鋼の錬金術師(ハガレン)のノックスはマスタングの戦友で検死専門医!名言や声優は?

ノックスは、『鋼の錬金術師』(ハガレン)に登場する検死医です。ロイ・マスタング大佐を「共犯者」と呼び、過去の内戦での経験に苦しんでいます。生者を治す医療行為や、家族から遠ざかっていた彼の名言に、多くの視聴者が涙しました。また声優を務めた有本欽隆(きんりゅう)さんが2019年に亡くなった際にも、「『ハガレン』のノックスの演技が忘れられない」と話題になりました。『ハガレン』のノックスについてまとめます。

鋼の錬金術師(ハガレン)のノックスはマスタングの戦友で検死専門医!名言や声優は?のイメージ

目次

  1. ハガレンのノックスはマスタングの戦友で検死専門医
  2. ハガレンのノックスの名言や名セリフ集
  3. ハガレンのノックスのアニメ声優
  4. ハガレンのノックスの過去や活躍をネタバレ
  5. ハガレンのノックスに関する感想や評価
  6. ハガレンのノックスまとめ

ハガレンのノックスはマスタングの戦友で検死専門医

『鋼の錬金術師(ハガレン)』のノックスは医者として、軍人のロイ・マスタングと共にイシュヴァール殲滅(せんめつ)戦という内戦に参加した過去を持ちます。当時、命令されたとはいえ非道な行いをしたと互いに知っているため、ノックスはマスタングを「共犯者」と呼びます。この時の罪悪感から、ノックスは生者の治療を避け、検死を行う鑑定医となりました。

鋼の錬金術師の作品情報

鋼の錬金術師の概要

『鋼の錬金術師』(2001~2010年)は荒川弘が連載した漫画で、『ハガレン』は略称です。原作連載中の2003年に、『ハガレン』旧アニメ版などと呼ばれる、オリジナル色の強いアニメが制作されました。2009年に再アニメ化された際は、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』と英題も正式に付き、ほぼ原作に近い内容で漫画と同時期に終幕しました。

2005年に制作された映画『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征(ゆ)く者』は、興行収入13億円を記録しました。2011年の『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』の興行収入は、6.5億円です。『ハガレン』人気は長く続き、ゲームがシリーズで、またキャラクターソングも発売されました。

鋼の錬金術師のあらすじ

錬金術が発達した世界で、少年エドワード・エルリックは病死した母との再会を願い、弟のアルフォンスと人体錬成に挑み、失敗します。自身の左足と右腕、弟の全身を失った彼は、魂を鎧に定着させた弟の体を取り戻すため、賢者の石を探します。国家錬金術師となった彼は、国を変えようと上を目指すマスタング大佐、過去の殲滅戦を恨み国家錬金術師へ復讐するイシュヴァール人、暗躍する人外のホムンクルスたちと出会います。

ノックスのプロフィール

『ハガレン』のノックスは、黒髪でメガネをかけた中年男性です。身長は175㎝前後で、あごひげを生やし、よく煙草を吸います。過去に医者としてイシュヴァール殲滅戦(国の内乱鎮圧作戦)に従軍しました。その際、非人道的な人体実験に荷担させられ、帰還後も悪夢や不眠に苦しみます。その後、生きた人間への治療行為から離れ、検死専門の鑑定医となります。妻と息子がいますが、帰還後の己の症状を危険視し、別居しました。

『ハガレン』で人気の高い「焔(ほのお)の錬金術師」マスタング大佐とは腐れ縁で、彼は過去に殲滅戦を共にしたノックスを「戦友」と呼びます。しかしノックスは、非人道的な行為に手を染めた互いを「戦友」より「共犯者」だと言います。悪態を吐きつつも、ノックスはマスタングが偽装した焼死体に気づき、彼の思惑を見抜いて偽の鑑定結果を出し、助けます。

ノックスの性格

ノックスは医者として倫理観があり、命じられた人体実験への荷担に良心の呵責を覚えます。また帰還後、精神的な後遺症を抱えた自分が家族の害や迷惑になることを強く案じ、避けます。その後、キノコが生えるほど未整頓の部屋に住みます。目の前で少女たちが戦闘を始めると大声で止め、また静かに己の過去を語って、子どもに争ってほしくないと諭しました。

ノックスは偽悪的な毒舌家で、怪我人を連れて来られた時も面倒事を嫌がりますが、治療を施します。それを感謝された際、自分は礼を言われるような医者ではないと狼狽(うろた)えたり、憎まれ口を叩いて逃げるように去ったりしました。

TVアニメ「鋼の錬金術師」公式サイト

ハガレンのノックスの名言や名セリフ集

ノックスの名言①「なんで俺は医者なのに…」

『ハガレン』のノックスの名言を紹介します。彼はイシュヴァール殲滅戦で、マルコーという錬金術師と対話しました。ノックスは、マスタングが錬金術で焼いたイシュヴァール人の解剖などを軍にさせられ、心が弱っていました。一方、避難勧告を無視して留まり、イシュヴァール人たちを治療する外科医夫婦が居ると知り、ノックスは己の医者としての在り方を疑問視します。

「なんで俺は医者なのに人殺ししてんだ?」

実験のため、時にまだ生きているイシュヴァール人にメスを入れることを強いられた状況は、ノックスを追いつめました。この対話で、『ハガレン』の重要なアイテム「賢者の石」の製造に携わり、研究者として高揚していたマルコーも罪悪感に目覚めます。

ノックスの名言②「家族とコーヒー飲むくらいの幸せは…」

ノックスは、殲滅戦での精神的ストレスから悪夢や不眠で疲弊し、妻を敵と誤認し首を絞めかけました。家族の安全のため、また妻と息子に己の行いを知られることを恐れ、別居します。十数年後、妻と青年に成長した息子がノックスを訪ねます。家の片づけを手伝ってもらいながら、コーヒーを淹れて、ノックスは涙を流して呟きます。神がいるなら見逃してくれ、と。

こんな俺でもよぉ… 家族とコーヒー飲むくらいの幸せは
 願っていいよな…?

己の過去への強い罪悪感に苦しみ続けたノックスのこの名言に、多くの『ハガレン』ファンが涙しました。主要キャラクターでないのに人生がある、と『ハガレン』の原作者・荒川弘が称賛されています。また当時は現実世界でも、帰還兵などのPTSD(心的外傷後ストレス障害)が広く問題視され始め、ノックスへの同情が集まりました。

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ハガレンのノックスのアニメ声優

有本欽隆のプロフィール

『ハガレン』のノックスを演じた声優・有本欽隆(きんりゅう)さんは、1940年2月11日に生まれ、2019年2月1日に食道癌(がん)のため78歳で亡くなりました。血液型はB型です。24、5歳頃から舞台俳優として活躍し、創立した劇団薔薇座の看板役者でした。声優としては1966年から活動し、多くの映画やドラマの吹き替えも担当しました。声種はバリトンで、『ハガレン』のノックスと同じく喫煙者だったそうです。

有本欽隆の主な出演作品

有本さんは、アニメでは『機動戦士ガンダムSEED』のパトリック・ザラ、『ONE PIECE』のエドワード・ニューゲート(白ひげ)、『イナズマイレブン』の響木正剛、『PSYCHO-PASS』の征陸(まさおか)智己(ともみ)などの役を務め、2003年に放送された方の『鋼の錬金術師』(『ハガレン』旧アニメ版)では、漫画にも序盤で登場する悪役教祖コーネロを演じました。

また、『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』のトーマス・モロー役(アラン・デイル)の吹き替えを担当しました。その他『エイリアン3』、『風と共に去りぬ』、ピクサーの『カーズ/クロスロード』(スモーキー役)や、『スター・ウォーズ』・『ダイ・ハード』・『007』・『ホーム・アローン』シリーズなど、大作の助演を多く吹き替えています。

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ハガレンのノックスの過去や活躍をネタバレ

ネタバレ①イシュヴァール殲滅戦時

ノックスは軍医として、イシュヴァール殲滅戦に参加しました。その内実は賢者の石を使った大規模な実験で、人体のダメージのデータを取るため、軍人のマスタングが錬金術で焼いたイシュヴァール人たちを解剖するなどの非道な行為に、ノックスは従事させられました。

ネタバレ②ランファンとメイチャンへの言葉

生者の治療から離れていたノックスの元へ、負傷した2人の少女が運ばれます。ランファンの主と、幼いメイ・チャンは、シン国の皇位を争う他部族の政敵です。自分の家で殺し合いを始めた2人をノックスは叱りつけ、また殲滅戦での過去を語って呟きます。

ケンカすんなよ
おっさんは子供が殺し合うのなんざ見たかねぇんだよ

この言葉に感銘を受け、2人は争いを収めます。後にランファンは主に対し、皇帝となっても悪習には従わず、他部族を弾圧しないでほしいと進言します。このエピソードとノックスのセリフは、アニメでは省かれましたが、時に『ハガレン』の原作読者が名言・名シーンに挙げます。

ネタバレ③家族関係が少しずつ修復していく

メイ・チャンとランファンが感謝し退院して行くと、妻と成長した息子がノックスを訪ねます。ノックスが生者を治療していると知った息子は、自分も医者を志していると告げます。そして、イシュヴァールでの出来事を知った上で、父であるノックスを以下のように叱咤します。

「人の命を救う技術があるのに何もしないのが一番卑怯だ」

なぜそんなにも一生懸命に自分に向き合ってくれるのか、とノックスが途惑うと、息子は「家族だからだよ」と真剣に答えます。その後、家の片づけをしてくれる妻と息子のためにコーヒーを淹れようとし、ノックスは涙します。『ハガレン』の最終決戦後に、ノックスは医者として負傷者を治療しました。

ネタバレ④マリア・ロスの検死解剖担当をする

作中、マリア・ロス少尉がマース・ヒューズ中佐を殺害した犯人に仕立てられた時、マスタングは彼女の無実を見抜き、偽の焼死体を用意します。それを検死したノックスは、ロス少尉ではないと気づきながらも、歯の治療痕が一致するためロス本人という鑑定結果を出します。焼いたのがマスタングであり、ロスは犯人でないと察したノックスは、マスタングがロスを逃がそうとしていると想定し、それは合っていました。

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ハガレンのノックスに関する感想や評価

上記の家族とコーヒーの名言が、特に泣けると話題になっています。2021年7月12日に連載開始から20周年を迎えた『ハガレン』が再び注目される中、ノックスを思い出したファンもいました。

ノックスは過酷な戦場体験を通し、医者としての自負や家族との関係、健康や自己肯定感まで損ないました。軍人など「命」に深く関わるキャラクターが多い『ハガレン』では、ノックスのように巻き込まれた側の脇役も、様々な考えや苦悩、人生を有する者として描かれます。

ノックスを演じた声優・有本欽隆さんのファンも多く、逝去の際には数々の名演を偲ぶ追悼の声が上がりました。彼の声優としての実力にも支えられ、『ハガレン』のノックスの名言もまた人々の記憶に残っています。

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ハガレンのノックスまとめ

『鋼の錬金術師』(ハガレン)のノックスは検死医で、イシュヴァール殲滅戦で非道な解剖をさせられた苦悩により、生者への医療行為から離れていました。同じ戦場に居たマスタングを「共犯者」と呼び、彼のロス少尉を救うための焼死体偽装を察し、偽の鑑定結果を出して助けています。ノックスを演じた声優は、有本欽隆さんです。『ハガレン』のノックスの名言を中心にまとめました。

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