2020年09月30日公開
2020年09月30日更新
【ガンダム】ジオングの足の必要性を考察!人型がバランスを取りやすい?
ガンダムシリーズの出発点となった「機動戦士ガンダム」には、従来のロボットアニメに見られるロボットとは一味違うモビルスーツと称される機体が数多く登場しています。「機動戦士ガンダム」の終盤で登場したジオングは、「足は飾り、いらない」と言われた足なしモビルスーツとして印象に残っているようです。人型を彷彿させるモビルスーツで、ジオングの足は飾りではなく必要だったのか、いらないものだったかを考察していきます。
ジオングとは?
ガンダムシリーズの概要
日本初の本格的な連続テレビアニメ「鉄腕アトム」が1952年に放送されて以降、アニメは子供向けとされていましたが、その傾向は70年代辺りから徐々に変化していき、1979年のテレビアニメ「機動戦士ガンダム」により一大転機を迎えることになります。
人間ドラマも設定もリアルさと追及した「機動戦士ガンダム」は中高生を中心に人気を獲得し、映画版3部作は爆発的ヒットとなります。「機動戦士ガンダム」の大ヒットによりその後のアニメは、日本の代表的な文化のひとつとして認知されていくようになります。
1982年公開の映画「機動戦士ガンダムⅢ」で完結した「ガンダム」は、1985年〜1987年にかけて新たな主人公を登場させ「機動戦士ガンダム」のその後を描いた「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」が登場することとなります。
それ以外にも本家「ガンダム」をから枝分かれしたテレビシリーズ、コミック、ノベライズなどの数多くのガンダムシリーズが定期的に発表され続け根強い人気を誇っているようです。さらにガンダムシリーズで登場するモビルスーツのプラモデル専門雑誌が発行されており、こちらも根強い人気を誇っているようです。
ジオングの概要
1年戦争末期の近くにジオンで開発されたニュータイプ専用モビルスーツ・ジオングは、テレビアニメ「機動戦士ガンダム」の42話と最終話43話、映画版では「機動戦士ガンダムⅢ」に登場しており完成度8割程度で足無し状態でシャアは、最終決戦の地となるア・バオア・クーに出撃することとなります。
ガンダムシリーズで語られるニュータイプとは、物語の背景となる宇宙移民時代に適応した直感能力や洞察力が鋭い人々をさすようです。ガンダムシリーズでは、ニュータイプの能力を軍事に転用したニュータイプ専用のモビルスーツが数多く開発していきます。
ジオングに限らずニュータイプ専用モビルスーツは、パイロットの直感を受信し増幅させるサイコミュシステムにより武器を独立させ攻撃することが可能となっています。ジオングのサイコミュシステムはシャアの直感を感知し、切り離し可能な両腕の指先からビームで敵を攻撃していきます。モビルスーツに必要不可欠な緊急用脱出ポッドは頭部となっており、口にあたる部分はメガ粒子砲が射出することができます。
ジオングに搭乗することになったシャアは、18機のモビルスーツと4隻の戦艦を撃墜するという赤い彗星に相応しい戦果を挙げアムロを迎え撃ちます。ガンダムVSジオングは互角の戦いの末相討ちとなり、モビルスーツがいらないアムロVSシャアのガチンコ対決に突入していきます。
ジオングの足はいらない?飾り?必要性を考察
モビルスーツに足が必要な理由
足のないジオングはガンダムシリーズの支柱となる富野由悠季監督とメカニックデザイナー・大河原邦男さんにより誕生しています。ジオングに「足は必要なのか、いらないのか」論議の中、後に富野由悠季監督は「ジオングに足は必要だった」との発言があったようです。
宇宙においてAMBAC機動で役に立つ
「能動的質量移動による自動姿勢制御」を意味するAMBAC(Active Mass Balance Auto Control)とは、ガンダムシリーズにおける架空の技術です。AMBACをざっくりと説明すると、モビルスーツが宇宙で手足を高速で動かすことにより発生する反作用を機体全体の姿勢制御に利用できるうえ、燃料が節約できるお得なシステムのようです。
AMBACはガンダムシリーズの設定考証を担当した森田繁さんが学生時代に考案しており、番組終了後の1981年に発行された「宇宙翔ける戦士達 GUNDAM CENTURY」(1981年)に掲載されています。この本の編集に携わっていた森田繁さんは、そのままアニメ業界に足を踏み入れることとなったようです。
宇宙ステーションで長期ミッションを経験したJAXA日本人宇宙飛行士・油井亀美也さんもAMBACについて肯定派であることから考察すると、架空の技術でありながらもAMBACはリアルな技術と言えるようです。
人型の兵器はバランスを取りやすい?
有人機動兵器モビルスーツのアイデアは、SF小説「宇宙の戦士」の登場する装着型のパワードスーツが原型となっているようです。現実にも人間がパワードスーツを装着して体の不自由な人の身体移動をしたり、重い荷物を軽々と持ち上げるなど用途の幅が広がりつつあるようです。
モビルスーツが人間の動きを補助するパワードスーツの流れを汲んでいることから、パイロットはモビルスーツを直感的に操縦できると言えます。「人型で直感的に動かせる信頼性」に惹かれパイロット志願したとされるシャアはクールにモビルスーツを操縦していますが、足なしジオングに困惑してしまったようです。
ジオングに足が必要だった理由
ガンタンクのように上半身のみが人型で足が無くキャタピラが付いているモビルスーツがあることから、ジオングには足はいらないとも言えますが、AMBACシステムにより「ジオングの足は飾り」発言も撤回されるかもしれません。
「足は付いていない」
「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのです」
ワンシーンながらも足なしジオングに困惑したシャアに「足は飾り」だと言い放ったジオンの整備士も、ガンダムのスピンオフ版コミック「機動戦士ガンダムC.D.A.若き彗星の肖像」で「ジオングは足がついたことでバランスがよくなった」と考えを改めたようです。
地上戦においてのモビルスーツ
初期のモビルスーツは地上では役に立たなかった?
空気抵抗と重力のある地上戦におけるザクなど初期のモビルスーツは、兵器としての威力はあるものの足を攻撃されたら身動きが取れなくなるなど、アムロの父で悲劇の天才科学者テムの魂がこもったガンダムと比べ、弱点が多かったと言えるのではないでしょうか。ザクは兵士にバズーカで撃破されたこともあることから、現代の軍事力でも十分攻撃可能と考察できます。
モビルスーツの空中戦
空中戦とは戦争映画に見られるような航空機同志による空中での戦闘となりますが、「機動戦士ガンダム」でアムロはモビルスーツで空中戦をやってのけてしまいます。モビルスーツの空中戦はガンダムだけでなく、「機動戦士Zガンダム」やそれ以降のガンダムシリーズでも描かれています。
科学的に考察すると巨大なモビルスーツが重力と空気抵抗のある地球で、機動性を保ちながら空中戦を繰り広げ、地上に降り立った後も本体にダメージはなく歩兵としても活躍することができるのは凄すことだと言えるでしょう。
パーフェクトジオングやその他の種類
パーフェクトジオングとは?
足無しジオングはその後、アニメーターの板野一郎さん(「超時空要塞マクロス」メカニック作画監督)の落書きが元となり、足が取り付けられたパーフェクトジオングが誕生していますが、宇宙では足無しジオングが完成形という意見もあるようです。漫画「プラモ狂四郎」で一躍有名となったパーフェクトジオングは商品化されています。
ガンダムのスピンオフ版コミック「機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像」で、パーフェクトジオングは一年戦争で回収されたジオングを改良版として登場しており、シャアは足が取り付けられたパーフェクトジオングの性能の高評価していたようです。パーフェクトジオングのメカニック担当は、かつてシャアに「足は飾り」と言い放ったジオンの整備士だったようです。
ジオングのその他の種類
本家ガンダムの系譜を継ぐ「機動戦士ガンダムUC」のネオ・ジオングには足はありませんが、足の相当する部分にブースターがあります。その他には、設定上のみのMSN-03ジオング、戦略シュミレーションゲーム「ギレンの野望」のオリジナル機体高機動型ジオングには足が無いようですが、Gジェネシリーズ登場するオリジナル機体MAN-03-2グレート・ジオングには足があり、多種多様なジオングが生み出されています。
ジオングの足に関する感想や評価
こんばんわ。昨日に上げたスレッガー・ロウ中尉を観てたら、そのまま「めぐりあい宇宙」を鑑賞スマスタ。
— とし104 (@toshi104nokima) December 11, 2019
やっぱしガンダムVSジオング戦は燃えます(萌え)ね(^.^) pic.twitter.com/YPTx1EH2XO
高さにおいてはガンダム18mに対し、ジオングは17mと高さにおいては大差はないのですが、ジオングは横幅があり威圧感がある外見であることから、ガンダムの方がスリムに感じられそうです。
ネタとしてRX-78-2 ガンダムvsジオングwwもはや人間では無いww pic.twitter.com/ul1ijHIUgi
— さすらいのミラーボ@色違いセレビィ二度目やろうと思う (@watahasi1) June 15, 2019
モビルスーツに興味が無い人でも「機動戦士ガンダム」においてシャアの最後の搭乗機となったジオングは、シャアのイメージカラーの赤ではなく紫となっており、さらに「足は飾り」「足はいらない」というイメージで印象に残っている人も多いことでしょう。
ジオングに足は必要か❓、そしてビグ・ザムに手はいらないか⁉️ pic.twitter.com/bi3XASUM7Z
— markn (@kuramasa6) October 1, 2016
ガンダムに続きユニコーンガンダムも実物大で展示されていたようですが、いっそのこと足なしと足なしの両ヴァ―ションで実物大のジオングを見てみたいファンもいるかもしれません。両ヴァージョンが展示されたら、「足は飾り」「足はいらない」に思いを馳せるファンも多いことでしょう。
ジオングの足まとめ
「機動戦士ガンダム」に心躍らせたリアルタイム世代の中で、いつしかモビルスーツの実用性について真剣に考察されるようになってきたようです。リアルな設定のガンダムシリーズは移り行く時代の最先端の技術を参考にしながら、「足は飾り」「足はいらない」と言われたジオングは「足は必要」と考察されたようです。