【となりのトトロ】お父さんはトトロに気づいてる?オカリナを吹くシーンから考察

宮崎駿監督による長編アニメ映画「となりのトトロ」。昭和30年代前半の日本の田舎を舞台にしたファンタジー作品です。映画公開から30年以上経った今でも論争の尽きない謎となっているのが、主人公たちのお父さんがトトロに気づいてるかどうかということ。この記事では、お父さんがトトロに気づいてるかを解明するために、トトロたちがフクロウの声に似た楽器オカリナを吹くシーンから謎を考察していきます。

【となりのトトロ】お父さんはトトロに気づいてる?オカリナを吹くシーンから考察のイメージ

目次

  1. となりのトトロのお父さんとは?
  2. お父さんはトトロに気づいてる?オカリナを吹くシーンを考察
  3. となりのトトロのカンタがトトロに気づかない理由
  4. となりのトトロで登場人物にトトロが見える条件
  5. となりのトトロのお父さんに関する感想や評価
  6. お父さんがトトロに気づいてる説まとめ

となりのトトロのお父さんとは?

となりのトトロの作品情報

宮崎駿監督による長編アニメーション映画「となりのトトロ」。この記事ではとなりのトトロのお父さんを特集していきますが、まずはとなりのトトロの作品情報からお届けします。最初に作品概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

となりのトトロの概要

「となりのトトロ」は、監督:宮崎駿・制作:スタジオジブリによる長編アニメ映画です。昭和30年代前半の日本の田舎を舞台にしたファンタジー作品となっています。映画公開は1988年4月16日、全国129の映画館で封切られました。

となりのトトロの映画館での観客動員数は80万人で、配給収入は5.9億円。7.4億円の配給収入を記録した「風の谷のナウシカ」に比較すると興行的には振るわなかったものの、キネマ旬報の「日本映画ベストテン」で第1位に輝くなど高い評価を得ています。

また視聴者からの高い人気を維持しており、日本テレビ系列の金曜ロードショーでは1989年以降これまでにとなりのトトロを17回放送してきましたが、うち10回は20%を超える視聴率を獲得しています。

となりのトトロのあらすじ

昭和30年代前半の風薫る5月。小学生のサツキと未就学児のメイは父と共に農村に引っ越してきます。闘病を続ける母の入院する病院が近くにあるからです。新たな住居となった古民家の中を探検するサツキ姉妹。すると、小さな黒い塊がうごめいているのを目撃し驚きます。隣家のおばあさんが言うには、それは子供にしか見えない人畜無害な生き物で人が住むといなくなるとのこと。こうしてサツキ一家3人の新生活が始まりました。

お父さんのプロフィール

ここからは、この記事のメインテーマであるとなりのトトロのお父さんの話題に入っていきます。最初はお父さんのプロフィールからです。

サツキとメイの父親である「お父さん」は名前を草壁タツオといい、年齢は32歳、身長180㎝と長身です。考古学者という肩書を持つお父さんは、旧帝大の1つである名門北海道大学出身のインテリ。現在は大学で非常勤講師として働いています。

お父さんの性格

お弁当を忘れたり寝ぐせのついたままの髪型ででかけたりと、おっちょこちょいで頼りない感じのお父さんですが、基本的にやさしくて陽気な性格と言われています。180㎝の長身で筋骨隆々たる体躯をしたお父さんを一言で表すなら、「気は優しくて力持ち」と言ったところでしょうか?一方でお化け屋敷に住むのが子供の頃から夢だったと語るなど、大人になっても純粋な童心を持ち続けています。

大学では学生への卒論指導などで評価が高く、家では積極的に育児に取り組む”イクメン”で若いママさんからも人気があります。それにも増して、病気のお母さん(妻)への深い愛情に対する評価が高いようです。仕事はモチロンのこと家庭では子供を大切にするイクメンで、さらには病気の妻の見舞いなどスーパーお父さんぶりを発揮しています。

お父さんの仕事

お父さんの仕事はプロフィール欄でも触れましたが、大学の非常勤講師です。さらに家計の足しに副業として中国語の翻訳をしています。アニメ「となりのトトロ」では夜遅くまで机に向かうお父さんの姿が描かれています。そんな忙しい中でも、サツキたち子供と向き合い面倒をみる良きお父さんぶりを披露しています。

となりのトトロ - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

お父さんはトトロに気づいてる?オカリナを吹くシーンを考察

考察①お父さんはオカリナの音をフクロウだと思った?

子供のような純粋な心を持つとなりのトトロのお父さん。子供にしか見えないはずのトトロに気づいてると言われていますが、本当なのでしょうか?

サツキとメイがトトロと一緒に木の上でオカリナを吹いているシーン。家の中ではお父さんが部屋で仕事をしています。庭では、蒔いた種の発芽を願ってメイたちが踊りの”儀式”をしていましたが、お父さんは気付きません。ところがサツキたちがオカリナを吹き始めると、お父さんが窓越しに木を見上げ満ち足りた表情を浮かべるのです。そのシーンを見た視聴者は、お父さんがトトロに気づいてるのでは?と思ったと言います。

しかし、お父さんはサツキたちがオカリナを吹いていると認識したわけではなく、フクロウの鳴き声だと思ったようです。メイがオカリナの音を外した時には、鳴くのが下手なフクロウもいるんだと微笑んでいました。つまり、お父さんはサツキやトトロたちのオカリナの音には気づいてるもののフクロウの鳴き声だと思っていたというのが一般的な解釈となっています。

考察②お父さんは子供の頃にトトロに会った?

続けて「お父さんがトトロに気づいてる」説を考察していきます。お父さんがトトロに気づいてる根拠として、子供の頃にお父さんはトトロに会ったことがあるのでは?と考察する人もいます。お父さんは、子供の頃サツキたちがトトロと出会った森に来たことがあるのかも知れません。その時にトトロと出会ったお父さんが、後にトトロのいる森に引っ越してきたとも考察できるのです。

引っ越して来たばかりの時、お父さんはススワタリを見たと言うサツキたちに自分も子供の頃に見たことがあると明かしています。純粋な心を持ちススワタリを見る目を持つお父さんならば、トトロを見ることも可能ではないでしょうか?

さすがに大人になった現在ではトトロを見ることはできないでしょうが、自分の子供たちがトトロと遊んでいるのかも知れないと想像し、満足げな笑みを浮かべていたのかも知れません。

考察③トトロの吹く楽器がオカリナである理由

「お父さんがトトロに気づいてる」説の考察、続いてはトトロが演奏する楽器・オカリナに着目してみます。トトロの吹く楽器がオカリナである理由ですが、音色がフクロウの鳴き声に似ているというのが多くの方の意見のようです。

フクロウはトトロのモデルとされるミミズクの総称です。アニメで登場する大きめなオカリナは「ホウホウ」という低い音が出せるので、フクロウを想起させるのにピッタリな楽器と言えるでしょう。また音がフクロウの鳴き声に似ているだけではなく、丸い形がフクロウに似ていることもオカリナという楽器が選ばれた理由かも知れません。

考察④トトロの吹くオカリナの種類

フクロウの鳴き声のようだと言われているトトロの吹くオカリナは、どんぐりのような丸い形状をしています。トトロはドングリを主食としていますので、トトロをイメージしてデザインされたのかも知れません。

大きさや形などにおいて様々な種類のあるオカリナですが、トトロの吹くオカリナは陶器製で丸っこい形状に4つの穴が開いています。これは世界最古の楽器の1つと言われる「弥生式土笛」というオカリナで、何と6500年前の遺跡からも発掘されている大変古いものになります。

森の守り神とも言われる1302歳のトトロ。6500年前から伝わるオカリナを先祖から受け継ぎ、今もなお深い音色を響かせています。となりのトトロの世界観に最も相応しい楽器と言えるのかも知れません。

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となりのトトロのカンタがトトロに気づかない理由

理由①トトロは死神だったから

となりのトトロに登場するサツキの同級生の少年カンタ。サツキ一家が引っ越してきた家の近所におばあさんと一緒に住んでいます。サツキの古い家を揶揄して「おばけやしき」とからかったりしますが、急に降り出した雨に濡れたサツキに、黙って傘を差し出すなど優しい一面も持っています。

至って普通の少年カンタですが、彼には「トトロに気づいていない」疑惑があります。子供にしか見えないとされるトトロ。ところが、子供であるカンタにトトロが見えているシーンが一切ないのです。作中でその理由について触れられることはありませんでした。そこで、カンタがトトロに気づかない理由を考察してみます。

カンタがトトロに気づかない理由としてよく話題に上がるのが、トトロ死神説です。となりのトトロの俗説に、サツキ姉妹が死んでいる、もしくはもうすぐ死神が訪れるという言説があります。これは、となりのトトロ作中でメイの影があるシーンから映らなくなることに起因しているようです。他にも、サツキ姉妹がおかあさんに面会に行かなかったのはすでに死亡しているからなどいろんな説が囁かれています。

制作サイドでは、こうした噂を否定しています。サツキやメイが死亡しているという設定はないとのことで、メイの影が消えていたのはアニメの進行上必要なかったからあえて描かなかったそうです。つまり、死期が近いサツキとメイには死神のトトロが見え、そうではないカンタには見えなかった(気づかなかった)という理由は否定されたことになります。

理由②ストーリー上の都合

それでは、となりのトトロでカンタがトトロに気づかないのはなぜなのでしょうか?その答えは、となりのトトロのストーリーにあるようです。改めてとなりのトトロのカンタ登場のシーンを振り返ってみると、カンタとトトロが一緒に現れるシーンがないことに気づきます。つまり、カンタにトトロが見えなかったのではなく、ただ単にカンタとトトロが出会うシーンがなかったのです。

となりのトトロの主人公であるサツキとメイ姉妹がトトロを見ることができるのですから、カンタまでトトロが見える設定にする必要はないでしょう。いたずらにアニメの尺を長くしてストーリーを冗長させることになりかねません。

となりのトトロのストーリーの中では出てこないものの、カンタがトトロと以前にどこかで出会っていたことは否定できないでしょう。また、小さい頃からずっとこの土地に暮らしてきたカンタのおばあさんもトトロを目撃したことがあるのかも知れません。

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となりのトトロで登場人物にトトロが見える条件

トトロが見える条件①子供

カンタの問題はさておき、となりのトトロではトトロが見える人と見えない人がいるのは事実です。どのような人物にトトロが見えるのか、その条件について考察してみます。

トトロが見える条件としてまず挙げられるのは、再三述べてきましたが子供であることです。アニメの主題歌の歌詞にも「子供のときにだけ」という一節があるように、トトロが見えるのは子供だけという設定になっていると考えて良いでしょう。

トトロが見える条件②好奇心

トトロが見える条件の2つ目に挙げられるのは、子供にも関係しますが「旺盛な好奇心」です。森の中で不思議な生き物(トトロ)を目撃したメイは、その生き物のことが知りたくてどこまでも追いかけていきました。そうした旺盛な好奇心があったからこそ、トトロに出会うことができたのかも知れません。

トトロが見える条件③純粋な心

トトロが見える条件の3つ目は、こちらも子供に関係しますが「純粋な心」を持っているということです。となりのトトロでは、サツキの妹メイがその条件を最も満たしていると言われています。

初めてトトロを見たのはメイですし、引っ越してきた当日に家の中でススワタリ(まっくろくろすけ)を見つけたのもメイでした。サツキよりもさらに幼いメイに、より純粋な心が残っていたのかも知れません。

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となりのトトロのお父さんに関する感想や評価

ここまでとなりのトトロのお父さん特集をお届けしてきましたが、最後にとなりのトトロのお父さんに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する感想・評価は、となりのトトロのお父さんがいい人だというツイートからです。子供の言葉を頭から否定したりせず、子供の意見を尊重する姿勢に感動したようです。

続いて紹介する感想・評価は、親目線でとなりのトトロを観ていると言う方のツイートからです。子供たちを放置して平気なお父さんが理解できないと言います。「放置」と感じるか「自由奔放」と捉えるかで評価は変わってくるのかも知れません。

最後に紹介する感想・評価は、となりのトトロのお父さんが理想の人と言い切るツイートからです。知人には一笑に付されるようですが、その理由について切々と語っていました。

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お父さんがトトロに気づいてる説まとめ

ここまで「となりのトトロのお父さんはトトロの存在に気づいてる?」と題して、お父さんのプロフィールや性格からトトロが見えているのかまで、トトロがオカリナを吹くシーンを考察しアニメ視聴者の多くが抱く疑問に答えてきました。いかがでしたでしょうか?

トトロはフクロウの一種であるミミズクをモデルにしていると言われています。トトロが吹く楽器としてオカリナが選ばれたのは、オカリナの音色がフクロウの鳴き声に似ているからとのこと。お父さんがトトロに気づいてるかどうかは諸説紛々ありますが、確実に言えるのはトトロを象徴するフクロウに似たオカリナの音に気づいたということです。

純粋な心を持った子供にしか見えないとされるトトロ。大人になっても童心を忘れないお父さんですから、トトロに気づいてる可能性はありますが判然とはしません。あえて断定せずに様々な解釈の余地を残しておくところも、となりのトトロの魅力の1つなのかも知れません。

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