【二月の勝者】黒木蔵人の人物像を考察！謎多き塾講師が過去に犯した過ちとは？

中学受験を題材にした話題作「二月の勝者」の主人公的存在・黒木蔵人は、従来の塾講師らしからぬ言動が目を引く一方、彼の知られざる過去や塾外での不可解な行動など、ミステリアスなキャラクターとして注目を集めています。以下では、「二月の勝者」の謎多き塾講師・黒木蔵人が過去に犯した過ちや秘密のネタバレ考察と、黒木蔵人が通うおばあちゃんの家やSTARFISHの正体、黒木蔵人のドラマ版キャストをネタバレ紹介します。

高瀬志帆の漫画「二月の勝者」は、2017年12月～2021年7月現在にかけて、「週刊ビックコミックスピリッツ」で連載されている受験物語で、単行本は計11巻が刊行されています。「二月の勝者」は、中学受験を専門とする塾を舞台に、志望校合格を目指す生徒と、子供達を見守る保護者、彼らをサポートする塾講師の3つの視点で描かれた、新感覚の受験ものです。

リアリティ溢れる展開が幅広い世代に注目された「二月の勝者」は、2020年7月に、柳楽優弥さん主演による実写ドラマが放送予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により、放送延期を余儀なくされました。そして、2021年10月に実写ドラマの放送が決定され、大きな話題を呼びました。

御三家と呼ばれる難関中学への合格者輩出を目指す中堅塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」に、業界トップクラスの名門塾出身の黒木蔵人が転籍してきます。塾講師らしからぬ言動から、同僚の講師からの反感を買うことが多い黒木でしたが、持ち前の観察眼と頭脳を駆使して、生徒全員の成績向上と、第一志望へ合格させることを目指します。

「二月の勝者」冒頭にて、桜花ゼミナール・吉祥寺校の校長に就任した男性講師で、元は、エリート塾「フェニックス」の人気講師でした。塾講師の仕事は「サービス業」、塾に通いそうな生徒は「金脈」、高額の月謝を支払ってくれる生徒の父親を「ATM」と表現するなど、塾の利益に重点を置いた戦略を次々と打ち出すも、一部の講師から反感を買うことも少なくありません。

一方で、生徒1人1人の特性を見抜き、生徒のやる気を引き出すと共に、塾全体の成績向上を実現させていきます。また、自分のことを話さない傾向から謎多き人物とも言われ、塾外では不審な行動が見られたり、過去に犯した過ちから、性格に暗い影を落としています。

黒木蔵人が、エリート塾をやめて桜花ゼミナールに来た理由は、過去に犯した過ちが深く関わっていました。以下では、「二月の勝者」から、黒木蔵人が過去に犯した過ちや秘密をネタバレ考察しました。

桜花ゼミナール吉祥寺校に転籍する2年前、黒木蔵人は、中学受験塾のエリート校「フェニックス」の人気講師として働いており、塾の最上位クラス・サミット1を担当していました。フェニックスでは、生徒の成績に応じてクラス替えが実施され、ある日、最上位・サミット1からサミット2に落とされてしまった生徒・晶は、元のクラスに戻してもらうべく、黒木に依頼します。

晶がサミット1へ戻りたかった背景には、息子の成績に厳しい母親の存在がありました。晶の母親は、息子のテストの点数が悪いと、その度、虐待を繰り返しており、晶の腕には母親につねられた跡に、痣が出来ていました。そのため、晶がサミット1にこだわる理由は、母親に虐待されないようにするためでした。

晶からの依頼を受けた黒木は、彼の腕の痣から虐待を受けているのではと気が付いていました。そして、塾講師のタブーと分かっていても、胸騒ぎが収まらない黒木は、塾の外で晶と会い、虐待の事実を聞き取ります。晶の虐待が成績にあると知った黒木は、彼を虐待から守るために、塾の時間外も彼の指導に当たり、成績を上げさせます。

黒木の個人指導は、後に晶の母親に見つかってしまうも、後に、母親から正式に家庭教師を依頼された黒木は、晶を虐待から守る目的も兼ねて、家庭教師の仕事を引き受けました。しかし、塾講師は、生徒のプライベートに踏み入ってはいけないルールがあり、時間外に生徒の相談に乗ることや指導をする、そして、家庭教師として勉強を教えることは、タブーとされています。

黒木自身も、晶の家庭教師は塾講師としてタブーと分かりつつも、彼を守りたい一心から秘密裏に晶に勉強を教え、晶は志望校に合格を果たしました。しかし、晶が通うことになった志望校は、実は本人の意思ではなく、親の意向によるもので、本人の実力を上回るレベルの高い中学へ進学した晶は、入学早々から授業についていけませんでした。

やがて、中学校の学業についていけなくなった晶は、成績アップが見込めない「深海魚」と呼ばれる状態に陥ります。晶の成績不振は、親子関係を悪化させ、晶は部屋に引きこもるようになりました。

中学受験に成功しても、入学後は勉強についていけず、公立の中学校への転入を余儀なくされた生徒は、少なからず存在します。そして、そのような生徒の話を聞いていた黒木も、晶が学校の授業についていけなくなることを、ひそかに予想しており、それらは的中してしまいます。

中学受験と言えば、生徒も親も受験に合格することしか念頭になく、入学後のことを考えていなかったために、子供が進学後に学業で苦労するケースもあります。一方、晶と連絡を取り合っていた黒木は、晶の中学生活は上手くいっていると信じ、現実から目を背けていました。

黒木は、晶の母親と今後の進路について話し合うも、母親の決定的な一言に深く傷ついた晶は、ついに不満を爆発させます。その後、母親から連絡を受けた黒木が駆けつけると、晶の家は荒れ放題になっており、家庭崩壊が起きた後であり、母親はホテルに逃げ込んでいました。

晶の家の家庭崩壊は、塾講師のタブーを破った黒木に対する罰となり、この出来事は、黒木に暗い影を落とすことになりました。そして、家庭崩壊から2年がたった現在も、晶の引きこもり生活は続いていました。

中学受験を原因とする家庭崩壊は、少数ではあるものの、毎年どこかの家庭で起きている事実を黒木は知っており、冷静で理知的な親ほど、子供の受験に熱を入れる傾向が強く、結果、子供を追い詰めて家庭崩壊を招きました。しかし、当時は、その理由を知る由もなかった黒木は、生徒を通じて様々な家庭環境を知り、良かれと思って塾講師と家庭教師の掛け持ちをしました。

そして、晶との一件を受け、教育とは、受験とは、家庭や親子とは何か、塾講師でありながら、自分は何一つ知らなかったことを痛感します。そこで、フェニックスを辞めた黒木は、塾講師の仕事の本質や、学びとは何かを知るために、中堅塾「桜花ゼミナール」へ転籍しました。

桜花ゼミナールでも、最上位クラス・島津順の家庭を気にかけ、受験に熱くなる父親と息子の衝突を、島津の母親の電話から聞きつけ、居ても立っていられず、島津家に介入してしまいます。再び塾講師のタブーを破った黒木に、同僚たちは非難の声を浴びせるも、黒木の介入により、島津家は受験を原因とする家庭崩壊から、立ち直るきっかけを掴みます。

以下では、黒木蔵人がおばあちゃんの家に行く理由や、過去に過ちを犯した生徒との現在、風俗街にある謎のお店・STARFISHとの関係についてネタバレ考察しました。

「二月の勝者」の前半では、黒木蔵人がある人物のおばあちゃんの家に行く描写が描かれています。後に、黒木が通うおばあちゃんの正体は、黒木の過去と深い関わりのあった晶の祖母であり、晶が同居していました。進学校の授業についていけなくなり、家庭崩壊を招いてしまった晶は、その後、地元の公立中に編入し、現在は両親の元を離れ、おばあちゃんの家に身を寄せていました。

しかし、編入生ということもあり、公立中にも馴染めず、中学3年生になった現在も引きこもり生活を送っていました。黒木は、過去の過ちに対する責任から、空いた時間を利用して晶へ勉強を見ていました。晶は、心を閉ざしており、ドアを開けることもありませんが、それでも黒木は晶から答えが返ってくるまで、辛抱強く待ち続けます。

自分の過去を話さない黒木は、塾講師の間で様々な噂がささやかれ、「STARFISH」という風俗店に足を運んでいる話題が上がりました。黒木のSTARFISH行きは、桜花ゼミナールの講師の証言により浮上したもので、週3回通っていることも判明します。そして、7月のある日、コンビニから出てきた佐倉麻衣は、黒木が風俗嬢と思われる女性と会話する姿を目撃します。

その後、女性の知り合いと思われる男性に殴られ、怪我を負った黒木を介抱した佐倉は、黒木に指示され、STARFISHへ運びこみます。STARFISHは、いわゆるキャバクラの事務所であり、事務所内には、何故か、小学生向けの計算プリントがありました。黒木は、佐倉を追い出すように事務所から退去させ、STARFISHと計算プリントの関係は、謎となりました。

STARFISHは、受験まで3ヶ月に迫った11月にも登場しており、黒木のやり方に不満を持つ橘勇作は、彼の弱みを掴むべく、STARFISHへ向かいます。そして、お店の扉の前で、桜花ゼミナール御茶ノ水校に勤務する、碧山講師と遭遇します。碧山は、STARFISHと黒木の関係を知っている模様で、偶然訪れた橘を黒木の助っ人と勘違いし、彼を部屋に入れてしまいます。

また、黒木や御茶ノ水校の碧山が、STARFISHに通っていることは、桜花ゼミナールの社長・白柳徳道も把握している模様であり、事務所にあった計算プリントからは、誰かに勉強を教えていると考察されます。

以下では、2021年10月に放送予定のドラマ「二月の勝者」にて、主演・黒木蔵人を演じる俳優・柳楽優弥さんのプロフィールや主な出演作品を紹介します。

黒木蔵人のドラマ版キャスト・柳楽優弥さんは、1990年生まれ、東京都出身の俳優で、2004年公開の映画「誰も知らない」の主演に抜擢されデビューを果たします。また、映画「誰も知らない」は、第57回カンヌ国際映画祭ンペティション部門にて、史上最年少・日本人初の男優賞を受賞し、多くの話題を呼びました。2021年5月に公開された映画「HOKUSAI」にて、主演・葛飾北斎の青年役を演じています。

俳優・柳楽優弥さんの主な出演作品は、ドラマ「フランケンシュタインの恋」稲庭聖哉役、「今日から俺は!!」焔モユル役、「太陽の子」石村修役等です。また、映画「銀魂」土方十四郎役、「任侠野郎」三田村俊樹役、「ザ・ファブル」小島役、「ターコイズの空の下で」タケシ役等、幅広いジャンルの作品に出演しています。

以下では、漫画「二月の勝者」の謎多きキャラクター・黒木蔵人に関する感想や評価を、作品のネタバレを交えながら紹介します。

中学受験に縁がなかった大人世代からも注目される「二月の勝者」の人気の理由は、謎多き塾講師・黒木蔵人の強烈なキャラクター性も大きいと言われています。従来の塾講師のイメージを覆すギャップの大きさや、謎めいた私生活、風俗店で小学生レベルの勉強を教えたり、知られざる過去など、黒木蔵人のミステリアス要素の多さも、「二月の勝者」の人気に拍車をかけているでしょう。

「二月の勝者」は、黒木蔵人の衝撃的な一言から始まり、中学受験を制するには、本人の努力だけでなく、高額な塾代を支払える経済力や、自分の事のように子供の受験にのめり込む母親の狂気も必要だと訴えています。「二月の勝者」では、中学受験にかかる費用についても言及されており、黒木蔵人の名言の多くは、中学受験の本質を見抜いているでしょう。

2020年に発症が確認された新型コロナウイルスの影響により、同年7月に放送予定だったドラマ「二月の勝者」も、放送延期を余儀なくされました。一部では、ドラマ「二月の勝者」のお蔵入りを心配する声も見られましたが、2021年10月期にドラマ版の放送決定が発表され、期待が高まっています。

漫画「二月の勝者」の黒木蔵人が過去に犯した過ちや謎のネタバレ考察、黒木が通うおばあちゃんの家の正体のネタバレや、STARFISHに通う理由、黒木蔵人のドラマ俳優等をネタバレ紹介しました。従来の塾講師らしからぬ過激な言動や、STARFISHで小学生レベルの勉強を教える理由、知られざる過去など、黒木蔵人のミステリアスさも、「二月の勝者」の人気に拍車をかけています。