2021年11月14日公開
2021年11月14日更新
【竜とそばかすの姫】天使(クリオネ)の正体は竜の弟・トモくん?伏線をネタバレ考察
細田守監督の映画作品『竜とそばかすの姫』。こちらの記事ではそんな竜とそばかすの姫に登場する"クリオネ(天使)"のアバターの正体が誰なのかを紹介しています。竜とそばかすの姫のストーリーを見ていると、クリオネの正体は竜のアバターの持ち主であるケイくんの弟・トモくんであると判明しますが、なぜトモくんがクリオネの正体なのか、それがわかる伏線をまとめています。竜とそばかすの姫を見てクリオネの正体がわかりにくかったという人は、こちらの記事を参考に確認してみてください。
目次
竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)とは?
竜とそばかすの姫の作品情報
2021年に公開された細田守監督のアニメーション映画作品『竜とそばかすの姫』。こちらの記事ではそんな竜とそばかすの姫に登場した、天使にもクリオネにも見えるアバターの正体が誰なのかを考察していきます。その前に、まずは竜とそばかすの姫の作品概要とあらすじをご紹介。竜とそばかすの姫の情報を再確認したい人はこちらの項目をチェックしてみてください。
竜とそばかすの姫の概要
竜とそばかすの姫は2021年7月に公開されたアニメーション映画作品です。作者は『時をかける少女』や『サマーウォーズ』といった人気映画を生み出した細田守監督。自身の長編アニメーション作品としては『未来のミライ』の次の作品となります。竜とそばかすの姫は日本以外にもアメリカや韓国といった海外でも上映されています。
主題歌は竜とそばかすの姫の主人公の声を務めた中村佳穂さんが歌唱しており、物語の内容だけではなく、彼女のその美しい歌声も話題となりました。竜とそばかすの姫ではアニメーションだけではなくCG技術もふんだんに取り入れられ、物語の舞台であるバーチャル空間の演出にも力を入れられています。映画のモチーフには『美女と野獣』が採用されています。
竜とそばかすの姫のあらすじ
母親の死がきっかけで歌が歌えなくなってしまった少女・内藤すず。ある日友人からインターネット上の仮想空間『U』を教えてもらい、そこで再び歌を歌えるようになります。ユーザーの間で彼女の歌が話題となり、1日にして膨大なフォロワーが集まったすず。Uの中でコンサートが開かれるほどの人気となりますが、そのライブ中、竜の姿をしたアバターが突如乱入し会場は混乱に陥るのでした。
天使(クリオネ)とは?
アニメ映画『竜とそばかすの姫』に登場するクリオネの形をしたアバター。主人公・すずのアバターであるベルに「天使」と呼ばれたこのクリオネですが、竜とそばかすの姫の劇中では誰がこのアバターの正体なのかについて言及されていません。しかし、クリオネのアバターの声や、竜のアバターの正体であるケイくんと一緒にいるところを考えると、このクリオネの正体はケイくんの弟であるトモくんだと分かります。
竜とそばかすの姫の物語冒頭で、誰にも見向きされなかったベルに「きみはきれい。きみはすてき」と優しい言葉を掛けたクリオネ。仮想空間『U』のアバターは現実世界の本人の生体情報を元に作られるため、ベルに「天使」と呼ばれたクリオネの正体であるトモくんは、その心の清らかさが反映され天使にも見えるクリオネの姿として形成されたのではないかと考えられます。
竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)は誰?正体は竜の弟・トモくん?伏線を考察
考察①クリオネは竜の居場所を知っていた
竜とそばかすの姫の物語で、その正体が竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんだと判明したクリオネ。竜とそばかすの姫の物語では誰がクリオネの正体なのかはっきりとはセリフで登場していないため、誰が本物のクリオネのアバターの持ち主なのか分かりづらいかもしれません。
そこで、こちらの項目では竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんがクリオネの正体だと分かる伏線をご紹介します。竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんがクリオネ正体だとわかる伏線1つ目は、クリオネが竜のアバターの居場所を知っていたこと。竜は普通のユーザーではたどりつけない場所に城を構えています。
ベルもはじめはUの世界のAIにイタズラされ、いろんな空間に誘導され城にたどりつけないでいましたが、そんな時にトモくんのアバター・クリオネが現れ、竜の元に連れて行ってくれました。竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんがクリオネの正体であれば、この時にクリオネが竜の居場所を知っていたことにも説明がつきます。
考察②竜がクリオネを大事にしている
竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんがクリオネ正体だとわかる伏線2つ目は、竜のアバターがクリオネを大事にしていること。主人公・すずのアバターであるベルのライブに突如現れ、多くのアバターたちに攻撃をした竜。そんな凶暴な竜が唯一優しくしている相手がクリオネです。クリオネが空を浮遊してどこかへいってしまいそうなシーンでは、手で優しく包み込んでつなぎ止めている姿も見せています。
考察③竜しか知らないはずの歌を知っていた
竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんがクリオネ正体だとわかる伏線3つ目は、竜のアバターしか知らないはずのすずの自作の曲をトモくんが知っていたこと。竜を励まそうと、自分で作った歌を仮想空間『U』の中で歌ったすず。その場には竜とすずのアバターであるベルしかおらず、他の人は誰も知らないはずの歌です。しかし、トモくんは現実世界の動画配信サイトでその歌を口ずさんでいました。
竜のアバターの正体であるケイくん以外誰も知らないはずの歌をなぜトモくんが知っていたのか?それはトモくんの正体がクリオネであれば、現実世界でケイくんの傍で聞いていた、もしくは仮想空間『U』の中でベルがその歌を竜に聞せたときにクリオネとして近くにいたからと考えれば筋が通ります。
考察④リアルですずに会ったときのセリフ
竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんがクリオネ正体だとわかる伏線4つ目は、現実世界でケイくんとその弟・トモくんに会いに来たすずに、トモくんがクリオネのアバターと同じセリフを言ったことです。竜とそばかすの姫の物語冒頭で、仮想空間『U』に入ったすず。そこで歌を歌った時に、クリオネのアバターが近寄ってきて「きみはきれい。きみはすてき」というセリフを言っています。
またトモくんも、現実世界で対面したすずに対して「きみはきれい。きみはすてき」と全く同じ言葉を伝えました。以上のケイくんのアバターが竜で、その弟であるトモくんがクリオネのアバターと同じセリフを言ったという部分から、クリオネの正体がトモくんである可能性は間違いないでしょう。
竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)の登場シーン
ネタバレ①ベルの最初の歌のシーン
正体が誰なのか気になっている人も多いアバターのクリオネ。ここからはそんなクリオネが竜とそばかすの姫の物語に登場する仮想空間『U』の中で登場しているシーンをご紹介していきます。まず1つ目はベルが仮想空間『U』の中に始めて入った時に歌ったシーン。友人の少女・ヒロちゃんに教えられUをインストールしたすず。
"Belle(ベル)"という名前のアバターでUにログインしたすずは、仮想空間に入ると歌を歌い始めます。聞き慣れない歌に周りのアバターたちは素通りしたり陰口を漏らしますが、そんな中、クリオネの姿をしたアバターがベルに近づいてきます。ベルが後に「天使」と形容するそのアバターは、彼女に「きみはきれい。きみはすてき」と言葉をかけます。これがベルとクリオネの初めての出会いとなりました。
ネタバレ②ベルの最初のフォロワーになる
竜とそばかすの姫の物語でクリオネのアバターが登場するシーン2つ目は、クリオネのアバターがベルのフォロワーになったシーンです。ベルというアバターを作って始めて仮想空間『U』にログインしたすず。その後現実に戻ったすずはUのアプリを開き自分のフォロワー数を見ますが、そこに表示された数字は「0」。
少し残念そうな表情をしたすずですが、その直後、先ほどUの中で自分に声を掛けてくれたクリオネのアバターがフォロワーになったと通知が入ります。自分をUに誘ってくれた友人のヒロちゃんも続けてすずのアバターをフォローしたと通知が入りますが、すずの初めてのフォロワーはクリオネとなったのでした。
ネタバレ③竜を負かした3人の相手に聞き込みするシーン
竜とそばかすの姫の物語でクリオネのアバターが登場するシーン3つ目は、竜のアバターと戦った相手に聞き込みをするシーンです。主人公・すずのアバターであるベルのライブに乱入した竜。彼のことが気になったすずは竜がどんな人物なのかについて聞き込みを始めます。すると竜と戦って彼に勝った人物が3人いることが判明します。
そのうちの1人が、先日ベルに声をかけてきたクリオネ。他のアバター2人はすずの代弁者・ヒロちゃんの「なぜあなたは竜に勝てたの?」という質問に答えますが、クリオネのアバターは反応したものの、その質問には返答せずに接続を切ってしまったのでした。
ネタバレ④ベルを竜のいるところまで案内する
竜とそばかすの姫の物語でクリオネのアバターが登場するシーン4つ目は、竜の城を探していたすずのアバター・ベルを竜の元に案内するシーンです。竜のアバターが人には知られていない場所に城を構えていることを突き止めたすず。廃墟の奥にあると友人・ヒロちゃんの言葉を信じて進んでいきますが、そこには何人ものAIが立ちはだかり、ベルを城に行かせないよう誘導します。
そこに現れたのが、例のクリオネのアバターでした。AIたちのイタズラに翻弄され困っているベルの前に突如現れたクリオネは、「ついてきて」と言うと、煙の奥に進んでいきます。すると、そこには古びた城が出現し、ベルは彼の後をついていくのでした。
竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)が竜に勝てた理由やその他の謎を考察
考察①クリオネが竜に勝てた理由
竜とそばかすの姫の物語に登場するクリオネの姿をしたアバター。主人公・すずのアバターのベルに優しい言葉をかけたり、普段一緒にいることの多い竜のアバターとは反対にか弱そうな見た目をしています。そんなクリオネですが、仮想空間『U』のユーザーの中でも問題視されている竜に勝負で勝ったことがあります。
その理由については、『竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)の登場シーン』の項目でご紹介したように、クリオネの正体が竜のアバターの持ち主であるケイくんの弟であることが関係していると考えられます。ケイくんとトモくんは現実世界で父親に虐待を受けていました。
そんな時でもケイくんは弟であるトモくんをかばい、必死に守っていました。そんな関係性から、仮想空間『U』の中で弟に勝負を挑まれたケイくんは、手加減をして可愛い弟のトモくんに勝利を譲ってあげたのではないかと考えられます。
考察②トモくんのAz(アズ)がクリオネだった理由
竜とそばかすの姫の物語の中でトモくんのアバターがクリオネの姿になった理由については、すずがトモくんのアバターを見て「天使」と言ったことがヒントになるのと考えられます。仮想空間『U』のアバターは、持ち主の生体情報を元に自動で作成されます。
そのため、物語冒頭でUのユーザーたちから批判されていたすずに優しい言葉をかけたトモくんの性格が"天使のよう"という意味で、"流氷の天使"と呼ばれているクリオネになったのではないでしょうか?また、物語上ではトモくんは簡単な受け答えが多く、どこか魂が抜けたような姿の人物として描かれています。
そして実物のクリオネは、可愛い見た目に反して共食いをすることでも有名です。それを踏まえると、父親の虐待に耐えながらも、あと一歩で父親に手をかけてしまいそうな危うさもあるという意味も反映されてクリオネのアバターになったのではないかとも考えられます。
竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)に関する感想や評価
あと、昨日『竜とそばかすの姫』観に行ってきた。確かにツッコミどころ(特に終盤)はあったけれど、普通に面白かった!細田守の作品を観たのが実は初めてなのでとりあえず『サマーウォーズ』は絶対観ておかねばと思った。ところでクリオネは結局誰?
— たまごやき (@eggc00king) July 25, 2021
竜とそばかすの姫の物語で、その正体が明言されていなかったため「正体は誰?」と言われることも多いクリオネのアバター。物語中に登場する「きみはきれい。きみはすてき」のセリフなど、トモくんがクリオネの正体だと分かる伏線が度々登場しているので、劇場でわかりにくかった人は『竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)は誰?正体は竜の弟・トモくん?伏線を考察』の項目をチェックしてみてください。
竜とそばかすの姫
— ささめゆき❄️ (@sasame_yuki3) August 7, 2021
観てきた👏中村佳穂さんの歌声がじんわりと胸にきて泣いてしまった😭あとお父さんな……😭😭
エンドロール見てる時に思ったんだけど、忍派と竜(恵)派で意見が分かれそうだな。あとは別枠で智くん。智くん、アバターがクリオネだけど…天使でした。 pic.twitter.com/zTPvma9JWW
こちらの感想では、竜とそばかすの姫の物語中にすずが口にしたように、トモくんのことを天使だと表現されています。虐待を受け自分が辛い状況にいても人に優しくできる清い心の持ち主のトモくん。そんな彼のアバターは"流氷の天使"と呼ばれるクリオネの姿がピッタリなのではないでしょうか?
竜とそばかすの姫のクリオネ(天使)可愛すぎて作ったけど何だろうこのサンリオ感は……😇#竜とそはかすの姫#クリオネ#clione#seaangel pic.twitter.com/7yu3JwJ3cj
— Mix (@Mix_VFX) September 9, 2021
竜とそばかすの姫の鑑賞者の中には、トモくんのアバターであるクリオネの可愛さを見て映像作品を作る人も登場しています。様々な背景に合わせたクリオネの可愛い画像を見たい人はこちらのツイートにアクセスしてみてはいかがでしょうか?
竜とそばかすの姫の天使(クリオネ)まとめ
以上、『竜とそばかすの姫』に登場するクリオネのアバターの正体についてご紹介してきました。物語の中ではクリオネの正体について明言されていないため「正体は誰?」と言われることも多いですが、「竜と親しい間柄」「すずが竜に贈った歌を知っている」「クリオネがベルに言った言葉をすずにも言っている」という点から、その正体は竜のアバターの持ち主・ケイくんの弟であるトモくんであると分かります。
今回ご紹介した細田守監督のアニメ映画『竜とそばかすの姫』は、名作『美女と野獣』をモチーフにしており、ディズニー作品を手がけたスタッフを引き入れ、高度なCG技術にも挑戦した力作。これから竜とそばかすの姫を視聴する際には、ストーリーと一緒に映像の美しさにも注目して鑑賞してみてはいかがでしょうか?