【本好きの下剋上】フェルディナンドがマインと結婚した理由は？出会いや過去を考察

香月美夜による小説「本好きの下剋上」。この記事では本好きの下剋上に登場するフェルディナンドを特集していきますが、その前にまずは本好きの下剋上の作品情報からお届けします。最初に本好きの下剋上の概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

「本好きの下剋上」は、ライトノベル作家でエッセイストの香月美夜による小説です。本好きの下剋上は略称で、正式タイトルは「本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」。小説投稿サイト「小説家になろう」に2013年9月より連載投稿され2017年3月に完結しました。この間に投稿されたのは677話におよび5部構成となっています。

本好きの下剋上は、”なろう小説”の主流を占めるいわゆる異世界転生もので、中世ヨーロッパ風の世界を舞台としたビブリア・ファンタジー作品となっています。また、本好きの下剋上は書籍化も行われ、TOブックスより単行本全29巻が刊行されています。（本編27巻と外伝1巻および短編集1巻）。本好きの下剋上の単行本累計発行部数は2021年8月時点で500万部を超えています（電子版を含む）。

何よりも本を読むのが好きな女性・本須麗乃。司書の資格を取得し図書館への就職も決まってさあこれからという時に、地震で倒れてきた本に押しつぶされて亡くなってしまいます。未練を残して天へと旅立ったはずの彼女は、気づくと異世界の中世ヨーロッパ風の都市に幼女マインとして転生していました。魔法を操る貴族が支配する世界で厳格な身分制度が縛られながらも、大好きな本を手に入れるためマインの挑戦が始まりました。

ここからは、本好きの下剋上のフェルディナンドの話題に入っていきます。まずはフェルディナンドのプロフィールから紹介していきます。

本好きの下剋上のフェルディナンドは、神殿の神官長を務める人物で、神殿での膨大な実務を一手に担っています。先代のエーレンフェスト領主の子として生を受けますが、実の母親には見捨てられ義母となったヴェローニカにはいじめられるといった不幸な過去を持っています。

神殿では、本好きの下剋上の主人公マインの教育係として影となり日向となって彼女をサポートします。感情を表に出すのが苦手で、マインには”魔王”とか研究に没頭するところから”マッドサイエンティスト”と呼ばれています。無償の優しさを示すマインには、次第に心をひらいていきました。

ここからは、いよいよ本題である本好きの下剋上のフェルディナンドと主人公マインとの出会いや結婚した理由についてネタバレで考察していきます。

最初は本好きの下剋上におけるフェルディナンドとマインの出会いからです。「本好きの下剋上」の舞台となる国では季節ごとに洗礼式という儀式が行われます。その季節に誕生した7歳になる子供を正式な市民として登録するのです。7歳になったマインも洗礼を受け巫女となる時がやってきました。マインの洗礼の「誓いの儀式」を執り行ったのが神官長フェルディナンドで、この時2人は出会います。

2人の出会いには偶然という要素が絡んでいました。本来、「本好きの下剋上」において誓いの儀式は神殿長の部屋で行われるのですが、マインの魔力を恐れた神殿長が拒んだためフェルディナンドの部屋で行われることになりました。こうした偶然が2人を出会いへと導いていったのです。

フェルディナンドとの出会いとなった儀式が無事執り行われ、晴れてマインは巫女となりました。しかし、神殿長に嫌われている上、平民であるマインは他の青色神官とも面識はありません。そんな彼女の指導役をフェルディナンドは進んで引き受けてくれました。

その後、「本好きの下剋上」のマインはエーレンフェストの領主ジルヴェスターに養女として迎え入れられます。それに伴い名前をマインからローゼマインに改名。神殿での地位にも変化があり、何と神殿長に抜擢されます。フェルディナンドは神官長に留まり、後見人として彼女をサポートしていくことになりました。

女神の魔法により下町時代の記憶を封印された「本好きの下剋上」のローゼマイン。フェルディナンドは、大切な者たちの記憶をローゼマインに思い出させるため、魔法陣を使い記憶の同調をはかります。一進一退の手間のかかる作業でしたが、フェルディナンドは諦めずに続けていきます。

やがてローゼマインの指輪がキラリと光ると、テンションが上り魔力が溢れ出してきました。ローゼマインはその魔力を使って全身全霊で祈りを捧げます。すると、祝福の光が彼女を照らし、次の瞬間ローゼマインの記憶は一本の線で繋がりました。すべての記憶が蘇ったのです。閉じていたローゼマインの目が開くと、フェルディナンドは「良かった」と言って彼女を抱き寄せるのでした。

フェルディナンドは、記憶の戻ったローゼマインに平民に戻りたいかどうか尋ねます。平民に戻れば彼女が大切に思っているルッツと一緒になれることを慮った上での提案でした。ところが、ローゼマインの口をついて出たのは「フェルディナンドが心配なので戻れない」という答えでした。彼女の中では、家族のもとに戻りたい気持ちとフェルディナンドに責任を背負わせることはできないという気持ちが交錯していたのです。

フェルディナンドは「平民に戻らなければ私と結婚することになる」といって説得を試みます。ところが、ローゼマインにはフェルディナンドのこの言葉の意味がわかりません。フェルディナンドはローゼマインに返答の余地を与えず、続けざまに以下の3つの選択肢を提示しました。

最後にフェルディナンドがマインと婚約した理由を解説します。本好きの下剋上第5部でフェルディナンドとローゼマインは婚約式を挙げることになります。王命によりフェルディナンドがローゼマインの婚約者になっていたのがその理由です。かつてローゼマインが「政略結婚するならフェルディナンドが理想」と言ったのを聞いていた側近が結婚できるよう手を回したようでした。

ただフェルディナンドも婚約し結婚することを望んでいました。なぜフェルディナンドはローゼマインとの婚約や結婚を希望したのでしょうか？実は、その理由はフェルディナンドの心のなかに隠されていました。

この結婚は表向きは政略結婚ですが、その裏にはローゼマインの家族であり続けたいというフェルディナンドの思いがありました。家族への愛情が薄いフェルディナンドですが、ローゼマインと彼女の家族の絆を目の当たりにして、家族への親愛の情が湧き上がってきました。フェルディナンドがローゼマインとの婚約に踏み切った理由は、ローゼマインと家族であり続けたいと思ったからだったのです。

フェルディナンドは、自分の望みをめったに口外することはしません。しかし、ローゼマインと同調したことで彼の結婚したいという気持ちはローゼマインに伝わりました。ローゼマインもまたフェルディナンドのことを大切な存在だと思っていたことから、2人は婚約し結婚することを決めたのです。

本好きの下剋上のフェルディナンド特集の最後に、彼の過去をネタバレで解説していきます。本好きの下剋上のフェルディナンドはアダルジーザの離宮で生まれました。ここで生まれた子供はアダルジーザの実と呼ばれ、女子であればユルゲンシュミットに献上される姫として育てられます。

また、男子だった場合、最も魔力の高い者をランツェナーヴェの次期国王になりますが、それ以外の子供は処分され魔石として売買されます。フェルディナンドは後者に当たり、いつ処分されてもおかしくない状況下に置かれていました。しかし、エーレンフェストの領主が引き取ることになり最悪の事態である処分は免れました。フェルディナンドにはそんな過酷な過去があったのです。

その後、本好きの下剋上のフェルディナンドは、エーレンフェストの領主で異母兄のジルヴェスターの補佐役となります。ところが、義母のヴェローニカは実の息子ジルヴェスターの地位を脅かしかねないとと考え、フェルディナンドに虐待を繰り返すようになります。役立たずと罵り精神的に追い詰め、さらには毒入りの食事を出して命を狙うまでにエスカレートしていきました。

こうした辛い過去を持つフェルディナンドでしたが、持ち前の精神力で能力を高めていき、自他ともに認める優秀な青年に成長していきました。後に、こうした過去の不幸な経験から家族への愛情が乏しくなった旨をマインに語っていました。

辛く過酷な過去を持つフェルディナンドですが、その後貴族院に入学したフェルディナンドは勉学に邁進、領主候補生や騎士見習いなどすべての項目で最優秀賞を獲得します。貴族院の教師で研究の鬼・ヒルシュールに師事し、フェルディナンド自身も研究に没頭する日々を過ごしました。

貴族院を優秀な成績で卒業したフェルディナンドは騎士団に入りますが、時を同じくしてフェルディナンドを理解してくれた父アウブ・エーレンフェストが帰らぬ人となってしまいます。ヴェローニカの嫌がらせは更に高じていき、身の危険を感じたフェルディナンドはジルヴェスターの勧めもあり神殿に仕えることとなりました。

ジルヴェスターに送ってもらった大量の書物は、神殿の図書館に収められました。これらの書物が、本の虫・マインの心を捉えフェルディナンドとの関係を築いていくきっかけともなったのです。

ここからは、アニメ「本好きの下剋上」でフェルディナンドの声を演じたアニメ声優・速水奨を紹介します。以下にプロフィールを記します。

• 名前：速水奨（はやみ・しょう）
• 性別：男性
• 出生地：兵庫県高砂市
• 生年月日：1958年8月2日
• 年齢：63歳（2021年11月現在）
• 身長：174cm
• 職業：声優、俳優、歌手
• 事務所：Rush Style

速水奨が声優になったきっかけは、ニッポン放送主催の「アマチュア声優・ドラマ・コンテスト80」への出場です。22歳の速水は雑誌で偶然知り応募、見事グランプリを獲得したのです。その後、ラジオドラマ「超人ロック〜コズミックゲーム〜」やアニメ映画「1000年女王」などに出演する機会を得て声優としての経験を積んでいきました。

1982年には「超時空要塞マクロス」のマックス役を好演して評判になり、次のアニメ作品「超時空世紀オーガス」では主役を獲得、声優として飛躍を遂げていきます。以降ロボットアニメ作品を中心に主役を演じる人気声優となりました。

次に、本好きの下剋上でフェルディナンドを担当したアニメ声優・速水奨の数多い出演作の中から、テレビアニメの主な出演作品を紹介します。

• 超時空要塞マクロス（マクシミリアン・ジーナス）
• BLEACH（藍染惣右介）
• 戦国BASARA（明智光秀）
• FAIRY TAIL（一夜＝ヴァンダレイ＝寿ほか）
• 灼眼のシャナIII-FINAL-（祭礼の蛇）
• ご注文はうさぎですか?（香風タカヒロ）
• 暗殺教室（浅野學峯）
• 食戟のソーマ（薙切薊）
• 銀魂（星海坊主）
• ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-（神宮寺寂雷）

ここまで本好きの下剋上のフェルディナンド特集をお届けしてきましたが、最後にフェルディナンドに関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する本好きの下剋上のフェルディナンドに関する感想・評価は、本好きの下剋上を読了したという方のツイートからです。本好きの平民が国王の上の地位にまで上り詰めるストーリーが面白かったと言います。特に、暗い過去を持つフェルディナンドとマインが家族になれたハッピーエンドに感動したようです。

続いて紹介する本好きの下剋上のフェルディナンドに関する感想・評価は、本好きの下剋上のアニメを先のストーリーがわかった上で観直すと見方が変わるというツイートからです。

小説や漫画で先のストーリーを知ったのでしょうか？改めてアニメを観ると、マインとフェルディナンドとの距離感からは、後の婚約や結婚は思い描けないようでした。

最後に紹介する本好きの下剋上のフェルディナンドに関する感想・評価は、フェルディナンドの話をさらに知りたくて小説を読み始めたという方のツイートからです。こちらはアニメを先に観た方なのでしょうか？フェルディナンドの登場シーンが待ちきれないようでした。

ここまで「本好きの下剋上に登場するフェルディナンドがマインと結婚した理由は？」と題して、フェルディナンドと主人公マインとの出会いや婚約・結婚、そしてフェルディナンドの過去をネタバレで考察してきました。いかがでしたでしょうか？

神殿での実務を一手に担い、実質的には神殿長よりも影響力を持つ神官長のフェルディナンド。その反面、彼には辛く暗い過去がありました。幼児期に受けた虐待はトラウマとなって彼の精神を蝕み、家族への親愛の情を奪っていきました。

そんな彼が無償の愛を与えてくれる存在、マインと出会い婚約・結婚に至ります。フェルディナンドがマインと婚約し結婚した理由は、政略的なものではなくマインと家族であり続けたいという純粋なものでした。Twitterの感想にもあったようにフェルディナンドとマインのハッピーエンドが「本好きの下剋上」を素敵な作品にしているのかも知れません。