天気の子の感想まとめ！つまらない？映画の評価が分かれた理由や見どころも解説

• 監督・脚本・原作：新海誠
• 製作：市川南、川口典考
• 音楽：RADWIMPS
• アニメーション制作：コミック・ウェーブ・フィルム
• 主題歌：RADWIMPS…「愛にできることはまだあるかい」
• 「グランドエスケープ」「風たちの声」「祝祭」「大丈夫」
• 公開日：2019年7月19日
• 上映時間：114分

『天気の子』は『君の名は。』で有名なアニメ映画監督・新海誠監督が2019年に公開した劇場版映画です。祈ると天気を晴れにできる能力を持つ少女・陽菜と、離島から東京に家出をした少年が出会い、自分たちの生き方を選択していく物語。第43回日本アカデミー賞では最優秀アニメーション作品賞と最優秀音楽賞を受賞し、興行収入は141億円を達成する人気を見せました。

離島に住む高校1年生・森嶋帆高は、ある日家出をしてフェリーで東京を目指します。しかし、行く当ても無かった帆高は船の中であったライター・須賀圭介の元で住み込みのバイトをすることにしました。東京で生活しているうちに、帆高は100％の確率で天気を晴れにできるという少女・陽菜と顔見知りになります。彼女が弟と2人暮らしで経済難であることを知った帆高は、「晴れ女」を仕事にしてはどうかと持ちかけるのでした。

大人気アニメ映画『君の名は。』の監督・新海誠監督の次作ということでも話題になった『天気の子』。『君の名は。』と同様に「面白い」という感想・評価も多い『天気の子』ですが、一方で「つまらない」といったイマイチな感想・評価も見うけられています。こちらの項目では、そんな『天気の子』の感想・評価が分かれた理由の考察まとめをご紹介。鑑賞者の感想・評価が気になる人は目を通してみてください。

『天気の子』が面白いという感想・評価の考察まとめ1つ目は「背景の美しさ」。『天気の子』を手掛けた映画監督・新海誠監督は、これまでにもいくつもアニメ映画作品を作られています。その中でも話題になったのは『天気の子』の前作品『君の名は。』。この『君の名は。』はストーリーが面白いのは勿論のこと、背景の美しさについても高く評価されていました。

一見ではまじまじと見ないような小物も一つ一つ丁寧に描かれ、星の光や爆発も臨場感溢れる出来となっています。そんな『君の名は。』の次作品の『天気の子』も、小物が細部まで丁寧に描かれ、雨の描写や魚の幻想的な演出もそのまま引き継がれていました。そんなハイクオリティな作画を見て、鑑賞者たちの多くは「美しかった」「面白い」と感じたようです。

『天気の子』が面白いという感想・評価の考察まとめ2つ目は「主人公たちが未成年」ということ。『天気の子』に限らず、多くのアニメや漫画では主人公が未成年という設定が多い傾向にあります。その理由の1つに、主人公や登場人物の成長を描くためということがあります。安定した生活を送っていたキャラクターたちが、ある日大きな困難に出会い、それを乗り越えていく。そんな姿が見る者に共感を与え物語に引き込んでいきます。

『天気の子』でも高校生の帆高が安定した生活を送っていた故郷を離れ、自らの意思で陽菜を守ろうと奮闘する姿が描かれました。そこには警察からの逃亡や、世界の環境を変えてしまうといった大きな困難が待ち受けていました。少年一人では立ち向かうのが難しいそんな逆境も乗り越え、愛する相手の為に成長していく姿に対し、「感動した」「面白い」という声があがっています。

『天気の子』が面白いという感想・評価の考察まとめ3つ目は「人の冷たさと温かさ」の描写。『天気の子』の主人公・帆高は離島に住む高校生。そのため、みぎを見ても左を見ても、いつでも周りにいるのは知り合いばかり。そんな彼が故郷を離れ東京という大都会に冒険に出ますが、そこには故郷では体験したことのないような出会いが沢山あります。

自分と同じくらいの少女が怪しい仕事に足を踏み入れようとしていたり、人を助けようとして警察に追われることになったり。また一方で、見ず知らずの自分を家に置いてくれる人がいたりと、人の冷たさや温かさに触れていきます。そんな人間の2面性が、『天気の子』を見た鑑賞者の人たちの心に響き「考えさせられた」「面白い」といった感想・評価に繋がったようです。

『天気の子』がつまらないという感想・評価の考察まとめ1つ目は「終わり方」について。『天気の子』がつまらないと言われる理由の大きな要因はこの"終わり方"が大きいようです。アニメ映画は大人から子どもまで幅広い層に見られることが多いため、ハッピーエンドで終わらせることが大半です。しかし『天気の子』の結末は、主人公の帆高は仕方なく故郷に帰ることになったうえ、世界の天気がずっと雨になるというもの。

帆高と陽菜は最後再会することができましたが、東京は大半が水没しており、人々は今まで通りの生活ができないことでしょう。そんな災害を呼び込んでしまった帆高と陽菜ですが、自分たちは"晴れ"を犠牲にしながらも一緒にいることを選びます。そんな他者を犠牲にしながらも自分たちの願いを優先した終わり方となったため「もやもやする終わり方」「つまらない」といった感想・評価となっているようです。

『天気の子』がつまらないという感想・評価の考察まとめ2つ目は「ストーリーに驚きがない」というもの。新海誠監督の前作品『君の名は。』では、主人公とヒロインの入れ替わっていた時代がズレていたという点や、主人公の時代では助けようとした村が既に消滅していたといった意外性が盛り込まれています。

そういった伏線もあり『君の名は。』は高く評価されましたが、『天気の子』では『君の名は。』のような捻りはあまり含まれていません。代わりに『天気の子』では帆高が警察に追われるといったスリルがありますが、前作品の『君の名は。』のようなファンタジー的な意外性を求めていた人には「驚きがない」「つまらない」という印象を抱かれてしまったようです。

『天気の子』がつまらないという感想・評価の考察まとめ3つ目は「主人公に共感できない」という意見です。アニメや漫画などの作品では、見ている人が登場人物に感情移入できるような人物を主人公にする傾向があります。しかし『天気の子』の主人公・帆高は線路を走ったり、立ち入り禁止の場所に入っていったりとアクティブな行動を次々と見せていきます。

そんな大胆な帆高の行動に対して、鑑賞者の間では「共感できない」といった声があがっているようです。『天気の子』は警察に追われつつ陽菜を助けるといった設定が見どころのひとつでもありますが、次々と危険に飛び込んでいく帆高の姿に「危機感がなさすぎる」「つまらない」といった意見が寄せられています。

ここからは『天気の子』のストーリーの裏設定や見どころの考察まとめをご紹介します。まず1つ目は「帆高が須賀のところへ行った理由」について。帆高は故郷の島から東京に行くとき、足を滑らせて船から落ちそうになります。

その時助けて暮れたのがライターの須賀。須賀はその後帆高に名刺を渡し何かあったら連絡してくれと言います。はじめはその胡散臭さに聞き流していた帆高ですが、結果的に須賀の元で泊まり込みの仕事をすることになります。

その流れだけを見ると、生活に困った帆高が命の恩人である須賀を頼りにしたというように見えますが、須賀は帆高を助けた後高校生の帆高に食事を奢ってもらっています。しかも須賀はビールも飲むという無遠慮っぷり。帆高はその時の事を思い出し、あわよくばその時の金を返してもらいたいと思って須賀の元を訪れたのだと考えられます。

『天気の子』の裏設定や見どころの考察まとめ2つ目は「陽菜が天気の子になった理由」です。物語序盤にビルの上の神社を訪れたことで晴れ女の能力を得た陽菜。母の病室から外を見ると曇り空から一筋の光が降り注いでいる場所があることに気付いた陽菜。

そのビルに訪れ強い願いを持ちながら鳥居をくぐりました。すると陽菜の体には"晴れ女"の能力が宿ります。その時陽菜が願ったことというのが「母と青空の下を歩けるように」ということ。その願いが聞き届けられ、晴れ女の能力を授かったのでした。

『天気の子』の裏設定や見どころの考察まとめ3つ目は「帆高が与えた夏美への影響」。大学生の夏美は高校1年生の帆高にとってしっかり者の大人の女生として映っていたことでしょう。しかし実際には就職活動に悩み、社会や周囲の常識などへの反発心も秘める大人の一歩手前の立場です。そんなプレッシャーを感じている夏美に、陽菜を思う帆高の真っ直ぐな気持ちは「等身大の自分でいい」という思いを与えたのではないでしょうか？

『天気の子』の裏設定や見どころの考察まとめ4つ目は「『君の名は。』のキャラが登場している」件について。『君の名は。』は『天気の子』を手掛けた監督・新海誠監督の前作品。漫画や小説などでは、作者が同じ場合に2つの物語に共通点があったり、他作品のキャラクターが登場するといったサプライズが盛り込まれることがあります。

『天気の子』でも『君の名は。』の登場キャラが出演していたことに気付いた鑑賞者の人も多かったのではないでしょうか？一番わかりやすかったのは、陽菜が「晴れ女」のバイトで訪れた老人の孫として登場した『君の名は。』の主人公・瀧。瀧は誕生日のプレゼントについてのアドバイスもするといった絡みも見せました。

また『君の名は。』でヒロインを務めた三葉は帆高が指輪を買いにいった際のショップの店員として登場しています。早耶香と克彦は観覧車に乗っているカップル、四葉は陽菜が消え空が晴れた時に学校のベランダから空を眺める生徒の一人として登場しています。

映画を盛り上げる要素として欠かせない主題歌や挿入歌といった音楽。『天気の子』では人気ロックバンドのRADWIMPSが映画の音楽を担当しています。その中でも特に人気なのは主題歌の『愛にできることはまだあるかい』。優しいメロディーとボーカルの野田洋次郎さんの穏やかな歌声がしんみりとした結末と合っていると評判の主題歌です。エンドロール以外では廃ビルで須賀や警察と揉み合うシーンで流れています。

『天気の子』の挿入歌として使用された曲の1つ『グランドエスケープ』。こちらの曲は帆高が消えた陽菜の元に辿り着いたシーンで流れています。『天気の子』の最も盛り上がるシーンにリンクした歌詞と美しい歌声は鑑賞者の涙と感動を誘いました。こちらの『グランドエスケープ』は三浦透子さんがメインボーカルとして歌唱されています。

『君の名は。』で一躍名前を広めた新海誠監督の作品として注目されたアニメ映画『天気の子』。ストーリーだけではなく、美しい作画や物語にマッチした感動的な音楽が評価されていますが、こちらのかたは小説の『天気の子』も面白いとツイートされています。小説版では映画では表現しきれなかった登場人物の些細な心の動きも描かれているので、読書好きな人は小説版『天気の子』も手に取ってみてはいかがでしょうか？

『天気の子』の見どころの1つとして、美しい背景の作画が評価されています。一瞬しか映らないからといって手を抜かず、細かい部分までしっかりと描かれていることで多くのファンに支持されています。また空の透明感や水のツヤ感など、自然の描写においても新海誠監督の作品は高く評価されています。

またこちらのかたは、『天気の子』に登場した食べ物を再現して作ってみたと写真を投稿されています。映画の中では詳しい作り方は公開されていませんでしたが、作品ファンの感想や口コミなどで再現飯を作っている人もいるので、気になった人は検索してみてはいかがでしょうか？

以上、アニメ映画『天気の子』の「面白い」「つまらない」という感想・評価をそれぞれご紹介してきました。『天気の子』は手放しのハッピーエンドではないため「つまらない」という声があがることも多い作品となっていますが、その美しい作画やスリルのあるストーリーが人気となっています。現在は動画配信サイトなどでも公開されているのでこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか？