2021年08月28日公開
2021年08月28日更新
おおかみこどもの雨と雪の感想・評判は?あらすじや最後の結末もネタバレ
日本アカデミー賞最優秀アニメ作品賞を受賞したアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』。キャラの距離感や母親の無償の愛、さりげなく入れられた3DCGのアニメーションなどの要素がおすすめの作品で、女子大生の花が「おおかみおとこ」と恋に落ち、やがて生まれるおおかみこどもの雨と雪を育てていく花の姿が描かれています。当記事ではそんな『おおかみこどもの雨と雪』の感想・評判を紹介。またあらすじや最後の結末もネタバレしつつまとめていくので、感想と伏せてご覧ください。
目次
おおかみこどもの雨と雪とは?
おおかみこどもの雨と雪の概要
『おおかみこどもの雨と雪』は細田守監督の長編オリジナル映画『サマーウォーズ』に続く第2作です。テーマは無償の愛と親子愛。女子大学生の花がおおかみおとこと出会い、その間に生まれた子供を育てていく様子が描かれています。『時をかける少女』と『サマーウォーズ』に関わってきた監督・脚本の細川を初め、脚本家の奥寺佐渡子とアニメーター・漫画家の貞本義行が制作を手掛けました。
おおかみこどもの雨と雪の主題歌
『おおかみこどもの雨と雪』の主題歌は、シンガーソングライターとして活動中のアン・サリーが歌う「おかあさんの唄」です。作詞は細田守、作曲は高田正勝が担当しています。
おおかみこどもの雨と雪の映画あらすじ結末・最後ネタバレ
あらすじネタバレ①語り部は雪
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』の物語は「雪」という女の子が語り部を担い、母親である花の変わった半生を話していきます。本作の本当の主人公は母親の花です。それではここから、雪が語る母の半生を結末まで見ていきましょう。
あらすじネタバレ②花とおおかみおとこの出会い
国立大学に通う大学生の花はある日、大学の講義を受けている男性と出会います。他の学生とは異なる雰囲気を持つ彼に興味をひかれた花は、講義の出席票を出していないという名目で彼に声を掛けました。それを機に花と彼は一緒に勉強する仲へと発展していき、遂には互いに惹かれ合い恋に落ちます。
あらすじネタバレ③新しい命と死
2人が出会ってから時が経ったある日、花は彼と深夜の時間帯に外で話し込んでいました。すると唐突に彼が重大なことを明かすと言います。彼は自分が「おおかみおとこ」であると告白し、首回りに生えた長い毛や長い鼻と指を持ったオオカミへと姿を変えた自分を見せました。オオカミへと変身した姿を見て、花は一瞬驚いたものの「あなただから怖くない」と言ってありのままの彼を受け入れることにしました。
それ以来、2人は一緒に暮らし始めます。それからまた時が経ち、2人の間に「雪」という女の子と「雨」という男の子を授かります。しかし、これから幸せな家庭を築こうと2人で話していた矢先に彼が死んでしまいます。彼は近所の川でオオカミの姿のまま亡くなっていたのでした。彼を失ったことでしばらくの間悲しみに暮れた花でしたが、子供たちを見て「任せて。ちゃんと育てる」と言い1人で子供二人を育てていく決心をします。
あらすじネタバレ④新しい暮らし
オオカミを育てる知識や経験など持たない花は、育児に専念するために大学を中退することにします。それからしばらくの間は子育てしながら独学で子育ての知識を得ていましたが、花と雨が遠吠えしたり、定期健診や予防接種を受けさせていないことで児童福祉士から児童虐待を疑われたりするなど大変な日々を送っていました。
そこで、花はおおかみこどもをのびのび育てられるように、思い切って都会から田舎へと引っ越すことにします。こうして花は雪と雨を育てながら、畑づくりや古くなった家を自力で改装するなど新しい暮らしを送ることになりました。
あらすじネタバレ⑤子供達の成長
花が畑づくりや家の改装に精を出す一方で、雪が小学校に通うことになりました。雪は周囲に馴染もうと女の子らしく振舞っていましたが、転校生の草平にオオカミであることを悟られそうになったため、しつこく付きまとう草平の耳を爪で引っ搔いてしまいます。雪は草平を怪我させたことで一時学校に行けなくなりますが、草平のおかげで再び学校に通えるようになりました。
一方、雪に続いて雨も小学校に上がりますが、周囲に馴染むことができなかったため、次第にオオカミとしての本能を優先するようになります。そして雨は近所の山で出会った狐のことを「先生」と呼び、学校を欠席して山には入りびたるようになりました。
あらすじネタバレ⑥雨の旅立ち
ここからの展開は物語の結末へと繋がっていきます。ある記録的な大雨の日、小学校ではそれぞれの親が子供を迎えに行くことになっていました。しかし、雪と草平の母親は待っていても姿を見せず、ついに学校に残ったのは雪と草平の2人だけになります。その時、草平は母親が再婚相手との間に子供をもうけた事実と共に、自分は要らなくなるんじゃないか?と不安な心境を雪に打ち明けます。
そこで雪は自分がおおかみこどもであることを草平に明かしました。その事実を知った草平は「雪の秘密は誰にも言わない。だからもう泣くな」と言い、雪の理解者になろうとします。一方、花は山の中に入っていった雨を連れ戻すために山の中を駆け回っていました。しかし花の体力が限界を迎えたため、足を踏み外して気を失ってしまいます。気を失った花を助けたのはオオカミに変身した雨でした。
その後、雨はやるべきことは終えたとばかりに何も言わず山に帰っていこうとします。そこで花は雨に向かって「まだ私なにもしてあげれてない」と語りました。雨は山の主の代わりとなってオオカミとして生きることを決意したのでしょう。花の言葉に対して何も言わず、岸壁の頂上に登り遠吠えで返します。花はその遠吠えで決意を受け取ったのか、笑顔になり「しっかり生きて!」と叫びました。
あらすじネタバレ⑦その後
結末を迎えた後、再び雪が語り部となってその後の経緯を話し始めます。雪はオオカミとして生きることを決意した雨とは異なる人生を歩むことを決意していました。雪は人間として生きることを決め、中学にあがってからは家を出て寮暮らしを送っています。一方、花は相変わらず田舎の大きな家に一人で住み、大切な人の形見である免許証に向かって手を合わせていました。
おおかみこどもの雨と雪のおすすめポイントや面白い魅力
おすすめポイント①キャラの距離感
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』のおすすめポイントは「キャラの距離感」です。本作は表現の仕方自体が珍しく、登場キャラたちをロングショットで見せるシーンが多いです。
たとえば、花の大切な人が死亡しているシーンや雪と雨がオオカミに変身して争うシーンなどがあります。キャラたちをロングショットで見せることにより、花が体験する数々の出来事を客観的に見ることができ、雪が語り部となっているように寓話的に受け取りやすくしていると言っても良いでしょう。
もしかすると、花や雪、雨など主要キャラに苗字が設けられていないのも、登場人物たちと距離を置かせるためなのかもしれません。花と結ばれるおおかみおとこに至っては結末まで名前が明かされることがありませんでした。だからこそ視聴者を主要キャラへと感情移入させず、批評的な視点を欠かせず与えてくれるのだと言えるでしょう。
おすすめポイント②あるべき母親像を描いた?
続いて紹介するアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』のおすすめポイントは「母親の人物像」です。もしかすると、映画で花が子育てをする姿を見ていた方はどこか危機感を覚えた方はいらっしゃるかもしれません。
たとえば、雪が人前でオオカミに変身していたり、子供たちに定期健診や予防接種を受けさせていないことで児童福祉士が訪問してきたりするシーンがあります。これらのシーンを批評的な視点から見ることで、「母親としてどうあるべきか」を考えさせられることでしょう。
ただ、本作は花のことを正しい母親、悪い母親といった人物像で描かれていないため、敢えて苦労し憔悴した花を描くことで、助けたのは出会った人との交流や助け合いであったということを示したかったのかもしれません。つまり、本作は母親は子供を一人だけでは育てていけないことに気付かせようとしているということです。実際に結末のシーンで雪と雨を導いたのも花ではなく、草平とアカギツネの先生でした。
おすすめポイント③3DCGのアニメーション
最後に紹介するアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』のおすすめポイントは「3DCGのアニメーション」です。さりげないため気付きにくいですが、本作ではシーンの多くに3DCGが用いられていました。
3DCGが用いられているシーンとしては、花が野原に寝転ぶシーン、雪たちが雪林の木々がある場所を滑走するシーンなどがあります。他にも3DCGでありながらもそれと気づかせないアイテムが無数に隠されているようなので、興味のある方はチェックしてみてください。
おおかみこどもの雨と雪の声優キャスト一覧
花役/宮崎あおい
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』に登場する花役を担当した声優キャストは、芸能事務所「ヒラタインターナショナル」で女優として活動する宮崎あおい(みやざき あおい)です。
宮崎あおいは1985年11月30日生、東京都出身の女優で1989年からテレビドラマや映画、CMのジャンルを中心に活動しています。デビュー後は2001年に公開された映画『害虫』で初主演を務め、第23回ナント三大陸映画祭コンペティション部門主演女優賞を受賞しています。
彼役/大沢たかお
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』に登場する彼役を担当した声優キャストは、芸能事務所「コアインターナショナル」で俳優・モデル・歌手として活動する大沢たかお(おおさわ たかお)です。
大沢たかおは1968年3月11日生、東京都武蔵野市出身の俳優で1987年から映画やテレビドラマ、舞台、ナレーター、CMなどのジャンルを中心に活動しています。デビュー後は、1995年に公開された映画『ゲレンデがとけるほど恋したい。』で主演を務め、広瀬香美が歌う「ゲレンデがとけるほど恋したい」と共に大ヒットしていました。
雪役/黒木華
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』に登場する雪役を担当した声優キャストは、芸能事務所「パパドゥ」で女優として活動する黒木華(くろき はる)です。黒木華は1990年3月14日生、大阪府高槻市出身の女優で2010年から映画やドラマ、舞台などのジャンルを中心に活動しています。阿佐ヶ谷スパイダース公演『荒野に立つ』、蜷川幸雄演出『あゝ、荒野』などの舞台作品に出演したことで、演劇界の期待の新人として注目を浴びていたようです。
雨役/西井幸人
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』に登場する雨役を担当した声優キャストは、芸能事務所「ワタナベエンターテインメント」で俳優・タレントとして活動する西井幸人(にしい ゆきと)です。西井幸人は1995年6月14日生、埼玉県出身の俳優で2009年から映画・テレビドラマなどのジャンルを中心に活動しています。2010年5月に舞台『ミュージカル黒執事』で本格的にデビューしており、同年公開の映画『告白』で映画初出演を飾っていました。
藤井草平役/平岡拓真
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』に登場する藤井草平役を担当した声優キャストは、芸能事務所「サンミュージック」で活動していた平岡拓真(ひらおか たくま)です。平岡拓真は1998年2月19日生、香川県出身の元俳優で、『戦慄迷宮3D』『中学生円山』『トイレのピエタ』『無限の住人』などの映画作品に出演しています。
おおかみこどもの雨と雪に関する感想や評価・評判
感想や評価・評判:涙を誘う作品
おおかみこどもの雨と雪 読了ー
— ヨシタカ (@44Mochiring) May 21, 2013
タイトルの通りのトンデモ設定だけど、その要素を上手いこと使って涙を誘います。作中の時の流れが早く、頭の中で四季の美しい風景がころころ変わって楽しめました。映画も評判なので今度借りて観たいものです。息抜き的な一冊。オススメ。#感想部
こちらの感想や評価・評判では『おおかみこどもの雨と雪』が設定を上手く使って涙を誘っていると言われています。どうやら、四季の美しい風景がころころ変わるところに注目されているようです。おすすめされているので興味のある方は要チェック。
感想や評価・評判:マイノリティへの理解と優しさが行き届いた映画
細田守作品『未来のミライ』はあまりに評判が良くなかったためまだ観てないのですが、『おおかみこどもの雨と雪』はすごく好きです。これってマイノリティに関する話ですよね。母親の言動が理解できないとの意見もあるようですが、マイノリティへの理解と優しさがとても行き届いた映画だと感じます。
— Ray (@koredakewa11ta1) July 12, 2019
こちらの感想や評価・評判では『おおかみこどもの雨と雪』がマイノリティへの理解と優しさが行き届いた作品だと言われています。どうやら、本作は母親の言動が理解できないとの意見もあるようです。確かに同調圧力が強い風潮にある世間ではマイノリティに関する話は評判が良くないのかもしれませんが、この方のように高く評価されることもあるので、評判に流さず見てみるのが良いでしょう。
感想や評価・評判:昔は人気だった
なんか昔は人気だったのに最近おおかみこどもの雨と雪とか評判悪いのなに?
— えびもん (@0pai_) July 3, 2021
こちらの感想や評価・評判では『おおかみこどもの雨と雪』が評判悪いことに疑問を感じているのが分かります。昔は評判が良かったとのことなので、なにが原因なのか調べてみるのも良さそうです。
おおかみこどもの雨と雪の感想まとめ
アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』のあらすじを最後の結末までネタバレし、ネット上に寄せられた感想・評判をまとめてきましたがいかがでしたか?どうやら『おおかみこどもの雨と雪』は母親の子育てに関しての意見が多くあがっているようです。
また、子供たちがあまりにも早く成長し結末を迎えるため、寂しい思いをした人も多いかもしれません。今回はあらすじを結末までネタバレしつつおすすめポイントを紹介したので、興味を持たれた方はぜひアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』をご覧になってみてください。