ルックバックの感想・評価は?藤本タツキの読み切り漫画のあらすじ・伏線を考察

藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」は、2021年7月19日にジャンプ+で公開され、漫画ファンはもちろん、漫画家や漫画関係者から多くの反応を受けた話題作です。本文では、作品を称賛する声や感想が多く見られた、藤本タツキ先生の漫画「ルックバック」のあらすじネタバレ解説、伏線の考察や見どころの解説、タイトルの意味やモデル、「ルックバック」に関する感想や評価を、あらすじと共にネタバレ解説します。

ルックバックの感想・評価は?藤本タツキの読み切り漫画のあらすじ・伏線を考察のイメージ

目次

  1. ルックバックは藤本タツキの読み切り漫画
  2. ルックバックのあらすじネタバレ
  3. ルックバックの結末ネタバレ
  4. ルックバックの伏線や見どころを解説
  5. ルックバックの登場人物一覧
  6. ルックバックのモデルやタイトルの意味を考察
  7. ルックバックに関する感想や評価
  8. ルックバックの感想まとめ

ルックバックは藤本タツキの読み切り漫画

漫画「ルックバック」のあらすじや感想を紹介・イメージ画像

藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」は、絵が得意な少女と引きこもりの少女の出会いと2人の創作活動を描いた作品で、メッセージ性の強いストーリー構成や伏線・考察の多さが話題を呼びました。以下では、漫画「ルックバック」のあらすじネタバレ解説と、作品の伏線や見どころの解説、「ルックバック」のタイトルの意味や作品に関する感想などを、あらすじ・考察を交えながらネタバレ解説します。

ルックバックの概要

藤本タツキ先生の漫画「ルックバック」は、2021年7月19日に「少年ジャンプ+」にて公開された読み切り作品です。公開後わずか数日間で百万PVを超える注目を集めた「ルックバック」は、緻密なストーリー構成や伏線・考察、メッセージ性の高い作風が国内外で話題を呼び、漫画界からも多くの反響を呼びました。

ルックバックの作者

「ルックバック」の作者・藤本タツキ先生のイメージ画像

漫画「ルックバック」の作者・藤本タツキ先生は、秋田県出身の漫画家で、2013年から創作活動を行っています。2019年から少年ジャンプ誌で連載されている「チェンソーマン」シリーズは、「このマンガがすごい!2021 オトコ編・1位」をはじめ複数の賞を受賞し、2022年には、「チェンソーマン」のアニメが放送予定です。

また、藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」も、代表作「チェンソーマン」に引き続き、「このマンガがすごい!2022 オトコ編・1位」を2年連続で獲得しました。同一作家による連続受賞は、賞始まって以来の初の快挙となり、藤本タツキ先生への注目が高まっています。

ルックバックのあらすじネタバレ

漫画「ルックバック」のあらすじネタバレの紹介・イメージ画像

漫画「ルックバック」は、絵が得意な主人公と、彼女の描く学級新聞の四コマ漫画に感銘を受けた不登校の少女の出会いから始まり、やがてプロの漫画家を目指すべく、お互いの強みを生かした創作活動を開始します。以下では、運命の歯車が動き出した2人の少女の出会いと、突然訪れたかけがえのない人との別れを描いた、藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」のあらすじをネタバレ解説します。

あらすじネタバレ①学級新聞

小学4年生の藤野歩は、絵が上手いことに自信を持っており、クラスの学級新聞に自身の四コマ漫画を掲載することで、自身の才能をクラスメイトにひけらかしていました。そんなある日、藤野は、クラスの担任から四コマ漫画の1枠を、長期不登校の京本という女子児童に譲ってほしいと依頼されます。藤野は、自分の実力を更に見せつけるチャンスだと考え、担任の依頼を引き受けます。

不登校中のクラスメイトの名前をはじめて知った藤野は、学校に通えずにいる京本の漫画を素人と称し、見下していました。しかし、出来上がった京本の四コマ漫画は、小学生とは思えない画力で描かれており、自分の才能を鼻にかけていた藤野を打ちのめします。また、京本の漫画はクラスでも評判を呼び、藤野に対する評価も、掌を返したように辛辣なものへ変わりました。

この出来事は藤野にショックを与えると同時に、彼女の向上心に火を付けます。京本との実力差を見せつけられた藤野は、自身の画力に磨きをかけるべく、デッサンの勉強やスケッチブックで絵を描くことに没頭し始めます。藤野の絵に対する情熱は、6年生になっても冷めることなく、絵を描くことに対して悪口を言われようとも、やめることはありませんでした。

一方、京本の方も画力を高めており、6年生に進級して初めて配布された学年新聞の四コマ漫画で、その成長ぶりを見せていました。京本との実力差を見せつけられた藤野は、その日以来、絵を描くことを止めて普通の学校生活を送ることとなり、やがて小学校の卒業式を迎えます。しかし、卒業式当日も、京本は学校に来ることはありませんでした。

あらすじネタバレ②京本との出会い

絵の練習に取り組む京本・イメージ画像

担任の先生から京本の卒業証書を渡すように任された藤野は、しぶしぶ京本の自宅に向かいます。インターホンを鳴らしても返事がなく、玄関先に卒業証書を置こうとした矢先、中から物音が聞こえます。藤野は思わず中へ入り、廊下に積み上げられた大量のスケッチブックを目の当たりにします。それは、京本が人知れず努力してきた証であり、京本の画力は、才能だけでなく、自分を上回る努力の結果だったと知ります。

藤野は、自分が京本に負けた理由に納得の表情を浮かべるも、何とか彼女に仕返しをしようと、近くに落ちていた四コマ漫画の用紙に絵を描き始めます。内容は、京本へのあてつけと思えるものでしたが、うっかり手を滑らせてしまい、用紙は京本の部屋のドアの隙間へ入ってしまいます。気まずさを覚えた藤野がその場を去ろうとした矢先、京本が部屋から出てきます。

京本は、藤野を「先生」と呼び、3年生の時から藤野の漫画を見てファンになったことを話し、サインを求め、藤野が本格的に漫画を描いていると知ると、原稿を見せて欲しとせがみます。一方、とっさの思いつきで漫画を描いていると言ってしまった藤野は、雨が降りそうなことを口実に京本家を後にします。雨が降りしきる中、京本から自分の才能を認められた藤野は有頂天になり、再び漫画を描き始めます。

あらすじネタバレ③ペンネームは藤野キョウ

中学に進学した藤野は、京本と共に応募用の読み切り漫画を描き始め、悪戦苦闘しながら1年がかりで原稿を仕上げます。2人が書いた漫画は出版社に持ち込まれ、中学生が描いたとは思えない創作力の高さを評価され、漫画雑誌の賞にて準入賞を果たします。京本は、中学でも不登校でしたが、藤野に引っ張られる形で街に繰り出し、藤野のおかげで外に出られたことを感謝します。

その後、2人は「藤野京」という共同のペンネームで読み切り漫画の投稿を開始します。それぞれの得意分野を生かした創作活動は、漫画界で高い評価を受けるようになり、藤野が高校を卒業する頃に連載の話が持ち込まれます。一方、さらなる画力の向上を目指す京本は、美術大学への進学を考えており、最終的には藤野が1人で漫画家デビューしました。

あらすじネタバレ④殺人事件

京本との関係を解消後、漫画家として本格的なデビューを果たした藤野は、アシスタントを雇いながら創作活動を続け、人気作家へと成長していきます。そして、藤野の元へアニメ化の話が持ち上がった頃、京本の通う美術大学に通り魔が侵入し、数名の学生が刺殺される事件が起きます。テレビのニュースで知った藤野は、京本に電話をかけるも応答がありませんでした。

あらすじネタバレ⑤絶望と後悔に打ちひしがれる藤野

画力の向上を目指し、練習に励む京本・イメージ画像

京本の安否を確かめるべく、手あたり次第に情報を集める藤野は、応募用の漫画を描いていた頃に交わした京本との会話を思い出します。連載漫画を描くにあたり、自分の筆の遅さに不安を持っていた京本に対し、藤野は、画力が上がれば描くスピードも上がると助言していました。この言葉が、京本へ画力の向上を促し、美術大学進学へのきっかけとなりました。

京本の死を知り後悔の念にさいなまれる藤野・イメージ画像

その後、美術大学の通り魔事件の犠牲者の身元が明かされ、その中には京本の名前もありました。自分の漫画を誰よりも理解してくれた、相棒であり親友であった京本の死は、藤野に衝撃を与えました。事件を受け、藤野は連載漫画を休載し、京本の葬儀に参列後、京本と初めて出会ったあの家に向かいます。京本の部屋の前で四コマ漫画を見つけた藤野は、京本が死んだのは自分のせいだと後悔の念にさいなまれます。

画力が上がればスピードも上がると言わなければ、京本は美術大学へ行かなかった、自分が外に連れ出さなければ、通り魔に襲われることがなかったと思い詰め、ついには自分が漫画を描かなければ、京本は死ぬことはなかったと、自分を責め始めます。絶望と後悔に打ちのめされた藤野は、京本との出会いのきっかけとなった四コマ漫画を破り捨てます。

ルックバックの結末ネタバレ

「ルックバック」の結末ネタバレ・イメージ画像

自分が余計なことを言わなければ、漫画を描かなければ京本は死ぬことはなかったと、自分を責める藤野でしたが、京本の部屋に残されていたある物や彼女との思い出が、藤野へ大切なことを気づかせ、立ち直らせるきっかけをもたらしました。以下では、藤野が破り捨てた四コマ漫画が起こすSFチックな展開や、京本の死を乗り越えた藤野の姿を描いた、藤本タツキ先生の漫画「ルックバック」のあらすじ結末を、ネタバレ解説します。

結末ネタバレ①出てこないで

漫画が描かれた紙を拾う京本・イメージ画像

破り捨てられた四コマ漫画の最初のコマが京本の部屋へ入り込み、場面は小学校の卒業式当日にさかのぼります。その日も京本は部屋に引きこもり、ひたすら絵を描いている中、ドアの隙間から紙が入ってきます。四コマ漫画の1コマには、「出てこないで」と描いてあり、部屋の外では卒業証書を持ってきた藤野が訪ねていました。京本は、漫画のコマの通りだんまりを決め込み、藤野も卒業証書をおいて去っていきました。

その後も、引きこもり生活をする京本でしたが、絵が上手くなりたいとの思いから美術大学へ進学します。しかし、大学に侵入した通り魔に襲われ、絶体絶命の危機に陥ったその時、1人の女性に救出されます。その女性の正体は、小学校の卒業証書を持ってきてくれた藤野でした。姉の勧めで空手の修行を積んでいた藤野は、通り魔が大学へ侵入していく様子を目撃し、犯人を捕まえるべく追ってきました。

藤野の奮闘により、通り魔事件は未遂に終わり、犠牲者も出ませんでした。一方、足に重傷を負った藤野は病院に搬送され、京本はお見舞いに駆けつけます。同時に、目の前の女性が、小学校時代に漫画の才能に惚れ込んだ藤野だと気が付きます。一度は、漫画を描くことを止めた藤野でしたが、最近になって漫画を描き始め、連載が決まったらアシスタントになってほしいと、2人は連絡先を交換して別れました。

憧れの藤野に出会えただけでなく、彼女と一緒に創作活動ができることへの期待から、京本はすっかり有頂天になります。そして、学級新聞の四コマを読み直しながら、自身も四コマ漫画を描き始めます。完成した原稿は風にあおられ、部屋のドアの隙間から廊下へ飛ばされてしまいます。

結末ネタバレ②背中を見て

場面は、京本の部屋の前へ変わり、自分を責める藤野の元へ、ある四コマ漫画が飛んできます。「背中を見て」と題された四コマ漫画は、通り魔に襲われた京本が藤野に救われるという、別次元の世界線で起きた内容が描かれていました。その後、京本の部屋に入った藤野は、京本が描いたと思われる四コマ漫画の原稿と、藤野の漫画やポスターが残されており、別れた後も京本が自分の事を応援し続けてくれたことを知ります。

漫画を描くことは地味でつまらない作業と思いながらも、それでも漫画を描くことをやめなかった理由は、自分の漫画を見て喜ぶ京本の笑顔が好きだったから、自分を応援してくれる京本やファンの喜ぶ顔が見たいからでした。京本の思いや自分が漫画を描く動機に気が付いた藤野は、今度は自分の漫画を楽しみに待つファンのために漫画を描き続けようと奮起し、創作活動を再開します。

ルックバックの伏線や見どころを解説

ルックバックの伏線や見どころを解説・イメージ画像

「チェンソーマン」で知られる藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」は、伏線の多さも見どころの1つであり、何気ない日常の映し出した1コマから、作品に込められたメッセージを読み解くのも、「ルックバック」の面白い魅力です。以下では、読み返すたびに新たな発見が生まれる、漫画「ルックバック」の伏線や見どころをネタバレ解説します。

見どころ①Oasisの曲名の伏線

Oasisの曲名の伏線・イメージ画像

漫画のタイトル「ルックバック」は、英語の「Look back=振り返る」を意味し、これらは京本の死に直面した藤野が、京本との出会いや彼女との創作活動に取り組んだ日々を振り返り、自分が漫画を描き続ける目的を見いだすことと考察できます。一方で、「ルックバック」は、本来とは逆の意味を表しているとも考えられ、その理由は、漫画の最初と最後のコマに書かれた2つの英単語と、Look backをつなげることで見えてきます。

まず、漫画の最初のコマは、藤野の英語の授業シーンで、黒板に「Don’t」という英単語が見えます。藤野の小学校では、4年生から本格的な英語の授業を行っていると解釈できる一方で、小学生の主人公の授業に英語を起用することは違和感があります。また、漫画の最後のコマは、藤野の資料集のタイトルとして「In Anger」が描かれています。

Oasisの曲名の伏線を考察・イメージ画像

この2つの英単語は、「Don’t」はコマの右上、「In Anger」はコマの左下に書かれており、2つの英単語の間に漫画のタイトル「Look back」を差し入れてつなげると、「Don’t look back in anger=怒りを振り返るな」という意味が浮かびあがり、このフレーズは、イギリスのロックバンド・Oasisの楽曲「Don’t Look Back in Anger」と似ています。

「Don’t Look Back in Anger」は、イギリス・マンチェスターで発生した自爆テロの追悼式典で使用された楽曲としても知られ、漫画「ルックバック」にOasisの代表曲を組み入れた背景には、怒りを生み出したある事件との関連を彷彿させます。その事件とは、戦後最悪の放火事件と言われた京都アニメーション放火殺人事件であり、起きてしまった事件に対して怒ることを止めようというメッセージが、作品に込められたのでしょう。

国内だけでなく、海外をも震撼させた京アニの事件は、アニメファンはもちろん、アニメに興味がなかった人々にも大きな影響を与え、事件から3年が経過した2022年現在も、犯人に対する人々の怒りは収まりません。しかし、どんなに犯人が憎くても、それは新たな悲劇を生む引き金になりかねません。漫画「ルックバック」は、事件を振り返ると同時に事件への怒りを手放そうという、作者のメッセージが込められていると考察されます。

見どころ②「背中」のシーンやカットが多い

漫画「ルックバック」の「Back」は、後ろを向くの他に、背中という意味もあります。また、主人公・藤野が漫画を描くシーンは決まって後ろ姿で描かれており、「ルックバック」とは、藤野が漫画を描く後ろ姿を意味しているとも考察できます。読み手にとっては、漫画を描くキャラの心情が見えないというデメリットがありますが、藤野の背中のシーンは、原稿に向き合い続ける漫画家のリアルの姿を映し出していると見えます。

漫画家を題材にした他作品では、原稿に向き合うキャラの心情に重きを置いたアングルが見られますが、リアルの世界にて、漫画家の顔が見える瞬間は、インタビューなどの対談を受けている場合などで、原稿を描いていない時に限られます。「ルックバック」で描かれた背中のシーン・カットの多さは、藤野が原稿と向き合った時間の長さや作品を生み出した数を表していると考察できます。

見どころ③名画「雨に歌えば」を彷彿とさせるシーン

漫画「ルックバック」には、名画「雨に歌えば」を彷彿させるシーンがあり、京本に才能を認められ、有頂天になった藤野が、雨でずぶ濡れになっていることを気にせず、踊り歩きながら帰路につきました。京本の圧倒的な画力に打ちのめされ、一度は筆を折った藤野でしたが、彼女に挫折を与えた努力の天才からの称賛や期待・尊敬は、藤野の新たな人生の幕開けとなりました。

傘をさすことを忘れ、満面の笑みを浮かべながら帰路につく藤野の姿からは、彼女の喜び・興奮をぞんぶんに発揮したシーンであり、「雨に歌えば」の主題歌が聞こえてきそうな名場面でもあります。

見どころ④藤野の空手キックのシーン

空手の修行に励む藤野・イメージ画像

京本の死を受け、藤野は自分と会わなければ、彼女が死ぬことはなかったのにと自分を責め、やがて物語は、2人が出会わなかった世界線へ突入します。この描写は、藤野の願望が幻覚となってみえた世界、またはパラレルワールドなどと考察されるも、仮に2人が出会わない運命を辿っても、京本が通り魔事件に襲われることは変わりませんでした。

しかし、通り魔に襲撃されたことで、京本は小学校時代の憧れだった藤野との出会いを果たしており、遅かれ早かれ、2人の出会いは運命だったと考察できます。また、小学校時代に2人が出会わなかったことで、藤野は姉のすすめで空手の修行をはじめ、やがて京本の命を救うことにつながったでしょう。

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ルックバックの登場人物一覧

ルックバックの登場人物一覧の紹介・イメージ画像

漫画「ルックバック」は、絵が得意な少女・藤野歩が、不登校の少女・京本との出会いを別れを経て、自分が漫画を描き続ける目的を得るまでを描き、2人の成長も見どころの1つです。以下では、藤野と京本との交流と成長が物語に深みを与える、漫画「ルックバック」の登場人物一覧を、あらすじを交えながらネタバレ解説します。

藤野歩

漫画「ルックバック」の主人公で、初登場時は小学4年生、学級新聞に四コマ漫画を掲載しており、自身も漫画の才能に自信を持っていました。一時は、京本の画力を追い抜くべく、絵の勉強に励むも、京本との才能の差を見せつけられ、漫画を描くことを止めました。しかし、小学校卒業式の日に、京本から漫画の才能を褒められたことを機に漫画家を志し、京本と共に創作活動を始めます。

高校卒業までに7本の読み切り作品を発表し、連載枠を勝ち取るまでに成長するも、京本の美術大学進学を機に別れました。京本が大学の通り魔事件の犠牲になったことをテレビのニュースで知り、自分が漫画を描いたせいで京本を死なせてしまったと、絶望と後悔に打ちひしがれます。その後、京本の部屋から、彼女が変わらず自分を応援して続けていたことを知り、京本へ感謝します。

元来、漫画を描くことが好きではなかったものの、自分の漫画を読んでくれた人々の笑顔が見たいとの思いが、藤野の創作活動の意欲となり、再び筆を取り始めました。

京本

漫画「ルックバック」の登場人物で、小学4年生から不登校生活を送っている藤野のクラスメイトです。学級新聞に掲載された藤野の四コマ漫画に感銘を受け、彼女に憧れてデッサンの練習を始めます。大量のスケッチブックで練習を重ねた結果、小学生とは思えないほどの画力を習得し、その実力は絵が上手いことが自慢だった藤野に衝撃と影響を与えました。

小学校の卒業式の日に藤野と出会い、彼女の漫画のファンであることを打ち明け、「藤野キョウ」のペンネームで創作活動を開始します。同時に、もっと絵が上手くなりたいとの向上心も芽生え始め、美術大学へ進学します。プロの漫画家となった藤野とは、高校卒業を機に別れてしまったが、以降も藤野のことを応援しており、大学の通り魔事件でかえらぬ人となりました。

京本にとっても、藤野は自分の人生をかえてくれた人物であり、彼女と出会えたことに心から感謝していました。また、藤野と離れて美大に進学した経緯も、連載漫画の執筆に向けて、画力をあげて絵を描くスピードを上げたかったことや、藤野と対等の友達になりたかったことが示唆されています。

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ルックバックのモデルやタイトルの意味を考察

「ルックバック」のモデルやタイトルの意味を考察・イメージ画像

漫画「ルックバック」は、学級新聞の四コマ漫画を通じて出会った2人の少女の交流と成長を描いた作品であり、漫画ファンを中心に多くの感想・評価が寄せられた一方、藤本タツキ先生が作品に込めたメッセージについて、様々な考察が飛び交っています。以下では、読み進めるごとに作品の奥深さに気づかされる、漫画「ルックバック」から、物語のモデルとなった事件やタイトルの意味を考察しました。

ルックバックのタイトルの意味

「ルックバック」のタイトルは、最初・最後のコマに書かれた伏線から、Oasisの楽曲「Don't Look Back In Anger」つまり、「過去の怒りを振り返るな」という意味が込められていると考察しました。一方、「ルックバック」のタイトルをそのまま解釈すると「振り返る」を意味し、京都アニメーション放火殺人事件の犠牲者への鎮魂のメッセージとも考えられます。

また、作者・藤本タツキ先生は、京アニ作品のファンを公言しており、事件からちょうど3年後にあたる2021年7月19日に漫画「ルックバック」が公開されています。公開日は、偶然重なったとも推測される一方、漫画「ルックバック」は、京アニの事件を受け、苦しむファンにも向けたエールも込められ、それが「過去の怒りを振り返るな」というメッセージにつながるでしょう。

ルックバックの藤野のモデルは作者自身?

漫画「ルックバック」では、作者の自伝的な漫画とも考察されており、主人公・藤野歩のモデルは、藤本タツキ先生ではと考えられています。藤本先生の過去をエピソードを彷彿させるような内容はもちろん、藤野のプロの漫画家としての作品や、京本が通う美術大学が、作者の母校・東北芸術工科大学と似ている点が挙げられます。

一方、藤本タツキ先生は、漫画の中に自分自身を投影させることはないと語っており、作者の自伝的なエピソードと思われる描写も、フィクションの可能性が高いでしょう。

ルックバックは京都アニメーション事件がモデル?

漫画「ルックバック」にて、京本が犠牲となった通り魔事件は、2019年に発生した京都アニメーション事件と、2007年に発生した未解決事件・京都精華大学生通り魔殺人事件をモデルに描かれたとも考察されています。その理由として、漫画「ルックバック」の公開日が、京アニ事件と重なる点などが挙げられるも、モデル説は憶測にすぎないと考えられています。

一方で、漫画のタイトルLook back=振り返るは、京都アニメショーン事件を指すとも考察され、それらが「ルックバック」の反響につながったとも言われれています。

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ルックバックに関する感想や評価

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漫画「ルックバック」は、全150ページの読み切り漫画として描かれましたが、物語は読み切りとは思えない壮大なスケールが繰り広げられ、読む人全てに大きな影響を与え続けています。以下では、藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら紹介します。

感想1:濃い内容だった

読み切り漫画として描かれた「ルックバック」は、全150ページで構成され、主人公・藤野の小学校時代からプロの漫画家として活躍するまでを描いています。漫画「ルックバック」の感想の中には、単行本のページ数と比較して、内容が非常に濃いとの声が多く見られ、ストーリーの完成度の高さを称賛する一方で、改訂版などでページ数を増やして欲しいとの感想も寄せられています。

感想2:主人公を応援したくなる

漫画「ルックバック」の主人公・藤野は、序盤こそ自分の才能を鼻にかけ、人を見下したような言動こそ目立つものの、京本との出会いが藤野を成長させました。「ルックバック」が漫画界からも注目を集めた理由は、作品に込められたメッセージ性だけでなく、人間味あふれる主人公の登場も挙げられ、藤野の挫折や成長を通じて、自然と彼女を応援したくなったとの感想も寄せられています。

感想3:読み終えた時の感動に浸りたい

あらすじネタバレ解説のように、「ルックバック」の後半パートは、京本の死という衝撃的な展開が描かれ、大切な人を失い自己嫌悪に陥りながらも、立ち直っていく藤野の姿は多くの共感を呼びました。また、「ルックバック」の感想や評価の中には、漫画を読み終えた後は、何も考えずに感動の余韻に浸っていたいとの感想も見られ、「ルックバック」の影響の大きさがうかがえるでしょう。

感想4:何度も読み返している

伏線や考察ポイントを散りばめた奥深いストーリーや、読者の想像を含らませる表現方法は、漫画「ルックバック」の特徴に挙げられ、リアリティあふれる展開が、作品への注目を高めています。また、あらすじ解説のように、読み返すごとに様々なことを考えさせられるストーリーは、何度読み返しても読者を飽きさせず、短期間で数回も読み返したとの感想も見られます。

感想5:作品を思い出すたびに涙が出る

藤野と京本の突然の別れは、2人の再会を願った読者にとって予想外の展開となり、京本の死は「ルックバック」でもっとも衝撃的なシーンでしょう。読者の中には、京本の死や、大切な人を失い打ちひしがれる藤野の姿が忘れられず、「ルックバック」を思い出すたびに涙があふれるとの感想も寄せる一方、あらすじ解説のように、絶望から立ち上がる藤野の姿に勇気をもらったとの感想も見られます。

感想6:物語が壮大過ぎて言葉がでない

藤本タツキ先生と言えば、アニメ化が決定した「チェンソーマン」が広く知られ、今回、あらすじ解説を紹介した「ルックバック」は、藤本タツキ先生の新たな世界観として、ファンの間でも大きな反響を呼びました。読み切りとは思えない内容の濃さや、所々で考えさせられる伏線・考察ポイントの多さは、作品に深みを与え、「ルックバック」の壮大すぎる物語に声が出なくなったとの感想も寄せられています。

感想7:名作とも呼べる1冊

藤本タツキ先生の漫画「ルックバック」は、あらすじネタバレ解説のように、1人の少女との出会いときっかけに漫画家を目指す主人公・藤野の成長の物語であり、「ルックバック」を名作と評する感想も寄せられています。主人公・藤野の半生は、決して順調ではなく、挫折や絶望・後悔を味わいながら、自力で立ちあがり、自分の道を突き進んでいく勇ましさは、読者の共感を呼び、藤野のその後を応援する声も見られます。

ルックバックの感想まとめ

ルックバックの感想まとめ・イメージ画像

漫画「ルックバック」のあらすじ・結末ネタバレ解説、ルックバックの伏線や見どころ解説、タイトルの意味やモデルの考察、登場人物の解説、作品に関する感想や評価などを、あらすじネタバレを交えながら解説しました。「チェンソーマン」で知られる藤本タツキ先生の読み切り漫画「ルックバック」は、メッセージ性の高い作風だけでなく、作者の漫画愛にも溢れており、漫画界に多大な影響を与えた話題作です。

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