【ファイアパンチ】 アグニはどんな主人公？作品の魅力とあらすじも考察

ファイアパンチのアグニとは、話題作となった漫画ファイアパンチに登場するキャラクターで、本作の主人公となる青年です。壮絶な体験を経て、「体が燃えながら生きている」という他にはないキャラクターとなったアグニ。アグニがどのような主人公なのかネタバレ紹介していく前に、ファイアパンチの作品概要を紹介していきます。

ファイアパンチとは、日本の漫画家・藤本タツキによる漫画作品です。集英社の漫画配信サイト「少年ジャンプ+」にて2016～2018年の間、毎週月曜日に連載されていました。少年ジャンプと言えば、王道のストーリーやヒーロー物など明るい雰囲気の作品が多いことが特徴ですが、ファイアパンチはそんなジャンプ作品としての常識を覆す作品として注目を集めていました。

ファイアパンチは「このマンガがすごい！オトコ編」の1位を獲得する等、話題を集めた作品です。ストーリーは全83話で構成され、コミックスは8巻で完結を迎えました。全8巻というボリュームながら、二転三転するストーリー展開は読者の予想を大きく裏切っており、他にはない作品として作者・藤本タツキの出世作となりました。

ファイアパンチの主人公・アグニのプロフィールを紹介していきます。ファイパンチの主人公であるアグニは、辺境の村で暮らす少年でした。まず、ファイアパンチの世界観が「氷の魔女」に氷漬けにされてしまった荒廃した世界となっています。アグニは妹のルナと二人だけで細々と暮らしており、正義感が強く妹思いのキャラクターです。

ファイアパンチの世界には特殊な能力を持つ「祝福者」と呼ばれる人々が生まれます。アグニも再生能力を持つ祝福者で、体が傷ついても元通りに治る能力を使い、自分の腕を切り落として食料として人々に与えていました。

話題作となった漫画・ファイアパンチの主人公・アグニがどんな主人公なのか？人物像や成長を考察していきます。まず最初は、アグニは辺境の村で自分の腕を切り落として人々に与えるような、正義感の強い少年でした。大切な妹・ルナと助け合って暮らしており、ルナをとても愛していました。

慎ましく暮らしていたアグニとルナでしたが、ある日大国ベヘムドルグからやってきた兵士達に、人々の家に残るアグニの骨を見られてしまいます。人骨を目撃したベヘムドルグの兵士・ドマは、人肉食をしている人々を皆殺しにしてしまいます。村ごと人々を焼き尽くしたドマは、一度燃えると決して消えない炎の祝福者でした。妹ルナも焼き殺されたアグニは、ドマに復讐を誓います。

ファイアパンチの物語が進むと、アグニはベヘムドルグのドマに再開します。アグニはドマの炎に焼かれながらも再生能力者のためにすぐに死ぬことはなく、燃えながら生きている状態でした。体を燃やしながらも歩き続ける異様な状態になっていたアグニは、激痛に耐えながらドマへの復讐だけ考えていました。やがてドマに再開したアグニでしたが、数年ぶりに会ったドマは変わっていました。

過去の行いを後悔して改心しているドマは、ベヘムドルグの兵士を止めて穏やかに暮らしていました。孤児を集め、たくさんの子供たちから慕われながら暮らしていたドマは、過去に焼き尽くした村から来たアグニに許しを乞いました。子供たちの命を背負っているドマは、自分が死ぬ以外で何でもするととても後悔している様子なのでした。

話題の漫画・ファイアパンチの大きな特徴の一つに、主人公のアグニが一体何者なのかよくわからないという点があります。ファイアパンチのストーリー自体が、勧善懲悪の少年漫画らしいストーリーではありません。アグニというキャラクターも、主人公らしかったり、悪役の様だったりと、どんどん立場が変わっていきます。

ファイアパンチの主人公・アグニは、ファイアパンチ作中でも様々な役割を与えられてまるで役を演じているような状況になっていきます。ファイアパンチを読む読者も、アグニに様々な役を投影してみることが出来ると考察されています。

ファイアパンチに登場するキャラクター達を紹介します。ダツとニオデラは、トガタの部下のカップルです。同性愛者のカップルで、同性愛を認めないベヘムドルグから逃げ出してトガタの部下になりました。

バットマンは、かつてアグニに息子を助けられたアグニ信者のリーダー格の男性です。人の心を読む祝福者で、トガタの中身が男性であることを見抜きました。ベヘムドルグを憎んでおり、奴隷たちを助け出しました。

ファイアパンチに登場するウテイは、バットマンと行動を共にしていたキャラクターでアグニ信者の一人です。ベヘムドルグから逃亡する時にバットマンから先頭を任されており、敵の襲撃にあってしまいます。

ファイアパンチのビッチは、アグニの噂を聞きつけてやってきた祝福者です。ビキニにパーカーを着用しているという姿の為、トガタにビッチと呼ばれるようになりました。アグニ教の人々と行動しますが、アグニを神様とは思っていません。

仮面の男は金属を作り出せる祝福者です。過去に家族を殺して自分の顔を焼いたユダを憎んでいます。ユダの木発生時には拠点にいなかった為に生き残っています。10年後にアグニの元からユダを連れ去り対決する事となります。

ファイアパンチの漫画あらすじネタバレしていきます。ファイアパンチが話題の漫画となったのは、導入がとても衝撃的だったからとも言われています。氷に覆われた世界で妹のルナと一緒に暮らしていたアグニ。ベヘムドルグに村を襲われ、自分以外の住人は焼き殺されてしまいます。

妹のルナと一緒に死んでしまおうと思っていたアグニでしたが、ルナが死の間際に残した「生きて」という言葉に報いるため、身体を焼かれ続ける痛みを克服して立ち上がるのでした。こうして燃えながら生きている状態となったアグニは、ドマへの復讐を誓って歩き出すのです。やがてアグニは偶然助けた少年・サンを共に行動するようになります。ベヘムドルグにとらえられたアグニは、ルナにそっくりなユダに出会います。

ファイアパンチの2巻では、アグニはベヘムドルグによって海に捨てられそうになってしまいます。2巻では謎の女性・トガタが登場し、ストーリーは大きく変わっていきます。トガタは映画が大好きなキャラクターなのですが、ベヘムドルグによって映画のコレクションを焼かれてしまいます。トガタは自分で映画を製作することにしますが、ある時燃えながら生きているアグニの映像を見て彼に接触します。

トガタはアグニを映画の主人公にするつもりでした。トガタはベヘムドルグの兵士を全滅させ、アグニに主人公になれと言いました。またその一方でトガタはベヘムドルグに向かい、ユダにアグニを殺すように誘うのでした。

トガタは映画の見せ場を作る為、アグニには戦いを教え、ユダにはアグニの殺し方を教えます。アグニはトガタに言われるままにベヘムドルグに向かい、敵の祝福者たちと戦います。アグニは何度も立ち上がり、祝福者をみんな倒してしまいます。ベヘムドルグの奴隷たちはアグニを神と讃えるようになっていきます。アグニはルナにそっくりなユダも燃やそうとしますが、何者かが現れて彼女を救い出すのでした。

ベヘムドルグを崩壊させたアグニ。奴隷たちはトガタ達とベヘムドルグを後にします。ベヘムドルグの残党に襲われる一行でしたが、アグニの噂が各地に伝わっており、アグニを神様とする人々に助けられます。アグニはどんどん神として崇められていき、アグニ教という宗教まで出来上がって行きました。一方氷の魔女に助けられたユダは、自分にそっくりなスーリャと出会います。

スーリャから世界の真実を聞いたユダ。スーリャは地球の生物を犠牲にして木を生やす事で氷河期になってしまった地球を暖めようとしていました。その理由は「スターウォーズの続編が見たい」というとんでもないものでした。

ファイアパンチ5巻では、強烈なキャラクター・トガタの真実が明かされます。実はトガタは「体が女、心は男」の性同一性障害であり、そんな自分に強烈な嫌悪感を抱いていました。この事を知られたトガタはアグニの元を去ろうとし、アグニに引きとめられます。「面白い事をしろ」と要求するトガタに、アグニは生き延びていたドマに会う事を決心します。

復讐の相手・ドマと再会したアグニでしたが、過去を悔いてたくさんの子供を育てているドマと和解します。ドマの家を後にするアグニでしたが、突然脳内にルナが語りかけてきます。ドマを殺してファイアパンチになってほしいと言う彼女の声に、気付けばアグニはドマの家を焼き払っていたのでした。自分に絶望して湖に沈んだアグニでしたが、トガタに助けられます。しかし、トガタは燃えて死んでしまったのでした。

トガタが死んでしまった後、アグニは仲間たちの所へ戻りましたが、人々は謎の木に栄養を吸われて全滅していました。絶望するアグニでしたが、何者かの声に呼ばれて向かうと、木にされてしまったユダがいます。アグニはルナにそっくりなユダを倒せば、ルナを取り戻せるのではないかと考え、ユダを倒します。大きな木は崩壊し、気付くとアグニの炎は消えていました。ユダも記憶を失って子供のようになっています。

記憶を失ったユダにアグニは「ルナ」という名を与えます。アグニとユダはたどり着いた建物で生き残った女性達と出会います。女性達と一緒に暮らす事になったアグニとルナでしたが、彼女達はアグニが殺したドマの教え子だったのでした。ある時、仲間の一人が攫われてしまい、アグニは助けに向かいます。再び炎を纏ったアグニでしたが、仲間達に「ファイアパンチを殺してほしい」と言われてしまいます。

ファイアパンチを殺すと約束したアグニ。今まで自分が何者なのかは他人が決めてきたと振り返ります。ドマの教え子たちと暮らしながら、罪悪感を募らせていくアグニ。ファイアパンチを殺さなければいけないと感じながら、アグニは心を病んでいきます。ある時、遂に海に入って死のうとしたアグニをルナが止めました。アグニは死ぬことが出来ないまま10年という月日が流れて行きました。

10年という月日を過ごしたアグニでしたが、ある日ルナを奪われてしまいます。アグニはルナを取り戻しに行きますが、アグニ教の信者達と戦う事になってしまいます。かつて自分を慕っていた少年・サンは顔が変わってしまったアグニを「アグニ様じゃない」と認めず、激しい戦いに発展します。サンも倒したアグニでしたが、自分も記憶を失ってしまいます。ルナも木になってしまいました。

アグニは記憶を失い何にも縛られなくなって初めて「生きたい」と思えましたが、また誰かの人生を演じる事になってしまいます。最後にはアグニは木になって長い年月を生きていたルナに再会し、二人はお互いの事は覚えていないながらも、安心して眠りにつくのでした。

話題作となったファイアパンチの面白い魅力を紹介します。まず、少年漫画らしくないハードな世界観が注目されました。氷漬けになった世界で飢えに苦しむ人々や、自分の腕を切り落として与えるアグニ。妹ルナと死別する衝撃的な展開等、ハードな世界観が話題となりました。

ファイアパンチはストーリーも強烈ですが、登場するキャラクターもクセが強いのです。特に2巻から登場するトガタは奇想天外なキャラクターで、彼女を中心としてストーリーは激変していきます。トガタは唯一無二の印象深いキャラクターとして人気となりました。

ファイアパンチのストーリー展開は、読者の予想を裏切るものばかりでした。あらすじを見てみても、その突然の展開が良く分かります。どんどん状況が変わっていくアグニや、アグニを取り巻く人々の変化など、8巻というボリュームの中で非常に濃い内容が描かれています。

ファイアパンチのアグニに関しての感想や評価を紹介していきます。アグニに関しての感想では、物語冒頭から村の人々を皆殺しにされ、妹も目の前で失ってしまうアグニの境遇が辛すぎると言った感想が見られていました。

物語の最初からとてもつらい目に会ってしまうアグニ。ファイアパンチのストーリーは驚きの連続ですが、主人公のアグニがどうなってしまうのか見届けたくなるといった感想も見られていました。

ファイアパンチの主人公・アグニに関しての感想では、かっこいいという声も挙がっていました。アグニは体を燃やされながらも生きているという状態ですが、とても強い主人公です。圧倒的な力を見せつけるアグニは、かっこいい主人公としても注目されています。

ここでは、話題の漫画・ファイアパンチのアグニに関しての情報をまとめています。ファイアパンチのあらすじをネタバレし作品の魅力も解説しています。是非ファイアパンチをチェックして魅力的な主人公・アグニに注目して見て下さい。