【となりのトトロ】ポスターの少女は誰？女の子がサツキとメイに変更された理由は？

• 監督・脚本・原作：宮崎駿
• 制作：原徹
• 製作総指揮：徳間康快
• 音楽：久石譲
• 主題歌：井上あずみ「となりのトトロ」
• 制作会社：スタジオジブリ
• 製作会社：徳間書店
• 配給：東宝
• 公開日：1988年4月16日
• 上映時間：86分

となりのトトロは1988年にスタジオジブリのアニメ監督・宮崎駿監督が公開したアニメ映画で、スタジオジブリの作品でも屈指の人気を誇る作品です。物語は入院中の母を看病するため田舎に引っ越してきた一家の物語で、子供にしか見えないという不思議な生き物"トトロ"との交流を描いたファンタジー作品。

興行収入は11億円を突破し、テレビ放送でも毎回高い視聴率を獲得する人気作となりました。宮崎駿監督と並び、スタジオジブリの名監督とされている高畑勲監督は『となりのトトロ』に対して「ぼくらがめざしたものの頂点」と絶賛しており、タイトルにもなっているキャラクターに強い思い入れがあることも語っています。

母親の看病のため農村へ引っ越してきた草壁一家。新しく住むことになった古い民家を探検していた小学生の姉・サツキと5歳の妹・メイは、家の中に黒い不思議な生き物がいることに気付きます。その後も庭先でウサギのような奇妙な生き物を見つけたメイは、彼らの後を追って森の奥に進んでいきます。するとそこには人間の何倍もある巨大な生き物"トトロ"が住み着いていたのでした。

スタジオジブリの人気作品『となりのトトロ』。テレビの地上波放送でも毎年のように放送され、何度も見て内容を空で言えるという人も少なくないのではないでしょうか？そんな国民的人気作の『となりのトトロ』ですが、ポスターやDVDのパッケージに謎の少女が描かれていることはご存じでしょうか？ぱっと見は『となりのトトロ』に登場する主人公の女の子・サツキとメイが描かれているように見えるこのイラスト。

しかしイラストをよく見てみると、そこにはサツキでもメイでもない謎の少女が描かれています。映画を実際に見に行った人や、DVDを持っている人の間で「誰？」と話題になっているこの少女。こちらの記事ではそんな「誰？」と言われているこの少女の正体を調査したので、なぜ謎の少女が『となりのトトロ』のポスターやDVDパッケージに使われているのか気になった人はこちらの記事をチェックしてみてください。

『となりのトトロ』のポスターやDVDパッケージを見た人から「誰？」と疑問を持たれる少女。ぱっと見では、映画の中に登場したサツキがメイをおぶってお父さんに傘を届けるワンシーンにも見えます。しかしこのポスターをよくよく見てみると、服装がサツキで髪型がメイの全く別の少女であることが分かります。

髪型がメイのものであることから、この「誰？」と言われている女の子の正体が成長したメイであるとも考察できますが、この女の子の正体については真相が解明されています。そこで次の項目『となりのトトロの女の子がサツキとメイに変更された理由』ではこの「誰？」と言われている女の子がポスターに描かれている理由を解説していくので、この女の子を「誰？」と疑問に思った人は目を通してみてください。

『となりのトトロ』のポスターに描かれている謎の少女。『となりのトトロ』に登場しないのにポスターだけにこの少女が描かれている理由は、"サツキとメイというキャラクターが制作される前に作られたポスターだから"です。『となりのトトロ』の初期設定では、主人公はサツキとメイの姉妹ではなく、このポスターの女の子だったとのこと。

そのため、『となりのトトロ』のストーリーが出来上がる前に制作されたこのポスターには、主人公となるはずだったこの謎の少女が描かれているのです。ではなぜ主人公がこのポスターの女の子からサツキとメイに変更されたのか？との理由は次の項目『主人公を1人の女の子からサツキとメイに変更した理由』でご紹介していきます。

『となりのトトロ』の製作当初、主人公になるはずだったポスターの謎の少女。なぜ主人公がこの少女からサツキとメイに変更されたのかというと、上映時間の問題が関わっているようです。『となりのトトロ』は元々、スタジオジブリ作品『火垂るの墓』と同時上映する作品として制作されていました。その制作過程で、高畑勲監督が手掛ける『火垂るの墓』が80分を超える作品だと耳にした宮崎駿監督。

負けず嫌いの宮崎駿監督は、『火垂るの墓』の上映時間に合わせ、当初60分で予定されていた『となりのトトロ』の上映時間を引き延ばすことにしたそうです。それには予定より多くのカットを挟む必要があったため、主人公の女の子を2人に増やして尺を伸ばすことを考えつきました。

そうしてアニメ本編ではサツキとメイという2人の女の子が主人公となりましたが、先に制作されていた『となりのトトロ』のポスターのイラストはそのまま変更されず、制作初期の主人公のままで公開されたため、サツキでもメイでもない謎の少女がポスターに描かれていることとなりました。

上記の『考察①上映時間が長くなったから』では、『火垂るの墓』の上映時間に合わせて尺を伸ばすため主人公を変更したとご紹介しましたが、なぜストーリーをかさ増しするのではなく、主人公を2人に増やすといった方法をとったのでしょうか？

その理由は「主人公が2人の方が描きやすかったから」ではないかと言われています。物語を動かすには登場人物に何かしらの行動を起こさせる必要がありますが、登場人物が1人より2人の方が自然に流れを描くことができます。

また『となりのトトロ』のポスターを見ても、1人の女の子が立ち尽くしているよりも、姉が妹をおぶっているほうが物語性を感じさせることができるという部分を感じ取れるのではないでしょうか？そういった制作者側の都合により、物語を動かす主人公をポスターの少女からサツキとメイに変更し、上映時間を延ばす策に出たのではないかと考えられます。

上映時間の関係で主人公をポスターの謎の少女からサツキとメイに変更した『となりのトトロ』ですが、なぜ主人公を変えた後ポスターのイラストを差し替えなかったのでしょうか？この理由についてはジブリスタジオのプロデューサー・鈴木敏夫さんがインタビューで語っており、トトロの横にサツキとメイを立たせようとしたが、うまくまとまらなかったからだと話されています。

そのため、サツキとメイというキャラクターが誕生する前に制作された謎の少女が描かれたポスターをそのまま使用したとのこと。こういった理由から、『となりのトトロ』のポスターには作品中に登場していないサツキとメイに似た謎の少女が描かれることになったようです、

こちらの項目ではサツキでもメイでもない謎の少女が描かれている『となりのトトロ』のポスターについての感想をご紹介していきます。こちらの方はジブリ展に訪れた際に、展示されていた『となりのトトロ』の謎の少女が映っているポスターを見ることができたと感想をツイートされていました。

多くの人から愛されている『となりのトトロ』ですが、ポスターに描かれている謎の少女に気付かなかったという人も多いようです。スタジオジブリの作品では見逃しやすい細部に作品の背景が分かる伏線が貼られていることも少なくありませんが、『となりのトトロ』のポスターの謎の少女については鈴木敏夫プロデューサーが明言しているため、物語とは関係ないキャラクターであることが判明しています。

こちらの方は『となりのトトロ』のポスターに謎の少女が映っているという豆知識や、他にもサツキとメイのお母さんもトトロに会ったことがあるという裏話を紹介されています。ジブリ作品には作中で詳しくは描かれていない裏設定が多く存在しているので、気になった人は他の裏設定についても検索してみてはいかがでしょうか？

以上、『となりのトトロ』のポスターに描かれている謎の少女についてご紹介してきました。映画を観た人からは「誰？」と言われることの多いこの少女の正体は、サツキとメイのキャラクター設定が生まれる前に主人公として設定されていた女の子と判明しました。

当時『となりのトトロ』と同時上映を予定していたジブリ作品『火垂るの墓』が80分上映になると聞いた宮崎駿監督が、『火垂るの墓』に合わせて作品の尺を伸ばすため、主人公をポスターの謎の少女からサツキとメイに変更しました。その際にポスターの差し替えをしなかったため、当初主人公として登場する予定だった謎の少女がそのまま使用されることになったようです。