2021年06月14日公開
2021年06月14日更新
【借りぐらしのアリエッティ】原作「床下の小人たち」を紹介!映画と設定が違う?
借りぐらしのアリエッティに原作本が存在しているのをご存知でしょうか?借りぐらしのアリエッティとはスタジオジブリが手掛けた長編アニメーション映画の1つで、小人の少女と人間の交流を描いた人気作品です。オリジナル作品も沢山制作してきたスタジオジブリですが、借りぐらしのアリエッティは床下の小人たちというファンタジー小説を映像化しました。今回は借りぐらしのアリエッティについて、原作本と比較して映画との違いを説明していきます。
目次
借りぐらしのアリエッティとは?
今回はスタジオジブリの長編アニメーション映画の1つ、借りぐらしのアリエッティに注目しました。スタジオジブリでは人気オリジナル作品を多数制作してきましたが、借りぐらしのアリエッティは新人監督を起用してファンタジー小説を映像化しました。そこで借りぐらしのアリエッティの作品情報や、原作本である床下の小人たちとの違いを説明していきます。
借りぐらしのアリエッティの概要
原作本である床下の小人たちと比較して違いを説明していく前に、まずは借りぐらしのアリエッティの作品情報を紹介します。借りぐらしのアリエッティは2010年に公開された長編アニメーション映画で、当時スタジオジブリ所属だった米林宏昌の初監督作品です。前売り券は前作の崖の上のポニョの売り上げ記録を超えており、わずか公開3日で動員100万人超えを達成して話題となりました。
借りぐらしのアリエッティのあらすじ
郊外の自然に囲まれた古い屋敷には、人間の生活空間から様々な物資を借りて暮らしている小人の家族がいました。ある日屋敷の主の孫である翔という少年が手術前の一時療養にやってきて、小人の少女アリエッティを発見します。人間に存在を知られてしまって困惑するアリエッティ一家とは対照的に、小人の実在を喜んだ翔は祖母や家政婦に黙って交流を図ろうとします。
借りぐらしのアリエッティの原作「床下の小人たち」を紹介
原作本である床下の小人たちと比較して違いを説明していく前に、まずは借りぐらしのアリエッティの作品情報を紹介しました。続いては原作本である床下の小人たちの結末や、借りぐらしのアリエッティとの違いに迫ります。そもそも原作本である床下の小人たちとは、一体どのような作品なのでしょうか?
借りぐらしのアリエッティの原作の本は「床下の小人たち」
わずか公開3日で動員100万人超えを達成した借りぐらしのアリエッティはスタジオジブリのオリジナル作品ではなく、床下の小人たちという小説を映像化しています。原作本である床下の小人たちはイギリスの児童向けのファンタジー小説で、小人の冒険シリーズの全5作の1つです。イギリスの図書館協会が設立した児童文学に贈られるカーネギー賞にも選ばれています。
借りぐらしのアリエッティの原作の結末
借りぐらしのアリエッティの原作本である床下の小人たちは、小人の冒険シリーズの第1作目の作品です。原作本の床下の小人たちは人間に存在を気付かれたため新居を求めて旅に出るところまでのストーリーで、野に出た小人たち・川をくだる小人たち・空をとぶ小人たちで旅中の様子が描かれています。また最終作の小人たちの新しい家では、命懸けの冒険の末に小人たちが安息出来る新居を手に入れます。
借りぐらしのアリエッティの映画と原作の違いを比較
借りぐらしのアリエッティでは、アリエッティ一家と交流を図ろうとする翔の様子が描かれていました。しかしながら原作本の床下の小人たちでは、翔の名前も明らかになっておらずとストーリーにも違いがあります。また床下の小人たちのラストには「アリエッティの『も』という字には癖があったのだが、弟にも同じ癖があったのさ」という一文があり、語り手メイの弟の作り話とも解釈出来るような構成になっています。
借りぐらしのアリエッティの原作本の作者
床下の小人たちと比較して、借りぐらしのアリエッティの映画と原作本の違いを説明しました。続いては原作本である床下の小人たちの作者を紹介します。スタジオジブリの宮崎駿が長年映像化しようと考えていた床下の小人たちの他に、どのような小説を世に送り出してきたのでしょうか?
作者はメアリー・ノートン
借りぐらしのアリエッティの原作本である床下の小人たちを執筆したのは、イギリスの小説作家のメアリー・ノートンです。メアリー・ノートンはイギリスで生まれ育ち、ライオネル・ボンシーと再婚後にアメリカへ一時的に引っ越しました。その後ニューヨークで小説の執筆を開始し、数々の名作を世に送り出しました。
メアリー・ノートンの代表作
メアリー・ノートンは1943年に「魔法のベッドノブ 魔女になれる簡単な10のレッスン(邦題:魔法のベッド南の島へ)」を発表しました。その後ベッドフォードシャー州のヒマラヤスギ荘を舞台に、小人を主人公にした「小人たちの冒険シリーズ」で高く評価されました。借りぐらしのアリエッティだけでなく「かがり火とほうき(邦題:魔法のベッド過去の島へ)」がウォルト・ディズニー・カンパニーにより映像化されています。
借りぐらしのアリエッティの登場人物一覧
床下の小人たちと比較して、借りぐらしのアリエッティの映画と原作本の違いを説明しました。続いては借りぐらしのアリエッティの登場人物を紹介します。借りぐらしのアリエッティは海外の児童向けのファンタジー小説を映像化した作品ですが、どのような性格のキャラクターが登場するのでしょうか?
アリエッティ
借りぐらしのアリエッティの主人公は、小人のアリエッティです。原作本の床下の小人たちではアリエッティ・クロックという13歳の少女という設定でしたが、借りぐらしのアリエッティでは苗字は明かされず年齢も14歳に変更されています。好奇心旺盛なアリエッティの声優は、女優の志田未来が担当しています。
ホミリー
借りぐらしのアリエッティの主人公の母親は、小人のホミリーです。原作本の床下の小人たちではホミリー・クロックという心配性の壮年女性キャラクターでしたが、借りぐらしのアリエッティでは苗字は明かされず52歳という年齢が設定されました。海が大好きでドールハウスに強い憧れを持っているホミリーの声優は、女優の大竹しのぶが担当しています。
ポッド
借りぐらしのアリエッティの主人公の父親は、小人のポッドです。原作本の床下の小人たちではポッド・クロックという一番の借り手の壮年男性キャラクターでしたが、借りぐらしのアリエッティでは苗字は明かされず61歳という年齢が設定されました。手先が器用で頼りがいのあるポッドの声優は、俳優の三浦友和が担当しています。
スピラー
借りぐらしのアリエッティにポッドの恩人として登場したのは、小人のスピラーです。原作本の床下の小人たちには登場しておらず、小人たちの冒険シリーズの第2作目である野に出た小人たちでアリエッティ一家を救いました。アリエッティを意識している野生児スピラーの声優は、俳優の藤原竜也が担当しています。
翔
借りぐらしのアリエッティで小人と交流を図ろうとしたイケメンは、人間の翔です。原作本の床下の小人たちでは名前が明らかになっておらず語り手のメイの8歳の弟という立ち位置でしたが、主要キャラクターである13歳の少し大人びた少年に設定が変更されています。キャラクターのモデルにもなった翔の声優は、俳優の神木隆之介です。
牧貞子
借りぐらしのアリエッティの舞台となる屋敷の主は、人間の牧貞子です。病弱な孫の翔を気に掛けており手術前の療養先として受け入れ、翔に小人の存在と父親の遺したドールハウスについて話をしました。良心的で穏やかな牧貞子の声優は、女優の竹下景子が担当しています。
ハル
借りぐらしのアリエッティの舞台となる屋敷の家政婦は、人間のハルです。ネズミ捕り業者を依頼したりホミリーを自ら捕獲するなど、小人たちにとっての天敵ですが悪意がある訳ではありません。小人の存在を証明しようと奔走するハルの声優は、女優の樹木希林が担当しています。
借りぐらしのアリエッティの原作に関する感想や評価
床下の小人たちと比較して、借りぐらしのアリエッティの映画と原作本の違いを説明しました。それでは最後に、借りぐらしのアリエッティの原作本に関する世間からの感想や評価を紹介します。メアリー・ノートンの床下の小人たちを知るファンからは、借りぐらしのアリエッティと原作本の違いにどのような感想や評価が寄せられているのでしょうか?
ジブリに関しては千と千尋とか、オリジナルアニメ映画がちゃんと人気だから余計に、他作品の原作が意識されないんだろうな。アリエッティとかもオリジナルだと思ってる人居そうだし。原作も良作、名作だから作品が知られるという意味では有難い話なんだろうけど、原作ファンには折り合いの難しいところ
— ひの (@hinonon) May 18, 2021
こちらは借りぐらしのアリエッティの原作本である床下の小人たちの認知度に関する感想ツイートです。スタジオジブリにはとなりのトトロや千と千尋の神隠しなど、人気のオリジナル作品が沢山あります。そのため映像作品としては成功したものの原作の存在はあまり知られておらず、原作ファンとしては複雑な心境を抱いているようです。
アリエッティとかゲド戦記のような、言葉足らずの物語を私は楽しめないのだろうな。原作読んでる人前提って作り方なのは、ハリポタみたい。
— 末吉🪓🪓 (@suekichi0000) May 9, 2021
こちらは借りぐらしのアリエッティの描き方に不満を持っている感想ツイートです。日本では床下の小人たちの認知度が低く、原作を知らずに借りぐらしのアリエッティを見るケースが大半です。中には長編アニメーション映画だけでは説明が不十分で、内容が理解し辛いと感じているという意見もあります。そのため床下の小人たちを読んでからの方が、より作品を楽しめるとも言われています。
おまかせください😆
— ゴールディー🍀子どもの本の小部屋 (@honnokobeya) October 18, 2020
ジブリの「借りぐらしのアリエッティ」原作、「床下の小人たち」シリーズを是非!アリエッティは、あの映画のあとからが面白いんです!!
こちらは借りぐらしのアリエッティの原作本である床下の小人たちに対する感想ツイートです。原作本は少年との交流だけでなく、その後の小人たちの冒険の様子も面白いと評判です。長編アニメーション映画には宮崎駿の独自の解釈であるアリエッティと翔の淡い恋物語という側面もありますが、床下の小人たちには借りぐらしのアリエッティとは違った魅力があると言われています。
借りぐらしのアリエッティの原作まとめ
床下の小人たちと比較して借りぐらしのアリエッティの映画と原作本の違いを説明しましたが、いかがでしたでしょうか?スタジオジブリの長編アニメーション映画には、借りぐらしのアリエッティ以外にも漫画や絵本を映像化している作品が沢山あります。この機会にぜひ原作本の床下の小人たちと比較しながら、借りぐらしのアリエッティをご覧になってみてはいかがでしょうか?