【未来のミライ】くんちゃんの家の構造がすごい？間取りや場所を考察

『未来のミライ』は『サマーウォーズ』や『時をかける少女』といった人気アニメ作品を生み出した映画監督・細田守（ほそだまもる）氏の作品です。2018年に公開され、第71回カンヌ国際映画祭の『監督週間』に選出されたアニメーション映画作品です。制作会社はこれまでも様々な細田守監督作品を製作している『スタジオ地図』が担当。

未来のミライの主題歌は楽曲『クリスマス・イブ』でお馴染みのシンガーソングライター・山下達郎（やましたたつろう）さんが作成しています。また声優陣には上白石萌歌（かみしらいしもね）さん、黒木華（くろきはな）さん、星野源（ほしのげん）さんなど人気俳優を多く起用しています。

未来のミライのキャッチコピーは「ボクは未来に出会った」。物語は主人公である4歳の男の子・くんちゃんが様々な時代や場所にワープし、未来からやってきた妹・ミライちゃんと出会い、交流するお話となっています。

くんちゃんは建築家のお父さんを持つ4歳の男の子。出産のため入院していたお母さんが妹・ミライちゃんと共に家に帰ってきます。しかし、お父さんとお母さんは生まれたての妹にばかりかまい、くんちゃんは寂しい思いを募らせます。そしてある日くんちゃんは癇癪を起こし、きつく叱られてしまい中庭に泣きながら逃げ出します。するとそこには"元王子"と名乗る見知らぬ男性が立っていたのでした。

未来のミライに登場するくんちゃんの家。この家は特徴的な間取りと言うこともあり、未来のミライを見た視聴者に注目されているポイントのひとつです。この未来のミライに登場するくんちゃんの家は建築家であるくんちゃんのお父さんが建てた家です。

その間取りは現代の一般的な家にはあまり見かけない形ということもあり、「住みにくそう」「面白い間取り図」と、未来のミライを見た視聴者に様々な感想をあげられています。現実の家ではあまり見かけない間取り図となっているこのくんちゃんの家ですが、未来のミライを見た建築関係者や建築家からは"実際に住むことを意識して考えられた間取り図"として評価されています。

未来のミライの冒頭のシーンではこの間取りに対し、くんちゃんの母方のおばあちゃんに「建築家と結婚するとまともな家には住めないって事なのかしら」と小言を言われていますが、建築家の感想では「住みづらさは愛着へと変わる」という意見も出されています。

未来のミライに登場するくんちゃんの家は少し変わった間取りとなっていますが、未来のミライを見た建築家の人には「動線を意識している間取り図」「全ての部屋が見渡せる間取り図」と高評価を受けています。この家は奥に行くほど地面から高くなるように建てられており、全部で6つのスペースに分けられています。一番下の階が未来のミライの主人公・くんちゃんが使っている子供部屋。その隣の部屋が中庭スペース。

さらにその隣りには家族が団らんするキッチン。その奥にはリビングルーム、寝室があり、一番端に洗面所・トイレ・浴室があるという並びになっています。そしてこの家の間取り図の特徴的な部分として、各部屋が下の部屋よりも1メートルずつ高くなっているという部分です。地面が斜めになっている場所に建てられていることもあり、少しずつ段差を補っているという面白い間取り図になっているのが特徴的です。

未来のミライに登場する個性的な間取り図のくんちゃんの家。物語の中ではこの家の場所は明言されていませんでしたが、未来のミライの映画の中で『磯子駅』が登場しているため、神奈川県横浜市にある磯子駅周辺がモデルになった場所なのではないかと考察されます。

未来のミライの公式サイトに記載された情報によると、「とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家」と書かれているため、神奈川県の中心地である横浜というから少し離れた場所と考えると立地条件も当てはまっています。

また未来のミライの物語中に登場したくんちゃんが自転車を練習していた公園は横浜市にある根岸森林公園、またくんちゃんがひいじいじとバイクで走ったシーンでは過去に横浜市内で使用されていた500型の路面電車が走っていたため、未来のミライのメインの舞台になった場所は磯子を中心とした横浜市ではないかと予想されます。

未来のミライは主人公のくんちゃんが過去や不思議な空間にトリップする物語です。では家の中でトリップする場所はどこなのか？その答えはくんちゃんが家のダイニングキッチンと子供部屋の間にある"中庭スペース"です。

この中庭スペースには特徴的な木が一本生えており、この未来のミライの物語の中でも目を引くアイテムのひとつです。この中庭はくんちゃんがどこか別の場所にトリップするだけではなく、犬のゆっこが人間に変身したり、未来から来たミライちゃんが現れる物語の最も重要な場所でもあります。

未来のミライでは主人公のくんちゃんが色々な場所にトリップします。多くは過去の磯子にトリップすることが多いですが、時には他の場所にトリップすることもあります。過去にトリップする以外では現実ではない仮想世界のような場所に迷い込むシーンが度々登場しました。

一番初めは犬のゆっこが人間化した廃屋のような場所。他にも東京駅と思われる、電車が停車している場所にたどり着いたこともあります。東京駅らしき場所にはハッキリと駅名が記載されていたわけではありませんが、出入り口に『八重洲口』と表記されていたため、東京駅もしくは東京駅をモデルにしたくんちゃんの作り上げた仮想世界であったと言えるでしょう。

未来のミライでは建築家のお父さんが作った家が視聴者から注目されていましたが、くんちゃんの家以外にも建築要素が盛り込まれたアイテムが登場します。それはくんちゃんのお母さんと、彼女の母親であるおばあちゃんが話をしている時に出てきたゼリーケーキです。オレンジ・ピンク・赤の3色の色が挟まれた土台の上に、赤・青・黄色などのカラフルな色のゼリーが乗せられたケーキが登場します。

このケーキは実際にある『ゼリーのイエ』というゼリー専門店で売られている『デコレーションモアリッチ』という商品をモデルにしたケーキです。ゼリーのイエで販売されているデコレーションモアリッチは、ムースとゼリーで作られているため、卵や小麦などのアレルギーを持っている人でも楽しめる商品となっています。

未来のミライに登場するカラフルなゼリーケーキ。その色鮮やかな見た目が注目され「実際に食べてみたい」と気になっている視聴者も多いようです。このケーキは福島県いわき市にある『ゼリーのイエ』の『デコレーションモアリッチ』がモデルとなっています。

そのため、未来のミライに登場したこのケーキが食べたい人はそちらの店舗で購入すれば食べることができます。ゼリーのイエでは店舗販売以外にも通販も行なっているので、遠くて足を運べないという場合には通販を利用するのが良いでしょう。

その個性的な間取りが印象的だと話題になっているくんちゃんの家。「実際には住みにくそう」という意見も多々見られていますが、建築家からは「実用性を考えたしっかりした間取り」と好評価もうけています。広いとは言えないスペースをしっかりと使いおしゃれなデザインに仕上げたこの家は、住んでいるうちに愛着の湧く家になるのかもしれません。

またこの未来のミライに登場するくんちゃんの家は、テレビ番組にも出演している注目の建築家・谷尻誠（たにじりまこと）さんが設計したということでも話題となっています。谷尻誠さんは建築デザインのコンテストで多くの優秀賞を受賞している人物。その手腕はアニメの中でも余すことなく発揮されていました。

そんなデザイン性が注目されているくんちゃんの家は「住んでみたい」という視聴者の声も上がっています。「子供や犬がいる環境では少し不安な間取り」という意見もありますが、その独創的なデザインや、離れていても遠くの部屋の様子を見ることができる工夫は、住んでいる人を楽しませる家とも言えるかもしれません。

以上、未来のミライに登場するくんちゃんの家の間取り図家や家の所在地についてご紹介してきました。6つのスペースに分かれ、部屋ごとに1メートルずつ高さを上げる構造になっているくんちゃんの家。その個性的な間取りから「住みにくそう」という声もありますが、デザイン性や生活の動線を考えた建築家のアイデアが詰まった家となっています。

また、くんちゃんの家のある場所は物語に登場する建物などから、横浜市の磯子区周辺ではないかと予想されます。現在人気上昇中の映画監督・細田守氏の作品『未来のミライ』。もう映画を見た人もまだ見ていない人も、家の間取り図に注目しながら今一度鑑賞してみてはいかがでしょうか？