サマーウォーズの侘助おじさんはどんなキャラ？おばあちゃんとの関係・声優は？

サマーウォーズに登場する侘助はクールでかっこいい風貌と、その頭脳派なキャラから視聴者の人気も高いキャラです。その言動や態度から、一見何を考えているか分からないような性格に見えますが、本当はおばあちゃん想いの優しさを持ち、そのギャップもまた人気の理由です。この記事では侘助について、声優は誰なのか、おばあちゃんとの関係性はどうなっているのかなど、映画サマーウォーズの見所を交えながらご紹介していきます。

サマーウォーズのヒロインである夏希が「侘助おじさん」と慕う侘助は、本名を陣内侘助（じんのうちわびすけ）と言い、東大卒の留学経験ありというハイスペックの持ち主です。経歴だけでもかっこいい侘助ですが、天才的な頭脳を持っており、アメリカで人工知能の研究をし、後に大きなトラブルの原因となった人工知能『ラブマシーン』とも深い関わりを持っています。

サマーウォーズに登場するキャラクターの中でも、かっこいいと人気の高い侘助ですが、実は前陣内家当主である大おじいさんの隠し子です。栄の養子として育てられましたが、一族の資産を勝手に持ちだし10年の間行方が分からなくなっていました。しかし栄が90歳を迎える誕生日に親族が集まる中、突如として侘助は陣内家に帰ってきました。

もともと養子という立場でありながら栄おばあちゃんの資産を勝手に持ち出し、10年間連絡もせずに行方をくらませていた侘助は、親族からすれば疎ましい存在でした。栄おばあちゃんの養子でありながら、恩を仇で返すような行動に、親族は憤りを感じていました。

親族からは疎まれる侘助ですが、サマーウォーズのヒロインである夏希は彼を慕っており、侘助もまた夏希には優しく接しています。実のところ、侘助は夏希の初恋相手であり、健二を恋人と偽って家族に紹介したときに話した偽物の経歴は侘助のものでした。幼い頃の夏希にとっても、侘助はかっこいいおじさんでした。

サマーウォーズに登場する侘助は、若く見えますが実際は41歳。かっこいいおじさんのイメージが強い侘助は渋くクールな声が特徴的です。そんな侘助の声優を担当したのは誰なのでしょうか？気になる侘助の声優についてご紹介します。

サマーウォーズで侘助の声優を担当したのは斎藤歩さん。侘助は渋くかっこいい声が特徴的ですが、声優を担当した北海道出身の斎藤歩さんは、役者として映画やドラマ、舞台で様々な役を演じています。役者として多彩な役を演じる斎藤歩さんですが、演出家、脚本家としても活躍しており、その活動は多岐にわたります。

サマーウォーズで侘助の声優を担当した斎藤歩さんの出演作品をご紹介します。映画では「神様のカルテ」や「アウトレイジビヨンド」、「探偵はBARにいる3」などの作品に出演し、ドラマでは「トリック2」や「相棒13」、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」など、様々なジャンルの作品に出演しています。

サマーウォーズに登場する栄おばあちゃんこと陣内栄は、ヒロインである夏希の曽祖母にあたります。陣内家は戦国時代より続く一族で、栄おばあちゃんは16代目の当主になります。人と人との繋がりを大切にしており、幅広い人脈で人を動かすカリスマ性も持っています。曾祖父の隠し子であった侘助は、幼少期のころ陣内家に引き取られた後、栄おばあちゃんの養子として育てられました。

侘助は栄おばあちゃんの所有する山を勝手に売り、それから10年間行方が分からない状態でした。資産を持ち逃げしたことで親族から疎まれる侘助ですが、真相はそのお金を使って人工知能の研究をしていました。そして作られたのが強い知識欲を持つ人工知能プログラムである、ラブマシーンでした。

栄おばあちゃんのことを「ババア」と呼んだり、その立ち振る舞いから一見礼儀知らずの不届き者の様にも見えかねない侘助ですが、本当はとてもおばあちゃんっ子。スマホのロックを解除するパスコードを栄おばあちゃんの誕生日に設定していたり、訃報を聞いていち早く駆けつける様子から、本当はおばあちゃんっ子であることがうかがえます。

ラブマシーンはサマーウォーズに登場する人口知能プログラムで、侘助によって開発されました。ラブマシーンはサマーウォーズにおいて悪役のような位置で登場しますが、悪いプログラムというわけではありません。侘助はその後、ラブマシーンをアメリカ国防総省に売り渡しました。米軍は軍事利用を考え、ラブマシーンをOZに放つことで実証実験を行いました。

ラブマシーンはその強い知識欲から学習することを得意とし、自らを成長・進化させていく人工知能プログラムです。やがてOZの中で健二のアカウントを乗っ取り、その後も多くのアカウントを乗っ取ることで、世界中をパニックの渦へと巻き込みます。

電気や水道、交通などの社会インフラを管理しているアカウントさえも乗っ取り、サマーウォーズにおける最強の敵となったラブマシーンですが、プログラム自体に悪意があるわけではありません。この現象はラブマシーンの持つ強い知識欲と、驚異的な学習能力によって引き起こされたものでした。

OZとはサマーウォーズに登場するインターネット上にある仮想世界です。誰でも自分の分身となるアバターを使うことで、現実世界と同じように過ごすことが出来る世界で、現実世界とも密接に関わりがあります。たとえば、水道局員のアバターなら現実世界の水道管理をOZから行うことが出来たり、消防士のアバターなら緊急発動令をOZから発令したりと、OZを通して現実世界の管理や運用を行っています。

サマーウォーズでは、もしOZのアカウントを乗っ取られてしまった場合、そのアカウントに紐づく重要な権限も同時に乗っ取られてしまうということになります。ラブマシーンは社会的に重要な権限を持つアカウントを次々に支配していき、日本中のライフラインを制御不能な状態に陥らせました。

栄おばあちゃんは養子として侘助を育てました。そんな栄おばあちゃんが「侘助、今ここで死ね！」とまで言い放ち、壁にかかっていたなぎなたを突きつけて激怒するこのシーンは、サマーウォーズの中でも大きな見所の一つです。喉元になぎなたを突きつけるくらいですから、相当怒っていたに違いありません。

侘助は栄おばあちゃんの持つ山を勝手に売ってしまいました。それにより親族からも嫌われていましたが、これは栄おばあちゃんが激怒した理由ではありません。栄おばあちゃんの遺言には、侘助が「おなかを空かせているだろう」ということや、「もし帰ってくることがあったら食べ物を食べさせてあげなさい」、という内容が書かれてあり、勝手に資産を持ちだしたにも関わらず、侘助のことを心配していたという心境がうかがえます。

侘助のしたことはもう一つ、人工知能のラブマシーンを開発したことです。ラブマシーン自体には悪意がなく、そもそもアメリカ国防総省がラブマシーンをOZに放つことさえなければ騒動は起こりませんでしたが、開発者である侘助に全く責任がないというわけでもありません。

侘助は世界中の大混乱を引き起こしているラブマシーンの開発者が自分であることを話しました。ところが開発者としての責任感は無く、むしろ研究成果について自慢するほどでした。さらにはラブマシーンの開発に、栄おばあちゃんの資産を使ったことを話しました。

栄おばあちゃんは自分の身内が開発した人工知能が騒動を起こし、世界中に迷惑をかけていること、それを開発するために、自分の資産が使われたことに責任を感じていたのでしょう。侘助の傍若無人な態度を見て、家族として責任をとらせるために栄おばあちゃんは侘助を怒りつけました。

侘助は騒動の原因であるラブマシーンを開発したことについて、「自分は開発しただけで命令はしていない」などと悪びれる様子はなく、自分の功績やお金が入ることを喜ばしく話しました。しかしそれらの発言や態度は、栄おばあちゃんに認めてもらいたい、恩返しがしたい、という純粋な想いからくるものでした。

侘助はアメリカ国防総省にラブマシーンを売ることで家に多額のお金が入り、栄おばあちゃんに恩返しが出来ると考えていました。「ばあちゃんのお金のおかげで独自開発が出来た」という発言も、苦労はかけたがこれからは恩返しが出来る、という侘助の想いから出たものでした。

侘助によって開発された人工知能プログラムで、日本中のライフラインを滅茶苦茶にしたラブマシーンですが、その名前の由来は侘助の願いにありました。その立場から、幼い頃より家族に疎まれてきた侘助が、「愛されたい」「認められたい」という願いを持って名付けました。

ここまで「サマーウォーズ」の陣内侘助についてご紹介しました。天才的な頭脳を持ちながら、外見もクールでかっこいい侘助おじさんですが、実は曾祖父の隠し子であり、家族の中では少し浮いた存在でした。すでにサマーウォーズを観たことがあるという方も、侘助の立場や心情を感じながらもう一度映画を見てみると、また違った見方が出来るかもしれません。