ワザップジョルノとは何？元ネタやジョジョで再現された理由も紹介

みなさん、『─あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます！理由はもちろんお分かりですね？』そんなセリフからはじまる「ワザップジョルノ」と呼ばれるファンメイドのジョジョ動画をご存知ですか？

アニメ劇中のBGMとイケボによるウソアフレコ、そしてシュールな台詞回しなどで話題の「ワザップジョルノ」について、「ワザップジョルノとはなんなのか？」「ワザップジョルノに使用されているBGM名は？」「ワザップジョルノの元ネタは？」など気になる真相を解説してきましょう！

まず触りとしてワザップジョルノが作られることになった『ジョジョの奇妙な冒険』についておさらいしましょう。『ジョジョの奇妙な冒険』とは荒木飛呂彦先生の代表作にして、世界中に愛されているジャンプ・コミックスの代表的な漫画の一作です。1986年から集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載が開始され、何代にも巡る「ジョースター」一族と「ディオ」と呼ばれる凶悪な吸血鬼たちとの闘いを描いています。

そんな壮大な物語のうち、５代目主人公にあたる「ジョルノ・ジョバァーナ」が登場するのが1995年の『週刊少年ジャンプ52号』から連載がスタートした『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』です。第5部の醍醐味でもある「スタンド使い」であり、「ゴールド・エクスペリエンス」というスタンドを使用します。

第5部の主人公ジョルノ・ジョバァーナとはシリーズ共通の宿敵にあたる「ディオ」の息子ではあるものの、前作以前のとある理由でジョースター家の特徴である星型の痣が発現しており、一族のもうひとつの特徴である友愛や正義感、そして勇気を兼ね備えています。第5部ではイタリアが舞台になっており、ギャング組織「パッショーネ」のもとで「ブチャラティ」たちと組織のボスの娘である「トリッシュ」を救うために奔走します。

「ワザップジョルノ」とはどこから生まれたのでしょうか？実はと言うと、ジョジョの劇中のセリフなどが元ネタになったのではなく、「ワザップ！」と呼ばれるゲーム攻略のための掲示板サイトが元ネタと言われています。

「ワザップ！」には不特定多数のユーザーが攻略本に書いていないゲームの小ネタや攻略方法、裏技などを投稿してシェア出来るようになっていました。そんななかにはガセネタやバグ技が書き込まれることもあり、「ワザップジョルノ」の元ネタもそんな環境から生まれています。それがこちらです。

この妙に文法が崩され、速度感のある台詞回しがジョルノ・ジョバァーナの台詞回しに似ているという書き込みが2019年の「【悲報】ワザップの嘘裏技に騙されたクソガキ、ジョルノ・ジョバーナみたいになってしまう」というスレッドとしてネット上で拡散され、そして「ニコニコ動画」で「マオトゥー さん」というユーザーがセリフをアフレコするファンメイド動画をつくったことで多くのユーザーがファン動画をつくるに至りました。

「ワザップジョルノ」の元ネタになっているコメントの面白さはどこからきたのでしょうか？その答えはワザップ！の『ポケットモンスター オメガルビー』の攻略投稿にありました。そのなかにはこのように記されていたと言います。

伝説のポケモンである「ボルケニオン」がしかも色違い（かなりレアな状態）で手に入るという情報は多くのユーザーによって実証されましたが、「前のセーブデータ」が必要であったため失敗したユーザーたちは激怒することになりました。

これはただの1ユーザーによってもたらされたガセネタではなく「ポケモンBBS」と呼ばれる掲示板のスレッドから生まれたものだといいます。それゆえに、「ワザップジョルノ」のセリフ元ネタになった投稿コメントも掲示板利用のユーザーによるネタ投稿だったのか、あるいは本気で怒ったユーザーのものであったかは未だに真相がわかっていないネットジョークらしいものが展開されています。

「ワザップジョルノ」がジョジョのファンメイド動画として話題になった原因は先述の「【悲報】ワザップの嘘裏技に騙されたクソガキ、ジョルノ・ジョバーナみたいになってしまう」というスレッドと一連の書き込みによるものが大だったと言われています。

ジョルノ・ジョバーナがどんなに激昂していても敬語でハキハキとセリフを話す癖があること、そしてミスタを卑劣ともとれる手口で下したギアッチョとの戦闘のワンシーンにぴったり尺があってしまったことなどからファンメイド動画が生まれたと言われています。そんな理由からジョルノジョバーナ役の声優「小野賢章」さんのイケボを真似た「ワザップジョルノ動画」が人気ジャンルになっていったのです。

「ワザップジョルノ」の勢いは止まりませんでした。「ワザップ！」や掲示板文化からはじまった「ワザップジョルノ」動画はそこからさらに派生し、ブチャラティの登場シーンのセリフをワザップジョルノに切り替えた「ワザップブチャラティ」、「ワザップドッピオ」など『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』に登場するキャラクターたちが「ワザップジョルノ」から派生動画をつくって楽しむなどジョジョのファンメイド動画を盛り上げていったのです。

「ワザップジョルノ」シリーズの共通点はBGMが同じであることにあります。ジョジョのかっこよく耳に残りやすいBGMを使ったファンメイド動画は多数存在し、「ワザップジョルノ」もそれにあてはまります。いったいどのBGMが使われていたのでしょうか？早速確認していきましょう！

「ワザップジョルノ」シリーズのファンメイド動画につきものになっているBGMはこちらの曲です。おそらくはジョジョラーのみならず多くのネットユーザーが一度は聴いたことのある曲ではないでしょうか？

こちらの曲は『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』のアニメで使用された「il vento d'oro」（イルベントドーロ）という曲です。「il vento d'oro」とはイタリア語で「黄金の風」を意味する言葉で、アニメ劇中でジョルノたちが逆転する際やスタンド戦の見せ場などに使用されることからファンの間では「処刑用BGM」としても愛されています。

「il vento d'oro」はアニメ版『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』のサウンドトラック『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 O.S.T Vol.1』に収録されていますので、気に入った方は是非サントラも買ってみてください！

こちらの方は「ワザップジョルノ」のファンメイド動画の元ネタとなったギアッチョ戦を再放送で観た際にワザップジョルノのせいで笑ってしまったとの感想をあげていらっしゃいます。シリアスでかつかっこいいシーンの筈がどうしても「ワザップジョルノ」が思い出されてしまうという方は多いようです。

こちらの方からは「ワザップジョルノ」でこぞって小野賢章さんの声真似をファンが動画化したせいでジョルノ役をつとめた小野賢章さんの声を聞くと「ワザップジョルノ」が思い浮かんでしまうという感想があがっています。もはや「ワザップジョルノ」とはネットミームと化しており、元となったアニメや声優さんの声にも付加価値が付与されてきているようです。

「ワザップジョルノ」は強烈なファンメイド動画のひとつですがもちろん知らないファンの方や声真似による茶化しを嫌うファンの方も存在します。面白いからと詰め寄らずにほどよく相手の嫌がらない話題の振り方をしたり、距離感を保つことがマナーとして必要と言えるでしょう。

『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』のファンメイド動画、「ワザップジョルノ」の真相についての記事はいかがでしたか？第6部にあたる『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』のアニメ化などまだまだ広がるジョジョワールドを良識をもって楽しんでいきましょう！