【風立ちぬ】お絹さんは二郎の初恋相手だった？年齢やキャラ情報を解説

こちらの記事で考察・解説していくキャラクター『お絹（おきぬ）』。当項目ではそんなお絹が登場する作品『風立ちぬ』についてご紹介していきます。風立ちぬはアニメーション映画の中でも国内外で人気を誇っている制作会社・スタジオジブリの作品です。物語は飛行機の設計技師・堀越二郎（ほりこしじろう）と、結核を患う資産家の子女・菜穂子（なおこ）の出会いと別れを描いた恋愛ストーリーとなっています。

風立ちぬの舞台は大正時代で戦争を背景とした物語ではありますが、主人公・二郎の純粋さや登場人物の雰囲気から爽やかな後味を楽しめる作品となっています。また二郎には実在のモデルが設定されており、戦闘機“零戦”を発明したことでも有名な航空技術者『堀越二郎（ほりこしじろう）』をベースに、同名小説『風立ちぬ』の作者・堀辰雄（ほりたつお）氏の人物像も混ぜ合わせたキャラクターとなっています。

映画として人気の風立ちぬですが、こちらは宮崎駿監督が模型雑誌の『モデルグラフィックス』に掲載していた漫画が原作となっています。連載当時は風立ちぬの映画化を考えていなかった宮崎駿監督ですが、スタジオジブリの代表取締役兼映画監督の鈴木敏夫（すずきとしお）氏に促され映画化を決定しました。

そんな風立ちぬの製作スタッフはジブリの人気監督としてお馴染みの宮崎駿（みやざきはやお）監督。また二郎の声優は新世紀エヴァンゲリオンの監督として有名な庵野秀明（あんのひであき）がキャスティングされています。音楽を久石譲（ひさいしじょう）氏、主題歌は荒井由実（あらいゆみ）氏が担当しています。日本国内での風立ちぬの公開日は2013年7月20日となりました。

幼い頃から飛行機に憧れを持っていた少年・堀越二郎。しかし、近眼のため飛行機乗りになれるのかと悩み続けていました。そんなある日、二郎は夢の中で飛行機の設計家・カプローニ伯爵と出会います。伯爵に「近眼でも飛行機の設計はできるか？」と質問した二郎。伯爵は彼の問いに「私は飛行機の操縦はできない。しかし飛行機は作れる」と励まし、二郎は設計技師になることを目指し始めるのでした。

こちらの記事でご紹介するキャラクター『お絹（おきぬ）』は風立ちぬに登場するヒロイン・里見菜穂子（さとみなおこ）の侍女として物語の前半に登場する人物です。お絹は資産家の里見家に仕えている身で、菜穂子のことは「お嬢さま」と呼び、震災直後には自分の身よりも菜穂子の心配をするなど良好な関係がうかがえます。

また大人になった菜穂子が二郎と再会した際には「二郎さんは私とお絹の王子様だった」と菜穂子が報告しています。しかし「震災の2日後にお絹が結婚した」という発言もあることから、二郎の初恋相手がお絹の可能性はあるにしろ、お絹が二郎に感じていた感情は恋というよりも「感謝」や「人間としての尊敬」に近いものだったと考えられます。

風立ちぬで二郎の初恋相手だという考察が多く出ているお絹。そんなお絹の年齢はいくつぐらいなのでしょうか？公式からはお絹の年齢について発表はされていません。そこでこちらの項目では、お絹が風立ちぬの物語中で何歳くらいだったのかを考察していきます。

まず参考にするのは風立ちぬの舞台。風立ちぬが大正時代の物語だということを踏まえると、当時の作家・三木露風（みきろふう）の童話『赤とんぼ』で「十五で姐や（ねえや） 嫁に行き」という歌詞があることや、22歳以上の独身女性を“行き遅れ”と揶揄する言葉が広まっていた時代であったことから、震災時のお絹の年齢は15～22歳の間の可能性が高いと考察できます。

そこからさらに他のジブリ作品のキャラクターの外見と比較すると、お絹の年齢は18歳以上の可能性が高いとみられます。そして資産家の大切な娘を任されているため成人しているのではないかとも考えられます。そのため震災時のお絹の年齢は大体20歳～22歳の間だったと考えられます。

ここからは風立ちぬの主人公・二郎の初恋の相手が、ヒロインの菜穂子ではなく、その侍女のお絹だったと考察される理由を風立ちぬのストーリーから読み解きます。まずは二郎と菜穂子・お絹たちの出会いのシーン。列車に乗った二郎が婦人に席を譲り列車の連結部分に移動した後の場面です。二郎の帽子が風で飛ばされてしまいますが、その場にいた菜穂子が見事キャッチします。

そして二郎が礼を述べ菜穂子とお絹は車内に戻りますが、その時二郎が向けていた視線は中で手を振る菜穂子ではなく、扉を閉めるお絹に対して向けられていました。宮崎駿監督は登場人物などの視線や些細な行動にも意味を持たせる演出で有名な監督。そのためこの電車での二郎の視線の意味にも深い理由があると考える方が自然なのではないかと考えられます。

考察2つめは列車での震災の2年後のシーンから考察します。二郎が学校にいると、用務員らしき人物から「若い娘さんから二郎宛てに荷物を預かった」と手渡されます。その包みを開いた二郎は震災の日にお絹の介抱に使ったものだと気づき、すぐさまその後を追いかけます。このシーンで重要なのは、二郎が思い描いた後ろ姿が菜穂子ではなくお絹のものだったこと。

もしお絹に恋心を持っていなければ、思い出すだけで追いかけたりしなかったほうが自然です。また思い出す際にも、お絹と菜穂子がセットで登場するのではないかと考察できます。そのため、このシーンは二郎にとっての初恋相手がお絹だったと視聴者に感じ取らせる演出だったと受け取ることができます。

上記の『考察①出会い』『考察②２年後のシーン』ではお絹が二郎の初恋の相手という視点で考察してきましたが、大人になった二郎と菜穂子が婚約の誓いを立てた際には二郎の口から「僕は貴女を愛しています、帽子を受け止めてくれた時から」と発せられています。もしお絹が初恋の相手だったとしたら、この言葉は嘘ということになるのでしょうか？その答えについては2つ可能性が考えられます。

1つめは「紳士の嗜みとしてのリップサービス」。こちらは平たくいえば嘘という事になってしまいますが、二郎も菜穂子も良家の家系で生まれ育った身。社交辞令が必要という場面も、時にはそれが優しさになるということも体験してきていることでしょう。そのため菜穂子を喜ばせたいという気持ちからこのセリフを言ったと考えられます。

そして2つめは「”愛”が”初恋”という意味ではない」という場合です。列車で初めて出会った時、幼いながら異国の言葉を習得し、二郎と楽しげに異国の言葉を交わした菜穂子。その時間は二郎にとって一時限りの友との戯れともいえる瞬間だった事でしょう。そういった意味では、婚約を交わした時の「愛しています」は“友愛”という意味合いでの言葉だったとも受け取ることができます。

こちらの記事でご紹介してきた風立ちぬのキャラクター・お絹の声を演じたのは『渋谷はるか（しぶやはるか）』さん。風立ちぬではアニメキャラクターの声を演じましたが、普段は主に洋画の吹き替えをされています。また声優業だけではなく舞台女優としても活躍しています。そんな渋谷はるかさんは1982年1月7日生まれの神奈川県出身。身長は157センチで劇団『文学座』に所属されています。

風立ちぬでは二郎の初恋相手だと噂されるお絹の役を演じた渋谷はるかさん。アニメ作品では他にも『ルパン三世 血の刻印』『いぬやしき』『啄木鳥探偵處』『崖の上のポニョ』などに出演されています。吹き替えでは『美女と野獣』のベル、『ER緊急救命室』のラバーン・セント・ジョン、『NCIS: ニューオーリンズ』のシドニー・ハリデイなどを演じています。

同じ列車に乗り震災の被害を受けた二郎とお絹。自分も大変なはずなのに足をけがしてしまったお絹を迷わず助けた二郎がかっこいいと、風立ちぬを見たファンの間で話題です。同じくらいの年齢同士の二郎とお絹。「もしお絹が婚約していなければ」「もし名前を教えていたら」。そんな「もしも」が起こっていれば、お絹と結ばれる結末もあったかもしれません。

風立ちぬのヒロインは菜穂子ですが、その侍女のお絹も人気のキャラクターとして話題です。まだ少女だった菜穂子の世話係の所謂サブキャラとして風立ちぬに登場したお絹ですが、そのしっかり者な部分や優しさを感じさせる人物像が素敵だと好感が寄せられています。

震災という大きな出来事のなか二郎に助けられたお絹。きっと恩人に伝えたいことはいろいろあったでしょうが、後を濁さずその場を去った行動が大人の気品を感じさせます。ヒロインの菜穂子に劣らない素敵な人柄を持ち合わせているお絹は、風立ちぬのファンの間でも人気のキャラクターのようです。

以上、風立ちぬに登場するお絹が主人公・二郎の初恋の相手なのかを考察してきました。お絹が登場したのは列車のワンシーンのみでしたが、二郎の中で印象深い人物として描かれていました。また2人の年齢が近いこともあり、初恋の相手は菜穂子ではなくお絹だった可能性が高いと考えられるでしょう。