの居場所を教える事を条件に助けてほしいとお願いします。ヴエコは村の信号を受けていた為、ナナチの居場所を知っていたのです。その後、リコはヴエコを黒い触手から解放して行動を共にする事になっていきます。

成れ果て村・イルぶるに済む成れ果ての1人であるマアアさんは作中で黒い触手によって清算されてしまいます。その理由はリコが連れていたメイニャをマアアさんが傷つけてしまったからです。マアアさんからすると悪気は無く、傷つけるつもりも無かったようですが、そこから清算が始まってしまいます。ちなみにマアアさんという名前は本名では無く、『マアア』という言葉をよく発していた事からリコが名付けたものです。

メイニャを傷つけた事によって清算を受ける事になったマアアさんでしたが、支払った価値は『ぬいぐるみ』と『身体の一部』です。マアアさんはぬいぐるみが大好きで当初は大量に持っていましたが、その全てを失う事になってしまいます。さらにぬいぐるみの価値だけでは足りなかった事から身体の一部を持っていかれてしまいました。リコにとってメイニャの価値が大きかった事からマアアさんの支払う価値も大きくなったという事です。

清算されて身体の一部を取り上げられたマアアさんでしたが、その身体の部分は変色してしまったもののすっかり再生していました。その後、マアアさんはリコが成れ果てに襲われているところを助けた事をきっかけに仲間になり、行動を共にするようになります。最初はメイニャを傷つけてしまったマアアさんでしたが決して悪い成れ果てというわけではなく、それからはリコの手助けとなる行動を取ってくれるようになっていました。

成れ果て村・イルぶるには上昇負荷が無い事から平和だというファンの感想があります。イルぶるの中では上昇負荷が無く、普通に日常生活を送る事が出来ます。深界六層にあるイルぶるですが、リコ達が深界五層で冒険していた時には上昇負荷による過激な描写が多く、見ていられないというファンも少なくありませんでした。『メイドインアビス』の大きな特徴でもある上昇負荷ですが、イルぶるではそれが無く平和に見る事が出来ます。

『メイドインアビス』の『イルぶる編』が好きだというファンの感想があります。アニメ版の第2期はこの『イルぶる編』を描いている事から、多くのファンが楽しみにしていました。人気である『イルぶる編』ですが、マアアさんやファプタをはじめとするかわいいキャラが多く登場する事が大きな理由のようです。

イルぶるの言語がかわいいというファンの感想があります。イルぶるの言語は作品を読み進めていくうちに少しずつ読者にも分かるようになるほど簡単で、かわいさを感じさせてくれます。また、マアアさんが話すとさらにかわいく思えるという感想も非常に多くあります。ツイッター上ではイルぶるの言語を使いこなし、会話までして楽しんでいるファンも少なくありません。

『メイドインアビス』に登場する成れ果て村・イルぶるの正体についてまとめてきましたが、ファプタの母であるイルミューイがアビスの遺物によって変化したものだという事が分かりました。街並みも素敵でかわいいキャラも多く登場する事から人気の『イルぶる編』は、テレビアニメの2期でも放送されています。ぜひ今回のイルぶるの記事を読んだ後にアニメ版『メイドインアビス』の2期を観てみてはいかがでしょうか？