トトロのモデルになった動物はミミズク?トロール説・チンチラ説やモチーフを考察

主題歌やその特徴的な姿から多くの人々に愛されているスタジオジブリの顔「トトロ」。『となりのトトロ』に登場するこの不思議な生物のモデルについて徹底解析してみましょう!モデルは動物?チンチラやミミズクモチーフ?劇中で解説されるトロルことトロールとは何?トトロはどこにいる?など、『となりのトトロ』に登場する「トトロ」のモデルについてモチーフとなっているであろう動物や言い伝えなどを紹介しつつ考察してみましょう!

トトロのモデルになった動物はミミズク?トロール説・チンチラ説やモチーフを考察のイメージ

目次

  1. となりのトトロとは?
  2. トトロのモデルとなった動物
  3. トトロのモデル・モチーフはトロール?
  4. トトロのモデルとなった場所・聖地
  5. トトロのモデルに関する感想や評価
  6. トトロのモデルとなった動物まとめ

となりのトトロとは?

みなさん、突然ですが『となりのトトロ』に登場するおなじみの生物「トトロ」のモデルが、どんな動物や説話をモチーフにしたものだか知っていますか?様々な動物がモデルになっていると言われている「トトロ」のモチーフや類似する説話をもつ伝承上の生き物などについて今回はたっぷり考察してきましょう!

となりのトトロの概要

『となりのトトロ』とは、1988年に公開されたアニメーション映画でアニメ映画制作会社「スタジオジブリ」の最初期の映画のひとつです。

宮崎駿監督によってつくりだされたちょっと懐かしい日本の風景のなかで繰り広げられるささやかながら雄大な姉妹の冒険は子どもだけでなく大人も魅了する愛くるしい作品としてスタジオジブリの名を轟かせました。『火垂るの墓』と同時公開枠であり86分という映画としては小口な長さながら海外でも人気があり、海外では『My Neighbor Totoro』の名前で知られています。

余談ながら、英名の「Totoro」は当然ながら海外の言語にはなく多くの海外のファンの方々も「トトロってなに?」から食いつく作品になっています。今回の記事はこの「トトロって何?」にフォーカスして名前のモチーフやモデルとなった動物たちをご紹介していきましょう。

となりのトトロのあらすじ

『となりのトトロ』の大まかなあらすじは昭和30年代前半の埼玉県所沢市を舞台にして「引っ越してきた幼い姉妹が近所の森のなかに不思議な生き物を見つける」というテーマを下敷きにはじめてのお遣いのようなハラハラする展開と姉妹をはじめとする人々のあたたかなやりとり、そして自然とのふれあいが日本の懐かしい里山の風景とともに描かれています。

となりのトトロ - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

トトロのモデルとなった動物

この章では早速、『となりのトトロ』のトトロのモデルとなったとされる動物たちについてご紹介しつつトトロのどの部分にモチーフとして取り入れられたのかを考察していきましょう。チンチラやミミズクなどの動物とトトロの共通点はどこにあるのでしょうか?早速それぞれの動物たちを見ていきましょう。

モデルとなった動物①チンチラ

『となりのトトロ』のトトロのモデルとして有名な説となっているのはチンチラ科チンチラ属の小動物「チンチラ」です。チンチラは南米の標高の高い地域に生息しネズミのようなシルエットでありながらウサギのようなサイズ感と強靭な脚力をもつ動物で、日本でもペットショップなどで流通しています。

ひょうたん型のフォルムにすばしっこい動きが特徴的で、チンチラは幼獣の頃から足腰こそ脆いものの高いところにジャンプしたがるなど可愛らしい仕草をみせる動物ですが、その愛くるしい仕草はトトロのなかでも小さくて白い「ミン」と黒毛の「ズク」などに反映されていると考察されているのです。ただし、チンチラは先述通り南米固有の動物なので、同じシルエットモチーフとして日本の里山にいる野ウサギやネズミの方が近いのかもしれません。

モデルとなった動物②ミミズク

次にトトロの特徴的なモチーフになっているお腹の模様をもとにした有力な説をご紹介しましょう。そのモデルとなる動物は日本の里山にも生息する身近な猛禽「ミミズク」です。フクロウ科に数えられる猛禽のうち羽角と呼ばれる側頭部に突起上に生えた飾り羽が特徴的で、哺乳類の頭部を思わせる可愛らしい見た目をしています。

ミミズクに限らず、猛禽類の多くは腹部の羽毛の柄が幼鳥は縦縞、成鳥は横縞になる傾向がありそのふっくらとしたフォルムはトトロのイメージをふくよかに柔らかいものにするいいエッセンスになっている可能性があります。また、初期デザイン画に記されているトトロの家族構成と名前には「ミミンズク」「ミン」「ズク」という記載があるため、ミミズクそのものでないにせよ「ミミズクのような動物の〜」という意味があるとも考察出来ます。

しかしながら見た目をみるとトトロの鼻先はヒゲを有した哺乳類のようなマズルがあるようにも見え、実際に多くのぬいぐるみでは鳥類のようなニュアンスではなく哺乳類のような短毛の感触がグッズや展示会で再現されていることが主になっています。同様に圧倒的な人気を誇るネコバスもまたグッズや三鷹の「三鷹の森ジブリ美術館」などで触れることが出来る感触は毛足のふかふかとしたものなので哺乳類にモチーフが近いとも考察出来ます。

すると「トトロのモデルはチンチラネズミ」という説もあながち間違いではなさそうだと表現出来るのかもしれません。大型の「ミミンズク」をみると鉤爪のような長くて太い爪があることから、ヒグマなど哺乳類のような躯体に猛禽類のような毛の模様をもった不思議な生物として成り立っているのがわかるでしょう。いずれのモチーフにしても設定では大きい「ミミンズク」の体長が2mとなっているため、そのトトロ一家が棲まう森は非常に豊かで広大であることが伺えます。

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トトロのモデル・モチーフはトロール?

チンチラやミミズクなどの動物モチーフだという説はいかがでしたか?今度は「トロール」という種族からの関係はあるのかについて考えてみましょう。言葉遊びのような連想からくるとも言われている「トトロ」という音について劇中セリフなどで言及されている「トロル」「トロール」を紹介し関連性などを考察していきます。

トロールとは?

「トロール」とは一般的には北欧の伝承などに登場する不可思議な生き物のひとつで、主にノルウェーの古い伝承のなかにも登場する「イタズラ好きの精霊」として童話に登場することが多く、巨大で山や谷間に現れ物語の主人公たちに苦難を与えるさまは日本の「デイダラボッチ」や山の神様などを彷彿されるものがあります。

ムーミンなどがトロールに含まれるほか、近年ではJ・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』やJ・K・ローリングの『ハリー・ポッターシリーズ』などにも登場したことでも有名な種族です。粗暴だったり凶悪な面ももつトロールは、日本でいうと妖怪の「海坊主」などに伝承の立ち位置が近いとも言えるかもしれません。

トロールがモデルといわれる理由

トロールは本当にトトロと同一存在なのでしょうか?ここで劇中でのトロールが言及される部分を紐解いてトトロとトロールの関係性を考察してみましょう。

理由①サツキのセリフ

「トトロって、絵本に出てたトロルのこと?」

サツキはメイのみが最初にトトロと遭遇し戻ってきて状況を説明した際に、このように述べています。メイはトトロに名前を問うた際に返された鳴き声が「トトロ」に聞こえたことから「トトロ」と姉のサツキに伝えましたが、サツキはすぐに「トロル」と解釈しています。

この「トロル」とは「トロール」の訛りではないか、というのが考察の重要なポイントになっているのです。舌が回らず「訛る」「言葉違いで覚える」この楽しい誤算が実は潜んでいる可能性があります。余談ながら、英語版の同シーンではトロルという訛りではなくがっつりと「トロール(troll)」だと訳されています。

理由②エンディングロール

この考察のオチにあたる「サツキが指すトロル(トロール)の正体」は母が退院して姉妹といっしょに生活する様が描かれたエンディングムービーのなかに登場します。それがこちらです。「三匹の山羊」と描かれた絵本を楽しそうに母がサツキとメイに読み聞かせています。

この「三匹の山羊」は19世紀に編纂された『ノルウェー民話集』のなかにある「ふとろうと山に行く三匹のヤギのドンガラン(De tre bukkene Bruse)」のことではないかと推察出来ます。この物語にも恐ろしいトロールが登場するため、サツキは咄嗟にこの耳に馴染んだ「トロール(トロル)」に会ったのではないかと連想したことが考察出来ます。

トトロの名前のモチーフはトコロザワ?

しかしながら、2018年に発売された『トトロが生まれたところ』では「トトロ」という音の起源やモデルとして「ととろざわ」という語が元になったことが語られています。「ところざわ」が子どもの口伝えを経て「ととろざわ」へ。そして「トトロ」へ。そういった流れがあるというのです。これは劇中のトロール→トロル→トトロと似た言葉遊びのあるユニークな発想になっており、ファンを喜ばせることになりました。

また余談ながら、この「トトロ」は初稿では「トトロ族」という所沢に棲む不思議な種族として設定されており、『平成たぬき合戦ぽんぽこ』(1994)であったような「自然とニンゲン」という対立構造を持っていたことが知られています。いずれにしても、自然を象徴するものであり、かつミミズクのような超自然的な生き物だというのがトトロの本質にあたるのかもしれません。

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トトロのモデルとなった場所・聖地

トトロの棲む森として設定された「松郷」の元ネタや聖地について実在する土地をご紹介し、トトロのモデルについて想いを馳せましょう。

舞台になったのは狭山丘陵

「松郷」とは現在でも存在する埼玉県所沢市の集落名です。劇中に登場する「七国山」のモチーフ「八国山」はこの松郷から5kmほど離れたのどかな風景をもつ地であり、目と鼻の先には「狭山丘陵」と呼ばれる広大な里山が5市1町に跨って存在しています。

そのものズバリではなくフィクションを織り交ぜているものの、トトロが棲んでいる森としてファンにも愛され、1990年には早稲田大学のキャンパス設営にカウンターを入れるかたちで「トトロのふるさと基金」が設立されたことでも話題になりました。奇しくも初稿や『平成たぬき合戦ぽんぽこ』にみられた構図が狭山の地で繰り広げられたことは聖地を聖地たらしめるエピソードと言えるでしょう。

愛知県にあるサツキとメイの家とは?

また、日本全国のさまざまな風景からモチーフを構成している『となりのトトロ』の聖地のひとつとして有名なのが、2005年に「愛・地球博」で再現されたサツキたち草壁家の家でしょうか。サツキとメイが「おんぼろ」と称したあの家をアニメーション原画から間取り、設計を再現した「サツキとメイの家」が万博開催当時話題になりました。

愛・地球博記念公園こと「モリコロパーク」にて2020年7月まで公開されていましたが、同県の「ジブリパーク」建設のために公開停止になっています。2022年開演予定となっていますので、「サツキとメイの家」を直に観てみたい方はジブリパーク開演を楽しみにしましょう。

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トトロのモデルに関する感想や評価

最後にこの章では『となりのトトロ』のモデルとなる動物やモチーフ考察についての感想をSNSからご紹介しましょう!

こちらの方はトトロのモチーフについてふとした瞬間に思いを寄せているようです。ただの動物ではない複合的な要素をもったトトロは想像力をかきたて「そういえばなんのモチーフなんだろう?」と考えさせてくれる造形をしています。

こちらの方はトトロのそれぞれの名前「ミン」「ズク」「ミミンズク」の名前からくる「ミミズクモチーフ説」に対しておどろきの声をあげています。長い年月を経て動物が精霊のようになったというトトロのイメージはとてもドラマティックで好きという方も多いのではないでしょうか?

トトロのモチーフやモデルについての連想ゲームが子どもらしい想像力に満ちていて素敵だという感想もあがっています。「とうもころし」など子どもらしい訛りや覚え間違えがそのまま可愛らしいモチーフ根幹になっていくというのは方言学や言語学のような面白さがあると感じられているようです。

この方は「クトゥルフ神話」に登場する神格「ツァトゥグァ」にトトロが似ているという感想を持たれています。SFパルプフィクションでツァトゥグァの容姿が言及されたのは『サタムプラ・ゼイロスの物語』の著者であるクラーク・アシュトン・スミスが文章とともに彫刻作品を発表した1930年台の話ですので、もしかしたらエッセンスのひとつになっている、という説もありうるかもしれません。

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トトロのモデルとなった動物まとめ

『となりのトトロ』に登場する不思議な生物「トトロ」のモデルに関する考察記事はいかがでしたか?チンチラやミミズクなどの動物的要素を兼ね備えた不思議な生き物「トトロ」を巡る物語は考察しがいのあるものと言えるのではないでしょうか。

トトロのモチーフに限らずスタジオジブリの作品はファンがたくさんの考察や都市伝説などを見出すなど口伝えの面白さがたくさん潜んでいますので、これを機に様々な作中モチーフのモデルや出自について注目してみても楽しいかもしれません。

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