2021年09月16日公開
2021年09月16日更新
おおかみこどもの雨と雪が伝えたいこととは?あらすじや名言・名セリフも紹介
おおかみこどもの雨と雪が伝えたいことやメッセージを考察します。おおかみこどもの雨と雪とは、細田守監督が描く2人の「おおかみこども」の母親となった女性の物語です。この記事ではおおかみこどもの雨と雪に込められたメッセージや伝えたいことを考察します。また合わせておおかみこどもの雨と雪のあらすじや名言・名セリフを紹介します。2021年7月15日に公開された「竜とそばかすの姫」の監督である細田守監督の作品が気になる方はぜひチェックしてみてください。
目次
おおかみこどもの雨と雪とは?あらすじを紹介
おおかみこどもの雨と雪とは、細田守監督の2作目に当たる長編オリジナルアニメ映画です。この記事ではおおかみこどもの雨と雪に細田守監督が込めたメッセージや伝えたいことを考察します。また合わせておおかみこどもの雨と雪のあらすじや名言・名セリフなども紹介しますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。それではおおかみこどもの雨と雪のあらすじなどを紹介する前に、まずは作品概要を紹介します。
おおかみこどもの雨と雪の概要
おおかみこどもの雨と雪の作品概要を紹介します。おおかみこどもの雨と雪は2012年に公開された細田守監督の長編オリジナル映画です。細田守監督作品の「サマーウォーズ」や「時をかける少女」などでは奥寺佐渡子さんが脚本を担当していたのに対し、今作は細田守監督自らが初めて脚本を担当した作品となっています。興行収入は42.2億円を記録しました。それでは次におおかみこどもの雨と雪のあらすじを紹介します。
おおかみこどもの雨と雪のあらすじ
おおかみこどもの雨と雪のあらすじを紹介します。女子大生の花は大学に潜り込んでいた「彼」と恋に落ち、絶滅しかけたおおかみおとこであると告白されます。花は正体を受け入れ2人の「おおかみこども」をもうけますが、幸せな時間は長くは続かず「彼」が亡くなってしまいます。周囲に子供の正体がバレるわけにはいかない花は誰も頼らずに1人で育てなければならないと考え、試行錯誤で悪戦苦闘の子育てが始まります。
おおかみこどもの雨と雪が伝えたいこと・メッセージを考察
おおかみこどもの雨と雪のあらすじを紹介したところで、次におおかみこどもの雨と雪が伝えたいことやメッセージを考察します。おおかみこどもの雨と雪が老若男女に広く愛されている理由は、作品の伝えたいことやメッセージが普遍的だからだと考えられます。おおかみこどもの雨と雪を観て感動した方やどんな内容なのか気になっている方はぜひチェックしてみてください。
考察①辛いときでも自分を愛してくれる人はいる
おおかみこどもの雨と雪の伝えたいことやメッセージを考察します。最初に紹介する伝えたいことは、辛い時でも自分を愛してくれる人がいるということです。人間である花はおおかみおとこの「彼」との間に2人の子供をもうけます。雨と雪と名付けられた子供たちは人間と狼の両方の姿を取れる「おおかみこども」であり、母親である花はそんな彼らの正体を人間社会に隠して育てていく必要がありました。
快活な姉の雪に比べ、引っ込み思案で繊細な弟の雪は幼い頃から自分が「狼である」ということについて思うところがあるようでした。絵本ではいつも狼が嫌われる悪者であり殺されてしまうことを雪は悲しみ、母親の花に「狼は嫌」と訴えます。しかしそれに対し花は「お母さんは狼が好きよ。みんなが狼を嫌ってもお母さんだけは狼の味方だから」と優しく伝えます。雨はその言葉を涙を流しながら聞いているのでした。
その後、雪も成長するにつれて自分がおおかみこどもであるということに悩むようになります。人間として人間社会に溶け込みたい雪は、転校生の草平の登場で自分の中の狼と向き合わなければならなくなります。追い詰められた雪が草平の耳を傷つけてしまうという事件が起きた時、花は「ごめんなさい」と泣き崩れる雪を抱きしめます。
花のそのような励ましもあり、雪と雨はその後それぞれに自分の中の狼との向き合い方を見つけて人生を歩き始めます。このような花と子供達の姿は、母や理解者がいつも自分の味方でいてくれるということを知っていれば子供たちは自分で壁を乗り越える強さを手に入れられるというメッセージを示しており、それが伝えたいことだと考えられます。
考察②子供はいつの間にか成長するもの
おおかみこどもの雨と雪の伝えたいことやメッセージを考察します。次に紹介する伝えたいことは、子供はいつの間にか成長するということです。おおかみこどもの雨と雪の中では子供の成長が特に大きく描かれています。ただでさえ大変な1人での子育てのうえに「おおかみこどもを育てる」という苦労を背負った花でしたが、持ち前の笑顔を絶やさずに母親としてできる限りのことをしようと努力します。
初めての母親業で悪戦苦闘しつつもなんとか子供たちを中学生まで育てた花。しかし花が母親として成長していくのと同じように、もしくはそれ以上のスピードで子供たちが成長していることに花は気がついていませんでした。10歳になった雪は学校に馴染むことができず、たびたび1人で山に遊びに行くようになっていました。雪は山の主のキツネを「先生」と呼んで慕い、山での生き方を教えてもらうことを楽しんでいました。
あるとき雪と花は人間として生きるか狼として生きるかという話で喧嘩になります。山に傾倒していく雪の姿に不安になった花は思わず山に行くことを禁止しますが、そんな中訪れた大嵐が決定的に花と雪の道を分かちます。雪はお世話になった「先生」の代わりに自分が山の主になると言って家を出、それに気づいた花が後を追いかけます。
雪に母親としてまだ何もしてあげられていないと嘆く花でしたが、雪は自分がもうすでに立派な大人であることを示します。それに気が付かされた花は雪が自分の知らない間に成長していたこと、そしてもう自分の助けはいらないのだということを悟ります。このエンディングには親が子供の親離れに感じる寂しさと喜びが表現されており、子供は親の気づかない間に成長しているのだというメッセージを示していると考えられます。
おおかみこどもの雨と雪が伝えたいことは見る人によって違う?監督の発言は?
おおかみこどもの雨と雪のあらすじや伝えたいこと・メッセージを考察したところで、次にこの作品に対する細田守監督の意図やコメントを紹介します。おおかみこどもの雨と雪は人によって感想が分かれる作品であり、それは細田守監督の意図に沿ったものだということがインタビューで明らかになっています。細田守監督の映画で伝えたいことに関する考えが気になる方はぜひチェックしてみてください。
おおかみこどもの雨と雪は見る人によって様々な受け取り方ができる?
おおかみこどもの雨と雪は老若男女に親しまれている作品ですが、その理由の一つに「見る人によって様々な受け取り方ができる」というものが挙げられます。子供は同じ年代の雨と雪がおおかみになったり人間になったりして遊びまわる姿を楽しく見て、学生は雨と雪が自分の中の葛藤を乗り越えて歩きたい道を選択する姿に自分を重ね合わせます。
家族を持っている人は花が親として苦労し成長していく姿に共感を覚え、そして子供の成長に感動します。このようにおおかみこどもの雨と雪は年齢を経るごとに違う見方ができる作品であるため、子供の頃にあまり面白さを感じなかった人でも大人になって改めて観てみて感情移入する人が出来たということもあるようです。
細田守監督は「映画で訴えたいことはない」と答えた?
おおかみこどもの雨と雪の生みの親と言える細田守監督は、おおかみこどもの雨と雪公開時のインタビューにて映画を通じて伝えたいことはないと発言しています。「映画はメッセージのための道具ではない」と語る細田守監督は、上で紹介したようにいろんな立場の人がこのおおかみこどもの雨と雪を見てそれぞれ違う感じ取り方をすることを肯定的に話していました。
伝えたいことはないというこの発言には正しい解釈などない、自由に映画を楽しんでほしいという細田守監督のポリシーが現れていると考えられます。それではおおかみこどもの雨と雪のあらすじや伝えたいこと・メッセージについて紹介したところで、次に作品に登場する名言や名セリフを紹介します。
おおかみこどもの雨と雪の名言や名セリフ集
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。女子大生だった花が母親になり子供が巣立つまでを描いたおおかみこどもの雨と雪には、大人から子供までを広く感動させる数々の名言が残されています。
名言①「じゃあ、私がおかえりって…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。一つ目に紹介するのは、女子大生だった花が授業に潜り込んでいた「彼」と恋に落ち、歩きながら街並みを眺めていた時の名言です。自分の家が欲しいという「彼」に対し花が下のセリフを返します。プロポーズとも取れるこの言葉を聞いた「彼」は驚きます。1人で生きてきた「彼」にもう孤独じゃないことを優しく伝える、花の「彼」への愛が現れた名言です。
じゃあ、私がおかえりって言ってあげるよ。
名言②「花のように笑顔を絶やさない子に…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。二つ目に紹介するのは、大学で知り合った「彼」に名前の由来を聞かれた花がそれを説明する時の名言です。この由来の通り、花はこの後どんな辛いことが自分の身に起きても笑顔を浮かべて乗り切ろうとします。一見儚げな花が内に秘めている、心の強さの理由が分かる名セリフとなっています。
花のように笑顔を絶やさない子に育つようにって。つらい時とか苦しい時に、とりあえずでも無理やりにでも笑っていろって。そしたら大抵乗り越えられるからって。
名言③「引っ越そうと思うんだ…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。三つ目に紹介するのは子供たちが大きくなってきて都会でおおかみこどもを育てるのが難しくなってきた時の花の名言です。田舎に引っ越すというのは簡単なことではありません。このセリフには子供たちをできるだけ抑圧することなくのびのびと育て、大きくなったら自分の好きな道を選べるようにしてあげたいという花の親としての愛情深さが現れています。
引っ越そうと思うんだ。どちらでも選べるように。
名言④「おおかみってどうして…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。四つ目に紹介するのは、子供の頃の雪が絵本を読んで花に狼が嫌われる理由を尋ねた時の名言です。雪は自分の一面と言える「おおかみ」が人間から嫌われていることに心を痛め、狼は嫌だと涙を流します。自分の中の人とは違う部分に早くから気がつき葛藤する雪の繊細さ、そして悲しさが伝わってくる名セリフです。
おおかみってどうしていつも悪者なの?
名言⑤「野菜ぐらい作れるように…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。五つ目に紹介するのは、田舎に引っ越した花が生活費を浮かせようと考えて発した以下の名言です。2人のおおかみこどもを育てるため仕事ができなかった花は「彼」の残した少しの遺産を切り詰めて生活しており、食費を自給自足で賄うことを考えこのセリフに至りました。子供達のために強くあろうという花の決心が現れている名セリフです。
野菜ぐらい作れるようにならないとなって思ってね。
名言⑥「小学校に行かない奴は…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。六つ目に紹介するのは、雪が小学校に行かないことに対する韮崎のじいちゃんの以下の名言です。進んで学校に通い活発でクラスの中心的存在となる雪に対し、繊細で引っ込み思案な雨はなかなか学校に馴染むことができませんでした。花は無理矢理小学校に通わせることはせず、自然観察員の仕事に雪を連れて行っていました。
小学校に行かない奴は見どころがある。エジソンと、わしがそうじゃ。
そんな雪を韮崎のじいちゃんも肯定し、上のセリフを残します。そんな韮崎のじいちゃんに韮崎のおばさんは「またいい加減なこと言って」と呆れますが、雪を一方的な価値観で一概に否定したりしない、韮崎のじいちゃんの優しさが現れた名言だと考えられます。
名言⑦「元気で…」
おおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフ集を紹介します。7つ目に紹介するのは、雪が狼として生きることを選び、花のもとを離れた時の花の名言です。お世話になったキツネの「先生」の後を継いで山の主になることを選んだ雪でしたが、花はまだまだ雪を子供であると考えていたため反対します。山へ入った雪の後を追って探し回るも雪の姿は見つかりません。そのうち花は崖から落ちて気を失ってしまいます。
元気で…。しっかり生きて!
目覚めた花は山の麓に運ばれており、去っていく狼の雪の後ろ姿に声をかけます。まだ何もしてあげられていないと涙する花。雪は山頂に駆け上がり、朝日が昇るのと同時に山の峰々にまで響きわたる遠吠えをします。その声にハッと顔を上げた花は雪が自分の気づかない間に大人になっていたことを悟り、今度は笑顔で上のセリフを残します。子供の成長と旅立ちに感じる母としての喜び、寂しさが現れた名言です。
おおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価
おおかみこどもの雨と雪、昔見た時と印象違って感慨深い
— たつ/Lill (@Lill_ta2) September 9, 2021
おおかみこどもの雨と雪は人によって感想が違うだけでなく、同じ人が見ても見る年齢によって感想が変わるという性質の作品です。このツイートの他にも、昔は面白く感じなかったが改めて見ると感動したという意見が見られました。
この時間帯のおおかみこどもの雨と雪は涙しか出ない寝付けないからってなんで見ちゃったんだろ、何故かお母さんとお父さんに抱きしめてもらいたくなった
— はとみ🐦@依頼受付中 (@ha103_poppo) September 10, 2021
おおかみこどもの雨と雪の扱っている大きなテーマの一つが親から子への愛情です。おおかみこどもの雨と雪では母親である花から子供である雪と雨への無償の愛情が描かれており、観た視聴者に自分の親からの愛情を思い出させる作品であることがこのツイートから分かります。
おおかみこどもの雨と雪、良かった… こんな切ない話だと思わなかった。無理やりハッピーエンドにしない、見た人の想像に委ねる作品好きだな。優しい気持ちになれました。
— うーさん (@woo_san_san) September 10, 2021
おおかみこどもの雨と雪はただ家族愛を描いた作品ではなく、子育ての先の子供の巣立ちという切なさ、喜びまで描いていることを評価するツイートです。
おおかみこどもの雨と雪の伝えたいことまとめ
おおかみこどもの雨と雪のあらすじや伝えたいこと、メッセージなどを考察しました。またおおかみこどもの雨と雪に登場する名言や名セリフも紹介しました。このまとめでおおかみこどもの雨と雪に興味を持った方はぜひ視聴してみてはいかがでしょうか?