【風立ちぬ】シベリアのシーンを考察!子供が受け取らなかった理由やセリフの意味は?

ジブリ作品の風立ちぬに登場する『シベリア』というお菓子をご存じでしょうか?"ジブリ飯"という言葉があるほど、注目されることも多いジブリ作品の食べ物たち。こちらの記事ではそんなジブリ飯の1つである風立ちぬの『シベリア』についてご紹介していきます。シベリアの特徴や風立ちぬの物語で子供に渡したシーン・セリフの意味についても考察。ジブリファンの人もジブリ飯が気になる人もこちらの記事をチェックしてみてください!

【風立ちぬ】シベリアのシーンを考察!子供が受け取らなかった理由やセリフの意味は?のイメージ

目次

  1. 風立ちぬの二郎とは?
  2. 風立ちぬのシベリアのシーンを考察
  3. 風立ちぬの二郎の声優
  4. 風立ちぬのシベリアのシーンに関する感想や評価
  5. 風立ちぬのシベリアのシーンまとめ

風立ちぬの二郎とは?

風立ちぬの作品情報

こちらの記事でご紹介するお菓子の『シベリア』。若い人には耳なじみの少ない名前のお菓子ですが、いったいどんな食べ物なのでしょうか?まずはシベリアの登場するシーンが描かれた『風立ちぬ』についてご紹介していきます。風立ちぬは日本の最も有名な映画監督の一人である宮崎駿(みやざきはやお)監督が手がけたスタジオジブリ製作の作品です。

ファンタジー色の強い作品も多い宮崎駿監督ですが、今回解説するシベリアが登場する『風立ちぬ』は現実的な世界感をテーマにした作品のひとつ。小説家・堀辰雄(ほりたつお)の同名の作品小説『風立ちぬ』から着想を盛り込み、実在の航空技師であった堀越二郎(ほりこしじろう)をモデルにした作品です。

そんな映画・風立ちぬのキャッチコピーは『生きねば。』この言葉は宮崎駿監督の名作『風の谷のナウシカ』の原作漫画のラストシーンでナウシカが口にしたセリフでもあり、ジブリファンの間では両作品の繋がりとして話題になっています。

風立ちぬの概要

スタジオジブリが製作した『風立ちぬ』はアニメーション映画として有名ですが、その原作は模型雑誌の"モデルグラフィックス"に掲載された宮崎駿監督の漫画『風立ちぬ』です。掲載当初は映画化を目的とはしておらず、趣味の一環として連載を始めました。

しかし宮崎駿監督と同じスタジオジブリの監督兼社長の鈴木敏夫(すずきとしお)氏に映画化を提案された宮崎駿監督。「映画は子供のために創るもの」という考えを持っていた宮崎駿監督は、子供向けの内容ではない風立ちぬの映画化を反対していました。しかし苦渋の決断の末、映画化の流れとなりました。

また主人公・二郎の声優として起用された庵野秀明氏は普段アニメーション監督として活躍しており、元々は「零戦が飛ぶシーンがあるなら描かせてほしい」と、作画陣として風立ちぬの製作に携わりたいと宮崎駿監督に願い入れていました。しかし庵野秀明氏の「早口」「滑舌の良さ」「凛とした存在感」という声のイメージが二郎にピッタリだということで声優として参加することになりました。

風立ちぬのあらすじ

近眼のため、無理だとは分かりつつも飛行機乗りの夢を抱いている少年・堀越二郎。ある日二郎は夢の中で飛行機の設計家・カプローニ伯爵と出会ったことをキッカケに、飛行機乗りから飛行機設計技師へ進路を変更します。数年後、有名大学で飛行機の設計学も学び夢に一歩ずつ近づいていく二郎。そんな矢先、列車での移動中二郎は関東大震災に見舞われ、ひとりの少女と出会います。

二郎のプロフィール

物語の中に登場するお菓子・シベリアが話題となっている風立ちぬ。そんな風立ちぬの主人公として立ち回るのは航空技師の青年『堀越二郎(ほりこしじろう)』。二郎は裕福な家庭の息子として生まれ育ちます。飛行機乗りの夢を持っていた二郎ですが、近眼の症状を持っていた二郎は視力の関係で飛行機乗りになることは難しいとなやんでいます。そんな時、夢の中で飛行機の設計家のカプローニと出会い、設計技師へと進路を変更。

専門の大学を経て、見事大手の設計会社へと就職します。落ち着いた性格ながらも、イジメを見かけると助けに入る勇敢な一面を持ちあわせています。また集中すると周りの声が聞こえなくなるくらい打ち込む姿も描かれています。資産家の家柄ということもあり、立ち振る舞いも常に礼儀正しく紳士です。風立ちぬの物語では度々タバコを嗜む姿が描かれており愛煙家の一面も持っています。

映画『風立ちぬ』公式サイト - スタジオジブリ

風立ちぬのシベリアのシーンを考察

考察①シベリアとは?食べ物?

風立ちぬのワンシーンで登場するお菓子『シベリア』。こちらの項目ではシベリアがどんな食べ物なのかご紹介していきます。「ナタデココ」「マカロン」「タピオカ」など、時代によって様々な種類の食べ物やお菓子がブームとなりますが、シベリアもそんな食べ物のひとつ。明治の終わり頃から大正にかけて発明され、主に昭和初期にブームとなりました。

外の生地はカステラやスポンジでできており、中の茶色い部分は羊羹でできてます。"シベリア"というその名前の由来は諸説あり、「白い生地に挟まれた茶色の部分がシベリア鉄道の列車に似ているから」「氷と土が層になっているのがシベリアの凍土の断面に見えるから」「日露戦争に関係があった人物が考案したから」など様々な意見が出ています。

考察②シベリアのシーンで二郎が話したセリフの意味

風立ちぬのあるシーンで、二郎は売店の前で親を待っている子供たちにシベリアを恵んであげようとします。家に帰った二郎は同僚の本庄にそのことを話すと、本庄は「それは偽善だ」と叱咤し、続けて「腹を空かせている子供なら、この横町に何十人もいる。はやぶさ(飛行機)の取り付け金具1個の金でその娘の家はひと月は暮らせるよ」というセリフを口にしました。

風立ちぬのモデルになった大正時代は戦争の影響もあり貧しい暮らしを強いられる人も多かった時代。しかし貧しい国であるにも関わらず、日本は他国に負けまいと飛行機を造るために資金を提供し、それを造っている二郎たちは他人に恵みを与えようと思えるほどの余裕が生まれています。

その仕組みを作ったのが自分の意思ではないとはいえ、人々が貧しい思いをする一端を握っているにもかかわらず「不憫だから」と気まぐれな優しさを与え、他人から感謝してもらおうというのは"子供たちに対して失礼であり、また持てる者のうぬぼれなのではないか"という意味が込められているのではないかと考えられるセリフです。

考察③二郎が差し出したお菓子を子供が受け取らなかった理由

二郎が善意から子供達にシベリアを恵もうとしたシーン。このシーンは困っている人を見かけ、力になろうとする素晴らしい行動のように思えますが、子供たちはなぜ受け取らなかったのでしょうか?それは『考察②シベリアのシーンで二郎が話したセリフの意味』の項目でも紹介したように、二郎が自覚していなかった"偽善"の心を子供たちが感じ取ったからではないかと考えられます。

二郎は生まれも育ちも良家の子息であり、立派な大学を出て更には一流の会社にまで就職できたいわゆる"エリート"。子供が子供の世話をし、外で長い時間親の帰りをジッと待たなければいけない境遇に立たされたことはかったと考えられます。

そのように何不自由なくこれまで過ごしてきた二郎はそんな子供たちを見て「健気」「かわいそう」と思う気持ちがあったのではないでしょうか?しかし子供たちにしてみればそれが"普通で当たり前"のこと。そんな自分にとっての"当たり前"を哀れむ上流社会の人間からの施しに、子供心ながら自尊心が傷つけられたのだと考えられます。子供の頃と変わらぬ純粋な心を持った二郎の、ある意味残酷さを表したシーンなのかもしれません。

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風立ちぬの二郎の声優

庵野秀明のプロフィール

印象的な食べ物シベリアが登場した風立ちぬ。その主人公・二郎の声を演じ多くのセリフを当てたのは庵野秀明(あんのひであき)氏です。風立ちぬでは声優として出演していましたが、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督としての印象の方が強い人も多いのではないでしょうか?

また庵野秀明氏は映像作品の監督だけではなく作詞家やアニメーター業なども手がけています。そんな庵野秀明氏は1960年5月22日の山口県生まれでA型。2002年には漫画家の安野 モヨコさんと結婚されています。

庵野秀明の出演作

風立ちぬでは声優として登場人物のセリフをあてた庵野秀明氏ですが、普段は映画やアニメの監督として活動されています。庵野秀明が監督として手がけた作品の一部を下記にご紹介しているので、アニメ好きの人はぜひチェックしてみてください。

  • ふしぎの海のナディア
  • 新世紀エヴァンゲリオンシリーズ
  • 彼氏彼女の事情
  • OVA:Re:キューティーハニー
  • シン・ゴジラ
  • シン・仮面ライダー(2023年公開予定)

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風立ちぬのシベリアのシーンに関する感想や評価

シベリアの名前の由来は不明?

風立ちぬの物語の中だけではなく、実際に存在する食べ物のシベリア。一時期ブームとなり、流行当時はどこのパン屋さんにも置かれていたほどメジャーな食べ物でした。しかし、シベリアの名前の由来は現在では不明となっており、いくつかの候補が噂されています。

シベリアを食べて二郎の気持ちを感じる風立ちぬファンの姿も

風立ちぬでその名前が広まったジブリ飯のシベリア。スーパーやコンビニによっては現在もシベリアを取り扱っている店舗もあるので、風立ちぬファンの人はシベリアを片手に二郎の気持ちを感じてみてはいかがでしょうか?

シベリアは関東で流行したお菓子

風立ちぬで登場し「懐かしい!」との声も多かったシベリアですが、シベリアが流行していたのは関東圏が中心で、関西ではあまり耳なじみのないお菓子だったようです。シベリアの正確な発祥地は不明となっていますが、1910年頃に創業した横浜のベーカリーでシベリアを販売していた記録が残っており、首都県近辺が有力ではないかと言われています。

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風立ちぬのシベリアのシーンまとめ

以上、ジブリ作品の風立ちぬに登場するお菓子『シベリア』についてご紹介してきました。シベリアはカステラやスポンジ生地の間に羊羹を挟んだ食べ物で、昭和初期にブームとなっていました。また風立ちぬでは主人公・二郎が子供に恵もうとしたシーンやその後のセリフも印象的だと話題です。まだシベリアを食べた事の無い人は、コンビニやスーパーで探して食べてみてはいかがでしょうか?

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