2022年06月04日公開
2022年06月04日更新
シグルイの評価は面白い?タイトルの意味は?漫画のあらすじと感想をネタバレ
漫画「シグルイ」は、御前試合で真剣勝負を行うことになった隻腕の剣士と盲目の剣士の宿命を描いた時代劇作品で、グロテスクな描写こそ多いものの、社会の在り方について考えさせられる作風が高く評価されています。本文では、過激な作風ながらコアなファンの熱烈な支持を集める漫画「シグルイ」のあらすじネタバレやタイトルの意味、面白い魅力、漫画「シグルイ」に関する感想や評価を、ネタバレ紹介ます。
シグルイとは?
異色の剣士による御前試合を描いた漫画「シグルイ」は、真剣勝負で立ち合うことになった剣士2人の知られざえる因縁を主軸に、出世や生き残りをかけて戦う人々の狂気を描いた時代劇漫画です。以下では、漫画「シグルイ」の面白い魅力やタイトルの意味、グロテスクでありながら面白いと評された、「シグルイ」に関する感想や評価などを、あらすじネタバレを交えながら紹介します。
シグルイの概要
シグルイ7巻
— ユキ (@yu_ki_poppo) May 10, 2022
着実に伊良子への復讐の準備を進めていく藤木…
次巻で剣を交えるようだがまさかそこで左手を失うのか…? pic.twitter.com/Ho0nMXTQIb
漫画「シグルイ」は、南條貴由原作・山口貴由作画による時代漫画で、2003年~2010年にかけて「チャンピオンRED」にて連載された時代劇漫画です。単行本・全15巻で構成された漫画「シグルイ」は、南條先生の時代小説「駿河城御前試合」の第1話「無明逆流れ」をベースに、山口先生の脚色を加えたストーリー展開となっています。
シグルイの時代背景
シグルイ14巻のこの場面、原作小説を読んでから改めて見ると、第1試合『無明逆流れ』の藤木源之助~第11試合『無惨 卜伝流』の卜部晴家までの22名に及ぶ剣士達が勢揃いしていると思うと胸が熱くなるんだよな(但し、原作の容貌描写と明らかに合わない者達が多いのだけ気になる) pic.twitter.com/cAYueNkXBr
— 雨音 (@klangregen105) October 30, 2021
漫画「シグルイ」は、江戸幕府3代将軍・徳川家光の時代を舞台とし、いまだ戦国時代の名残が影をひそめる中、全国各地では藩の取り潰しや武士による試し斬りが横行しており、天下泰平にはまだほど遠い時代でした。
シグルイの封建制
山口貴由『シグルイ』1巻より。 #後世に残したい漫画の名言 pic.twitter.com/ztIOxz0FOq
— 高須力弥 (@rourensiumu) August 25, 2018
漫画「シグルイ」のテーマの1つである封建制は、一言で表すと「主従関係」であり、日本では、鎌倉幕府の成立から明治維新までを封建時代としています。特に厳格な身分制度が定められた江戸時代は、封建制がもっとも厳しかった時代とも言われており、封建制の知られざる闇は、「シグルイ」でも色濃く描かれています。
特に、駿府藩主・徳川忠長の暴君ぶりや家臣との関係は、まさに封建社会の闇の一面を描いており、御前試合は真剣で行うように命じる忠長に対して、家臣団は内心では反対しつつも、主君の命令は絶対であり、己の保身を守るためにも、主君に従わざるを得ないでしょう。
シグルイは面白い?タイトルの意味は?あらすじを紹介
グロテスクでありながら、思わず続きを読んでしまう、多くの魅力に富んだ漫画「シグルイ」の面白い魅力やタイトルの意味、漫画あらすじをネタバレ紹介します。
シグルイの面白い魅力
虎眼先生かっこいい。ただ立っているだけの姿が絵になる漫画は名作の法則。 #シグルイ5巻 pic.twitter.com/iulJMdv6x8
— 七生 (@zero_Kakugo) March 3, 2013
グロテスクな描写の多さから好みが分かれやすい漫画「シグルイ」は、死者の多さはもちろん、腕や足が切り落とされたり、時には内臓が飛び出すなど、現代ではあり得ないような生々しい光景が至るところに散りばめられています。しかし、生々しい作画は、生き残りをかけて必死に戦う人々の執念を引き立たせ、不思議と彼らを応援したくなるような気持ちにさせてくれます。
また、漫画「シグルイ」は、御前試合で刃を交えることになった主人公・2人が宿命のライバルになるまでのいきさつだけでなく、彼らを苦しめる封建社会の闇にもスポットが当てられています。彼らの生き様を通じて、封建社会が崩壊した現代社会で、我々が大切にしていくべきものは何か、社会の在り方について考えさせられる奥深い作品でもあります。
シグルイのタイトルの意味
シグルイ、瞬間最大風速に関しては歴代でもトップクラスの鮮烈な面白さなので『金剛寺さんは面倒臭い』で気になった人はぜひ読んでみて下さい。
— クッキー (@sasa_cookie) March 22, 2018
6巻の伊良子と虎眼先生の戦いが特に好きです。 pic.twitter.com/UBc5KCxXh6
漫画のタイトルの「シグルイ」とは、江戸時代の書物「葉隠」の一節「武士道は死狂ひなり。」を由来としています。そして、「シグルイ」では、その由来の通り、主人公は、師匠と兄弟子の仇を討つべく、狂気となって多くの命を奪っています。また、シグルイ=死狂いから、厳格な身分制度での成り上がりを目指し、死にもの狂いで努力する人々をも意味するでしょう。
シグルイのあらすじ
シグルイは6巻と7巻しか持ってないので、1から読みたいッス pic.twitter.com/vcPfofMvfs
— 長谷川@駆け出し簿記er (@Hasegaw99898960) October 10, 2020
江戸時代初期、3代将軍・徳川家光の実弟であり、駿府藩主の徳川忠長は、全国から腕のある剣士を集め、真剣による御前試合を催します。第1試合は、隻腕の藤木源之助と、盲目と跛足の伊良子清玄という異形の剣士による戦いとなり、2人にはある因縁がありました。時はさかのぼり、藤木が師範代を務める岩本虎眼道場へ、伊良子が道場破りを仕掛けます。
シグルイ 4〜15巻(完)読んだ。
— 句とう (@comic_0032v) March 12, 2017
面白かった。「瞬間」の積み重ねのアクションシーンが非常に読みやすい。静かで丁寧な攻防の緊張感がハンパない。展開にも無駄がないから一気に駆け抜けられた。ただ1つ、なんじゃあのラストは pic.twitter.com/7yDuMzJabR
剣才を認められた伊良子は、その後、岩本道場で修行に励むことになり、道場の跡継ぎ候補に浮上するも、師匠の妾と男女の仲になったことで、両目を失明する仕置きを受け、行方をくらませます。しかし、さる剣士に助け出された伊良子は、盲目ながらも独自の剣術を編み出し、師匠への復讐を果たします。
その後、岩本道場は閉鎖を余儀なくされ、残された藤木・三重は、どん底に突き落とされるも、伊良子への仇討ちを誓います。伊良子との戦いで片腕を切り落とされ、一度は復讐を諦めた藤木でしたが、武士の呪縛が再び2人を引き寄せ、宿命の戦いが始まります。
シグルイの登場人物一覧
以下では、己の生き残りをかけて必死に戦う人々の姿が共感を呼んだ、漫画「シグルイ」の登場人物一覧を、あらすじネタバレ紹介します。
登場人物一覧①藤木源之助
シグルイ2巻。ライバルに遅れをとり失意のどん底に落ちた藤木源之助が、凍えるような寒さの中、追い討ちをかけるように剣客に真剣勝負を挑まれた際、寒さで指が動かないことが奇跡的に秘剣習得へのヒントを掴ませるエピソードは、芸事に関わる真理としてとても興味深い… pic.twitter.com/xnkpUHN7sk
— pianonaiq (@PIANONAIQ) August 18, 2020
漫画「シグルイ」の主人公であり、岩本道場の師範代です。出自は、百姓であったが、岩本虎眼に拾われたことで士の身分を得た経歴を持ち、どこまでも剣の道を追求し、鍛錬を惜しまない努力家です。道場破りにきた伊良子への敗北をきっかけに、彼に対して並みならぬ執念を持ち、後に師匠の仇として伊良子をひどく恨むも、剣士としては宿命のライバルとして認めています。
登場人物一覧②伊良子清玄
シグルイ 1〜3巻読んだ。
— 句とう (@comic_0032v) March 2, 2017
剣名『虎眼流』の跡継ぎになるために剣術を極め続ける2人の男の話。
漫画好きからやたらと高評価受けてる作品だけど面白いな。進むのおっそいけど不思議と満足感がある。2話以降ずっと過去編っていう新しい試みも良い。この緊張感をもっと読みたい pic.twitter.com/dfcPzytHEd
漫画「シグルイ」のもう1人の主人公で、貧民からの成り上がりを目指す野心家の剣士です。剣の才能に恵まれ、岩本道場入門からわずか2年で後継者に指名されるも、師匠の愛人との関係がばれてしまい、仕置きにより盲目となります。その後は、盲目ながらも鍛錬を積み、岩本道場へ復讐を遂げるも、御前試合で藤木に敗北し、絶命しました。
出自の低さから身分至上主義を憎んでおり、師匠に忠誠を誓う藤木に対してもそれらを理由に恨みを抱くことがあったものの、内心では藤木の実力を高く評価しており、彼に対して歪んだ友情を芽生えさせています。
登場人物一覧③岩本虎眼
シグルイ1巻のこのコマ、虎眼の右手の指が7本あって、左手の指が6本ないすか? pic.twitter.com/V8CSEqN8fG
— はらだ (@ko2_harada) January 20, 2019
虎眼流の開祖で、剣術道場の主です。「濃尾無双」と評された剣術の遣い手であったが、現在は精神の不調が目立ちます。性格は、苛烈かつ残忍であり、凄まじい執念と生命力を秘めています。
登場人物一覧④牛股権左衛門
そういや最近、シグルイ2巻分読みました。
— 牛☆大権現@勉強モード中 (@9888Gyustar) July 1, 2020
この画像の人常識人なのかな~と思ってたら、全然そんな事無かったですね。 pic.twitter.com/4kh7jnwpNX
岩本道場の師範で、道場のナンバー2です。穏やかな雰囲気を醸しながら、凄まじい怪力の持ち主であり、戦いでは通常の倍の大きさで作った木剣「かじき」を用います。伊良子への仇討ちにて藤木の助太刀として参戦、相手側の助太刀を全滅させるも伊良子には及ばず、顔面を斬られて敗北しました。その後は、死んだと思われるも、執念で身体を動かし、検校邸に伊良子を追い詰めました。
登場人物一覧⑤岩本三重
岩本三重(シグルイ) pic.twitter.com/cTdptd0Bxh
— たまだは1人で合唱をしてみたい (@Glass_Onion_909) July 5, 2017
岩本虎眼の一人娘で、父親からは跡継ぎを生む存在としか見なされていません。道場の跡継ぎが伊良子に決まり、彼に想いを募らせるようになるも、父親を殺害されたことを受け、次第に愛憎を入り交えた憎悪を募らせます。事実上の跡取りとなった藤木を思いを受け入れ、2人の御前試合を見守るも、主君に逆らえず傀儡と化した藤木に絶望し、自害して果てました。
登場人物一覧⑥いく
岩本虎眼の妾で、彼女に関わった者は不幸になるという、曰く付きの女性です。道場での成り上がりを目論む伊良子とただならぬ関係になるも、その事実を虎眼に知られてしまい、伊良子と共に追放されました。その後は伊良子と行動を共にし、彼の目となって支え続けます。御前試合での敗北を受け、伊良子の跡を追うように自害しました。
登場人物一覧⑦近藤涼之助
虎眼流の高弟で、まだ前髪が残る少年剣士でありながら、虎眼流を馬鹿にした浪人を斬り捨てるなど、相当な腕前です。藤木を理想の剣士として憧れるも、伊良子の虎眼流への復讐の最初の犠牲者となり、変わり果てた姿で発見されました。
シグルイに関する感想や評価
以下では、過激な作風でありながら、社会の在り方について考えさせられる奥深さが人気に拍車をかけた、漫画「シグルイ」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。
感想や評価1:漫画「シグルイ」が面白い
文庫版シグルイ1巻読んだ
— 紅義大 (@Hong_Yoshihige) August 15, 2013
熱さはないけど面白くて引きずり込まれる
冒頭から過激なシーンが多い漫画「シグルイ」は、あまりにもグロテスクすぎて読めないという方もいる一方で、続きがきなって読み進めてしまったとの声も見られ、読者の好みが最も分かれやすい作品とも評されています。漫画「シグルイ」を面白いと評価する感想の中には、その世界に引き込まれたような感覚を覚えた、夢中になったとの声も見られ、壮大なストーリーが読者を魅了しています。
感想や評価2:1巻あたりの物語が濃厚
シグルイ3巻読んだけど体感時間5分位だった 濃厚すぎる
— ダオハ (@daoha) February 27, 2019
宿命のライバルとなった異形の剣士が、御前試合に立ち会うまでの経緯と、その結末を描いた漫画「シグルイ」は、物語の大半が主人公2人の過去編として構成されています。剣士2人の出会いから、宿命のライバルとなるまでの道のりは、壮絶戦いの連続であり、現状からの脱却を目指してもがく2人の姿を丁寧に描いた作風は、濃厚なストーリー展開とも評されています。
感想や評価3:「凄い」と言わせる漫画
シグルイ15巻読んだ。ついにシグルイも完結か…万人にはオススメ出来ないけど、「これはスゴイ!」と胸を張って紹介できる漫画だった。緊張と集中で、読後に非常に疲れる漫画。まさに残酷物語という表現がピッタリだと思う。
— jimoko🍼🐴 と他256人 (@mssi) October 23, 2010
過激すぎる描写ゆえに、読み手を選びがちな漫画「シグルイ」ですが、異形の剣士2人の宿命を描いたストーリーは、読者も気が抜けないような緊張の連続であり、読み終えた後に疲れを感じたとの感想も見られます。「惨酷無惨時代劇」というキャッチフレーズのように、グロテスクな作画は多いものの、それでも読者を夢中にさせるストーリーは、本当の意味で「凄い」と呼べるものでしょう。
シグルイの評価まとめ
漫画「シグルイ」の面白い魅力や、タイトルの意味、作品に関する感想や評価などを、あらすじネタバレ紹介しました。グロテスク描写の多い作品ほど、読者の好みや評価が分れやすいものの、今回紹介した「シグルイ」は、グロさを感じさせないストーリーの面白さや、あらゆることを考えさせられる奥深い作風が評価され、根強い支持を誇っています。