【風の谷のナウシカ】ナウシカのかわいい魅力と性格を考察！モデルや人気の理由は？

「風の谷のナウシカ」の主人公ナウシカは、人気の高いキャラクターの一人です。また、かわいいという声も多く挙がっています。それでは、彼女の人気の理由はどこにあるのでしょうか？ここでは、かわいい魅力や性格面、戦闘面における強い一面からひも解いていきます。また、逆にうざいという声は挙がっていないのか？モデルはいないのか？についても調べてみました。

風の谷のナウシカは、宮崎駿（みやざき・はやお）さん作のSFファンタジー作品です。1982年から1994年まで、徳間書店のアニメ情報誌「アニメージュ」の誌上にて連載されていました。1984年には宮崎さん自ら指揮を執り、劇場版アニメ「風の谷のナウシカ」が公開されました。2019年には歌舞伎化、2020年には一部の映画館で再上映されて話題になる等、長年根強い人気を持つスタジオジブリ作品の一つです。

映画アニメ版の風の谷のナウシカは、時代背景や主な登場人物は原作に当たる漫画版と同じです。しかし、漫画単行本の2巻半ばまでしか映像化されていないこともあり、物語の内容や一部の設定は変更されています。ここでは、映画版の風の谷のナウシカのあらすじを紹介します。

「火の7日間」という戦争から千年後、荒れた大地と腐海（ふかい）に覆われた世界で、風の谷に住むナウシカはのどかに暮らしていました。しかしある夜、大国トルメキアの大型飛行艇が風の谷に墜落したのを機に、風の谷はトルメキア軍の支配下に置かれます。一方、トルメキア軍に襲われた小国ペジテ市は、報復として王蟲の群れを暴走させて風の谷を襲わせようとします。はたして、ナウシカは止めることが出来るのでしょうか？

ナウシカは、風の谷の族長ジルの末娘で、16歳です。家族は他に、母と10人の兄姉がいましたが、全員腐海の毒で亡くなっています。苗字を持たないため、自身を「風の谷のナウシカ」と名乗っています。谷の子供達からは「姫ねえさま」と呼ばれ、多くの人々から慕われており、いざという時には高いリーダーシップ性も発揮しています。風使いとしての能力にも長け、風を読み、飛行具メーヴェを自由に乗りこなします。

ナウシカは腐海の森で遊ぶことを好んでおり、度々風の谷の人を呆れさせています。しかし、その腐海の胞子を持ち帰って育てたことで、腐海は汚れた大地を綺麗にするために存在しているという事を知ります。それが後に、世界の存亡とナウシカの決断に関わってくることになりますが、それは遠い先の話です。

ジブリ作品に登場する多くの主人公が女性ですが、どの主人公もかわいいと評判です。ナウシカもまた、多方面からかわいいという声が挙がっています。では、具体的にナウシカのかわいい魅力とは、どのようなところなのでしょうか？

ナウシカは、とにかく優しい性格を持っています。どんな人々にも分け隔てなく優しく接し、敬愛されています。また、蟲達とも心を通わせる優しさを持っています。その優しい性格故に、初めてキツネリスのテトと出会った際に噛まれても、されるがままにして、テトの恐怖に理解を示しています。

また、父ジルがトルメキア兵に殺害されたときに、怒りに我を忘れて兵士を手にかけてしまった後に、そんな自分に嫌悪を感じているという場面からも、いかにナウシカが優しい性格かという事が分かるでしょう。では、ナウシカの優しさの根源はどこから来るのでしょうか？

映画では描かれてはいませんが、背景には「母に愛されなかった」という事があり、それが逆に、ナウシカの母性本能や生命に対する深い愛を目覚めさせたのではないか？という推測が挙がっています。余談ですが、母性の象徴である胸ですが、ナウシカの胸が大きく描かれているのは、宮崎駿さんは「城オジやお婆さんたちなど、死んでいく人をその胸の上で抱きとめてあげるために大きい」と語っています。

死と隣り合わせの腐海のほとりで生き、風の谷の族長の娘という重責の担っているためか、ナウシカは常に優しくも凛々しい表情をしています。しかし、ユパ・ミラルダやトリウマのカイとクイとの再会の時には、あどけない心からの笑顔も見せています。多くの人が、そんなナウシカの笑顔をかわいいと評しています。激しい怒りを見せる場面もあるため、余計にあどけない笑顔がかわいいと思えるのかもしれません。

ナウシカは、優しさと共に強さも兼ね備えています。ナウシカは「腐海辺境一の剣士」と評されるユパに師事していたため、一人で複数の敵を相手に出来てしまうほどの高い剣術の腕を持っています。父ジルがトルメキア軍に襲われたときには、相手の剣に杖で対抗し、命を奪ってしまったほどです。

また、戦闘能力のある飛空艇に機関銃で襲われながらも、一人メーヴェで風の谷へ向かって飛んでいくシーンがあります。風の谷や民を守るために、自身の危険を顧みずに挑んでいきます。戦闘能力だけでなく、常に強い信念を持って行動する姿が描かれているところから、ナウシカが心も強い女性であると表していると推測されます。

品行方正なキャラクターに対しては、その性格にうざいという感想が上がる事は少なくはありません。ナウシカに対しては、うざいとはっきり述べる意見はほとんど見当たりませんが、「人間臭さがなく、聖女のようになってしまっているのが、あまり好きではない」や「子供の頃はただ、ナウシカがかわいい！と思っていたけれど、大人になったら感覚が変っていた」などの、ナウシカに対して複雑な心境を持つ声も多く挙がっています。

特にラストシーンは一度死んでよみがえるという神話的な一面もあるため、実は宮崎監督も公開後悩んでいたそうです。長年愛されている作品だからこそ、このような変化が起こるのかもしれません。

ナウシカにはモデルが存在するとされています。古代ギリシアの長編叙事詩「オデュッセイア」に登場する、スケリア島の王女「ナウシカアー」がモデルとされています。「オデュッセイア」は、イタケーの王である英雄オデュッセウスが、戦争の帰路で起きた様々な苦難を語る物語です。

オデュッセアが船の難破で海岸に漂着しているところを、ナウシカアーが助け、それをきっかけにナウシカアーはオデュッセアに好意を抱きます。しかし、オデュッセイアが妻の待つイタケーに帰りたいと願っている事を知り、想いを秘めて彼を送り出します。忘れないで欲しいと思いつつも、送り出す強い心を持つナウシカアーは、まさにナウシカのモデルと言えるでしょう。

ちなみに、ナウシカの英語綴りは「Nausicaä」です。英語ではaが重なっており、ナウシカアーと読めます。ここからもナウシカアーがモデルとなっていることが示唆されています。

ナウシカの声優を務めたのは、島本須美さんです。12月8日生まれ、高知県出身の声優です。アニメはもちろんですが、洋画では女優のキャリー・フィッシャーの吹き替え担当として、スターウォーズシリーズにも携わっています。また、女優としてもドラマに出演していた時期もあります。声優としては、第11回声優アワードで高橋和枝賞を受賞、根強い人気を誇るアニメに数多く出演しています。例えば次のような作品です。

• クラリス（ルパン三世　カリオストロの城）
• しょくぱんまん（それいけ！アンパンマン）
• 工藤有希子（名探偵コナン）
• トキ（もののけ姫）
• セーラ（小子女セーラ）
• 音無響子（めぞん一刻）

風の谷のナウシカに代表される、宮崎駿監督作品にも多数出演しています。そのきっかけは世界名作劇場シリーズ「赤毛のアン」の主役アンのオーディションの最終選考だったそうです。その時の声に、宮崎駿さんは感銘を受けたそうです。そして、監督の指名で「ルパン三世 カリオストロの城」のオーディションに参加する事になり、クラリス役となりました。この出演を皮切りに、数多くの宮崎駿作品に参加しています。

2020年のリバイバル上映で、風の谷のナウシカを始めて見た、久しぶりに見たという人も少なくなかったようです。初公開から36年たっても、根強い人気を誇る作品である事が、ここからもよく分かります。ちなみに、ナウシカだけでなく、王蟲をかわいいと思う人（特に子供）も多いようです。

中には、ナウシカがかわいそうという声もありました。笑顔や人々に対する優しさや愛情の背景には、確かに少女の自己犠牲があるのかもしれません。年を重ねるほど、考えさせられる作品なのかもしれません。

ナウシカをかわいいと思うか、うざいと思うか、かわいそうと思うか、とにかくこの映画は見る人によって様々な感情を与えてくれるようです。十人十色の考え方や感想が、ここでは紹介しきれないほどネット上には挙がっています。

今回は、風の谷のナウシカの主人公ナウシカのかわいい魅力や性格を、様々な面から考察しました。やさしくかわいい一面を持ちつつも、強い一面も持つ少女ですが、その背景には母との関係性や生命に対する愛情があるという事が分かりました。ただ、その分うざいとまではいかなくても、複雑な感情を持つ視聴者がいる事も事実です。それは、長年この作品が愛されているが故かもしれません。