ヘタリアの面白い魅力とは？あらすじや映画版銀幕ヘタリアの評価も紹介

ヘタリアは2006年に作者日丸屋秀和さんが運営した個人サイト「キタユメ。」にて掲載されていた同人漫画を発祥とした4コマ漫画です。個人サイトながらも高い人気を誇り、2008年に幻冬舎から書籍化されるとさらにその人気を高めました。2009年にはアニメ化も行われると継続してアニメ化され続けるなどその知名度と共に人気を高め続けた作品になっています。

2010年には劇場版「銀幕ヘタリア Axis Powers Paint it, White（白くぬれ!）」も製作されるなど継続的に漫画やアニメ、さらにはドラマCDやミュージカルなど展開され続け、2021年にも第7期となるアニメ「ヘタリア World★Stars」が放送されている作品です。

イタリアに向けて進んでいたドイツはかつてのローマ帝国の子孫たるイタリアを警戒して進んでいました。イタリアとの国境を超えた所でドイツは明らかに怪しげなトマトを見つける事になりました。そしてイタリアを捕らえたドイツですがイタリアは囚われている自覚がなく、むしろどんどんドイツに懐いていく事になるのでした。

ヘタリアの最大の魅力と言われるのが何よりも個性的なキャラクター達です。それぞれの国のイメージや文化、風土、歴史などを反映しており、それがそのままキャラクターの価値観の違いを生み個性を生んでいます。国の名前がそのままキャラクター名になっているのも分かりやすいという声が多くなっています。

ヘタリアは国の歴史もしっかり反映しており、同時にキャラクター同士のやりとりも世界史を元にした関係性を構築しているので世界史の勉強にもなるとされています。あらすじの中で展開されるエピソードも歴史の中の事実を元ネタにしているものが多いのでヘタリアを見ているだけで自然と歴史の知識が身についていく作品になっています。

ヘタリアで扱うのは歴史だけでなく現代のものもブラックジョークやエスニックジョークとして時事ネタなども取り入れた作品になっています。特に国が絡む時事ネタはヘタリアにとっては扱いやすいネタなので積極的に取り入れられています。

ヘタリアシリーズ初の劇場版映画「銀幕ヘタリア Axis Powers Paint it, White（白くぬれ!）」は2010年に公開された映画です。上映時間は1時間20分で、製作はそれまでアニメの製作も担当していたスタジオディーンが行いました。

ある日、世界中で同時多発的に謎の怪事件「のっぺら化」が発生、人類が滅亡の危機に瀕した事でアメリカを中心に国際会議を開きます。アメリカは自身で指揮を取りこの危機を救おうとし、早速情報源として親友トニーを連れ出してきます。しかし会議に出席したフランス、イギリス、日本、ドイツ、ロシアなどの足並みは中々揃わず、バラバラに行動を初めてしまうのでした。

銀幕ヘタリアは上記でも紹介したようにアニメ版と同じスタジオディーンが製作を担当していますが、それも影響しているのかアニメ版の映像の使いまわしもちらほら目立つ結果になっており、それがつまらないと言われる要因になっています。未公開シーンなどを入れるなら理解もされたでしょうが、完全に使いまわしではつまらないと言われても仕方ないとされています。

上記でも紹介したように銀幕ヘタリアは映画版という事もあって映画版用にしっかりとしたあらすじがあります。元々ヘタリアの原作漫画は4コマ漫画なども多いのでエピソードが構成しきれなかったのか、映画版のあらすじの間で上記でも紹介したアニメ版のエピソードの使いまわしシーンが入ってくるのです。それだけならまだしもそれらが挿入されるシーンにも問題があったとされています。

あらすじを紹介したように映画版のあらすじは仮にも人類の滅亡がかかったシリアスな展開なのですが、問題となるアニメ版のシーンが挿入されるシーンがシリアスな展開の合間なのです。結果的に通してみると展開が支離滅裂で、特にアニメ版未視聴で映画版を見るとあらすじを理解するのが難しいとされてつまらないと言われる要因になっています。

原作漫画やアニメのヘタリアは国同士のやりとりにスポットを当てるので国をモチーフにしていないキャラクターが登場する事はほぼないのですが、映画版である銀幕ヘタリアでは映画オリジナルの地球外生命体が登場しています。モチーフのある国同士だと描けない展開も描かれたのが、面白かったと言われる要因になっています。

元々コメディ色が強いヘタリアですが、銀幕ヘタリアでもコメディの要素がふんだんに含まれています。むしろヘタリアだからこそこのあらすじにできたという声もあるほどで、馬鹿話をこれでもかという程に壮大にやってるのが面白いとされています。

元々ヘタリアは非常にキャラクターが多い作品ですが、劇場版である銀幕ヘタリアにも制作当時登場していたキャラクターのほぼ全てと言ってもいい程のキャラクターが登場しています。ヘタリアのアニメは声優が非常に豪華な事でも知られている作品だけに、映画館でそれらの声優の熱演を見れたのも面白いと感じる要素だったとされています。

ヘタリアの主人公がイタリア、正確には北イタリアです。茶髪と茶色の目が特徴的でタイトルのヘタリアも世界史、特に世界大戦期の中でのイタリアのヘタレっぷりからネット上で作られた用語から来ています。戦いは苦手でパスタと女の子を愛しています。頼りになるドイツを頼りまくっており、ヘタリア作中でもよく「ドイツ～」と助けを求めにいきます。

ヘタリアには兄として南イタリアも登場している事もあり、ヘタリア作中では呼び分ける為に「ヴェネチアーノ」と呼ばれる事もありますが、単にイタリアと呼んだ場合には北イタリアの事を指す事が多くなっています。

生真面目な性格でなんだかんだ言ってイタリアのお守りをする事になるのがドイツです。オールバックにした金髪と碧眼が特徴的な見た目をしており、また背が高くムキムキな体つきをしています。マニュアルを重視するあまり融通の利かない所があります。ビールを愛しており酔い潰れる事も多くヘタリア作中でもよく飲んでいます。それまで友達がいなかったのでヘタリア作中でイタリアと出会った時には初めて友達ができたと喜びました。

ちなみにプロイセンが兄として登場しており、同居しています。人前では「兄貴」と呼びますが本人は「兄さん」と呼び分けています。ただし元々関係性が微妙な為かちょこちょこ呼び分けを間違える事もネタにされています。その性格も相まってそれ以外の国との関係性も基本的に振り回されるパターンが多いです。

ヘタリアに登場するキャラクターの中でも幼少期キャラクターを除けばかなり小柄な体型で描かれているのが日本です。黒髪ショートの髪型も相まってドイツやイタリアにも初対面では子供に間違えられる程ですが実際には2000歳を越えており作中でも年長者組に入ります。意見はしっかり持ちながらもなかなか自分の意見を言わず、結果的に他の国からはミステリアスなイメージを持たれています。

本人の性格としては親切で優しい一方でおひとよしで世間知らず、天然な気質も持ち合わせています。また他の国と違い分かりやすい家族がいないのも1つの特徴になっています。ヘタリアにはどちらかといえばボケキャラが多い事も相まってヘタリア作中ではどちらかといえばツッコミに回る事が多くなっています。

金髪碧眼の見た目が特徴なアメリカは明るく正義感に熱い性格をしています。ヒーロー好きで自称ヒーローでもあります。がっちりした体格をしていますが登場キャラクターの中ではかなり若い部類でその有り余るパワーは素手で車を引きずって1時間歩ける程だとされています。ただ空気を読まない所があり、その結果日本とイギリス以外には友達がいないとされるキャラクターです。

ぼさぼさの金髪と太い眉毛が特徴的なのがイギリスです。自称英国紳士ですが、元ヤンなので口調はかなり悪くなっています。負けず嫌いで意地っ張りな性格も特徴的になっていますが、仲良くなると世話焼きになるツンデレ気質も併せ持っています。基本的にはリアリストですがロマンチストな一面も持ち、魔術や妖精なども見る事ができます。

また料理を趣味にしていますがその腕は壊滅的であるとされており、ヘタリア作中でもイタリアが号泣し、プロイセンが気絶するなど散々な腕になっています。それでも本人は料理が好きで努力していますが、残念ながら改善されている様子は見られなくなっています。

愛情表現豊かな気取り屋でマイペースな性格をしているのがフランスです。ウェーブのかかった長めの金髪と碧眼が特徴的で、美しいものならなんでも愛する性質を持っています。ちなみに女性のストライクゾーンも強く、フランス本人曰く「綺麗でかわいいなら生後一ヶ月から94歳までいける」としています。元々はそれなりに戦争も行う国でしたが現在では芸術と文化を最優先で愛しています。

イギリスとは腐れ縁がある為、仲が良さそうに見えて競い合う事が多くなっています。スペインとは腐れ縁兼悪友で、ロシアとも良好な関係を築いているなどヨーロッパで歴史のある国らしく広い交友関係を持っています。ちなみに料理が趣味というわけではありませんが、料理は得意でまたワインも好きです。

プラチナブロンドと紫の目が特徴的なキャラクターがロシアです。登場キャラクターの中でも特に大柄でまた常にマフラーをしているのも特徴になっています。姉にウクライナ、妹にベラルーシがいますが、大切に思っている反面一筋縄ではいかない関係を築いています。

ここからは既にヘタリアのアニメや映画を視聴した人の感想をネタバレありでまとめて紹介していきます。ヘタリアは既に10年を越える長寿作品であり、久しぶりに見たという声も非常に多くなっています。元々キャラクター性の強い作品でメインとなるストーリーは薄めなだけに内容を知っていても面白いという声も多くなっています。

ヘタリアの魅力としても今回紹介したキャラクターに主眼を当てた感想も多いです。元々キャラクターが多く共感できるキャラクターが多い事、それぞれの国に持つイメージがしっかり反映されている事などもあり、それらが見ていて面白いという声も多くなっています。

同時にキャラクター同士の絡みが面白いという声も多く、ヘタリアでそれぞれの国の関係性を覚えたという声も見られる程になっています。

ヘタリアシリーズ全体は非常に面白い作品として人気を維持し続けていますが、そんな中でも若干黒歴史扱いを受けているのが映画版である銀幕ヘタリアです。ヘタリア最大の魅力であるキャラクターのやりとりこそ楽しめるも、アニメ版の使いまわしや挿入シーンなどがそれらの良さを潰してしまっているとする声も目立ちます。

ただ元々ヘタリアはストーリーにそこまで重きを置いていないだけに銀幕ヘタリアもアニメから引き続き演じている豪華な声優陣など楽しめる要素も多くあり、決して良作ではないものの十分に面白いという声もあります。

ヘタリアは国をモチーフにしたキャラクター達がブラックジョークやエスニックジョークを交えながら展開されるギャグコメディ作品で、多彩なキャラクター達と豪華な声優陣が盛り上げる作品です。エピソードもそれぞれ歴史上の出来事をベースにしている事もあり、歴史、文化、それぞれの国の関係性などヘタリアで学べる要素も非常に多いです。

長年愛されている作品だけにアニメだけ見ても数は多いですが1つ1つの作品はテンポよく見れる作品であり、かつストーリーもそこまで繋がりがないタイプの作品なのでまだヘタリアを視聴していない人は最新作である「ヘタリア World★Stars」からでも視聴してみてはいかがでしょうか？