【ワンピース】ジェルマ王国は世界政府の加盟国？ジェルマ帝国からの歴史も考察

ワンピースに登場する国の中でも特異な存在とされているのがジェルマ王国です。今回はそんなジェルマ王国についてまとめて紹介していきます。

ジェルマ王国が登場するワンピースは1997年から週刊少年ジャンプにて尾田栄一郎先生が連載している海洋ロマン漫画です。バトル、ギャグ、感動エピソードを織り交ぜたジャンプ漫画の王道を逝く展開と個性豊かなキャラクター性が高い人気を生み続ける作品で、日本はもちろん海外でも高い人気を誇り、42以上の国と地域で翻訳版が発売される程の作品になっています。

人気と同時に実績も数多く積み重ねている作品で2015年には「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス記録にも認定されている他、国内外の出版記録を保持、現在も更新し続けてるまさに日本を代表する作品の1つになっています。

海賊王を目指して冒険を続けるルフィと彼が船長を務める麦わらの一味。トラファルガー・ローと組んだ海賊同盟により四皇カイドウを倒すべく行動する麦わらの一味はドレスローザにて一度離れ離れになる事になります。先行したサンジ達を追いかけゾウに辿り着いたルフィ達はそこでサンジがビッグマムの部下に連れ去られた事を知ります。そこで明らかになるのがサンジがジェルマ王国の王族の出身である事でした。

ジェルマ王国は新世界編で登場した国です。国といっても特定の領土を持っておらず、ワンピースの世界で唯一無二の「海洋国家」です。何十隻もの船を連結して国土としています。別名「科学の国」といわれており、「レイドスーツ」を始めとする他とは比べ物にならない科学力を有した国家になっており、ヴィンスモーク家によって治められています。

通常ワンピースの世界では基本的に島単位で国家が成立しており、それまでにも多くの国が登場していました。そんな中唯一の海洋国家であるジェルマ王国ですが、れっきとした王国として認められており、その証拠に初登場時点ではワンピース世界で170カ国以上が加盟する世界政府の加盟国に名を連ねていました。

ちなみに世界政府の加盟国には、過去にルフィ達が冒険してきた、アラバスタ王国、サクラ王国（旧ドラム王国）、ゴア王国、リュウグウ王国、ドレスローザ、作中で名前だけが登場、或いはその国の出身、関係者が登場している国としてプロデンス王国、花ノ国なども世界政府の加盟国などが名を連ねています。

そんな世界政府の一員だったジェルマ王国ですが、ワンピースの物語の中で海賊であるビックマムと手を組むという策略に出ます。しかしこの策略は当然世界政府から見れば許されざる行為であり、その結果、彼らが登場したホールケーキアイランド編以降に世界政府から除名され、直近に開催された世界会議（レヴェリー）にも当然出席する事はありませんでした。

世界会議（レヴェリー）は各国の王が集まり話し合う場であり、偉大なる航路（グランドライン）の国はもちろん、ルフィの故郷であるフーシャ村があるゴア王国なども参加しています。ジェルマ王国も少なくとも初登場時点では世界政府の加盟国であり、当然過去の世界会議（レヴェリー）には出席していたと考えられます。

事実ホールケーキアイランド編にてジャッジが「今回からはさすがに「世界会議（レヴェリー）」出席の権利は剥奪されるだろう」と発言しています。裏を返せばこれはこれまでは出席していた、少なくともその権利は持っていたとも取れる発言になっているのです。

そもそもホールケーキアイランド編のラストではジェルマ王国の軍隊であるジェルマ66はジンベエ達太陽の海賊団と共にルフィ達を逃がす為に殿を務めています。同じく殿を務めたジンベエ達の無事はワノ国編で明らかになりましたが変わらずジェルマ王国の現在については描かれていないのです。仮に世界会議（レヴェリー）に出席する権利が残っていたとしても出席できなかった可能性も高いと考察されています。

海洋国家を形成しているジェルマ王国ですがそのルーツは北の海（ノースブルー）にあります。およそ300年前には「ジェルマ帝国」と呼ばれた時期もあった事が明らかになっているのです。帝国とは複数の王国をまとめた集合体であり、ワンピースの世界の基本である「王国＝1つの島を収める国」という定義を考えると複数の島々にまたがって国家を形成していたのだと考えられます。

しかし島をまたいだ国家など長く繁栄する事はなくその栄華はわずか66日間しか続きませんでした。ファンの間では北の海（ノースブルー）の国々が謀反を起こしたのではないかと考察されています。ジャッジはその頃の栄華を取り戻す事に熱を上げており、ビックマムと手を結ぼうとしたのもその力を利用しようと考えての事でした。

ジェルマ王国の国王にしてその軍隊ジェルマ66の総帥を務めるのがヴィンスモーク・ジャッジです。王族である事に強い誇りを持ちそれ故に非常に傲慢な性格をしています。元々は科学者であり現在のジェルマ66の持つ科学力の多くが彼の力によって生み出されたものです。過去にはDr.ベガパンクやシーザーと共に研究をしていた過去も持っています。

ジェルマ帝国復活の野望と北の海（ノースブルー）の国々に復讐する事を目的としておりその力を欲してビックマムに近づく判断をしたのもジャッジです。

元ジェルマ王国の王妃にあたり、サンジ達兄弟の母親にあたるのがヴィンスモーク・ソラです。ジャッジとは対称的に子供思いの優しい性格の母親で、それ故にジャッジが子供達を人為的に操作する「血統因子」に反対、血統因子に影響を及ぼす程の劇薬を自ら飲むという抵抗をしました。その結果生まれたのがサンジであり、サンジが他の兄弟と違っているのはソラのこの行動が大きく関係しています。

ヴィンスモーク家の長女であり、ジェルマ66では「ポイズンピンク」として活動するのがレイジュです。ジャッジによって肉体改造こそ行われていますが、「感情」を持ったまま生まれた存在であり、サンジと故人のソラを除いて唯一まともな感性を持っています。毒物に冠する能力を持っており、毒を生み出したり、逆に他者の毒を吸い出したりできます。

ちなみにイチジ～ヨンジが一卵性多胎児の4兄弟であるのに対しレイジュだけは3歳年上で全員の姉になっています。

ヴィンスモーク家の長男で、ジェルマ66では「スパーキングレッド」と呼ばれているのがイチジです。赤髪が特徴的で荘厳な振る舞いと冷酷な物言いをしていますがジャッジの操作によって「感情」を持っておらず、自身の命の危機でさえ冷静に受け止めるなどしていました。この特徴はニジ、ヨンジにも共通するものになっています。火花を発する能力を持っており、目くらましや光線として利用しています。

ヴィンスモーク家の次男でジェルマ66では「デンゲキブルー」と呼ばれるのがニジです。青色の髪色が特徴的です。感情を失っていますが激情化としての一面を持ち合わせており、兄弟の中でも粗暴で短気な面が目立っています。電撃を放つ能力を持っている他、自身の姿を隠す能力や喉を掴んだ相手の声を真似る事ができる変声能力を持っています。

ヴィンスモーク家でソラの抵抗によって「落ちこぼれ」として生まれたサンジはイチジ、ニジ、ヨンジにいじめられていました。ジャッジからも息子として認知されておらず表向き死んだ事にした上で地下で監禁されるなどしています。ジェルマ王国が仕事で東の海（イーストブルー）に渡った際、レイジュの助けを受けて脱出、客船オービット号に乗り込みコック見習いとしてのサンジの生活がスタートする事になります。

余談ですが他の兄弟が着用するレイドスーツはサンジ用の物も作られており、その名前は「ステルス・ブラック」となっています。空中浮遊に加速装置を使ったロケットスタート、マントは高い防御力を持つなど高性能で、最大の特徴は周辺の形式を投影する事で可能とした「透明化」である意味サンジの夢を叶える能力になっています。

ヴィンスモーク家の四男で緑の髪が特徴的なのが、ジェルマ66では「ウインチグリーン」として活動するヨンジです。兄弟の中では特に体格に優れ、レイドスーツの能力もその身体能力を強化するようなパワー型になっている他、腕や指をロープのように伸ばす事ができる能力を持っています。

ここからは既にワンピースを視聴した人のジェルマ王国に関しての感想を紹介していきます。登場当初はビッグマムと共にサンジの運命を惑わし、自分勝手な行動しかしないジェルマ王国とヴィンスモーク家の面々は唯一の良心とも言えるレイジュを除いてはかなり低い評価になっていました。戦隊モノを彷彿とさせる姿と行動の相反する形はかなりの低評価に繋がっています。

しかしホールケーキアイランド編の終盤での活躍はその低評価を覆す程の活躍だったとする声が多く、なんか悔しいと言われるような声も多くなっています。

ワンピース本編での活躍はいい意味でも悪い意味でも目覚ましかったジェルマ王国ですがその歴史ははっきりとは描かれておらず、特にそれまでワンピースの世界に登場していなかった「帝国」という概念には驚いたとする声も多くなっています。その歴史を描いてほしいという声は非常に多く、その歴史を書く為にもホールケーキアイランド編以降の再登場が気になるとする声も多いです。

ジェルマ王国自体の評価は上記でも紹介した通りですが、ジェルマ66としての戦闘能力やその技はかっこいいという声が非常に多くなっています。ワンピースにこれまでになかった要素だけにまた活躍する姿が見たいという声も多いです。

ワンピースのジェルマ王国は世界唯一の海洋国家であり、世界会議（レヴェリー）にも参加が認められていた国家でした。海洋国家であるジェルマ王国にそのような権利が認められていた経緯などは不明で断片的に描かれた歴史からは推察できず、その歴史が気になるという声も多くなっています。

ホールケーキアイランド編以降消息が描かれていないジェルマ王国ですが、ファンの間では再登場を望む声も多くその歴史を紐解いてほしいと言われる国になっています。麦わらの一味の1人であるサンジの関係者である事から再登場は十分にありえるので今後の再登場に注目してみてはいかがでしょうか？