xxxHOLiC・戻（ホリック戻）をネタバレ！あらすじや伏線を考察

ここでは、xxxHOLiC・戻（ホリック戻）の今までのあらすじや伏線を、ネタバレつつ考察していきます。さらに、まだ単行本としては未刊行の4話分に関しても、あらすじをネタバレしていきます。なお、ネタバレとなりますので、楽しみにしている方はご注意ください。最後には読者の感想、本音も紹介していきます。その前に、まずはホリック戻の概要から紹介します。

「xxxHOLiC・戻（レイ）」は、CLAMP作の漫画で、週刊ヤングマガジンで2013年から連載されています。ホリック戻はxxxHOLiCシリーズの3作目に当たり、1作目の「xxxHOLiC」は2003年から、2作目の「xxxHOLiC・籠（ロウ）」は1作目の改題という形で2009年から連載されています。単行本はシリーズ合わせて23巻（2020年12月現在）発刊されており、シリーズ累計発行部数は1300万部を超えています。

xxxHOLiCの特徴は、「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」と物語がリンクしていることです。ホリック戻では、ツバサの「ニライカナイ編」が物語の途中までリンクしており、その関係性が要所に伏線として表れているため、感想で「ツバサも並行して読んだほうがいい」とあげる人がいるほど、物語が進行するうえで重要な役割を果たしています。

• 名前：四月一日君尋（わたぬき・きみひろ、実は偽名だが、本人は知らない模様）
• 誕生日：4月1日
• 花押：鳥の翼
• 性質：アヤカシを惹き寄せる
• 得意な事：家事全般、父親譲りの料理

ホリック戻では、「願いを叶えるミセ」の店主代理として、店で侑子と再会できる日まで待ち続けています。本来はアヤカシを引き寄せる性質を、店でのバイトの対価に消してもらうはずでした。しかし、店を継ぐためにあえてその力を受け継ぎ、現在は夢渡りの術や血の力を用いて客の願いを叶えています。実は小狼と対で生まれた存在で、小狼とは深い関係にあります。ちなみに、ワタヌキはずっと高校生の姿で過ごしています。

• 名前：壱原侑子（偽名）
• 別名：次元の魔女
• 誕生日：不明（基本的なプロフィールは一切不明）
• 花押：蝶
• 信条：この世に偶然なんてない、あるのは必然だけ

次元を渡る術を持つ強大な魔力を持つ魔女です。ミステリアスな雰囲気で、この世の理を理解しているが故に時には辛辣な発言もしますが、普段はおちゃらけてみたり、ワタヌキをからかって楽しむ一面もあります。かなりの酒豪でもあります。そんな侑子は、xxxHOLiCの最後で自分が故人である事をワタヌキに伝え、闇に消えました。そのため、ホリック籠には登場しませんが、ホリック戻ではカギを握る人物となっています。

まずは、ホリック戻の今までのあらすじを、伏線を絡めながら追っていきましょう。ネタバレとなりますので、読んでみたいと考えている方は、了承の上で進んでください。一見すると、xxxHOLiCの時に戻っている、その時代の話に見えますが、要所要所に伏線が張られています。

ワタヌキはいつもの通り、「願いを叶えるミセ」にやってきます。今日はバイトの他に、目的がありました。それは、侑子へバレンタインデーのお返しに、手作りチーズケーキを渡すこと。侑子がワタヌキに作らせて「あげた」、ケーキへのお返しでした。侑子に喜んでもらい、安堵したその時、ワタヌキの携帯が鳴りました。

携帯の相手は、寺の住職の息子の百目鬼静（どうめき・しずか）でした。電話の後、同じく侑子へのお返しとしてワインを携えて、百目鬼が店に入ってきます。彼の目的は、お返しと侑子に客を繋ぐことでした。チーズケーキとワインを楽しみながら話を聞いた侑子は、百目鬼からの依頼に応じる事にしました。

百目鬼が帰った後、依頼を受けた侑子はワタヌキと話をします。その依頼の内容は、清浄な気を持っていてアヤカシを惹きつけない百目鬼でも、対処できない物と考えられました。それから、侑子ははワタヌキに次のように語りました。「百目鬼がこの店に辿り着けたということは、縁（えにし）は繋がっている。繋がった縁は巡ってまた戻る。人の願い故に。」その言葉を聞いた時、ワタヌキは一瞬違和感を感じました。

その後、客（女性A）が店にやってきます。女性Aはカバンの中に、「2つで1組のマスコットストラップ」を持っていました。それは親友からもらった物だと言いました。後日、今度は女性Bがやってきました。女性Bも女性Aと全く同じストラップを持っており、Aとは親友で、おそろいにしたといいます。その時、ワタヌキはある事に気が付きます。それは、2人とも片方の同じマスコットだけが汚れていたのです。

実はそのストラップは呪いをかける物であり、女性Bが恨みをもって、Aに渡した物でした。汚れて壊れるほど、Aにはケガなどの災難が降りかかります。しかし、最終的にはもう一方の綺麗なマスコットの方が壊れ、首が取れてしまいました。これは、Aにかけた分の呪いがBに返ってしまったという事を表していたのです。

その後、侑子とワタヌキは、店を訪れた百目鬼とその客の事を話しました。ワタヌキが中座した時、百目鬼は何か思うことがあるかのように、「まだか？」と侑子に聞くと、「まだ」と答えます。そして、侑子は「縁に導かれて、その時は来る。人の願いのために。」と百目鬼に話します。どうやら、百目鬼はこの客が何かしらの事情につながっている事を知っているようでした。

これ以降も、様々な客が現れ、様々な出来事が起こり、ワタヌキは徐々に現状に違和感を感じ始めます。やがて、その違和感がすべてつながった時、全てを思い出します。それは、今いる世界は本来自分が存在する次元とは異なり、旅をしている小狼（しゃおらん）の願いを叶えるため、それに必要な物を集めるためにワタヌキは次元を渡った、という事でした。その時に、ワタヌキはあえて記憶を隠したのでした。

実は、初めの客のストラップの首は。必要な物の一つで、記憶が戻ったという事はすべて集め終わったことを示していました。ちなみに、百目鬼がすべてを知っていたのは、彼を見守るためについてきたからでした。現状を理解したワタヌキは、「侑子と過ごすために、ここにとどまる」か、「みんなが待つ元の場所へ帰るか」の選択を迫られます。それは、侑子にもう一度会いたいと願う彼には辛い選択でしたが、戻ることを選びます。

本来の次元に戻ったワタヌキは、再び店の店主代理として願いを叶えながら、侑子との再会を待ち続ける日々を送ります。そんなある日、座敷童（ざしきわらし）が、穢れによって「呪謌（自らを呪いの元とし、手に入れた者の願いを叶える物）」になりかかっており、それを防ぐために消えようとしている事を知ります。救う方法を模索していると、呪謌を手に入れようとしている者の中に「次元の魔女」がいるという情報を得ます。

ここからは、ホリック戻の最新話のあらすじを紹介します。52話までは単行本4巻に収録されていますが、53～56話はまだ雑誌に掲載されたきりです。53話からは「呪謌」と「次元の魔女」に関する物語が始まっていきます。

52話の最後に、ワタヌキは猫娘から「呪謌」を手に入れたいものの中に、「次元の魔女」がいるという事を聞かされます。その夜、ワタヌキは夢の中で遥に会います。ワタヌキはどうめき遥に座敷童が呪謌になろうとしていることを伝えると、遥でも一度しか見たことがないといいます。さらに、次元の魔女が手に入れようとしている事も話します。遥もワタヌキも、次元の魔女と呼ばれるのは侑子しか知らなかったのです。

「もし本当にそうだったら…」と悩むワタヌキに「誰がどうするかではなく、自分がどうしたいか」と遥は説きます。目を覚ましたワタヌキの元に、新たな客がやってきます。その姿を見て、ワタヌキは驚きました。洋装ではあったものの、そのすがたは座敷童にそっくりだったのです。そして、彼女は「最近鳥籠に閉じ込められている不思議な夢を視る」と話したのでした。

少女が訪ねてきた夜、縁側でワタヌキは百目鬼静に、座敷童とそっくりな少女が現れたことを話しました。その少女の夢に出てくる鳥籠は、ワタヌキが雨女童（あめわらし）に渡したものと同じであった事、その少女は普通の人間である事、そして少女の依頼は「不思議な夢を視る理由が知りたい」と言う事だったと話します。先に雨女童、鳥籠が同じであることは確認していましたが、何が起こっているかは分からずじまいでした。

百目鬼に話をした後、ワタヌキは一度店の奥に入ろうとします。その時、突然店に少女がやってきます。そして、「夢で蝶の帯をした、すごく綺麗で髪の長い女の人が自分を殺そうとした」とワタヌキに話しました。

少女は、帰宅後に眠くなったため、うたた寝をしていたら夢を視たと話しました。あまりにも怖がっていたため、ワタヌキは家で少し休ませることにし、夢の内容と共に、その事を百目鬼とモコナにも話しました。

しばらくして、少女の様子を見に行ったワタヌキは、苦しげなうめき声に気が付きます。障子には首を絞めている人影が写っています。障子をあけましたが、そこに人の姿はなく、苦しむ少女の姿だけがあります。また女の夢を視たという少女は、「ゆうこさんとは誰か？」とワタヌキに問いかけます。

障子に映った姿が侑子だと思ったワタヌキでしたが、待っていても探しても見つからなかった侑子の存在に動揺が隠せません。少女はモコナの体を撫でたら眠りにつきましたが、その時にモコナは「侑子の残り香」を感じました。百目鬼とモコナは、「もし本当に侑子であれば、ワタヌキは勝てない」と悟ります。少女はこのまま帰せないと判断し、店に残すことにします。ワタヌキはそんな状況の中、心の中で「侑子さん…」とつぶやきます。

CLAMP作品の中には、様々な理由により休載となったままの作品がいくつかあります。ホリック戻もそんな作品の一つで、2017年3月を最後に連載がストップしています。理由は明確にはされていませんが、最近では2016年に20周年を迎えた「カードキャプターさくら」の新編である「クリアカード編」の連載が続いたり、他にも様々な作品に携わっているため、落ち着いてからの再開となる可能性があります。

ホリック戻の4巻には、14話が収載されています。現在、4話分が掲載されているので、単行本として発行されるには約10話分必要となります。現在は無期休載の状態となっているため、5巻の発売も全くめどが立ちません。ちなみに、これまでのペースでは次巻が発刊されるまでに最長2年2か月かかっています。それも、徐々に長くなっているので、今回も気長に待つ必要がありそうです。

ホリック戻1巻のチーズケーキの話のところで、「侑子が登場して、ワタヌキも普通に学生やっているけど、過去の話？」や、「百目鬼が店に入れるようになったのは、途中からだったはず。これはいつの時の話？」、「xxxHOLiCの時には携帯を持っていなかったが、出てこなかっただけなのか？」という感想を持った人もいたようです。どれも、後から伏線となっていることがわかりますが、違和感を感じた読者は多かったようです。

概要でも紹介した感想の一つです。ホリック戻をはツバサと並行して読み解いていくことが、より楽しむことができるということを、多くの読者が感想としてつぶやいています。また、初見では理解できず、感想も述べられないという声もありました。

ワタヌキが作る食事やデザートは、時には物語上でとても重要な役割を果たす場合があります。そして、例え大きな役割はなくても、とにかく食べた人たちを幸せな気分にさせる力があるような場面が垣間見えます。そして、それは時には読者にも影響を与えるようです。ホリック戻の1話、ワタヌキが作ったチーズケーキにも食べたくなったという感想が挙がっていました。他の感想でも食べ物の話題は上がっています。

ホリック戻に関しては、感想だけではありません。ホリック戻の再開を心待ちにしている人はたくさんいるようで、「早く読みたい」や「いつになったら再開するんだろうか？」と言う声が多く聞かれます。カードキャプターさくらの連載の影響で、ホリック戻が止まっているのでは？と考える人も、少なからずいるようです。

以上、xxxHOLiC・戻（ホリック戻）のあらすじや感想を、ネタバレ含めて紹介しました。タイトルの「戻」には実は切実な願いや意味が込められていることに、気が付いた人もいるのではないでしょうか？様々な伏線が読者を惑わしてくれています。5巻に関しては、途中までの段階で推察するに、侑子とワタヌキの関係性に重要な意味を果たしてくれそうです。発売までしばらくかかりそうですが、過去の作品を読み返して待ちましょう！