【岸辺露伴は動かない】「懺悔室」のあらすじをネタバレ！最後の意味や感想は？

岸辺露伴は動かないの概要の懺悔室について詳しく紹介する前に、岸辺露伴は動かないの概要を紹介します。岸辺露伴は動かないとは、人気漫画作品「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するキャラクター・岸辺露伴を主人公とするスピンオフ作品です。岸辺露伴はジョジョシリーズの4部に登場するメインキャラクターで、強烈な性格をした漫画家です。

岸辺露伴は動かないという読み切り作品は、1997年の週刊少年ジャンプに企画「ジャンプリーダーズカップ」にて掲載が決まっています。ジャンプリーダーズカップとは愛読者杯として開催された企画で、読者投票で選ばれた10人の漫画家が読み切り作品を書くという企画でした。

この選ばれた10人の中に、ジョジョシリーズの生みの親・荒木飛呂彦もおり、読み切り作品を掲載する事となりました。この時に掲載されたのが「岸辺露伴は動かない」でした。

ジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ作品「懺悔室」のあらすじをネタバレしていきます。あらすじネタバレだけではなく、最後の意味までネタバレ紹介していきます。懺悔室の主人公となるのは、ジョジョの奇妙な冒険4部に登場したメインキャラクタ―・岸辺露伴です。懺悔室では、ジョジョの奇妙な冒険4部から7年ほど経過し、27歳となった岸辺露伴がイタリアへ取材旅行へ行ったという設定でストーリーが展開しています。

岸辺露伴はイタリアにて、取材の為に教会を訪れます。この教会は写真撮影禁止だったのですが、とにかくリアリティを追求し、傍若無人な性格の岸辺露伴は構わず写真を撮影します。そして、本当は用のない懺悔室にも足を踏み入れます。岸辺露伴は懺悔室に入り中の作りを観察しますが、対面にちょうど良いタイミングで男が入ってきます。男は「神父様」と呼びかけてきました。岸辺露伴は本来は神父が入る方へ座っていたのでした。

岸辺露伴は神父ではないながらも、男の懺悔を聞いてみたいと言う誘惑に負け、男に懺悔を促します。男はある物語を話し始めました。男がまだ若く24歳だった頃、トウモロコシの加工工場で働いていました。ある日、懸命に働いている男の元に、ふらふらした足取りで浮浪者が近づいてきます。浮浪者は空腹を訴え、男の持っていた昼食を恵んでほしいと言うのでした。

男は浮浪者に図々しいと怒りを感じ、仕事を手伝えば恵んでやると言います。ふらふらの浮浪者に重たい袋を背負わせました。元々倒れそうな状態だった浮浪者は、過酷な仕事に耐えきれず倒れてしまいます。そのまま浮浪者は死亡してしまいます。この時、袋に下敷きになっているはずの浮浪者が、恐ろしい形相で男の足首を掴みます。浮浪者の怨念は男に、「幸せの絶頂の時、迎えに来る」と呪いを残して消えました。

その後、男の人生は怖いほどの順調に回り始めます。サッカーくじに当たってお金を得たり、遺産を得たり、自分が考えた商品が大ヒットしたりと、男は億万長者になっていきます。美しい妻と結婚し、可愛い娘にも恵まれました。ある時、男が愛する娘と過ごしていた時、娘がポップコーンを放り投げて食べるのを見て、「なんて幸せなんだ」と感じ入ってしまいます。ここが、男の「幸せの絶頂」だったのです。

次の瞬間、娘の舌に浮浪者の怨霊が浮かび上がり、男の首を恐ろしい力で掴みます。娘に乗り移った不良者は、これまでの男の成功は、絶頂から突き落とすために自分が影でサポートしてきたと明かします。そして、男に審判を下そうと言うのです。浮浪者は、「街灯よりも高くポップコーンを投げ、3度口でキャッチ出来れば見逃してやる」とゲームを持ちかけます。このゲームに運命を決めさせると言うのです。

男は決死の覚悟でゲームに挑み、一度は眩しさにピンチに陥りながらも、見事キャッチします。二度目はポップコーンを貰おうと集まってきた鳩のせいで危機に瀕しますが、ポップコーンをばらまいてなんとかキャッチします。しかし、残されたポップコーンはたったの一個となり、たくさんの鳩が狙っています。男はポップコーンに火をつけて放り投げ、鳩を交わします。

しかし、最後の最後で燃えるポップコーンが太陽の火と同化してしまい、キャッチに失敗してしまいます。浮浪者は即座に男の首を刎ねました。男はゲームに失敗し、殺されてしまったのでした。浮浪者は最後に満足そうに天へと昇って行ったのでした。岸辺露伴は動かないの懺悔室の大まかなあらすじをネタバレしました。あらすじネタバレの次に、懺悔室の最後の意味をネタバレ考察していきます。

懺悔室のストーリーの最後には、浮浪者の怨霊に男が殺されたと語られます。しかし、懺悔室で岸辺露伴に告白をしている人物は誰か？という謎が表出します。岸辺露伴も「今語っている男は誰か？」と疑問を抱いています。男は話を続けます。あらすじの最後にもネタバレ紹介しましたが、男を殺した浮浪者は満足そうに天へ昇りました。しかし、この時浮浪者が殺したのは、男の影武者だったのです。

男は億万長者になった結果、何でも自分の言う事を聞く召使を見つけていたのです。男は召使を自分そっくりに整形させ、自分は他人の顔に整形して執事として生活していたのです。召使と自分の身分を取り換え、浮浪者の目を欺いた男は、命だけは助かる事が出来ました。懺悔を終える男の元に、恨めしそうな声が聞こえます。騙された怒りに満ちた浮浪者の怨念と、男のせいで死んだ召使。

浮浪者と召使は、今度は男の娘が幸せの絶頂の時、絶望を与えに来ると言います。また、復讐に備えて整形までしていた男を見張るために、ずっとそばを離れずにいると言い放つのでした。懺悔を終えた男は、怨霊二人に取りつかれたまま教会を後にして行きました。岸辺露伴はそんな男に奇妙な尊敬の念を感じるのでした。ここまでは、懺悔室のあらすじネタバレと最後の意味もネタバレ考察しました。

岸辺露伴は動かないのエピソードの一つ「懺悔室」における幸福と不安を考察していきます。懺悔室のあらすじネタバレにもありましたが、浮浪者を死なせてしまい怨念に呪われた男は、その後の人生が好転していきます。「バカつき」だったと形容されていた男の人生ですが、億万長者にまで登りつめ可愛い娘まで授かっています。普通に考えればとても幸せな人生であるはずが、男は常に不安を抱えていたと考察されています。

男は自分が死なせてしまった浮浪者が、最後に残した「幸せの絶頂で迎えに来る」というセリフから、常に怯えて暮らしていたと考察されます。人生がどんなに上手くいっているようでも、いつか幸せが奪われてしまうのでは？と不安を感じていたからこそ、召使を整形させて影武者まで作っていたのです。召使を影武者にする男の人生は、最愛の娘の成長を「父親」として傍で見られない切ない人生だったと考察されていました。

この懺悔室のエピソードですが、岸辺露伴というキャラクターに語らせる所にも意味があると考察されています。岸辺露伴はジョジョシリーズの主人公ではないので、ちょっと癖のある人物です。基本的に自分勝手な性格の岸辺露伴が、敢えて語るストーリーには、彼の心を動かした理由があると考察されます。懺悔室のエピソードの最後には、岸辺露伴は懺悔した男に対し、「前向きに生きるところ」は尊敬できると言っています。

岸辺露伴は、ジョジョの奇妙な冒険本編の中で、「完成したマンガを誰も読んでくれないかも」と話し、不安を感じていると吐露しています。岸辺露伴程の精神力の持ち主でも不安を感じないという事はなく、人生とは常に幸せを失う不安と隣り合わせなのだと示唆されています。このように、幸せを失う不安を抱えながらも、自分の人生を前向きに生きる懺悔室の男に、岸辺露伴は共感を示したのだと考察されています。

岸辺露伴は動かないの懺悔室に登場した岸辺露伴の魅力を紹介していきます。懺悔室のあらすじネタバレにもありましたが、岸辺露伴は懺悔室というエピソードにおいて、狂言回しの役割を果たしています。懺悔室のあらすじのネタバレには、「男は最後には死んでしまうのに、懺悔室でストーリーを語った者がいる」という状況が描かれます。

実は男は影武者を仕込んでいたというトリックで締めくくられる懺悔室ですが、このトリックを効果的に見せるために、狂言回しである岸辺露伴が必要だったと考察されます。岸辺露伴はジョジョの奇妙な冒険シリーズの主人公のような、正義感に溢れて仲間を導くタイプのキャラクターではありません。基本的には自分の漫画のリアリティの為に、社会的なモラルすら無視していくスタイルです。

「岸辺露伴は動かない」というタイトルにもある通り、岸辺露伴は漫画の題材を得るために取材の旅に出て、自分から恐ろしい怪奇に飛び込んでいくのにも関わらず、怪奇に近づいていくことはしません。例えば、懺悔室で自分の数奇な人生を告白した男に対し、スタンド能力「ヘブンズ・ドアー」で何か手助けが出来たかもしれません。しかし、ここで岸辺露伴が怪奇に関わって行くことはありません。

岸辺露伴がどんな怪奇に遭遇しても、基本的に第三者という立場を貫くのが、「岸辺露伴は動かない」の暗黙のルールであるとされています。懺悔室というエピソードも、遭遇したのが岸辺露伴だったからこそ成立したと考察されています。岸辺露伴は主人公タイプのキャラクターとは違って、狂言回しの役割が似合う魅力に溢れたキャラクターなのです。

岸辺露伴は動かないの作者である荒木飛呂彦の魅力も紹介します。岸辺露伴は動かないの誕生経緯でも紹介しましたが、岸辺露伴は動かないはジャンプリーダーズカップにて掲載されました。しかし、実はこのジャンプリーダーズカップには「スピンオフは禁止」というルールがあったのです。このルールがあるにも関わらず、荒木飛呂彦はジョジョシリーズのスピンオフである「岸辺露伴は動かない」を書いたのでした。

荒木飛呂彦本人は「露伴先生に解説してもらったほうが良い」と語っており、ルールを破る事へも全く悪気がなさそうな様子でした。岸辺露伴は荒木飛呂彦もお気に入りのキャラクターに挙げており、思い入れもあったと考察されています。しかし、決められたルールを破ってまで岸辺露伴は動かないを掲載した荒木飛呂彦には、面白い作品を追求する姿勢が岸辺露伴そのものだとの感想が寄せられていました。

また、荒木飛呂彦はこの「スピンオフ禁止ルール」が無ければ岸辺露伴を書かなかったとも語っています。今では岸辺露伴は動かないはスピンオフ作品として非常に大人気となっていますので、この時にルールを破ってまで掲載されて良かったとも言われています。

岸辺露伴は動かないの懺悔室の主人公・岸辺露伴の名言をいくつか紹介していきます。まず、岸辺露伴の「ぼくは『読んでもらうため』に…」という名言は、漫画家である岸辺露伴のキャラクター性が良く分かる名言です。岸辺露伴はジョジョの奇妙な冒険4部の舞台となる杜王町に住んでいる若手漫画家です。彼のファンである広瀬康一は、岸辺露伴の家にサインを貰いに訪れます。

この出会いを経て、岸辺露伴は広瀬康一が自分と同じ不思議な力を使う「スタンド使い」なのだと知ります。ヘブンズ・ドアの能力で広瀬康一の記憶を読み、「最高の題材」を見つけたと興奮する岸辺露伴。彼の異様な執着心に広瀬康一は、すでに人気漫画家として成功している岸辺露伴が、何故自分に興味を持つのかと不思議に感じます。

そんな広瀬康一の態度に、岸辺露伴は「富と名声」の為に漫画を描いているのではないと激怒します。この時、岸辺露伴が言った名言がこの「ぼくは『読んでもらうため』に…」という名言でした。それ以外の事はどうでも良いと断言する岸辺露伴は、まさに究極の漫画家といえるキャラクターなのでした。

「もっとも『むずかしい事』は…」という岸辺露伴の名言は、岸辺露伴の行動原理が分かる名言と言えます。この名言は、ジョジョ4部のジャンケン小僧が登場するエピソードで岸辺露伴が言ったものです。ジャンケン小僧は、ジャンケンに勝つ事で相手の能力を奪えるスタンド使いでした。岸辺露伴に勝負を挑んだジャンケン小僧ですが、5回勝負の内最初は2連敗します。

しかし、その後運はジャンケン小僧の方へ向いていき、今度は岸辺露伴が2連敗を喫する事となります。最後の勝負に勝った方が勝者となる状況で、二人は意地のぶつかり合いのような運だめしをします。この時、岸辺露伴が放った名言がこのセリフでした。強い精神を持つ岸辺露伴らしいカッコいい名言となっています。

ジョジョの奇妙な冒険4部作中で登場した岸辺露伴の名言で、最も有名な名言と言えるのが「あいつを差し出せば…」という名言です。「だが断る」で締めくくられるこの名言は、ジョジョを読んだことが無いと言う人でも知っている程知名度が高いです。この岸辺露伴の名言は、ジョジョ4部のハイウェイ・スターのエピソードで登場します。ハイウェイ・スターは自動追尾型のスタンド能力で、非常にやっかいな敵でした。

ハイウェイ・スターは取りついた敵の養分を吸い取ってしまうスタンド能力です。トンネルの中に人をおびき寄せる囮の部屋を作り出し、それを目撃した岸辺露伴は興味を引かれて部屋に入ってしまいます。ハイウェイ・スターに取りつかれた岸辺露伴は危機に瀕します。この時、ハイウェイ・スターはその場にいた仗助を差し出せば、岸辺露伴は助けてやると持ちかけるのでした。

岸辺露伴はそんなハイウェイ・スターの取引を、この名言を放って突っぱねています。岸辺露伴は別の仗助をかばった訳ではなく、「自分で強いと思っている奴にNOをつきつける」のが好きなのだとこの名言で示していました。

岸辺露伴は動かないの懺悔室のその他登場人物を紹介していきます。まず、懺悔者はストーリーを語るメインの登場人物です。トウモロコシの加工工場で働いていた平凡な青年でしたが、助けを求める浮浪者を死なせてしまった事で人生が急変します。最後には怨霊二人を連れて去っていく姿が描かれており、その後どうなったのかは描写されていません。

懺悔室に登場し、ストーリーを展開させていく重要なキャラクターが浮浪者の霊です。懺悔者に食事を分けてもらおうとしましたが、労働を強いられて死んでしまいます。怨霊となって懺悔者に取りつき、幸せの絶頂で迎えにきます。ポップコーンを放り投げて口でキャッチするというシンプルなゲームを使って、自分の呪いが「逆恨み」なのかどうか、運命に決めさせました。

広瀬康一は、岸辺露伴は動かないのOVA版にのみ登場しています。ジョジョ4部において、広瀬康一は岸辺露伴の「唯一の友人」というキャラクターです。OVAの懺悔室では、広瀬康一が岸辺露伴にイタリア語を話せるようにしてほしいと依頼しています。これがきっかけで、岸辺露伴がイタリアで経験した「懺悔室」の話を語るという展開になります。

虹村億泰は広瀬康一の友人で、懺悔室のエピソードではエピローグに登場しています。浮浪者が長年に渡って周到に用意し、懺悔者に絶望を味わわせた事に対し、「悠長」だと話していました。

山岸由花子も懺悔室のOVA版にのみ登場しています。億泰と同様にエピローグにて登場しています。山岸由香子は広瀬康一の恋人で、エピローグでは怨霊の話を怖がる広瀬康一に「追い払ってあげる」と言っていました。

岸辺露伴は動かないの懺悔室に関しての感想をいくつか紹介していきます。まず、懺悔室への感想で多かったのが、岸辺露伴は動かないシリーズの中でも一番好きだと言う感想です。岸辺露伴は動かない動かないシリーズは、主人公が岸辺露伴だと言う事で、ホラー・ミステリ色が強くなっています。また、ハッピーエンドではない強烈な終わり方が印象深いと言う感想も寄せられています。

岸辺露伴は動かないシリーズは、実写ドラマ化も果たしています。人気俳優・高橋一生が岸辺露伴を演じて話題となりましたが、第2弾の放送も決定しています。今度はどのエピソードが実写化されるのか注目を集め、懺悔室にも「ドラマ化して欲しい」という感想が寄せられています。しかし、懺悔室のエピソードはドラマ化しにくいのでは？という感想も見られていました。

懺悔室への感想では、「ゾワっとする」という感想も見られていました。懺悔室のエピソードはハッピーエンドではないものの、最後のインパクトが強かったとする感想がたくさん見られています。また、懺悔室に関しての感想や評価では、ホラーテイストの強い所がとても良かったとする感想も挙がっています。

ここでは、岸辺露伴は動かないの懺悔室に関しての情報を詳しく紹介しています。懺悔室のあらすじや作品に対しての感想も詳しく紹介し、最後の結末についても考察しています。岸辺露伴は動かないシリーズの1作目となった「懺悔室」は、「スピンオフ禁止」というルールを破ってまで作者・荒木飛呂彦が描いた作品でした。その強烈なストーリーと結末は、多くのファンの心を掴んでいます。

是非、岸辺露伴は動かないの中でも特に人気の懺悔室をチェックして、懺悔者の男と浮浪者の緊迫の戦いや、幸福と不安について考えさせられるストーリーの顛末を楽しんでみて下さい。