ファイアパンチをネタバレ考察!最終8巻までの全巻あらすじと結末は?

紆余曲折を経て集英社が運営するウェブコミック配信サイト「少年ジャンプ+」で連載が開始されたのがファイアパンチです。そのあらすじは少年漫画としてはインパクトの強い内容で、一気に読者の関心を集める事になった反面、その媒体からそのあらすじが追いかけにくいという人もいます。今回はファイアパンチのあらすじをネタバレ有りで紹介しつつ、その結末までネタバレし、既に読破した人の考察を紹介していきます。

ファイアパンチをネタバレ考察!最終8巻までの全巻あらすじと結末は?のイメージ

目次

  1. ファイアパンチをネタバレ考察!最終8巻までの全巻あらすじと結末を紹介
  2. ファイアパンチとは?その魅力を解説!
  3. ファイアパンチの登場人物や能力を解説!
  4. ファイアパンチの最終8巻までのあらすじをネタバレ考察!
  5. ファイアパンチの最終8巻の結末をネタバレ考察!
  6. ファイアパンチを読んだ人の評価は?
  7. ファイアパンチをネタバレ考察!最終8巻までのあらすじと結末まとめ

ファイアパンチをネタバレ考察!最終8巻までの全巻あらすじと結末を紹介

少年ジャンプ+で連載された少年漫画でありながら、「復讐」「カニバリズム」「近親相姦」「グロテスクな表現」ととても少年漫画とは思えない内容で強いインパクトを与えたのがファイアパンチです。紆余曲折を経て2016年4月から少年ジャンプ+で連載された本作は、ウェブ連載という形式にも関わらずマンガ大賞2017にて8位を獲得するなど話題を集めました。

今回はファイアパンチのあらすじを結末までネタバレありで紹介しつつ、既に読破した人による世界観などの考察も合わせて紹介していきます。

ファイアパンチ 1/藤本 タツキ | 集英社の本 公式

ファイアパンチとは?その魅力を解説!

まず初めにファイアパンチについて簡単に解説していきます。ファイアパンチは当初はジャンプスクウェアにて連載を予定されていた作品でしたが、最終的には連載に至らず、2016年4月から集英社がウェブ配信する少年ジャンプ+で連載された作品です。

ジャンプ作品なのに世界観がハード!

集英社のウェブ配信する「少年ジャンプ+」は分類上は少年誌に該当する作品媒体です。にも関わらずファイアパンチのテーマといえる内容をネタバレすると「復讐」「カニバリズム」「近親相姦」「グロテスクな描写」などおおよそ少年誌ではあまり扱われないテーマを内容にしています。またベースとなる世界も人々が飢えと狂気に支配される極寒の世界であり、非常にハードな世界観をしているのが特徴です。

ネタバレしておくとそれらのハードな世界観は第1話の時点から発揮されています。1話のまだ世界観も掴めていない段階からでいきなり妹が兄の腕を斬り落とすシーンが描かれる事になるのです。文字にするだけでもグロいシーンですが、ファイアパンチのあらすじの中ではまだ軽いグロさで、このグロさこそがファイアパンチの特徴であるとも言えます。

クセが強すぎる個性的なキャラクター達

それぞれのキャラクターに関して詳しくは後述しますが、登場するキャラクターはいずれも非常にクセが強いです。主人公であるアグニはもちろん、アグニの妹にそっくりな容姿を持つユダ、またこのような世界観であるにも関わらず自身で映画を作る事を夢見てアグニを振り回し続けるトガタなど、多くの登場キャラクターがそのあらすじの中で強烈なインパクトを残しています。

先が読めないあらすじ

ファイアパンチのあらすじは一言で言うと全くと言っていいほど先が読めません。分類上はダークファンタジーであり、あらすじの発端こそ「復讐」がクローズアップされて始まりますが、上記でもネタバレしているように映画の撮影を目論むトガタの登場など、単なる復讐劇に終始することがないのがファイアパンチのあらすじの特徴でもあります。

その為、あらすじだけを取っても結末を迎えるまでの間、実に多くの考察が行われた作品でもあります。その後の展開や結末の迎え方など、読み進める毎にそれらの予想が変わっていく漫画です。

ファイアパンチの登場人物や能力を解説!

ここからはファイアパンチに登場する主要な登場人物をネタバレありで紹介していきます。補足的にネタバレしておくとこの世界には「祝福者」と呼ばれる超能力を操る人達がおり、登場人物にも多くの祝福者が登場します。

アグニ

主人公のアグニも「祝福者」であり、自身の肉体を再生出来る能力を持っています。妹のルナなど作中には他にもアグニと同じ再生能力を持つ物が登場しますが、その中でも屈指の能力の強さを誇っています。その再生能力故に食事をせずとも痩せる事もなく成長できます。元々は正義が強い性格であるが故に、助けられた恩は例え自らの身を犠牲にしようとも返そうとします。

両親を強盗に殺されてしまい、妹のルナと逃げ出しますが、助けられた貧しい村では自分達も毎日人が死ぬほどに苦しいにも関わらず助けてくれた村人達に感謝し、食糧難と知ると自らの腕を再生するからと配り歩きました。しかしその行為が村を訪れたドマに嫌悪感を与え、村を焼かれる事になってしまいました。彼の炎と自身の再生能力によりアグニは全身に炎を纏う事になるのです。

ドマ

アグニが暮らしていた村から遠く離れたベヘムドルグという国の兵士として登場するのがドマです。ドマは「着火したものを燃やし尽くすまで消えない炎」の祝福者で、彼の炎に包まれてしまった事でアグニは身体を焼かれては再生しを繰り返す事になってしまいました。同時にドマはアグニが暮らしていた村を、そしてアグニの生きる希望でもあったルナを殺した張本人であり、アグニが復讐を誓う相手でもあります。

トガタ

アグニを色々な面でバックアップする謎の女、それがトガタです。トガタもアガタと同じく再生能力の持ち主で、約300年の時を生きており、映画好きでもある事から、英語が話せたり寒くなる前の世界について少しとはいえ知っているなどの知識人でもあります。またその長い人生の中で格闘技術も身に付けており、アグニに指導するなどしている事からアグニからは「姉」として慕われてもいます。

ファイアパンチの最終8巻までのあらすじをネタバレ考察!

ここからはいよいよファイアパンチのあらすじをネタバレありで紹介していきます。1巻は上記でもネタバレしように再生能力を持つアグニが妹のルナと共に生きている所からスタートします。初めにファイアパンチのあらすじの中でも重要な部分である1話だけを別途取り出して紹介し、以降は巻数単位であらすじをネタバレありで考察を含めて紹介していきます。

ファイアパンチ1話のあらすじをネタバレ

寒さのせいで食糧不足に陥った世界で、アグニと妹のルナは貧しい村に助けられた過去を持ち、共に再生能力の祝福を兄妹です。特にアグニはその高い再生能力を使い、自身の腕を村人に分け与える形で飢えをしのがせていました。それらの行為を拒否する者から亡くなってしまいます。村人達はアグニとルナに感謝しながらなんとか日々を過ごしていました。しかしそんな日々を壊す出来事が起こります。

ある日、世界をこんなにしてしまった「氷の魔女」を倒そうとする自由の国の兵士、ベヘムドルグの兵士であるドマをリーダーとした一団が村に降り立ちます。彼らは食糧の補給をする為に村に立ち寄っただけでしたが、村の家の中で村人達がアグニから受け取っていた人肉を発見すると態度を豹変させます。ドマは自らの炎で、村を焼き払う事を決めるのです。

村が焼き払われ、村人達はすぐに炎に包まれてしまいますが、そんな中でも唯一生き残っているのがアグニとルナです。彼らはドマの消えない炎により燃やされると同時に自身の再生能力によって肉体が再生する為に永遠に燃え続ける存在となってしまいました。しかし強力な再生能力を持つアグニに対してルナは同じ再生能力を持っているといってもその力が弱い為に段々炭になっていってしまいます。

唯一の生きる希望であったルナの死が近づく中、アグニもまた自ら死にたいと考えますがルナの「生きて」という絶命する寸前の言葉に復讐を誓います。しかしアグニもまた永遠と燃やされているのでまともに動く事は出来ません。アグニは燃やされ続けながら少しずつ自身の再生能力を制御する術を身につけていき、燃やされ始めて8年後、ようやく自らの意志で動けるようになります。

1つネタバレしておくと、アグニらの持つ再生能力は、あくまでも再生出来るだけで痛みは普通の人と同様に感じる為、腕を斬られる痛みはもちろん、炎に燃やされる痛みも感じます。アグニが8年で習得したのはいわば、燃やされ続ける事を我慢する力に他なりません。なんとか自身の意志で動けるようになったアグニは復讐を果たすべく動き出します。

1巻の内容のあらすじををネタバレ

2話以降、1巻では炎に包まれたアグニが宿敵といえるドマを探して旅に出る事になります。その道中、アグニは復讐の対象であるベヘムドルグの旗を見かけます。奴隷となった人達を運んでいる最中でしたが、奴隷となった者への扱いは酷く中には既に殺害されてしまった者もいました。アグニはそんな様子をみてベヘムドルグの兵士達を皆殺しにし、奴隷になった人達を助け出します。

助けられた少年サンは、自らが神に祈った瞬間に現れたアグニを神だと思い込んで後に付いてきます。アグニは最初こそ煩わしく思いますが雪崩に巻き込まれそうになった所を助けるなど徐々に情が湧いてきます。その矢先に2人はベヘムドルグの兵士に襲撃され捕まってしまいます。サンは再び奴隷となり、アグニは首だけの状態で運ばれる事になるのです。

しかし運が良いというべきか2人が運ばれた先はベヘムドルグでした。そこでアグニは宿敵であるドマ、そしてなぜか妹のルナと瓜二つであるユダと出会う事になります。

2巻の内容のあらすじををネタバレ

ドマは8年の間にアグニやルナの事をすっかり忘れてしまっていました。そしてルナを殺害した事に対しなんと許しを乞うのです。しかしその態度は却ってアグニを逆なでしアグニはドマを殺しにかかります。しかしドマは強くアグニは再び敗れる事になるのです。その様子を見ていたユダはアグニは使い物にならないと判断して海に捨てに行く事を決めます。

ネタバレしておくと上記のやりとりを見ているのがトガタの部下でした。彼らはトガタの指示でその様子をカメラに収めていたのです。そして部下の撮影してきた映像をみたトガタはアグニに興味を持ちます。ベヘムドルグによって住居と大切にしていた映画を燃やされてしまったトガタはアグニを主人公に映画を製作する事を決めるのです。

かくしてユダが直接率いる兵士と共に地下鉄道で海に向かっている最中にトガタがカメラを回しながら登場します。その場面ではユダ配下の兵士によってサンと同じく奴隷にされたネネトがレイプされそうになっているのですが、トガタはその様子さえも気にする事無く撮影していました。しかしネネトと、なんでも命令を聞くという契約を交わすと、ユダ配下の兵士達を瞬く間に殺害してしまいます。

ネネトをカメラマンに任じるとそのまま他の兵士も殺害した上に再生能力を持つユダ自身も首を切断して戦闘不能に陥れます。そして列車を止め、アグニを救出すると、アグニと映画の主人公になる事を条件に復讐に協力する契約をします。アグニはトガタから格闘術や再生の祝福の弱点、また英語などを教わりました。

しかし2巻の時点ではトガタの行動はかなり謎めいています。上記のネタバレのように間違いなくアグニに協力する一方で、ユダをベヘムドルグに帰した上で1人ベヘムドルグにで向きユダとアグニを殺す計画を話す場面も描かれているのです。これは3巻でネタバレされる事になりますがそれらの行動は全て「自身の映画の為の見せ場作り」だった事が分かります。

3巻の内容のあらすじををネタバレ

そんなトガタの行動を余所にアグニはベヘムドルグに向かう事にしますが、当然トガタからの情報でそれを把握しているユダの指令でアグニに囚人となっていた3人の凶悪な祝福者達が立ちはだかる事になります。いくらトガタに格闘技術を習ったと言ってもアグニでは太刀打ちできません。それでもアグニは自身の再生能力で何度も立ちあがり瀕死状態に陥りながらも1人ずつなんとか倒していきます。

その様子はベヘムドルグに集められた奴隷達にはまさに希望と言えるものでした。そしてその希望はアグニを「神様」と讃えるまでになります。そしてアグニもまた炎に包まれる前の「目の前の死が許せない、悪が許せない」という自身の正義を思い出し、奴隷達を救いだす事に成功。しかし囚人達との戦闘によりアグニの炎が燃え移ってしまった事でベヘムドルグの街は全焼する事になってしまうのでした。

アグニを神と慕う祝福者達の協力もあり奴隷達はトラックに乗せられて逃亡していた事もあって、街に残ったのはアグニとユダだけになりました。そこでアグニはユダからアグニの復讐の対象であるドマが既に死んでいる事を知らされる事になります。さらにユダは既に戦意を喪失し、アグニの消えぬ炎によって死のうとします。アグニはそれを拒絶するもユダの姿にルナを重ねた事もあって最終的にはそれを許そうとするのでした。

普通の漫画であればここでユダは死ぬことになるわけですがファイアパンチではそうはなりません。ネタバレすると、アグニの炎はユダの身体を徐々に蝕んでいき、間もなく首に差し掛かるという段階にまでは達しました。しかしそのタイミングで登場した者がユダの首をはねる事でユダを救いだしたのです。深くフードをかぶって顔の見えないその者は「氷の魔女」を名乗りました。

上記でもネタバレしているように氷の魔女はこの世界を凍らせた張本人とされている存在であり、その存在や登場の仕方については様々な考察が行われていましたが、それらの多くの考察を裏切る形で比較的あっさり登場した氷の魔女は早くもアグニと相対する事になります。

4巻の内容のあらすじをネタバレ

4巻のあらすじは気になるアグニと氷の魔女の対決、ではなくアグニが逃がした奴隷達とそれを追う者の姿がまず描かれる事になります。奴隷達を先導しているのはアグニを神様と信じる祝福者達である一方、奴隷を追うのはベヘムドルグの兵士でもあるウロイです。しかしこの逃亡劇は、アグニを信じる祝福者が増援として協力した事で見事成功を果たします。

アグニの名は「燃える男アグニ」「ファイアパンチ」として既に世界に広まり始めており、それにより祝福者達が集まってきているのでした。そしてついにアグニと氷の魔女との戦いが描かれる事になりますが、残念ながら勝負になりませんでした。氷の魔女はアグニを圧倒し、通り名にもなっている氷を操りユダの首を持って逃げおおせてしまいます。

追う事が叶わないと認識したアグニは、アグニの元に集った人が集まる村に辿り着きます。アグニはベヘムドルグにて多くの命を奪ってしまった事に罪悪感を覚えていましたが、同時にその村で、自身を「神様」と崇める事でアグニ信者の生きる糧になっている事を知ります。ここにアグニを神様とし、アグニに協力する祝福者達を「神の弟子」と崇める「アグニ教」が誕生する事になるのです。

アグニは信者達に自らの肉を提供し、生活を送る事になります。そこにベヘムドルグの兵士の生き残りが村を訪れ、身の保証を乞います。トガタのアドバイスを受けたアグニの行動により、ますますアグニ教は浸透していく事になります。そしてアグニはそれらのベヘムドルグの生き残りの兵士から、実はドマが生きている事を知らされます。

また4巻では上記のアグニと対峙した際、さらに連れ帰ったユダが目覚めた際に氷の魔女は世界の真実や自身の目的を語っています。ネタバレ満載ですが、氷の魔女と名乗った者の正体、スーリャは、氷の魔女の存在そのものを否定、世界が凍ったのは「氷河期」のせいだというのです。さらに旧世代の人類は地球を捨てて宇宙に逃げだした事も明かされています。

さらにはスーリャは自身の目的として、なんと「スターウォーズの新作を見る事」だと語っています。4ケタは余裕で生きているスーリャは「一生の生きる糧」と言える程の大のスターウォーズ好きで、スターウォーズの新作を見るべく、今の世界を滅ぼして、温かい世界を再生、さらに文明をスターウォーズが作られた時代の教養レベルに押し上げる事でスターウォーズの新作を見ようとしているのでした。

5巻の内容のあらすじをネタバレ

5巻は4巻で明かされたドマの生存の話を描くのかと思えばまたもや読者の考察は裏切られる事になります。確かにアグニはドマの元に向かおうとしますが、そこに現れた祝福者の一人がトガタは危険であると進言するのです。その祝福者は「人の心を読める」祝福を持っており、トガタを女の身体に心は男、いわば性同一性障害だと発言するのでした。その発言を受けてトガタはアグニの元を去ろうとします。

後を追ったアグニにトガタは自身の秘密を打ち明けます。指摘された通り、自身の心と体の不一致に悩んだトガタは生きる為にイかれた女を演じる事でなんとか平穏を保っていました。しかしそんな演技を長く続ける事で自分が自分で分からなくなったともいうのでした。アグニはトガタを止めるべく、「面白いことをすれば村に戻る」というトガタの提案を受けて改めてドマに会いにいく事を決意します。

元ベヘムドルグの兵士の案内の元、トガタと共にドマに会ったアグニ。アグニは冷静にドマと話をする事にしました。現在ドマは17人の子供を養いながら生活しているというのでした。そしてアグニに改めて自身の間違いを話すのでした。教養がなくカニバリズムを行う野蛮人としてアグニの住んでいた村、そしてアグニ自身を燃やしたドマでしたが、自身もまた教養が無かった事を知ることになったというのでした。

ベヘムドルグでは洗脳をしやすくする為に、神の映像を見せていたとドマは続けます。しかしドマはある日、ベヘムドルグの兵士が持ち帰った戦利品の中に自身が神だと思い崇めていた者が役者であり、神の映像は娯楽の為の映画だった事を知ることになったというのでした。そのような話にドマに飛びかかったのはアグニではなくトガタでした。トガタもまたドマに家と生きる糧としていた映画を燃やされてしまった過去があったのです。

トガタの暴行はドマが養う子供達によって阻止され、アグニはドマを許して帰る事にします。トガタもそれで良かったと納得しますが、アグニは帰り道、ルナの幻覚を見ます。そして気がついた時には、アグニはドマの養う子供達を諸共焼き殺してしまっていたのでした。アグニは自身の「正義」を抑える事が出来なかったのです。

アグニは自身に絶望し、さらには再びルナの幻覚を見た事で入水自殺を図ります。しかしそれを助けたのがトガタでした。しかし消えない炎に包まれたアグニを助けるには自身も火を浴びる必要があります。トガタはそれを覚悟でアグニを助け、「生きて」という言葉を残して燃え死んでしまうのでした。このトガタとの死別が5巻の結末です。

6巻の内容のあらすじをネタバレ

絶望ながらにトガタの死体を村に持ち帰ったアグニでしたがそこで見た光景がさらにアグニを絶望に陥れます。アグニの眼前に飛びこんできたのはすべてを破壊された村とそこに佇む大きな木でした。大きな木は人々の頭に根を這っており養分を吸い取られています。そしてその気はなんとスーリャによって生命力を吸い取る木にされてしまったユダなのでした。

木の頂点で木になりかけるユダを見つけたアグニ。アグニにとってはユダは妹ルナと瓜二つの存在であり、やはりルナなのではないかという思いが拭えません。アグニは何度もユダを殴り続けてルナの人格を呼び覚まそうとします。やがて木が崩落し、アグニが波打ち際で目を覚ますと、そこには記憶を失い無邪気にはしゃいでいるユダがいました。そして自身を包む炎が消え、腕も再生していないのに気付きます。

アグニはユダにルナという名前を与えて兄として接する事を決めます。そして2人は近くで見つけた建物に住む女性グループと共同生活を送る事になります。彼女達はドマが面倒を見ていた少女達でした。僅かな平穏の後、グループの1人の女性が攫われてしまう事件が起こります。アグニは1人誘拐犯のアジトに向かうとかつての自分を呼び覚ますように炎を纏い腕を再生させました。そして誘拐犯達を皆殺しにします。

しかし残念ながらアグニが辿り着いた時には女性は死んでしまっており、それを知った女性グループは悲しみます。そしてアグニの力を知った女性グループの1人が「全ての原因はベヘムドルグやドマを殺したファイアパンチにある」「ファイアパンチを殺して」とアグニに懇願するのです。そしてアグニは考えた上でファイアパンチを殺す事を約束するのです。

7巻の内容のあらすじをネタバレ

アグニはこれまで多くの人を殺してしまった罪悪感と約束したファイアパンチ殺しへの責任感に駆られながらも女性グループとの生活を続けます。一方でそれらを拒むように頭にはルナやトガタの「生きて」という言葉との板挟みに合います。ある時、アグニはいよいよと入水自殺を図りますが、これもルナと名付けたユダに止められてしまいます。しかもユダもまた「生きて」という言葉を告げるのでした。

ただ生きてくれればいいというユダにアグニは生き続ける事になりますが、徐々に心を壊していきます。その年月は長くやがて10年の歳月が経過しようとしていました。その間には女性グループの1人でドマの直接的な娘であるテナが子供を産むなどグループの生活にも変化が訪れています。しかしどれだけ変化してもテナはアグニにファイアパンチを殺すように求めるのでした。

7巻では、久方ぶりにサンが登場します。アグニ信者の村は確かにユダによって破壊されてしまいましたが、ちょうど村を離れていた為に難を逃れていたのです。そしてサンは今ではアグニ教の教祖としてアグニ信者達を支える立場にありました。しかもそのサンの隣には、あの氷の魔女スーリャがいるのでした。スーリャはアグニからユダを奪う計画を立てていましたがサンは乗り気ではないようです。

そしてアグニの前に同じくサンの元で成長したネネトが姿を見せます。アグニにユダか世界かという究極の選択を迫られる事になります。そんな状況の中、ついにテナ達女性グループにアグニこそがファイアパンチである事がバレてしまいます。さらにユダを誘拐されそこにファイアパンチによって人生を狂わされたという者達の襲撃が重なり、アグニはついに正気を失ってしまいます。

アグニは襲撃者達を返り討ちにした挙句、止めようとしたテナにも暴行を加えます。その様子を見たテナの子供がドマから受け継いだのであろう炎の祝福を放ち、アグニは再びファイアパンチの姿に戻ってしまいます。アグニはテナ達の元を去り、ユダの奪還に向かう事になるのです。

ちなみにユダ奪還を企てた氷の魔女スーリャですが、なんとサンが不敬者として殺し、晒し首にしてしまいます。4ケタを超える時間を生きてきた氷の魔女スーリャですが、再生の祝福の力が低下しており、倒されてしまうのでした。

ファイアパンチの最終8巻の結末をネタバレ考察!

ここからはファイアパンチ最終巻となる8巻で描かれる結末についてもネタバレありで考察し、紹介していきます。構図をネタバレしておくと7巻までの構図としては、誘拐したユダを殺そうとしているサンとそれを止めようとするアグニという状態です。ここから怒涛の結末を迎える事になります。

再び復讐の炎をまとうアグニ

ファイアパンチとなったアグニはまさに復讐に捉われた鬼と化していました。正気ではない状態のアグニは、アグニの進行と止めようとする祝福者達や人間を焼き殺しながら突き進んでいきます。一方でユダはサンによって今まさに殺されようとしていました。そこにアグニが登場します。しかしアグニの変異した顔によってサンはアグニをアグニと認めずに自身の能力で迎撃に入ります。

しかしあくまでも自身の能力は再生であり自在に炎を扱えるわけではないアグニと電撃の祝福を持つサンの勝負は一方的な物になります。サンが一方的にアグニを蹂躙するのです。そしてサンの攻撃によってアグニは正気を取り戻しますが、時すでに遅しでした。アグニはサンによってトドメの一撃を喰らってしまいます。しかしこのまま結末とならないのがファイアパンチです。

ネタバレすると右の拳に僅かに残っていた消えない炎をサンに当てる事でアグニはサンを焼き殺します。そしてアグニは再び炎を纏って復活を果たしてしまうのでした。しかしアグニは記憶を失った状態になってしまっているのです。そこにユダが飛び込んできます。

読者を考察させ続けるファイアパンチですがその結末も実に考察のしがいのある内容となっています。まずユダは世界を温める為、自ら望んで木となる道を選びます。そして80年の時が経過。その間記憶をなくしたアグニはアグニ教をまとめるサンとして生活していました。ユダは木になりながらも意識を残しており数千、数万年が経過します。ユダはただただエネルギーの中心として生き続けていました。

そしてそこにアグニが現れます。しかし2人は既に過ぎ去った過去の記憶を失っていました。「はじめまして」と自己紹介する2人はお互いに泣き笑いあって、抱きつきます。そしてここでファイアパンチは結末を迎えているのです。

Thumbファイアパンチの最終回の内容は意味不明?あらすじや感想をネタバレ考察 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

ファイアパンチを読んだ人の評価は?

ファイアパンチのあらすじをネタバレありで結末まで紹介した所で、既にファイアパンチを全話読破した人の感想もネタバレありで紹介していきます。

評価は賛否両論ある

まずファイアパンチは上記のあらすじのネタバレを読むと分かるようにダークファンタジーとしてもかなり特殊な世界観、描写をしている漫画です。カニバリズムが当たり前のように描かれ、人の死に関しても他の漫画であれば直接描写しないであろうシーンもしっかり描くなど、かなりリアルな描写をしています。それがファイアパンチの良さだという人もいれば、付いていけないとする評価をする人もいるのです。

特に上記のネタバレあらすじを読んでも分かるようにファイアパンチのあらすじは一本道ではありません。アグニの復讐という比較的分かりやすいテーマから始まったかと思えばトガタの登場で映画の話になったりもします。そのような怪奇と言えるあらすじが少し読むだけでは理解のしにくい世界観、あらすじになっているとする評価も見られます。特にその結末に関してももっとなかったのかと賛否が分かれる結果にもなっています。

ご都合主義の無さが凄い

上記のように否定的な意見に対してファイアパンチが評価を受ける部分の1つにいわゆる漫画的なご都合主義なあまりにも少ない点が上げられます。誰かが殺されそうになっているシーンで他の漫画であれば主人公がギリギリで間に合って助けるのがお決まりなのにファイアパンチではあっさり殺されてしまう事もあれば間に合う事もあります。確かにその方がリアルだと感じる人が多いのは間違いないのではないでしょうか。

そのようなご都合主義の無さが王道とは決して言えない世界観に引きこむ要因になっていると評価する人も多いです。一見不死身にも思える再生能力を持つ登場人物は少なくありませんが、ちゃんと「死ぬ方法」があるというのもそれらの要因の1つと言えます。

考察しながら読むのが楽しい

ファイアパンチは既に完結してしまっていますが連載中から追いかけていた人はそれぞれの話が配信される度、または単行本が発売される度にこのファイアパンチの不思議な世界観でどのような展開を迎えるのか、最後の結末などを予想出来るのが楽しいという感想も非常に多くありました。誰でも読めるあらすじや結末を迎えないファイアパンチだけに考察する楽しみが大きかったという声も見られます。

またファイアパンチの世界観は説明されているようで説明されていない部分も多いです。何故というような疑問を探して回るような読み方も出来る漫画になっています。考察好きな読者からは、これほど考えさせてくれる漫画はないと評価を受ける結果となっています。

Thumb漫画ファイアパンチの感想まとめ!独特の世界観や驚愕の結末まで紹介 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

ファイアパンチをネタバレ考察!最終8巻までのあらすじと結末まとめ

ファイアパンチはネタバレ考察を読んでも理解出来ないと言われる漫画です。これほどまでに文章にするだけではあらすじが分かりにくい漫画はないとも言われる程で、特に結末は実際に漫画の絵で読んでも、難解であるとする人も多いです。しかし実際に結末まで描いた後でも多くの人が高評価をしているように高い評価を受けた漫画である事は間違いありません。

評価している人も「凄い、けど何が凄いのかと言われたら説明できない」という人もいる程です。そのポテンシャルという意味で「進撃の巨人」や「亜人」に近い物があるとする声もあります。ネタバレ考察である程度あらすじを知った上で、改めて読んでみる事で少しは理解が深まるのではないでしょうか。まだ読んだ事が無いと言う人はぜひ一度手に取ってみる事をおすすめします。

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ