【おおかみこどもの雨と雪】その後を考察!雪は草平と結婚した?原作小説・漫画も紹介

細田守監督による日本のアニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」。主人公の女性・花とおおかみおとことの間に生まれた「おおかみこども」の姉に弟。この3人の家族がたどったその後の人生と家族愛の物語です。この記事では、「おおかみこどもの雨と雪」のアニメ作品はもとより原作小説や漫画にも描かれていない雪と草平の結婚など家族3人のその後を、作品内の出来事を手掛かりにして考察していきます。ぜひご覧ください!

【おおかみこどもの雨と雪】その後を考察!雪は草平と結婚した?原作小説・漫画も紹介のイメージ

目次

  1. おおかみこどもの雨と雪とは?
  2. おおかみこどもの雨と雪のその後を考察!雪は草平と結婚した?
  3. おおかみこどもの雨と雪のその後を考察!雨と花はどうなった?
  4. おおかみこどもの雨と雪の小説・漫画版
  5. おおかみこどもの雨と雪の謎を考察
  6. おおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価
  7. おおかみこどもの雨と雪のその後まとめ

おおかみこどもの雨と雪とは?

おおかみこどもの雨と雪の概要

おおかみこどもの雨と雪とは、2012年に公開されたスタジオ地図制作の日本のアニメ映画です。原作・監督は細田守、脚本は細田と奥寺佐渡子が手がけています。細田監督にとって「サマーウォーズ」に続く2作目の長編オリジナル作品となりました。

19歳の女子大学生と「おおかみおとこ」の間に生まれた姉弟の成長を通して、親子愛を描いていきます。監督を務めた細田は、この作品を制作するためにアニメプロデューサー・齋藤優一郎とともにスタジオ地図を設立しました。

日本に続きフランスでも公開されたほか、世界34の国と地域で公開されました。また、ロサンゼルスの映画祭「LAEigaFest2012」に招待作品として上映されました。第45回シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門最優秀長編作品賞に輝いたほか、数々の映画賞を受賞しています。

おおかみこどもの雨と雪のあらすじ

あらすじのイメージ

19歳の女子大学生・花は、「彼」と出会いやがて恋に落ちます。ところが、その彼は人間と狼の血を引くおおかみおとこだったのです。やがて同棲するようになった2人の間に長女・雪が生まれます。しかし、その後弟の雨が生れると彼は忽然と亡くなってしまうことに。悲しみに暮れる花でしたが幼い子供を育てていかねばなりません。「おおかみこども」の姉弟を育てられる環境を求めて、花は田舎に引っ越すことを決めました。

おおかみこどもの雨と雪のラストシーン

本題の「おおかみこどもの雨と雪」のその後について解説する前に、本作のラストシーンをおさらいしてみましょう。

「おおかみこども」として生を受けた雪と雨・姉弟。しかし、その後2人の間には溝ができ、それが次第に大きくなっていきます。そんな2人はあるとき衝突します。学校を無断で休んだ雨に、明日は必ず学校に行くよう雪が強く言ったのです。すると、雨は自分たちはオオカミなのだから山に行くべきだと反発。オオカミの姿になった2人の争いは、取っ組み合いに発展してしまいました。

雪が小学校六年生、雨が4年生になった年の夏のことです。山の動物のリーダー、キツネの「先生」はすでに高齢で最近では足も悪くなっています。次のリーダーを決める時期が近づいているのは誰の目にも明らかでした。そんな時、雨が次のリーダー目指して山に向かいます。雨の年齢は10歳。人間ではまだほんの子供ですが、オオカミとしてはすでに立派な成獣だったのです。

映画「おおかみこどもの雨と雪」

おおかみこどもの雨と雪のその後を考察!雪は草平と結婚した?

ネタバレ①小学校で待っている草平と雪に迎えはきた?

ここからは、いよいよ雪と雨のその後についてネタバレで考察していきます。ボリュームが大きくなるので2部に分けて解説します。最初は雪と草平の結婚に関するネタバレからです。2人は、はたして結婚することになるのでしょうか?

最初に紹介する草平と雪の登場シーンは、大雨で帰ることができなくなった学校での出来事です。草平の母親は交際中の再婚相手のことで頭がいっぱい、また雪の母親は息子の雨を探しに出かけた山で事故に遭い、学校からのお迎え要請に応えられなくなっていました。

理由は異なりますが、いずれも親の迎えがなかった草平と雪。心細い2人は、励まし合いながら一夜を明かして朝を迎えたと考えられます。この出来事が後の結婚に至る2人の関係の出発点になったと言っても過言ではないかも知れません。

ネタバレ②中学時代の草平と雪

実家から通える範囲に中学校がなかったことから、雪は小学校を卒業すると親元を離れて寮生活を送ることになります。雪は離れて暮らす母親のもとにたびたび手紙とともに写真を送り、近況を伝えていました。

その写真の中に草平の写っているショットがありました。といっても草平中心の写真ではありません。雪が友人2人とともに撮った写真なのですが、その背後に草平の姿が捉えられていたのです。

アニメ映画おおかみこどもの雨と雪で、草平のその後は触れられてはいません。ただ、母親が再婚相手と結婚し赤ちゃんが産まれたら、自分は要らない子になってしまうと呟いていたことがありました。その言葉から想像すると、母親と再婚相手との板挟みになりたくない草平は、寮で生活できる中学校を選んだのかも知れません。また、母親にとってもその方が都合が良かったのでしょう。

ネタバレ③大人になった草平と雪

それでは大人になった草平と雪はどのような道を進んだのでしょうか?おおかみこどもの雨と雪を観た多くの方が望むのは、2人の結婚ではないでしょうか?

草平は、雪がおおかみこどもであることを知った上で彼女を理解しようとします。草平の母親はヒステリックでやや攻撃的な人ですが、草平とは疎遠になっており結婚したとしても雪の負担になることはないでしょう。

雪の母親・花は草平に好感を持っており、2人の結婚を祝福してくれるでしょう。また、結婚して2人の間におおかみこどもが産まれても、山奥の雪の実家なら余計な干渉を受けることもなく、のびのびと子育てできるのではないでしょうか?

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おおかみこどもの雨と雪のその後を考察!雨と花はどうなった?

ネタバレ①雨のその後

おおかみこどもの雨と雪のその後の考察、第二部です。ここでは雪の弟・雨と母親・花のその後を考えてみます。

幼い頃の雨は、オオカミの荒々しさは微塵もなく、おとなしく内気な子供でした。そんな雨が変化したのは、小学校に上がってからのことでした。学校になじめず不登校が続きます。それと時を同じくして山に興味を持つようになった雨は、山でオオカミとして生きていく決意をします。

そんな雨が描かれた最後のシーンは、山の頂上へ上って遠吠えをする姿でした。遠吠えは、これからは山で生きていくという雨の力強い宣言ではないでしょうか?逞しくなった雨の姿を目にした母の花は、「強く生きて!」と叫びます。そして「元気でいてね」とも。

ネタバレ②花のその後

今度は、雪と雨の母親・花のその後を考察します。雪と雨が出ていった後、花は山奥の家でひとり暮らしていました。亡き夫の遺影に好物だった焼き鳥を供える花。すると山からオオカミの遠吠えが聞こえてきます。花は遠吠えに耳を澄ますと、写真を見て微笑みを漏らします。映画はそのシーンで幕を閉じました。

漫画版ではその後日譚が描かれています。雪から送られてきた手紙や写真を食い入るように見つめる花。その後、庭に桃が置かれているのを見つけると、山に目をやり暫くの間じっと遠くを見つめていました。桃は雨が届けてくれたのでしょう。

花のその後ですが、雨や雪がいつでも帰ってこられるように、ずっと山奥の家で独り暮らしを続けていくものと考えられます。自然観察員の補助的な仕事をしている花。雨の暮らす森林を守る仕事に携わることで、雨とともに生きている実感を得ているのかも知れません。

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おおかみこどもの雨と雪の小説・漫画版

おおかみこどもの雨と雪の小説版

おおかみこどもの雨と雪には、アニメ映画のほかに原作小説と漫画があります。まず小説ですが、アニメ映画の細田守監督が初めて書き下ろした小説で映画の原作となった作品でもあります。

小説版おおかみこどもの雨と雪は、映画が公開された2012年7月にKADOKAWAの角川つばさ文庫より出版されました。また、2018年6月には電子版の小説おおかみこどもの雨と雪も発売されています。

おおかみこどもの雨と雪の漫画版

アニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」公開や小説版の出版に先立ち、KADOKAWA発行の月間漫画雑誌「ヤングエース」2012年5月号に漫画家・優による漫画版おおかみこどもの雨と雪が掲載されました。漫画版は2013年9月号まで連載されています。(単行本は全3巻)。

また、漫画家・美水かがみの手により4コマ漫画のスピンオフ漫画作品が創作されています。スピンオフ漫画は角川書店が発行するメディアミックス雑誌「コンプティーク」にて2021年6月号より不定期で連載されています。

おおかみこどもの雨と雪の謎を考察

考察①細田守監督の描く正解のない生き方

おおかみこどもの雨と雪で(小説・漫画版含めて)細田守監督が描いているのは、正解のない生き方、そして母の愛と言われています。

人とは違う個性を持って生を受けた雪と雨・姉弟。雪は幼い頃活発に動き回り、オオカミを思わせる行動を取っていました。ところが、学校に入学し同じ年代の女の子と接するうちに人間として生きていくことを決意します。弟の雨は、幼い頃はおとなしく内向的な子供でしたが、キツネ「先生」との出会いをきっかけにオオカミとしての自我に目覚め野生に帰っていきました。いずれも正解などない生き方と言えるでしょう。

細田守監督は、同時に子供たちの生き方を受け入れる母・花の無償の愛を描いています。人間社会で生きていきたいと願う雪には、ワンピースの洋服を編んであげたり草平との関係を温かく見守ったりします。また、花が止めるのも聞かずに息子・雨が山に行ってしまった時も、最終的には受け入れ応援していきます。自然観察員の仕事に就いたのもその表れと言ってよいでしょう。

考察②「おみやげみっつ たこみっつ」

アニメおおかみこどもの雨と雪には、「おみやげみっつたこみっつ」という聞きなれないおまじないが出てきます。万一オオカミに変身しそうになったら唱えなさいと、学校に通うことになった雪のために花が教えたおまじないです。

アニメおおかみこどもの雨と雪の舞台あいさつでのインタビューに応えて、細田監督がこのおまじないについて解説しています。それによると、「おみやげみっつたこみっつ」は「指切りげんまん」から採っているとのこと。地方によっては、「うそついたら針千本飲ます」の後にこの「おみやげ…」の一節を続けるそうです。

考察③語り部が「雪」である意味

おおかみこどもの雨と雪では、雪の語りにより物語が進行していきます。雪は、母親の花から聞いた話を語っているのです。

したがって、花の話には真実だけでなく嘘や思い込みが入っている可能性も否定しきれません。あるいは雪の聞き違いがあるかも知れません。物語に不可解な謎が多いと言われることのあるおおかみこどもの雨と雪ですが、語り部が雪であることがそうしたミステリアスな部分を生む効果をもたらしているのかも知れません。

考察④ファンタジア2000との関係

アニメ映画おおかみこどもの雨と雪の後半で、花と雪、そして雨の3人が雪山から駆け降りてくるシーンがあります。このシーンが2000年に公開されたディズニー・アニメ「ファンタジア2000」のシーンによく似ているとされています。

細田守監督は、好きな映画の一つとしてこの「ファンタジア2000」を挙げています。そのことから、細田監督によるオマージュではないかとも言われています。気になる方は「ファンタジア2000」を観て、該当シーンを探してみても面白いかも知れません。

考察⑤物語に登場する何気ない本にも意味がある?

アニメ・おおかみこどもの雨と雪には、所々でさりげなく雪や雨が読んでいると思われる書物が登場しています。

何気ない小道具としての本なのですが、それらには細田監督ならではのこだわりや意味があるようです。細田監督はインタビューでの質問に対し次のように語っていました。

「子供たちの成長具合など、その場面ごとに相応しいものを本棚会議というものをやって決めています。ぜひ、本にも注目してください」

考察⑥舞台・聖地は監督の出身地?

おおかみこどもの雨と雪で、花が通っていた大学は東京・一橋大学がモデルになっています。雪たちの父親となる「おおかみおとこ」とデートした喫茶店や花がバイトをしていたクリーニング店も一橋大学周辺の商店街に実際にあるお店です。

また、花が子供たちを連れて都会から引っ越した田舎は、細田監督の故郷・富山県の里山がモデルになっています。さらに、花たちが暮らしていた古民家も実際に存在しているのです。

こうした、おおかみこどもの雨と雪ゆかりの家やお店は作品の聖地として有名なようで、いまでも多くのファンが訪れているようです。

おおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価

ここまでおおかみこどもの雨と雪のその後を考察してきましたが、最後におおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介するおおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価は、おおかみこどもの雨と雪の絵を描いている方のツイートからです。ところが、一緒に見ている方が泣くたびに釣られて泣いてしまい、一向に絵が進まないと言います。この作品を観て号泣するというツイートは数多くありました。

続いて紹介するおおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価は、おおかみこどもの雨と雪を観てあることに気が付いたというツイートからです。気づいた事とは、気分転換に掃除をするシーンがとても好きだったということ。先ほどのツイートとは違いオンリーワンのツイートです。ツボにはまるシーンは人それぞれあるようです。

最後に紹介するおおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価は、初めておおかみこどもの雨と雪を観た方のツイートからです。登山が趣味という奥さんが、作品の舞台が富山であることを見抜いて驚いたと言います。風景や街並みの特徴の描写に、富山出身の細田監督ならではの的確な指示があったのかも知れません。

おおかみこどもの雨と雪のその後まとめ

ここまでアニメ映画・おおかみこどもの雨と雪を特集し、雪と草平の結婚など原作小説や漫画でも描かれていない「その後」を考察してきました。いかがでしたでしょうか?

まとめのイメージ

母親・花のもとを離れていった雪と雨。しかし、その後も雪は手紙を送って近況を知らせ、またオオカミとして生きる雨は桃を差し入れしたりと、花とは良好な関係を続けています。この親子の関係を元に「その後」を考察してみました。

おおかみこどもの雨と雪は、何度観ても感動すると評判の作品です。ここで考察したその後を念頭に置いて再度作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか?それまで気づかなかった新たな発見や感動があるかも知れません。

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